アルナーチャル・プラデーシュ州のソースを表示

{{Pathnav|世界|アジア|南アジア|[[インドの地方行政区画|インド共和国（行政区分）]]|frame=1}}
{{インド系文字}}
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! colspan="2" bgcolor="#e3e3e3" | アルナーチャル・プラデーシュ州</BR>Arunachal Pradesh
|-
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{| style="background:#fff;" border="0" cellpadding="2" cellspacing="0"
|- align=center
| [[画像:Arunachal Pradesh in India (disputed hatched).svg|200px|インド国内の位置]]<br /><small>（インド国内の位置）</small>
|}
|-
! colspan="2" bgcolor="#e3e3e3" | 基礎情報
|- valign="top"
| '''[[国家|国]]'''
| [[Image:Flag of India.svg|25px]]&nbsp;[[インド]]
|- valign="top"
| '''[[インドの地方行政区画|行政区]]'''
| <span style="line-height:1.1em;">[[アルナーチャル・プラデーシュ州]]</span>
|- valign="top"
| style="border-bottom: solid 1px #ccd2d9;" | '''州都'''
| style="border-bottom: solid 1px #ccd2d9;" | [[イーターナガル]]（Itanagar）</span>
|- valign="top"
| '''[[面積]]'''
| 83,743 [[km²]] 
|- valign="top"
| '''[[人口]]'''
| <small>（[[2001年]]）</small>
|-
| <span style="font-size:95%">&nbsp;- 合計</span>
| 1,091,117 人
|-
| style="white-space:nowrap; width:80px;" | <span style="font-size:95%">&nbsp;- [[人口密度]]</span>
| 13 人/km&sup2;
|-
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" | '''[[標準時|時間帯]]''' 
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" | <span style="font-size:80%">[[インド標準時]]（IST）[[UTC+5:30]]</span>
|-
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" | '''[[公用語]]'''
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" | [[英語]]
|-
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" | 創立
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" | [[1987年]][[2月20日]]
|- valign="top"
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" | '''[[知事]]'''
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" | S.K. シン（S.K. Singh）
|- valign="top"
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" | '''[[首相]]'''
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" | ナバム・ツキ（Nabam Tuki）
|- valign="top"
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" | [[立法機関]]<span style="font-size:80%">（議席数）</span>
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" | [[一院制]]<span style="font-size:80%">（60）</span>
|- 
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" | '''略称'''（[[ISO 3166-2|ISO]]）
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" | IN-AR
|-
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" | <span style="font-size:80%">州公式ウェブサイト</span>
| style="border-top: solid 1px #ccd2d9;" |<span style="font-size:80%"> [http://arunachalpradesh.nic.in http://arunachalpradesh.nic.in]</span>
|}
'''アルナーチャル・プラデーシュ州'''（{{lang-en|Arunachal Pradesh}}）は、主に[[ヒマラヤ山脈]]東部の[[中国]]、[[インド]]の[[中印国境紛争|国境紛争]]地帯において、インドが実効支配している領域に設置された州。[[中国語]]による[[漢字]]表記は「{{lang|zh|阿鲁纳恰尔邦}}」。

==地理==
ほぼ北海道の面積に等しい。南は[[アッサム州]]、東は[[ミャンマー]]、北は[[中国]]、西は[[ブータン]]と接する。現在[[中華人民共和国]]政府はこの州の大半の領有を主張して[[蔵南地区]]と呼んでおり、名目上、[[西蔵自治区]][[ロカ地区]]の[[ツォナ県|ツォナ・ゾン]]（錯那県）、[[ルンツェ県|ルンツェ・ゾン]]（隆子県）、[[ニャンティ地区]]の[[メトク県|メトク・ゾン]]（墨脱県）、[[ザユル県|ザユル・ゾン]]（察隅県）などの各[[ゾン]]に分割して帰属させている。

==地方行政区分==
{{main|:en:List of districts of Arunachal Pradesh}}
[[Image:Arunachal Pradesh locator map.svg|left|250px|thumb|アルナーチャル・プラデーシュ州の行政区分]]

* {{仮リンク|アンジャウ県|en|Anjaw district}} (Anjaw District)
* {{仮リンク|チャンラン県|en|Changlang district}} (Changlang District)
* {{仮リンク|東カメン県|en|East Kameng district}} (East Kameng)
* {{仮リンク|東シアン県|en|East Siang district}} (East Siang)
* {{仮リンク|クルン・クマイ県|en|Kurung Kumey district}} (Kurung Kumey)
* {{仮リンク|ローヒト県|en|Lohit district}} (Lohit District)
* {{仮リンク|低ディバン谷県|en|Lower Dibang Valley district}} (Lower Dibang Valley)
* {{仮リンク|低スバンシリ県|en|Lower Subansiri district}} (Lower Subansiri)
* {{仮リンク|パプム・パレ県|en|Papum Pare district}} (Papum Pare) - 州都[[イーターナガル]]の所在地
* {{仮リンク|タワン県|en|Tawang district}} (Tawang District)
* {{仮リンク|ティラプ県|en|Tirap district}} (Tirap District)
* {{仮リンク|上ディバン谷県|en|Dibang Valley district}} (Upper Dibang Valley)
* {{仮リンク|上スバンシリ県|en|Upper Subansiri district}} (Upper Subansiri)
* {{仮リンク|上シアン県|en|Upper Siang district}} (Upper Siang)
* {{仮リンク|西カメン県|en|West Kameng district}} (West Kameng)
* {{仮リンク|西シアン県|en|West Siang district}} (West Siang)

==歴史==
{{Seealso|{{仮リンク|7姉妹州|en|Seven Sister States}}}}

この州が位置する地方がインドの管轄下となり、中国との国境紛争地帯となった発端は、1910年代半ばに開催された'''シムラ会議'''と、ここで提示された'''シムラ協定'''にさかのぼる。

===シムラ会議の背景とシムラ協定===
[[辛亥革命]]によって[[清朝]]が滅亡し、その遺領の再編が問題になった際、[[チベット]]と[[モンゴル]]の民族政権は、「[[文殊皇帝]]」（＝清朝の皇帝）が退陣した結果、その支配下にあった中国、チベット、モンゴルなどの諸国はそれぞれ対等、別個の国家となったという立場をとり、チベット、モンゴルの二国がそれぞれ独立国家として国際承認を受けることを目指し、国際社会への働きかけに着手した。一方、漢人[[共和主義者]]たちは、自分たちがつくる共和国を、単に漢人の土地のみを国土とする漢人国家とはせず、[[清朝]]に臣属していた諸民族の分布領域を枠組とする[[中国]]を設定し、自身の共和政権を、その「中国」の「中央政府」と位置づける立場をとり、チベット、モンゴルの民族政権の服属を目指してそれぞれと戦火を交えた。この紛争を調停するべく、モンゴルにはロシア、チベットにはイギリスが後ろ盾となって開催されたのが、[[シムラ条約|シムラ会議]]（[[1913年]]-[[1914年]]）、{{仮リンク|キャフタ協定 (1915年)|en|Treaty of Kyakhta (1915)|label=キャフタ会議}}（[[1915年]][[5月15日]]）である。

この二つの会議では、チベット、モンゴルを独立国家としては承認せず、[[中華民国]]の宗主権下で完全な内政自治を行使するにとどめること、チベットの[[青海]]、[[西康]]部分、モンゴルの[[内蒙古]]部分は中国政府の統治下におかれ、チベットとモンゴルの両民族政権はそれぞれの国土の中核部分（チベットは[[西蔵]]部分、モンゴルは[[外蒙古]]部分）だけを管轄すること、などを骨子とする協定案が、それぞれまとめられた。

[[1911年]]に辛亥革命を経て清朝の主権が弱体化したことを契機としてモンゴルで独立運動が高揚し、[[モンゴル]]のハルハ地方（外モンゴル）の諸王公はロシア帝国の力を頼って清からの独立を決意し、[[1912年]]に新たに[[ボグド・ハーン政権|モンゴル国（ボグド・ハーン政権）]]が成立した。

[[1913年]]-[[1914年]]のシムラ会議では、[[ガンデンポタン]]（＝チベット政府）が内政自治権を行使する領域の境界について合意が成らず、'''[[シムラ条約]]'''の批准（[[1914年]]）はイギリス、チベットの２者のみの参加にとどまった。[[チベット]]と[[北京政府|中国（北京政府）]]の紛争を調停した'''シムラ会議'''で、イギリスの全権をつとめた[[ヘンリー・マクマホン|マクマホン卿]]は[[英領インド]]の[[アッサム]]地方とチベットとの境界をチベット側に受諾させた。これが[[マクマホンライン]]である。以後もチベットと中国との間では、しばしば戦火を交える緊張状態が続く。

[[1915年]]のキャフタ会議では、[[北京政府|中国（北京政府）]]、[[ロシア帝国]]、[[ボグド・ハーン政権|モンゴル国（ボグド・ハーン政権）]]が{{仮リンク|キャフタ協定 (1915年)|en|Treaty of Kyakhta (1915)|label=キャフタ協定}}を調印、批准して、以後この協定にもとづく安定した関係が築かれた。

===マクマホンラインに対する中国の対応と中印国境紛争===
[[マクマホンライン]]はチベット系住民の分布領域の境界より相当北方に位置するヒマラヤの嶺線付近に引かれていることから、チベットを中国の一部分だと主張する中華民国の歴代政権、中華人民共和国政府ともこのラインを中国とインドとの国境として承認することを拒否、1959～1960年にかけては、インドと中華人民共和国政府の間で武力衝突が勃発するに至っている（詳細は[[中印国境紛争]]を参照）。この紛争では、東西の紛争地帯でいずれも中国軍がインド軍を圧倒、中国は、西部紛争地域（[[アクサイチン]]地区）では自身が主張する領域に実効支配を確立する一方、東部紛争地域では、一時的には全域を確保しながら、一方的にマクマホン・ライン以北へ撤兵した。

===アルナーチャル・プラデーシュ州の成立===
インドは1954年以来、この地方を{{仮リンク|東北辺境地区|en|North-East_Frontier_Agency}}として管理してきたが、中国との武力衝突以後、この地域に対する実効支配をより強固にするため、[[インフラストラクチャー|インフラ]]の整備につとめ、[[1987年]]にはこの地に'''アルナーチャル・プラデーシュ州'''を設け、現在に至っている。

==脚注==
<references/>

==参考文献==
* {{Cite book|和書|author=水野一晴|authorlink=水野一晴|year=2012|month=3|title=神秘の大地、アルナチャル－アッサム・ヒマラヤの自然とチベット人の社会－ |publisher=[[昭和堂]]|isbn978-4-8122-1173-1|ref=水野2012}}

==関連項目==
*[[インドの地方行政区画]]
*[[チベット]]
*[[マクマホンライン]]
*[[タワング]]

== 外部リンク ==
{{Commonscat|Arunachal Pradesh}}
* [http://www.arunachalpradesh.nic.in/ アルナーチャル・プラデーシュ州政府の公式サイト]

{{インドの地方行政区画}}
{{東・東南・南アジアにおける領有権紛争}}
{{DEFAULTSORT:あるなちあるふらてしゆしゆう}}
[[Category:インドの州]]
[[Category:領有権問題]]
[[Category:中華人民共和国の領有権問題]]