アルパカのソースを表示

{{otheruses|動物|合金|洋白}}
{{精度|「分布」|date=2009年9月}}
----
{{生物分類表
|名称 = アルパカ
|画像 = [[ファイル:Corazon Full.jpg|230px]]
|画像キャプション = '''アルパカ''' ''Vicugna pacos''
|省略 = 哺乳綱
|亜綱 = [[獣亜綱]] {{sname||Theria}}
|下綱 = [[真獣下綱]] {{sname||Eutheria}}
|下綱階級なし = <small>（未整理<ref>[[分類学]]上、未整理の[[タクソン|分類群（タクソン）]]。</ref>）</small><br />[[北方真獣類]] {{sname||Boreoeutheria}}
|上目 = [[ローラシア獣上目]] {{sname||Laurasiatheria}}
|目 = [[鯨偶蹄目]] {{sname||Cetartiodactyla}}
|亜目 = [[ラクダ亜目|ラクダ亜目（核脚亜目）]] {{sname||Tylopoda}}
|科 = [[ラクダ科]] [[w:Camelid|Camelidae]]
|亜科 = [[ラクダ亜科]] {{sname||Camelinae}}
|属 = [[ビクーニャ属]] <br />''{{sname||Vicugna}}'' {{AUY|Lesson|1842}}
|種 = '''アルパカ''' ''[[w:Alpaca|V. pacos]]''
|学名 = '''''Vicugna pacos''''' <br />{{AUY|Linnaeus|1758}}
|シノニム = ''Lama pacos'' <br />{{AU|({{AUY|Linnaeus|1758}})}}　[[#種分類|*]]
|和名 = '''アルパカ'''
|英名 = Alpaca
|生息図 = [[ファイル:Leefgebied alpaca.JPG|210px]]
|生息図キャプション = アルパカの主要な棲息地域
}}
[[ファイル:Alpacas.JPG|thumb|[[エクアドル]]で飼育されるアルパカ。4種類の毛色が揃う。]]
[[ファイル:Alpaca headshot.jpg|thumb|白・黒・茶が混じり合った体色の、アルパカの個体]]
'''アルパカ'''（[[学名]]：{{sname|Vicugna pacos}}、羊駱駝）は、[[南アメリカ大陸]]原産の[[家畜]]の一種であり、1[[種 (分類学)|種]]。[[鯨偶蹄目]][[ラクダ亜目]][[ラクダ科]]に分類される[[ビクーニャ属]]（{{sname|genus Vicugna}}）の[[タイプ (分類学)|模式種]][[ビクーニャ]]（{{sname|V. vicugna}}）からの派生種。<!-- '''パコ'''（pacos）とも呼ばれる。|何処で?_何語で?_何語に由来して?-->

極めて良質な[[毛 (動物)|体毛]]を具えており、古来、[[衣類]]を始めとする生活用品への体毛の加工利用が[[品種改良]]の目的であった。

== 生物的特徴 ==
=== 分布 ===
[[南アメリカ大陸]]原産の家畜種。ビクーニャ、[[グアナコ]]から派生したもの。
ただし、一方でアルパカとラマの間には雑種が生まれやすいにも関わらず、中間型がいないため、絶滅した野生種から生じたという説もある。
特に、南アメリカ大陸の、特に[[ペルー]]南部、また、それに接する[[ボリビア]]、[[アルゼンチン]]北部の、[[海抜]]およそ3,500 - 5,000mの[[アンデス山脈|アンデス]]湿潤高原地帯で[[放牧]]されている。[[アルゼンチン]]など南アメリカ南部にはほとんどいない。

現在は多くの場所でアルパカ牧場やペットとして飼育されている。アメリカではペットとして飼っている人も多くいる。

=== 形質 ===
[[体長]]（頭胴長）約2m、体高（肩高）約0.9 - 1.0m。体重は約50- 55kg。[[ビクーニャ]]よりやや大きく、[[グアナコ]]より少し小さい大きさである。[[時速]]40km前後の走力がある。[[妊娠]]期間は約11ヶ月で、一産一子。

上の前歯は無く、[[歯]]の代わりに硬質化した[[皮膚]]がある。下には牙のような目立つ歯が生えていて、短い草を挟んで千切って食べている。
唇がとても器用に動く。

比較的近縁の[[リャマ|リャマ（ラマ）]]<!--ラマ属ラマ種（用語統一性は無いよりあったほうが良い）-->と共通するが、[[威嚇]]・防衛のために｢つばき｣を吐きかけるという[[習性]]を持つ。このつばきには[[反芻|反芻胃]]（はんすう い）の中にある未[[消化]]状態の[[摂食・嚥下|摂食]]物も含まれており、強烈な臭いを放つ。この行動によって危害を加える可能性を持った相手を遠ざける。

常に群れをなして暮らし、現地では1年中放牧されていて、[[草]]や[[苔]]を好んで食べる。
通常時は「フェ〜」「フーンフーン」などといった鳴き方をするが、危険を感じると警戒の声を発する。<!-- その声に周りのアルパカが反応して同じ方向を向いて耳を立てて警戒する。：アルパカに特有の行動ではなく、特筆に値しない。-->

毛を利用するために品種改良された家畜であり、その毛は今日でも広く利用されている。毛の太さは12 - 28[[マイクロメートル|{{lang|el|&mu;}}m]]。アルパカの毛は刈り取るまで伸び続けるため、約2年間くらい切らずに放置しておくと地面に届くほどに伸長する。

毛色は[[茶色|茶]]・[[黒]]・[[白]]・[[灰色|ネズミ色]]の4種類（<span style="color:green">右列の画像</span>を参照）に大分されるが、さらに細かく分けると25種類ほどにもなる。アメリカ合衆国などの国では認められていない毛の色もある。

また、白色以外のアルパカの毛は染色しづらく、そのため色のあるアルパカは飼育を敬遠される傾向にあり、絶滅のおそれが指摘されている。アルパカの毛の種類は「ワカイヤ」と「スリ」の２種類がある。「ワカイヤ」はふわふわでもこもこしている毛で、「スリ」はさらさら、少しドレッドヘアのようにツイストしている。

=== 分類 ===
==== 系統分類 ====
ラクダ科の下位分類を示す。[[短剣符|†]] は「[[絶滅]]」の意。
* [[ラクダ科]] [[w:Camelid|Camelidae]]
** †絶滅5亜科 ：省略。
** [[ラクダ亜科]] {{sname||Camelinae}}
*** †絶滅5属 ：省略。
*** [[ラクダ属]] ''{{sname||Camelus}}''
**** †カメルス・ギガス ''{{sname||Camelus gigas}}''
**** †カメルス・ヘステルヌス（エステルヌス） ''{{sname||Camelus hesternus}}''
**** †カメルス・シルヴァレンス（シルワレンス） ''{{sname||Camelus sivalensis}}''
**** †[[シリアラクダ]]（[[:en:Syrian Camel|en:Syrian Camel]]）：未記載種。
**** [[ヒトコブラクダ]] ''{{sname||Camelus dromedarius}}''
**** [[フタコブラクダ|フタコブラクダ（野生種）]] ''{{sname||Camelus ferus}}''
**** [[フタコブラクダ|フタコブラクダ（家畜種）]] ''{{sname||Camelus bactrianus}}''
*** [[ビクーニャ属]] ''{{sname||Vicugna}}''
**** [[ビクーニャ]] ''{{sname||Vicugna vicugna}}''
**** '''アルパカ ''{{sname||Vicugna pacos}}'''''
*** [[ラマ属]] ''[[w:Lama (genus)|Lama]]''
**** [[リャマ|ラマ（リャマ）]] ''{{sname||Lama glama}}''
**** [[グアナコ]] ''{{sname||Lama guanicoe}}''

==== 種分類 ====
* [[ITIS]]（統合分類学情報システム）データベースでは、[[ラマ属]]の下位に分類されている。
** ラマ属　[http://www.itis.gov/servlet/SingleRpt/SingleRpt?search_topic=TSN&search_value=624943 ''Lama''  G. Cuvier, 1800]
*** '''アルパカ'''　[http://www.itis.gov/servlet/SingleRpt/SingleRpt?search_topic=TSN&search_value=625030 ''Lama pacos''  (Linnaeus, 1758)]
* [[#脚注|最下段]]<!--現行レイアウトでの便宜的リンク先-->のウィキスピーシーズも参照のこと。こちらではビクーニャ属の下位に分類。

== 人間との関わり ==
=== 文化的利用 ===
{{節stub}}<!--英語版"Background"節を参照。考古学的記述、宗教的価値および利用等に関する記述もこの節に含む。-->
[[インカ帝国]]においては高地の物資が不足しやすいと言う特性から、糞までをも燃料として使用し余すところ無く利用されていた。
また、医薬用、宗教儀式用としても使われていた。

現代では、アンデスの繁殖儀礼の儀式でアルパカの幼獣が使用されることがある。

また、アルパカの[[蹄]]（ひづめ）は、[[擬音]][[楽器]]として利用されることもある。

=== 経済的利用 ===
[[ファイル:Bolivian Alpaca.jpg|thumb|アルパカと飼育者（ポンチョをまとった[[ボリビア|ボリビア人]]男性）]]
同じアンデス地方で飼われている家畜である[[リャマ|ラマ（リャマ）]]が主に[[荷役]]に用いられるのに対して、アルパカはもっぱら[[毛 (動物)|体毛]]を利用する（cf. [[動物繊維]]）。その毛で、[[インディオ]]伝統の[[マント]]や[[ポンチョ]]、そのほかのさまざまな衣類を作り、自分達で着たり輸出したりしている。

服飾業界において「'''アルパカ'''」の名は複数の意味で用いられる。毛について言う場合、たいていは[[ペルー]]産のアルパカのものを指す。しかし、生地としてはより広く、アルパカの毛でペルーにて作られたものだけでなく、[[イタリア]]や[[イギリス]]のブリランテ（brillante. [[wikt:brillante|cf.]]）などを混ぜて作ったものも「'''アルパカ'''」と呼ばれる。

生地として最高級品質とされるのは、生まれて初めて刈り取ったアルパカの毛で作ったもので、「'''ベビー・アルパカ'''」と称される。1回の採毛量は3 [[キログラム|kg]]ほどで、隔年に刈り取りを行う。1頭のアルパカからの刈り取りは生涯で3 - 4回ほどに過ぎない<ref name = "domesticated_animals">『図説 動物文化史事典』pp.204 - 205</ref>。部位別に見ると背中の毛が価値が高く、腹、脚と地面に近くなるにつれ価値が下がっていく。

アルパカは体毛の利用が主ではあるが、荷役に用いる場合もある。しかしラマより体形が小型で、1回に運べる荷は50 kg程度でしかない<ref name = "domesticated_animals" />。

南米古来の動物で毛を用いるのは、ビクーニャおよびアルパカ、ラマおよびグアナコ<!--分類学的並びにした-->の4種である。ビクーニャとアルパカはいずれも毛が重要視されるが、アルパカの場合、毛の品質と量の点で優れており、ビクーニャは柔らかさ、きめ細かさ、希少さと高品質の点で珍重されている。グアナコの毛はビクーニャより若干劣るが、量はやや多い。

=== その他の事象 ===
[[日本]]では[[2008年]]（[[平成]]20年）、[[マスコットキャラクター]]的位置づけで株式会社[[クラレ]]の企業CMに起用されたことをきっかけとして人気に火が付いた。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{reflist}}

== 参考文献 ==
* {{Cite book | 和書 | author=J・クラットン＝ブロック | translator = 増井久代 | title=図説・動物文化史事典 | edition=初版 | date=1989-08-15 | publisher=[[原書房]] | language=日本語 | isbn=4-562-02066-0}}

== 関連項目 ==
* [[動物繊維]]
* [[エボ・モラレス]] - 現在の[[ボリビア]]大統領。アルパカの毛で編んだ[[セーター]]をトレードマークとしている。
* 日本生命[[セ・パ交流戦]] - 2012年より、大会公式マスコットとしてアルパカがモチーフのキャラクターを採用している。

== 外部リンク ==
{{Wikispecies|Vicugna pacos}}
{{Commons&cat|Vicugna pacos|Vicugna pacos}}
{{Wiktionary|en:alpaca}}
* [http://www.nasubigfarm.com/alpaca/index.html アルパカとは] - アルパカ牧場　那須ビッグファーム：日本で初めてアルパカの牧場飼育を開始した施設。輸入の経緯やアルパカの特徴など。

{{デフォルトソート:あるはか}}
[[Category:衣料]]
[[Category:家畜]]
[[Category:天然繊維]]
[[Category:ラクダ科]]