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'''てれすこ'''とは、[[落語]]の演目の一つで、そのストーリーに登場する[[架空の生物]]の[[種名]]。魚類である。 '''てれすこ'''を乾燥させたものを'''すてれんきょう'''と呼ぶ。 てれすこ、すてれんきょうの語源については、てれすこは[[オランダ語]]で[[望遠鏡]]を意味する「テレスコ」''telesco''(複数形・英語の「テレスコープ」''telescopes''に相当)。すてれんきょうは「ステレン鏡」であり、「ステレン」はオランダ語の「[[星|星々]]」''de sterren''、つまり同じく天体望遠鏡のことだとする説がある。英語由来の「ステレオ鏡」([[ステレオグラム]]を、平行法や交差法のように無理をしないで見ることができるビューア)とする説もある。 == 落語『てれすこ』 == 落語『てれすこ』のあらすじは以下の通りである。 :ある漁場で正体不明の魚が獲れ、どの漁師にも名前がわからなかった。 :困った漁師たちはその魚を持って奉行所を訪れる。 :役人たちも困り果て、議論の末、その魚の[[魚拓]]を貼り出して、魚の名前に懸賞金をつけた。 :すると、ある男が名乗り出て、その魚の名は「てれすこ」だと言う。 :あまりに頓狂な名前を不審に思う役人だが、否定のしようもなく、男にしぶしぶ懸賞金を支払った。 :その話を聞いた奉行はその魚を干物にすることを指示。 :干されて形の変わったその魚の魚拓を取り、再び懸賞金をつけて貼り出した。 :すると同じ男が現れ、その魚の名は「すてれんきょう」だと言う。 :これを聞いた奉行は怒り、男はお上を偽ったとして死罪を申し渡された。 :男は「死ぬ前に一目妻子に会わせて欲しい」と最後の望みをし、対面した妻へ一言。 :「いいか、この子が大きくなっても[[イカ]]を干したものを決して[[スルメ]]と言わせるな」 :これを聞いた奉行は、膝をぽんと叩いて男を無罪放免とした。 :奉行が出した判決には異議を唱えられなかった当時の、男の機転であった。 :妻は夫が助かるように断食をしていたが、乳飲み児がいるため乳が出なくなっては困るので、そば粉を水に溶いたものだけを口にしていた。 :スルメの件で助かったのは、妻が干物(火物=加熱調理をしたもの)断ちをしたからだ、という[[落ち]]。 [[三遊亭金馬 (3代目)|3代目三遊亭金馬]]は、さらに「してみりゃ、あたりめェ(スルメの異名あたりめと当たり前をかけている)の話」と加えて演じ、これを落ちとすることもある。 [[鎌倉時代]]の『[[沙石集]]』巻八第十六話を素材に作られたとされている。『沙石集』では生を「くぐるくつ」、乾燥品を「ひひりひつ」と呼んでいる。 [[江戸時代]]の笑話集『[[醒睡笑]]』では、生を「ほほら」、乾燥品を「くくら」と呼ぶ。 [[吉四六]]噺にも全く同趣向の噺があり、そこでは生を「ばばくろう」、乾燥品を「おっきゃらまあ」と呼んでいる。 [[北海道]][[江差町]]の[[繁次郎]]話では、生を「キンキラキンノキン」、乾燥品を「カンカラカンノカン」と呼ぶ。 金馬のほか[[三遊亭圓歌#2代目|2代目三遊亭円歌]]、[[三遊亭圓生 (6代目)|6代目三遊亭圓生]]、[[橘ノ圓都]]が得意としていた。上方の圓都の演出では舞台を長崎に設定していた。 [[藤子不二雄]]の漫画『[[オバケのQ太郎]]』の「イヌがイヌを飼う話」で、主人公Q太郎がどさくさまぎれに「テレスコステレンキョウ」と言う台詞がある。 == 関連項目 == * [[やじきた道中 てれすこ]](映画、2007年) {{DEFAULTSORT:てれすこ}} [[Category:落語の演目]] [[Category:架空の魚類]]
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