アジアハイウェイのソースを表示

[[ファイル:The starting point of Asian highway Route 1,Chuo-city,Tokyo,Japan.jpg|thumb|right|180px|東京日本橋の1号線の起点に立つ[[アジアハイウェイ1号線|AH1]]の標識]]
[[ファイル:Asian highway 2 Ratchaburi.jpg|thumb|right|200px|タイ王国・ラチャブリ近郊にある2号線の標識（青地にA2）]]
'''アジアハイウェイ'''（Asian Highway Network）は、[[アジア]]の32カ国を横断する全長14万kmにわたる[[高速道路]]。主に既存の道路網を活用し、現代の[[シルクロード]]を目指して計画されているものである。[[トルコ]]からは[[欧州自動車道路]]に接続する。[[英語]]での略称は、'''AH'''。

== 経緯 ==
* 1959年：国際連合アジア極東委員会（ECAFE）により提唱された。
* 1968年：[[国際連合アジア太平洋経済社会委員会]]（ESCAP）に「AHP事務局」が設立される。
* 1988年：中華人民共和国が参加。
* 2003年11月：AH政府間協定に関する政府間会合にて日本も路線参加を表明。
* 2003年11月18日：[[バンコク]]にて「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定」が採択される<ref name="20050621kokuji">2005年（平成17年）6月21日[[外務省]][[告示]]第464号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定の効力発生に関する件」</ref>。
* 2004年4月26日：国際連合アジア太平洋経済社会委員会（ESCAP）にて関係23ヶ国が調印。日本も確定的署名を行う<ref name="20050621kokuji"/>。
* 2005年7月4日：{{KHM}}、{{CHN}}、{{JPN}}、{{MMR}}、{{KOR}}、{{LKA}}、{{UZB}}、{{VNM}}、{{RUS}}にて協定が発効<ref name="20050621kokuji"/><ref>2006年（平成18年）3月1日外務省告示第110号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のロシア連邦による確定的署名に関する件」</ref>。
* 2005年9月5日：{{ARM}}にて協定が発効<ref>2005年（平成17年）8月15日外務省告示第778号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のアルメニア共和国による批准に関する件」</ref>。
* 2005年11月16日：{{BTN}}にて協定が発効<ref>2005年（平成17年）9月28日外務省告示第975号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のブータン王国による批准に関する件」</ref>
* 2006年1月17日：{{PAK}}にて協定が発効<ref>2005年（平成17年）12月7日外務省告示第1136号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のパキスタン・イスラム共和国による批准に関する件」</ref>
* 2006年3月9日：{{GEO}}にて協定が発効<ref>2006年（平成18年）3月1日外務省告示第109号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のグルジアによる承認に関する件」</ref>。
* 2006年4月8日：{{AFG}}にて協定が発効<ref>2006年（平成18年）3月1日外務省告示第111号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のアフガニスタン・イスラム共和国による批准に関する件」</ref>
* 2006年5月17日：{{IND}}にて協定が発効<ref>2006年（平成18年）4月24日外務省告示第251号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のインドによる批准に関する件」</ref>
* 2006年6月11日：{{THA}}にて協定が発効<ref>2006年（平成18年）4月24日外務省告示第252号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のタイ王国による批准に関する件」</ref>。
* 2006年7月8日：{{TJK}}にて協定が発効<ref>2006年（平成18年）6月13日外務省告示第319号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のタジキスタン共和国による批准に関する件」</ref>。
* 2006年11月3日：AH-7、AH-48、AH-63、AH-65の経路の一部が改定される<ref>2006年（平成18年）9月27日外務省告示第557号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定の附属書の改正に関する件」</ref>。
* 2006年11月28日：{{KGZ}}にて協定が発効<ref>2006年（平成18年）10月17日外務省告示第582号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のキルギス共和国による批准に関する件」</ref>。
* 2008年1月30日：{{KAZ}}にて協定が発効<ref>2008年（平成20年）1月18日外務省告示第41号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のカザフスタン共和国による承認に関する件」</ref>。
* 2008年3月17日：{{PHL}}にて協定が発効<ref>2008年（平成20年）2月7日外務省告示第86号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のフィリピン共和国による批准に関する件」</ref>。
* 2008年7月9日：{{LAO}}にて協定が発効<ref>2008年（平成20年）5月27日外務省告示第298号「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定のラオス人民民主共和国による批准に関する件」</ref>。

== ルート ==
主要幹線ルートとして、以下のような8本のルートがある。
[[ファイル:Asian Highways.png|thumb|right|300px|アジアハイウェイのルート図]]
; [[アジアハイウェイ1号線|AH-1]]（延長：20,710km）
: [[東京都|東京]]（Tokyo・起点）、[[福岡市|福岡]]（Fukuoka）、[[釜山広域市|釜山]]（Busan）、[[ソウル特別市|ソウル]]（Seoul）、[[平壌]]（Pyongyang）、[[北京市|北京]]（Beijing）、[[長沙]]（Changsha）、[[広東]]（Gangdong）、[[ハノイ]]（Hanoi）、[[ホーチミン市|ホーチミン]]（Ho Chi Minh City）、[[プノンペン]]（Phnom Penh）、[[バンコク]]（Bangkok）、[[ヤンゴン]]（Yangon）、[[インパール]]（Imphal）、[[ダッカ]]（Dhaka）、[[コルカタ]]（Calcutta）、[[ニューデリー]]（New Delhi）、[[イスラマバード]]（Islamabad）、[[カーブル]]（Kabul）、[[テヘラン]]（Tehran）、[[アンカラ]]（Ankara）、[[イスタンブル]]（Istanbul）、[[カプクレ]]（[[トルコ]]、[[ブルガリア]]国境・終点）
; [[アジアハイウェイ2号線|AH-2]]（延長：10,711km）
: [[デンパサール]]（Denpasar [[インドネシア]]・起点）、[[スラバヤ]]（Surabaya）、[[ジャカルタ]]（Jakarta）、[[シンガポール]]（Singapore）、[[クアラルンプール]]（Kuala Lumpur）、[[バンコク]]（Bangkok）、[[チェンライ]]（Chiang Rai）、[[マンダレー]]（Mandalay）、インパール（Imphal）、ダッカ（Dhaka）、[[ヘタウダ]]（Hetauda）、ニューデリー（New Delhi）、[[ラホール]]（Lahore）、[[クエッタ]]（Quetta）、テヘラン（Tehran）、[[コスラヴィ]]（[[イラン]]・終点）
; [[アジアハイウェイ3号線|AH-3]]（延長：6,286km）
: [[ウラン・ウデ|ウランウデ]]（Ulan-ude [[ロシア連邦]]・起点）、[[ウランバートル]]（Ulan Bator）、北京（Beijing）、[[天津市|天津]]（Tianjin）、[[上海市|上海]]（Shanghai）、長沙（Changsha）、[[昆明]]（Kunming）、チェンライ（Chiang Rai）・{{仮リンク|ケントゥン|en|Kengtung|label=キャイントン}}（[[タイ王国|タイ]]、[[ミャンマー]]・終点）
; [[アジアハイウェイ4号線|AH-4]]（延長：4,811km）
: [[ノボシビルスク]]（Novosibirsk ロシア連邦・起点）、[[ホブド]]（Hovd）、[[ウルムチ]]（Urumqi）、[[カシュガル]]（Kashi）、イスラマバード（Islamabad）、ラホール（Lahore）、[[カラチ]]（Karachi [[パキスタン]]・終点）
; [[アジアハイウェイ5号線|AH-5]]（延長：9,842km）
: 上海（起点）、[[南京市|南京]]（Nanjing）、[[西安]]（Xian）、[[蘭州]]（Lanzhou）、ウルムチ（Urumqi）、[[アルマトイ]]（Almaty）、[[ビシュケク]]（Biskek）、[[タシケント]]（Tashkent）、[[アシガバート]]（Ashkhabad）、[[トルクメンバシ (都市)|トルクメンバシ]]（Turkmenbasi）、[[バクー]]（Baku）、[[トビリシ]]（Tbilisi）、イスタンブル（Istanbul）、カプクレ（トルコ、ブルガリア国境・終点）
; [[アジアハイウェイ6号線|AH-6]]（延長：10,407km）
: 釜山（Pusan・起点）、平壌（Pyongyang）、[[ウラジオストク]]（Vladivostok）、[[ハルビン]]（Harbin）、[[イルクーツク]]（Irkutsk）、ノボシビルスク（Novosibirsk）、[[オムスク]]（Omsk）、[[チェリャビンスク]]（Chelyabinsk）、[[モスクワ]]（Moscow）、[[クラスノエ]]（ロシア連邦、[[ベラルーシ]]国境・終点）
; [[アジアハイウェイ7号線|AH-7]]（延長：4,776km）
: [[エカテリンブルク]]（ロシア連邦、起点）、チェリャビンスク（Chelyabinsk）、[[アスタナ]]（Astana）、[[オシ]]（Osh）、[[タシケント]]（Tashkend）、[[ドゥシャンベ]]（Dushanbe）、カーブル（Kabul）、[[ヘラート]]（Herat）、クエッタ（Quetta）、カラチ（Karachi パキスタン・終点）
; [[アジアハイウェイ8号線|AH-8]]（延長：4,435km）
: [[トルピュノブカ]]（ロシア連邦、[[フィンランド]]国境・起点）、[[サンクトペテルブルク]]（Sankt-Peterburg）、モスクワ（Moscow）、[[アストラハン]]（Astrakhan）、[[マハチカラ]]（Makhachikara）、バクー（Baku）、テヘラン（Tehran）、[[バンダレ・エマーム]]（イラン・終点）
=== 路線番号 ===
路線番号の付与方法は以下のとおり<ref>アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定 付属書Ⅰ</ref>。
* 「アジアハイウェイ」を表す「AH」から始まり、一桁、二桁または三桁の番号がこれに続く。
* 1から9までの一桁の路線番号は、二以上の小地域を実質的に通過するアジアハイウェイの路線に割り当てる。
* 二桁および三桁の路線番号の組は、小地域内のアジアハイウェイの路線（隣接する小地域につながるものを含む。）および加盟国内にある道路の路線を示し、以下のとおり割り当てる。
** 10から29までおよび100から299までは、[[ブルネイ・ダルサラーム国]]、[[カンボジア]]、[[インドネシア]]、[[ラオス人民民主共和国]]、[[マレーシア]]、[[ミャンマー]]、[[フィリピン]]、[[シンガポール]]、[[タイ王国|タイ]]および[[ベトナム]]を含む[[東南アジア]]の小地域に割り当てる。
** 30から39までおよび300から399までは、[[中国]]、[[朝鮮民主主義人民共和国]]、[[日本国]]、[[モンゴル]]、[[大韓民国]]、[[ロシア連邦]]（[[極東]]）を含む[[東アジア]]および[[北東アジア]]の小地域に割り当てる。
** 40から59までおよび400から599までは、[[バングラデシュ]]、[[ブータン]]、[[インド]]、[[ネパール]]、[[パキスタン]]および[[スリランカ]]を含む[[南アジア]]の小地域に割り当てる。
** 60から89までおよび600から899までは、[[アフガニスタン]]、[[アルメニア]]、[[アゼルバイジャン]]、[[グルジア]]、[[イラン・イスラム共和国]]、[[カザフスタン]]、[[キルギス]]、[[ロシア連邦]]、[[タジキスタン]]、[[トルコ]]、[[トルクメニスタン]]および[[ウズベキスタン]]を含む[[北アジア]]、[[中央アジア]]および[[南西アジア]]の小地域に割り当てる。

== 関係国 ==
※アルファベット順。なお（ ）内は各国におけるハイウェイの延長距離（単位km、総延長141,714km）

{{AFG}}（4,247）、{{ARM}}（958）、{{AZE}}（1,442）、{{BGD}}（1,806）、{{BTN}}（1）、{{KHM}}（1,340）、{{CHN}}（26,699）、{{PRK}}（1,320）、{{GEO}}（1,154）、{{IND}}（11,432）、{{IDN}}（4,115）、{{IRN}}（11,218）、{{JPN}}（1,108）、{{KAZ}}（13,189）、{{KGZ}} （1,695）、{{LAO}} （2,318）、{{MYS}}（1,595）、{{MNG}}（4,286）、{{MMR}}（3,003）、{{NPL}}（1,321）、{{PAK}}（5,377）、{{PHL}}（3,517）、{{KOR}}（907）、{{RUS}}（16,869）、{{SGP}}（19）、{{LKA}}（650）、{{THA}}（5,101）、{{TJK}}（1,925）、{{TUR}}（5,254）、{{TKM}}（2,204）、{{UZB}}（2,966）、{{VNM}}（2,678）

== 日本におけるアジアハイウェイ ==
[[国土交通省]]は、[[2005年]]「アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定」が発効したことを受け、協定に規定されたアジアハイウェイに係る標識を、順次設置することを発表している<ref>[http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000111.html アジアハイウェイ道路網に関する政府間協定に基づく標識の設置について] 国土交通省 2010年6月22日</ref>。

[[日本橋 (東京都中央区)|日本橋]]を起点<ref>[http://www.mlit.go.jp/road/sign/sign/asian_highway/index.htm アジアハイウェイの標識について]  国土交通省</ref>とし、東京-福岡間の[[首都高速道路]]、[[東名高速道路]]、[[名神高速道路]]、[[中国自動車道]]、[[山陽自動車道]]、[[広島岩国道路]]、[[関門自動車道]]、[[九州自動車道]]、[[福岡都市高速道路]]の高速道路が[[アジアハイウェイ1号線|AH-1]]に編入された。

== 参考文献 ==
* 山内洋隆著「遥かなるアジアハイウェイ」JETROレポート、2004年。
: 文献内で引用されているUNESCAPのデータ。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
* [[パンアメリカンハイウェイ]]
* [[アジア横断鉄道]]
* [[欧州自動車道路]]

== 外部リンク ==
{{Commonscat|Asian Highway Network}}
* [http://www.unescap.org/ttdw/index.asp?MenuName=AsianHighway About the Asian Highway] {{en icon}} - [[国際連合]][[アジア太平洋経済社会委員会]]
* [http://www.mlit.go.jp/kokusai/kokusai_tk3_000072.html アジアハイウェイ・プロジェクトの概要] - [[国土交通省]]総合政策局
* [http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/inter/kokusai/AH2005/index.html アジアハイウェイとは] - 国土交通省総合政策局
* [http://www.mlit.go.jp/road/sign/sign/asian_highway/index.htm アジアハイウェイ標識] - 国土交通省[[道路局]]
* {{PDFLink|[http://www.jcci.org.sg/storefront/members/monthly_report/pdf/09-2004/s-03.pdf 遥かなるアジアハイウェイ]}} <small>{{PDFLink|[http://web.archive.org/web/20051228202707/http://www.jcci.org.sg/storefront/members/monthly_report/pdf/09-2004/s-03.pdf (Internet Archiveによるコピー)]}}</small>

{{アジアハイウェイ}}

{{デフォルトソート:あしあはいうえい}}
[[Category:アジアハイウェイ|*]]
[[Category:地政学]]