アイスランド語のソースを表示

{{Infobox Language
|name=アイスランド語
|nativename=íslenska
|pronunciation={{IPA-is|is(t)lɛnska|}}
|familycolor=インド・ヨーロッパ語族
|states={{ISL}}
|region=[[ヨーロッパ]]
|speakers=30万人
|rank=
|fam1=[[インド・ヨーロッパ語族]]
|fam2=[[ゲルマン語派]]
|fam3=[[北ゲルマン語群]]
|fam4=西スカンジナビア諸語
|script=[[ラテン文字]]
|nation={{ISL}}
|agency= [[アイスランド語協会|Íslensk málstöð]] [http://www.ismal.hi.is/malsten.htm (The Icelandic Language Institute)]
|iso1=is
|iso2=isl
|iso3=isl
}}
'''アイスランド語'''は[[インド・ヨーロッパ語族]][[ゲルマン語派]][[北ゲルマン語群]]に属する[[言語]]。使用範囲は[[アイスランド]]のみで、使用人口は約30万人。

アイスランドを「氷島」と表記することから「氷島語」略して「氷語」や「氷」とも言う。

9世紀にノルウェーから移住した[[ヴァイキング]]がもたらしたものであり、他の北ゲルマン語（[[デンマーク語]]・[[ノルウェー語]]・[[スウェーデン語]]）の中ではノルウェー語と一番近い。

他の北ゲルマン語が失った3性（他の北ゲルマン語は両性名詞（共性名詞）と中性名詞だけ）や格変化などを保持し、また[[格変化]]などの必要性により、[[英語]]や[[フランス語]]などからの借用語を極力排しているため、古風な色合いを強く残している。

== 歴史 ==
アイスランド語の歴史は、[[ヴァイキング]]の一派である[[ノース人]](及び[[ブリテン島]]や[[アイルランド]]の[[ケルト人]])が[[アイスランド]]に初上陸し、その後定住し始めた[[874年]]に始まる。当時のノース人は北ゲルマン語の1つである[[古ノルド語]]の西方言（古西ノルド語）を話しており、これが言語の歴史的変化によって古アイスランド語、そして現代アイスランド語と呼ばれるものへと変化していったものである。

ただ、中世から言語が変化してきたとはいえ、音韻を除けばほとんど変化しておらず、特に文法の基本構造にいたっては何一つ変化していない。そのため、現代のアイスランド人は、現代と中世における言葉遣いの違いを少し把握しさえすれば、中世に古ノルド語及び古アイスランド語により編纂された[[エッダ]](Edda, 北欧ゲルマン神話や英雄伝を題材とした詩歌の[[口承文学]])及び[[サガ]](saga, 主に当時のヴァイキングによる歴史的活動を[[年代記]]風にした[[散文]]形式の口承文学)が読解できるといわれる<ref>[[森田貞雄]]「アイスランド語」[[小学館]]『[[日本大百科全書]]』（[http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E8%AA%9E/ Yahoo!百科事典]）</ref>。これらの古典作品は[[文学]]的に大きな価値があるだけでなく、[[言語学]]・[[歴史学]]・[[文化人類学]]などの分野においても貴重な資料である。

このようなアイスランド語の保守性は、ルーツを同じく[[古ノルド語]]とする大陸の北ゲルマン諸語(デンマーク語・ノルウェー語・スウェーデン語)と比べると顕著であり、大陸の諸言語が揃って[[動詞]]の[[人称変化]]や名詞の[[ディクレンション|曲用]]（[[格変化]]）などの複雑な文法的性質を失っていった（[[屈折語|屈折性]]の退化）のに対し、孤島の言語という地理的要因によりアイスランド語は大陸諸語のような変化を被らず、古ノルド語のもっていた文法の複雑性をそのまま保存している。

現代では、言語の保守性を保つなどの理由により、海外から続々とやってくる外国語の語彙に対してできるだけ[[外来語]]として吸収しようとせず、語彙を意訳した上での造語がよく行われている。例えば[[テレビ]]を意味する "sj&oacute;nvarp" は、英語 television などからの外来語ではなく、sj&oacute;n (「風景」「見ること」、英語：sight)と verpa (投げる)からなる造語であり、「投影機」と意訳してできたものである。

なお、現代のアイスランド語において方言差はほとんど認められない。強いて挙げるとすれば、[[若者言葉]]という[[言語変種|社会方言]]がある程度であるといわれている。

== 表記 ==
[[ラテン文字]]を用いる。母音字母には、[[アキュート・アクセント|アクセント記号]]、[[リガチャ]]、または[[ウムラウト]]の付加により改造した字母も含まれている(ただし、アイスランド語におけるアクセント記号はアクセントを表すものではなく、母音の長母音化または二重母音化を表す)。Dに短い横棒の加わった [[Ð]] はその文字の名をエーズ(eð, 発音: {{ipa|ɛːð}})とよび、[[国際音声記号]] (IPA) でいう {{ipa|[[有声歯摩擦音|ð]]}} (有声歯摩擦音)を表す。また、[[Þ]](小文字：þ)は、中世に北欧で使用されていた[[ルーン文字]]の内の一字母「[[ソーン]]」(thorn)を借用したまま現代に至るまで使用され続けてきたものである。現代アイスランド語における "Þ" の文字名は þorn (発音: {{ipa|θɔtn}})であり、{{ipa|[[無声歯摩擦音|θ]]}}の音素を表す。なお、c, q, w の3文字は外来語や固有名詞にのみ使用される。z は1974年まで使用されていたが、現在は廃止され、外来語の他に古語でまれに用いられる。
{{アイスランド語アルファベット}}

入植してきた頃の初期のアイスランド人は文字を持たなかったが、[[11世紀]]にアイスランドに[[キリスト教]]が流入したことによりラテン文字が使用されはじめた。前述のエッダやサガなどは文字の流入より1～2世紀後に編纂され始めたものである。

== 話者について ==
現在アイスランド語話者は約30万人おり、その内大多数は[[アイスランド]]に居住している。他には[[デンマーク]]・[[ノルウェー]]・[[カナダ]]・[[アメリカ合衆国]]にそれぞれ数千人程度の話者が居住・移住している。

現在アイスランドでは、[[小学校]]にて自国語の他に[[英語]]及び、旧宗主国であった国の言語であるデンマーク語が教科として教育されており、そのためアイスランド人はこれらの言語も多少話せる。

[[Image:Icelandic Patronyms.svg|thumb|310px|アイスランド人名の例：名前の後には、「父親の名＋息子（娘）」という形で名付けられる。アイスランド人名に[[姓]]はない。]]
アイスランド人の言語慣習について特筆すべきことの1つとして、アイスランド人名に[[姓]]、換言すれば[[苗字]]が無いことが挙げられる。人名は通常「[[人名]]（ファーストネーム） + [[父称]]」のように名付けられる。父称とは、「父親の名の[[属格]]形 + 息子（あるいは娘）」という形をとる。例えば世界的に有名な[[シンガーソングライター]]である[[ビョーク]]の本名 “Björk Guðmundsdóttir” は、ファーストネームは一般の西欧人と同様に “Björk” であるが、その次は 「“Guðmund” の娘 (dóttir)」と続いている（”Guðmunds”は属格形）。また、男性名の場合、父親名（の属格形）に “-son” （「息子」の意の “sonur” と同語源）を付けて父称とする。例を挙げると、[[画家]]の[[エイナル・ハウコナルソン]] “[[:en:Einar Hákonarson]]” の名の父称部分は「"Hákon”（属格形 Hákonar）の息子」となっている。ただし、外国人を祖先にもつ人には必ずしも適用されておらず、一例を挙げると、父がノルウェー人である[[アイスランドの首相|アイスランドの前首相]][[ゲイル・ホルデ]]の本名は “Geir Hilmar Haarde” であり、ラストネームが ”-son” で終わっていないため姓であることが分かる。アイスランドでのこのような慣習は、中世のある時期まで北方ゲルマン民族では一般的だったが、大陸では後に姓を付けるようになり、孤島のアイスランドだけが現代まで変えることなく受け継いできた。なお、元々姓を持たないアイスランド人には、[[婚姻]]により氏名を変更するようなことは（外国人と婚姻する場合を除き）ない。つまり、家族内でも同性兄弟の場合のみ、同じ父称であり、例えば父・母、兄、妹という組み合わせの家族であれば、全て違う父称となることが通例である。

== 音韻 ==
=== [[母音]] ===
{| border="1" frame="box" rules="all" class="wikitable" style="text-align:center"
|-
! rowspan="2"|
! colspan="2"|[[前舌母音|前舌]]
! colspan="2"|<!--(準前舌)-->
! rowspan="2"|[[中舌母音|中舌]]
! colspan="2"|[[後舌母音|後舌]]
|-
! [[非円唇母音|非円唇]]
! [[円唇母音|円唇]]
! 非円唇
! 円唇
! 非円唇
! 円唇
|-
![[狭母音|狭]]
|class="IPA" style="font-size:120%"|[[非円唇前舌狭母音|i]]
|class="IPA" style="font-size:120%"|[[円唇前舌狭母音|y]]
|
|
|
|
|class="IPA" style="font-size:120%"| [[円唇後舌狭母音|u]]
|-
!<!--(準狭)-->
|
|
|class="IPA" style="font-size:120%"|[[非円唇前舌め広めの狭母音|ɪ]]
|class="IPA" style="font-size:120%"| [[円唇前舌め広めの狭母音|ʏ]]
||
|
|class="IPA" style="font-size:120%"|[[円唇後舌め広めの狭母音|ʊ]]
|-
![[半狭母音|半狭]]
|class="IPA" style="font-size:120%"|[[非円唇前舌半狭母音|e]]
|
|
|
|
|
|class="IPA" style="font-size:120%"| [[円唇後舌半狭母音|o]]
|-
![[半広母音|半広]]
|class="IPA" style="font-size:120%"|[[非円唇前舌半広母音|ɛ]]ː
|class="IPA" style="font-size:120%"|[[円唇前舌半広母音|œ]]
||
||
||
|
|class="IPA" style="font-size:120%"| [[円唇後舌半広母音|ɔ]]
|-
![[広母音|広]]
|class="IPA" style="font-size:120%"|[[非円唇前舌広母音|a]]
|
|
|
|
|
|
|}

=== [[子音]] ===

{| class="wikitable" style="text-align: center;"
|-
!
! colspan="2" | [[両唇音|両唇]]
! colspan="2" | [[唇歯音|唇歯]]
! colspan="2" | [[歯音|歯]]
! colspan="2" | [[歯茎音|歯茎]]
! colspan="2" | [[硬口蓋音|硬口蓋]]
! colspan="2" | [[軟口蓋音|軟口蓋]]
! colspan="2" | [[声門音|声門]]
|-
! [[鼻音]]
| style="border-right: 0;" | {{IPA|m̥}} || style="border-left: 0;" | {{IPA|m}}
| style="border-right: 0;" | &nbsp; || style="border-left: 0;" | &nbsp;
| style="border-right: 0;" | {{IPA|n̥}} || style="border-left: 0;" | {{IPA|n}}
| style="border-right: 0;" | &nbsp; || style="border-left: 0;" | &nbsp;
| style="border-right: 0;" | {{IPA|ɲ̊}} || style="border-left: 0;" | {{IPA|ɲ}}
| style="border-right: 0;" | {{IPA|ŋ̊}} || style="border-left: 0;" | {{IPA|ŋ}}
| style="border-right: 0;" | &nbsp; || style="border-left: 0;" | &nbsp;
|-
! [[破裂音]]
| style="border-right: 0;" | {{IPA|pʰ}} || style="border-left: 0;" | {{IPA|p}}
| style="border-right: 0;" | &nbsp; || style="border-left: 0;" | &nbsp;
| style="border-right: 0;" | {{IPA|tʰ}} || style="border-left: 0;" | {{IPA|t}}
| style="border-right: 0;" | &nbsp; || style="border-left: 0;" | &nbsp;
| style="border-right: 0;" | {{IPA|cʰ}} || style="border-left: 0;" | {{IPA|c}}
| style="border-right: 0;" | {{IPA|kʰ}} || style="border-left: 0;" | {{IPA|k}}
| style="border-right: 0;" | {{IPA|[[ʔ]]}} || style="border-left: 0;" | &nbsp;
|-
! [[摩擦音]]
| style="border-right: 0;" | &nbsp; || style="border-left: 0;" | &nbsp;
| style="border-right: 0;" | {{IPA|f}} || rowspan=2 style="border-left: 0;" | {{IPA|v}}
| style="border-right: 0;" | {{IPA|θ}} || rowspan=2 style="border-left: 0;" | {{IPA|ð}}
| style="border-right: 0;" | {{IPA|s}} || style="border-left: 0;" | &nbsp;
| style="border-right: 0;" | {{IPA|ç}} || rowspan=2 style="border-left: 0;" | {{IPA|j}}
| style="border-right: 0;" | {{IPA|x}} || rowspan=2 style="border-left: 0;" | {{IPA|ɣ}}
| style="border-right: 0;" | {{IPA|h}} || style="border-left: 0;" | &nbsp;
|-
! [[接近音]]
| style="border-right: 0;" | &nbsp; || style="border-left: 0;" | &nbsp;
| style="border-right: 0;" | &nbsp; 
| style="border-right: 0;" | &nbsp; 
| style="border-right: 0;" | {{IPA|l̥}}&nbsp; {{IPA|ɫ}}|| style="border-left: 0;" | {{IPA|l&nbsp;[[ɫ]]}}
| style="border-right: 0;" | &nbsp; 
| style="border-right: 0;" | &nbsp; 
| style="border-right: 0;" | &nbsp; || style="border-left: 0;" | &nbsp;
|-
! [[はじき音]]
| style="border-right: 0;" | &nbsp; || style="border-left: 0;" | &nbsp;
| style="border-right: 0;" | &nbsp; || style="border-left: 0;" | &nbsp;
| style="border-right: 0;" | &nbsp; || style="border-left: 0;" | &nbsp;
| style="border-right: 0;" | {{IPA|r̥}} || style="border-left: 0;" | {{IPA|r}}
| style="border-right: 0;" | &nbsp; || style="border-left: 0;" | &nbsp;
| style="border-right: 0;" | &nbsp; || style="border-left: 0;" | &nbsp;
| style="border-right: 0;" | &nbsp; || style="border-left: 0;" | &nbsp;
|}


=== アクセント ===
アイスランド語におけるアクセントは英語などと同じく[[アクセント|強弱アクセント]]である。これは[[日本語]]のように母音の音程が上下する高低アクセント（ピッチアクセント）とは異なり、単語中の特定の音節の母音を特別に強く明瞭に発音することを指す。

アイスランド語のアクセントは（英語を除いた）他のゲルマン派言語と同じく、大抵は各単語における第1音節に置かれ、単語によっては第2音節に置かれる。

== 文法 ==
現代のアイスランド語は、他の北ゲルマン語と同じく、標準的な文における語順が「主語」-「動詞」-「目的語」の順になる[[SVO型]]言語である。

=== 名詞 ===
アイスランド語の[[名詞]]は男性・女性・中性の3種の[[性 (文法)|性]]を持ち、各々の名詞は単数・複数の2種の[[数 (文法)|数変化]]及び[[主格]]・[[対格]]・[[与格]]・[[属格]]の4種の[[格変化]]を伴う。格変化には[[強変化]]・[[弱変化]]の2種がある。また、[[冠詞]]は存在しないが不特定のものや一般的なものを示す不定形と話し手と聞き手の両者に了解されているものを示す定形という2種の区別があり、[[変化語尾]]により表される。
==== 弱変化規則名詞の格変化 ====
男性名詞'''banki'''(銀行）、女性名詞'''vika'''(週）、中性名詞'''auga'''(目）の格変化。
弱変化名詞は単数不定形の対格・与格・属格が同形且つ末尾が母音。

{| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5"
|- bgcolor="#CCCCCC" align="center"
| bgcolor="#999999" colspan="2" rowspan="2" | || colspan="2" | 男性 || colspan="2" | 女性 || colspan="2" | 中性
|- bgcolor="#CCCCCC" align="center"
| 不定 || 定 || 不定 || 定 || 不定 || 定
|-
| bgcolor="#CCCCCC" rowspan="4" | 単数 || bgcolor="#CCCCCC" | 主格 || bank '''i''' || banki '''nn''' || vik '''a''' || vika '''n''' || aug '''a''' || auga '''ð'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 対格 || bank '''a''' || banka '''nn''' || vik '''u''' || viku '''na''' || aug '''a''' || auga '''ð'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 与格 || bank '''a''' || banka '''num''' || vik '''u''' || viku '''nni''' || aug '''a''' || auga '''nu'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 属格 || bank '''a''' || banka '''ns''' || vik '''u''' || viku '''nnar''' || aug '''a''' || auga '''ns'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" rowspan="4" | 複数 || bgcolor="#CCCCCC" | 主格 || bank '''ar''' || bankar '''nir''' || vik '''ur''' || vikur '''nar''' || aug '''u''' || augu '''n'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 対格 || bank '''a''' || banka '''na''' || vik '''ur''' || vikur '''nar''' || aug '''u''' || augu '''n'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 与格 || bönk '''um''' || bönk '''unum''' || vik '''um''' || vik '''unum''' || aug '''um''' || aug '''unum'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 属格 || bank '''a''' || banka '''nna''' || vik '''na''' || vikna '''nna''' || aug '''na''' || augna '''nna'''
|}
変化語尾にuが現れる語において、幹母音a→öの変化が起こる。しかし、定形語尾中のuは影響を与えない。
:(例)hjarta(n　心臓)
*hjarta(単・不)→hj'''ö'''rtu(複・不・主、対)
*hjarta(単・与・不)→hj'''a'''rtanu(単・与・定)

==== 強変化規則名詞の格変化 ====
===== 男性名詞 =====
'''hestur'''(馬)、'''dynkur'''(騒音)、'''vinur'''(友人)の格変化
{| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5"
|- bgcolor="#CCCCCC" align="center"
| bgcolor="#999999" colspan="2" | || 不定 || 定 || 不定 || 定 || 不定 || 定
|-
| bgcolor="#CCCCCC" rowspan="4" | 単数 || bgcolor="#CCCCCC" | 主格 || hest '''ur''' || hestur '''inn''' || dynk '''ur''' || dynkur '''inn''' || vin '''ur''' || vinur '''inn'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 対格 || hest || hest '''inn''' || dynk || dynk '''inn''' || vin || vin '''inn'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 与格 || hest '''i''' || hesti '''num''' || dynk || dynk '''num''' || vin || vin '''num'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 属格 || hest '''s''' || hests '''ins''' || dynk '''s''' || dynks '''ins''' || vin '''ar''' || vinar '''ins'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" rowspan="4" | 複数 || bgcolor="#CCCCCC" | 主格 || hest '''ar''' || hestar '''nir''' || dynk '''ir''' || dynkir '''nir''' || vin '''ir''' || vinir '''nir'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 対格 || hest '''a''' || hesta '''na''' || dynk '''i''' || dynki '''na''' || vin '''i''' || vini '''na'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 与格 || hest '''um''' || hest '''unum''' || dynk '''um''' || dynk '''unum''' || vin '''um''' || vin '''unum'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 属格 || hest '''a''' || hesta '''nna''' || dynk '''a''' || dynka '''nna''' || vin '''a''' || vina'''nna'''
|}

===== 女性名詞 =====
'''kinn'''(頬)、'''borg'''(町)の格変化

{| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5"
|- bgcolor="#CCCCCC" align="center"
| bgcolor="#999999" colspan="2" | || 不定 || 定 || 不定 || 定
|-
| bgcolor="#CCCCCC" rowspan="4" | 単数 || bgcolor="#CCCCCC" | 主格 || kinn || kinn '''in''' || borg || borg '''in'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 対格 || kinn || kinn '''ina''' || borg || borg '''ina'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 与格 || kinn || kinn '''inni''' || borg || borg '''inni'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 属格 || kinn '''ar''' || kinnar '''innar''' || borg '''ar''' || borgar '''innar'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" rowspan="4" | 複数 || bgcolor="#CCCCCC" | 主格 || kinn '''ar''' || kinnar '''nar''' || borg '''ir''' || borgir '''nar'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 対格 || kinn '''ar''' || kinnar '''nar''' || borg '''ar''' || borgar '''nar'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 与格 || kinn '''um''' || kinn '''unum''' || borg '''um''' || borg '''unum'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 属格 || kinn '''a''' || kinna '''nna''' || borg '''a''' || borga '''nna'''
|}

===== 中性名詞 =====
'''skip'''(船)の格変化

{| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5"
|- bgcolor="#CCCCCC" align="center"
| bgcolor="#999999" colspan="2" | || 不定 || 定
|-
| bgcolor="#CCCCCC" rowspan="4" | 単数 || bgcolor="#CCCCCC" | 主格 || skip || skip '''ið'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 対格 || skip || skip '''ið'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 与格 || skip '''i''' || skipi '''nu'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 属格 || skip '''s''' || skips '''ins'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" rowspan="4" | 複数 || bgcolor="#CCCCCC" | 主格 || skip || skip '''in'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 対格 || skip || skip '''in'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 与格 || skip '''um''' || skip '''unum'''
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 属格 || skip '''a''' || skipa '''nna'''
|}

==== 人称代名詞 ====

アイスランド語の人称代名詞は、三人称で男性・女性・中性の3つの性を持つ。主格・対格・与格・属格の4つの格でそれぞれ異なる形をとる。

{| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5"
|- bgcolor="#CCCCCC" align="center"
| bgcolor="#999999" rowspan="2" | || colspan="4"|単数 ||  colspan="4"|複数
|- bgcolor="#CCCCCC" align="center"
| 主格 || 対格 || 与格 || 属格 || 主格 || 対格 || 与格 || 属格
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 一人称 || ég || mig || mér || mín  || við || okkur || okkur || okkar
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 二人称 || þú || þig || þér || þín|| þið || ykkur || ykkur || ykkar
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 三人称・男性 || hann || hann || honum || hans || þeir || þá || þeim || þeirra
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 三人称・女性 || hún || hana || henni || hennar|| þær || þær || þeim || þeirra
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 三人称・中性 || það || það || því || þess|| þau || þau || þeim || þeirra
|}

=== 数詞 ===
==== 基数 ====

{| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5"
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 1 || eitt ||bgcolor="#CCCCCC" | 11|| ellefu|| || ||bgcolor="#CCCCCC" | 1000|| (eitt) þúsund
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 2 || tvö ||bgcolor="#CCCCCC" | 12|| tólf|| || ||bgcolor="#CCCCCC" | 10000|| tíu þúsund
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 3 || þrjú ||bgcolor="#CCCCCC" | 13|| þrettán||bgcolor="#CCCCCC" | 30|| þrjátíu|| || 
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 4 || fjögur ||bgcolor="#CCCCCC" | 14 || fjórtán||bgcolor="#CCCCCC" | 40|| fjörutíu|| || 
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 5 || fimm ||bgcolor="#CCCCCC" | 15 || fimmtán||bgcolor="#CCCCCC" | 50|| fimmtíu|| || 
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 6 || sex ||bgcolor="#CCCCCC" | 16|| sextán||bgcolor="#CCCCCC" | 60|| sextíu|| || 
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 7 || sjö ||bgcolor="#CCCCCC" | 17|| sautján|| bgcolor="#CCCCCC" |70|| sjötíu|| || 
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 8 || átta ||bgcolor="#CCCCCC" | 18|| átján||bgcolor="#CCCCCC" | 80|| áttatíu|| || 
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 9 || níu ||bgcolor="#CCCCCC" | 19|| nítján||bgcolor="#CCCCCC" | 90|| níutíu|| || 
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 10 || tíu ||bgcolor="#CCCCCC" | 20|| tuttugu||bgcolor="#CCCCCC" |100|| hundrað|| || 
|}

==== 序数 ====

{| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5"
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 1 || fyrsti||bgcolor="#CCCCCC" | 11|| ellefti|| || ||bgcolor="#CCCCCC" | 1000|| þúsundasti
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 2 || annar||bgcolor="#CCCCCC" | 12|| tólfti|| || ||bgcolor="#CCCCCC" | 10000|| tíuþúsundasti
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 3 || þriðji||bgcolor="#CCCCCC" | 13|| þrettándi||bgcolor="#CCCCCC" | 30|| þrítugasti|| || 
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 4 || fjórði||bgcolor="#CCCCCC" | 14 || fjórtándi||bgcolor="#CCCCCC" | 40|| fertugasti|| || 
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 5 || fimmti||bgcolor="#CCCCCC" | 15 || fimmtándi||bgcolor="#CCCCCC" | 50|| fimmtugasti|| || 
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 6 || sjötti||bgcolor="#CCCCCC" | 16|| sextándi||bgcolor="#CCCCCC" | 60|| sextugasti|| || 
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 7 || sjöundi||bgcolor="#CCCCCC" | 17|| sautjándi||bgcolor="#CCCCCC" | 70|| sjötugasti|| || 
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 8 || áttundi||bgcolor="#CCCCCC" | 18|| átjándi||bgcolor="#CCCCCC" | 80|| áttugasti|| || 
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 9 || níundi||bgcolor="#CCCCCC" | 19|| nítjándi||bgcolor="#CCCCCC" | 90|| nítugasti|| || 
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | 10 || tíundi||bgcolor="#CCCCCC" | 20|| tuttugasti||bgcolor="#CCCCCC" | 100|| hundraðasti|| || 
|}

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{reflist}}

== 参考文献 ==
*森田貞雄(1981) 『アイスランド語文法』 大学書林　　
*Jónsdóttir,Hildur(2003) ''Teach Youself Icelandic Complete Course Package'' [[マグロウヒル|McGraw-Hill]]（英語で書かれた文法書）

== 関連項目 ==
{{Wikipedia|is}}
{{Wiktionary|Category:アイスランド語|アイスランド語}}
*[[ソーン]]
*[[アイスランド語協会]]
*[[サガネット]]
*[[高アイスランド語]]
*[[フェロー語]]
*[[アイスランド語版ウィキペディア]]
*[[斜格主語]] - これを多く持つ言語として知られる。　
*[[Ri動詞]]

{{DEFAULTSORT:あいすらんとこ}}
{{Iceland-stub}}
{{language-stub}}

[[Category:アイスランド語|*あいすらんとこ]]
[[Category:北ゲルマン語群]]
[[Category:インド・ヨーロッパ語族]]
[[Category:ヨーロッパの言語]]
{{Link GA|de}}