きのさき (列車)のソースを表示

{{Redirect|たんば (列車)|福知山線で運転されていた急行「丹波」|こうのとり (列車)}} 
{{列車名
|列車名 = きのさき
|社色 = #0072bc
|画像 = JRW_series287-Sagano.jpg
|pxl = 
|画像説明 = 287系による「きのさき」（後4両）と「まいづる」（前3両）
|運行主体 = [[西日本旅客鉄道]]（JR西日本）
|列車種別 = [[特別急行列車|特急列車]]
|運転区間 = [[京都駅]] - [[福知山駅]]・ [[豊岡駅 (兵庫県)|豊岡駅]]・[[城崎温泉駅]]
|主な経由線区 = [[山陰本線]]
|使用車両 = [[国鉄381系電車|381系電車]]・[[JR西日本287系電車|287系電車]]<br />（[[福知山電車区]]）
|運転開始日 = 1996年3月16日
|運転終了日 = 
|備考 = 2013年3月16日現在
|備考全幅 = 
}}

'''きのさき'''は、[[西日本旅客鉄道]]（JR西日本）が[[京都駅]] - [[福知山駅]]・[[豊岡駅 (兵庫県)|豊岡駅]]・[[城崎温泉駅]]間を[[山陰本線]]（[[嵯峨野線]]）経由で運行する[[特別急行列車|特急列車]]である。

[[北近畿ビッグXネットワーク]]を形成する列車の一つである。イメージカラーは[[紫色]]で、走行路線の一つである嵯峨野線のラインカラーにちなんでいる。

本項では、京都駅を発着する山陰本線の[[優等列車]]の沿革についても記述する。

== 概要 ==
京都駅および[[亀岡駅]]などの[[南丹]]と呼ばれる[[京都府]]中部と[[北近畿]]の各地域（[[中丹]]・[[但馬]]）の[[福知山市]]・[[豊岡市]]などを結んでいる。[[北近畿ビッグXネットワーク]]を形成する列車の一つで、イメージカラーは紫色。走行路線の一つである[[嵯峨野線]]のラインカラーにちなんでいる。

特急「きのさき」は、1996年3月16日に山陰本線[[園部駅]] - [[福知山駅]]間および[[北近畿タンゴ鉄道]]福知山駅 - [[宮津駅]] - [[天橋立駅]]間が[[鉄道の電化|電化]]されたことにより、京都駅 - 城崎駅間（現在の城崎温泉駅）で運転を開始した。このダイヤ改正により、[[気動車]]で運転されていた特急「あさしお」が、[[2011年]][[3月12日]]には特急「たんば」が「きのさき」に統合されて廃止された<ref name="jrw_20101217">{{PDFLink|[http://web.archive.org/web/20110723110254/http://www.westjr.co.jp/ICSFiles/afieldfile/2010/12/17/1_20101217_fukuchiyama.pdf 平成23年春ダイヤ改正について]}}（[[インターネット・アーカイブ]]）- 西日本旅客鉄道福知山支社プレスリリース 2010年12月17日</ref>。

「きのさき」の列車名は、[[1962年]]から京都駅 - 福知山駅・城崎駅間の[[準急列車]]（[[1966年]]からは急行列車）に使用されていたが、[[1968年]]に京都駅発着で京都府北部・[[兵庫県]]北西部発着の急行列車の総称として、「丹後」に統一されて廃止された。また、[[国鉄分割民営化]]後の[[1990年]]12月には、[[大阪駅]] - 城崎駅間（[[福知山線]]経由）の[[臨時列車]]として急行「きのさき」が復活したが、[[1995年]]に廃止されている。

[[列車愛称|列車名]]は、終着駅である城崎温泉駅および[[兵庫県]][[豊岡市]]の旧[[城崎郡]][[城崎町]]、同町にある[[平安時代]]から1300年の歴史をもつ「[[城崎温泉]]」から採られている。

== 運行概況 ==
2012年6月1日現在の運行概況は次の通り<ref>『JR時刻表』2012年6月号、[[交通新聞社]]。</ref>。

京都駅 - 福知山駅間に上り6本・下り5本、京都駅 - [[豊岡駅 (兵庫県)|豊岡駅]]間に上り1本・下り2本、京都駅 - 城崎温泉駅間に上り3本・下り2本が運転されている。多客期には、京都駅 - 城崎温泉駅間で全車指定席の臨時列車（81・82号）が運転されることがある。

[[JR西日本287系電車|287系]]で運転される列車の一部は、京都駅 - [[綾部駅]]間で特急「[[まいづる (列車)|まいづる]]」と併結して運転されている。

=== 停車駅 ===
京都駅 - [[二条駅]] - [[亀岡駅]] - [[園部駅]] - （[[日吉駅 (京都府)|日吉駅]]） - [[綾部駅]] - 福知山駅 - [[和田山駅]] - [[八鹿駅]] - [[江原駅]] - 豊岡駅 - 城崎温泉駅
* （ ）は2・4・13号のみ停車。

=== 使用車両・編成 ===
{| style="text-align:center; margin:1em 0em 1em 1em; padding:1em; border:solid 1px #999; float:right; width:19em;"
|+ 2013年3月16日現在の編成図
|style="background-color:#eee; border-bottom:solid 4px #9370db;"|きのさき
|-
|style="font-size:80%;"|{{TrainDirection|城崎温泉・豊岡・福知山|京都}}
|-
|
{|class="wikitable" style="font-size:80%; float:center; margin:0em auto;"
|+ 381系
|style="width:2em;"|1
|style="width:2em;"|2
|style="width:2em;"|3
|style="width:2em;"|4
|-
|style="background-color:#cf9;"|G
|指
|自
|自
|}
|-
|
{|class="wikitable" style="font-size:80%; float:center; margin:0em auto;"
|+ 287系
|style="width:4em;" colspan="2"|1
|style="width:2em;"|2
|style="width:2em;"|3
|style="width:2em;"|4
|-
|style="background-color:#cf9;"|G
|指
|指
|自
|自
|}
|-
|
{|class="wikitable" style="font-size:80%; float:center; margin:0em auto;"
|+ 287系
|style="width:4em;" colspan="2"|1
|style="width:2em;"|2
|style="width:2em;"|3
|style="width:2em;"|4
|style="width:2em;"|5
|style="width:2em;"|6
|style="width:2em;"|7
|-
|style="background-color:#cf9;"|G
|指
|指
|自
|自
|自
|指
|指
|}
|-
|style="text-align:left; font-size:80%;" colspan="2"|
* 全車禁煙
* 編成および座席種別は変更されることがある
* 20号の5 - 7号車は福知山駅 - 京都駅間で連結
; 凡例
: {{bgcolor|#cf9|G}}=[[グリーン車]][[座席指定席]]
: 指=[[普通車 (鉄道車両)|普通車]]座席指定席
: 自=普通車[[自由席]]
|}
[[福知山電車区]]に所属する車両が使用されている。

; [[国鉄381系電車|381系電車]]
: 特急「[[くろしお (列車)|くろしお]]」への287系投入により余剰となった車両が国鉄特急色に塗装変更されたもの。2012年6月1日より運転を開始し、183系で運用されていた1往復（3・10号）を置き換えた<ref name="railf_201206fuku">[http://railf.jp/news/2012/06/02/060000.html 福知山電車区の381系FE編成が営業運転を開始] - 『[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]』[[交友社]] railf.jp鉄道ニュース 2012年6月1日</ref>。なお、通常は4両編成だが、繁忙期は6両に増結される場合がある。
:
; [[JR西日本287系電車|287系電車]]
: 基本的にグリーン車を連結した4両編成が充当されているが、20号の福知山駅 - 京都駅間は付属編成の3両編成を併結した7両編成で運転される。
{{-}}

==== 過去の使用車両 ====
{|style="width:15em; text-align:center; float:right; margin:0 0 0 1em; border:1px solid #999;"
|+ 2004年 - 2011年の編成図
|style="font-size:70%;"|
|-
|style="background-color:#eee; border-bottom:solid 4px #9370db;"|きのさき・たんば
|-
|style="font-size:80%;"|{{TrainDirection|城崎温泉・豊岡・福知山|京都}}
|-
|
{|class="wikitable" style="font-size:80%; float:center; margin:0em auto;"
|+ B編成
|-
|style="width:4em;" colspan="2"|1
|style="width:2em;"|2
|style="width:2em;"|3
|style="width:2em;"|4
|-
|style="background-color:#cf9;"|G
|指
|指
|自
|自
|}
|-
|
{|class="wikitable" style="font-size:80%; float:center; margin:0em auto;"
|+ A編成+C編成
|colspan="4"|A編成
|colspan="3"|C編成
|-
|style="width:2em;"|1
|style="width:2em;"|2
|style="width:2em;"|3
|style="width:2em;"|4
|style="width:2em;"|5
|style="width:2em;"|6
|style="width:2em;"|7
|-
|style="background-color:#cf9;"|G
|指
|自
|自
|指
|指
|自
|}
|-
|style="text-align:left; font-size:80%;"|
* 全車禁煙
* B編成は6両編成で運転する場合がある。
; 凡例
: {{bgcolor|#cf9|G}}=[[グリーン車]][[座席指定席]]
: 指=[[普通車 (鉄道車両)|普通車]][[座席指定席]]
: 自=普通車[[自由席]]
|}
2013年3月までは、福知山電車区に所属する[[国鉄183系電車#JR西日本の183系|183系電車]]も使用されていた。2003年以降の編成は以下の通りに分類され、2011年からはB編成のみが引き続き使用された。

; G編成→B編成
: [[1986年]]に「北近畿」が運転を開始した際に投入された[[国鉄485系電車|485系電車]]から、[[交流電化|交流]]設備を撤去して[[直流]]化改造し<ref>撤去された交流用機器は[[国鉄415系電車#800番台|415系800番台]]への改造に使われている。</ref>、183系に編入したものである。車体の塗装は[[国鉄色#特急車両の塗色|国鉄色]]に準じているが、窓周りの帯の下に細いラインが入っている。使用開始当初は[[普通車 (鉄道車両)|普通車]]のみの編成で[[グリーン車]]は連結されていなかったが、直後に先頭車を半室グリーン車（クロハ481形）に改造しており、[[国鉄分割民営化]]までに全編成の改造を完了している。なお、通常は4両編成だが、繁忙期は6両に増結されて運転された。
; BB編成
: 特急「[[サンダーバード (列車)|雷鳥]]」に使用されていた485系を183系化した編成。2009年12月1日から2010年3月12日まで使用された。「雷鳥」当時から塗装は変更されておらず、JR西日本の183系では唯一純粋な国鉄色を纏っていた<ref>[http://railf.jp/news/2009/12/15/085500.html もと“雷鳥”用485系が“北近畿”用183系に] - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース2009年12月15日</ref>。
; T編成→A編成・C編成
: [[1996年]]に「[[きのさき (列車)|きのさき]]」「[[はしだて (列車)|はしだて]]」「[[文殊 (列車)|文殊]]」「[[きのさき (列車)|たんば]]」が設定されたことに伴い、追加投入された485系の直流化改造車両。A編成は使用開始当初から全室グリーン車（クロ183形）を連結していた。塗装はJR西日本オリジナルのものが施されていた。287系および381系の投入により運用を終了した<ref>[http://railf.jp/news/2011/03/17/142100.html 特急“こうのとり”が運転を開始] - 『[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]』[[交友社]] railf.jp鉄道ニュース 2011年3月17日</ref>。

<gallery>
ファイル:JRW 183series B41 kinosaki.jpg|183系による特急「きのさき」（2011年12月31日 綾部駅 - 山家駅）
</gallery>

=== 担当車掌区 ===
* [[みやこ列車区]]
* [[福知山車掌区]]

== 臨時列車 ==
[[カニ]]のシーズンを迎える[[11月]]から[[3月]]にかけて、JR西日本が発売する駅長おすすめ駅プランの「かにカニ日帰りエクスプレス」期間中には特急列車の利用が多く見込まれるため、1999年から[[定期列車]]の補充として「かにカニエクスプレス」である「'''かにカニ香住'''」「'''かにカニきのさき'''」などの[[臨時列車]]が運転されていた。

「かにカニ香住」は[[国鉄キハ181系気動車|キハ181系]]のほか[[国鉄キハ65形気動車|キハ65形]]のエーデル車両を使用し、京都駅 - [[香住駅]]間で運転されていたが、2004年度からは「かにカニきのさき」として城崎発京都行で運転されていた<ref>[http://web.archive.org/web/20000525142939/http://www.westjr.co.jp/kou/press/4press/n991015e.html 平成11年度【 冬 】の臨時列車の運転について（別紙詳細）]（インターネット・アーカイブ）- 西日本旅客鉄道プレスリリース 1999年10月15日</ref><ref>[http://web.archive.org/web/20010303123917/http://www.westjr.co.jp/kou/press/4press/n001016d.html − 平成12年度【 冬 】の臨時列車の運転について −（別紙詳細）]（インターネット・アーカイブ）- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2000年10月16日</ref><ref>[http://web.archive.org/web/20020607015107/http://www.westjr.co.jp/news/011016g.html 平成13年度【 冬 】の臨時列車の運転について（別紙詳細）]（インターネット・アーカイブ）- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2001年10月16日</ref><ref>[http://web.archive.org/web/20021209041122/http://www.westjr.co.jp/news/020918d.html 「かにカニ日帰りエクスプレス」発売（別紙詳細）]（インターネット・アーカイブ）- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2002年9月18日</ref><ref>[http://web.archive.org/web/20040215091446/http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/030917b.html 「かにカニ日帰りエクスプレス」発売]（インターネット・アーカイブ）- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年9月17日</ref>。しかし、2005年度からは、「たんば」1・8号が福知山駅 - 城崎温泉駅間を延長運転したため、「かにカニきのさき」は運転を終了している。

== 利用状況と競合交通機関 ==
{{出典の明記|section=1|date=2010年12月}}<!--出典皆無の為。特に、列車の性格づけ（観光特急・通勤特急的云々、ビジネス特急・観光特急云々）は観察記録（独自研究）か？-->
京都方面からは、[[丹波国|丹波]]・[[丹後国|丹後]]・[[但馬国|但馬]]（三たん）地区への観光特急の色合いを持っており、特に冬場はJRの旅行商品「かにカニ日帰りエクスプレス」参加者が利用するため乗客が増加する。また、福知山駅以南は山陰本線（嵯峨野線）の通勤特急的な要素もあり、日吉駅に停車する列車もある。

城崎温泉・豊岡・福知山方面からは、平日はビジネス特急、休日は観光特急の両面がある。また、福知山駅では宮津方面へ向かう「[[たんごリレー]]」と連絡する列車があり、同方面から京都方面へ直通する「[[はしだて (列車)|はしだて]]」を補充する役割も担っている（福知山駅で[[改札口]]を出ずに乗り換える場合、特急料金は列車ごとに打ち切らずに通し計算される）。

現在、本列車群は京都駅 - 福知山駅間を1時間15分程度で、京都駅 - 城崎温泉駅間を2時間25分程度でそれぞれ結んでいる。また、運行頻度は直通の「はしだて」および、乗り換えとなる「こうのとり」を含めると約1時間間隔となっている。

京都と北近畿方面において直接競合する公共交通機関は少ないが、並行する[[京都縦貫自動車道]]の未供用区間（[[丹波インターチェンジ|丹波IC]] - [[京丹波わちインターチェンジ|京丹波わちIC]]間）が[[2014年]]度に供用開始予定となっている<ref>[http://www.kyo-miti.jp/qanda Q&A - 京都縦貫自動車道] - 京都府道路公社</ref>。また、同道は2010年6月28日から2011年6月19日まで[[高速道路無料化#高速道路無料化社会実験|高速道路無料化社会実験]]の対象となっていた<ref>[http://corp.w-nexco.co.jp/corporate/release/kansai/h22/0615/ 平成22年度 高速道路無料化社会実験開始] - 西日本高速道路 2010年6月15日</ref><ref>[http://www.w-nexco.co.jp/newly/h23/0613a/ 無料化社会実験は終了しました] - 西日本高速道路 2011年6月13日</ref>。

== 山陰本線京都駅発着優等列車概略 ==
=== 白兎 ===
{{main2|京都駅 - [[鳥取駅]]・[[倉吉駅]]間（[[智頭急行智頭線]]経由）で運転されていた特急「はくと」および、同区間で運転されている特急「スーパーはくと」|はくと (列車)}}

山陰本線京都駅発着の優等列車としては最初の列車で、[[1956年]]に京都駅 - [[松江駅]]間の[[準急列車]]として運転を開始した。当時は、京都駅で特急「[[つばめ (列車)|つばめ]]」「[[つばめ (列車)|はと]]」に接続していた。[[1961年]]に急行列車になり、一部の区間が[[快速列車]]や[[普通列車]]になる時期もあったが、[[出雲市駅]]や[[大社駅]]まで運転されていた。[[1982年]]に京都駅 - [[米子駅]]間の運転に変更され、[[1986年]]に「あさしお」に統合されて廃止された。

=== あさしお ===
{{main2|[[金沢駅]] - 出雲市駅間で運転されていた急行「わかさ」|わかさ (列車)}}

山陰本線京都駅発着としては最初の昼行特急として宮津線（現在の[[北近畿タンゴ鉄道宮津線]]）経由城崎駅発着と、福知山駅経由城崎駅発着・倉吉駅発着・米子駅発着の各1往復の合計4往復で運転を開始した。[[羽越本線]]の電化で電車化された特急「[[白鳥 (列車)|白鳥]]」「[[いなほ (列車)|いなほ]]」から転用された[[国鉄キハ80系気動車|キハ80系]]が使用された。当初は[[食堂車]]も連結され、[[都ホテル]]が調理を担当していた。[[1975年]]には食堂車の連結がなくなるものの、1982年には[[伯備線]]の電化により「[[やくも (列車)|やくも]]」から捻出された[[国鉄キハ181系気動車|キハ181系]]が使用されるようになり、[[1986年]]以降は6往復に増発されて運転されていた。

1996年に園部駅 - 福知山駅間と北近畿タンゴ鉄道福知山駅 - 宮津駅 - 天橋立駅間が電化されたことにより電車運転が可能になったため、「きのさき」「たんば」「はしだて」に統合されて廃止された。

列車名の由来は、「朝に満ちる潮」から採られている。

=== 丹後 ===
[[1959年]]に京都駅と北近畿方面を結ぶ準急列車として運転を開始し、合計2往復が運転されていた。運転時間帯の良さから、ビジネスマンや観光客から好評を得て利用客が増加し、1963年に合計4往復に増発され、1966年には急行列車化されたが、1966年[[10月1日]]から1968年[[9月30日]]までは下り1本は準急列車で運転された。これは、当時の準急列車は「100km以下を運行する急行列車」と言う位置づけであったためであるが、これにより同一列車名で急行・準急が並立することとなった。急行列車化されてもなお増発が行われ、1968年には7往復、1972年3月に8往復が運転されていたが、同年10月から特急「あさしお」が運転開始したことにより運転本数は減少したが、JR化後も存続し、国鉄気動車急行の全盛期のイメージを最も色濃く残した気動車急行として全国の鉄道ファンの人気を集めたが、1996年に山陰本線の一部と北近畿タンゴ鉄道福知山駅 - 宮津駅 - 天橋立駅間の電化により、廃止された。

運転区間は運転開始当初は京都駅 - 天橋立駅・[[東舞鶴駅]]間であったが、1961年に[[敦賀駅]]発着の編成が連結され、1963年には東舞鶴駅経由豊岡駅発着の編成も連結されていた。急行列車化されて以降も[[網野駅]]・[[久美浜駅]]まで運転され、北近畿タンゴ鉄道宮津線に乗り入れていた。なお、東舞鶴駅 （一部は[[西舞鶴駅]]）- 敦賀駅間、宮津駅 - 豊岡駅間など、一部の列車の一部の区間は普通列車として運転されていた。

列車名は、令制国の「[[丹後国]]（たんごのくに）」が由来となっている。

=== たんば ===
特急「きのさき」と同じく、1996年に園部駅 - 福知山駅間と北近畿タンゴ鉄道福知山駅 - 宮津駅 - 天橋立駅間の電化によるダイヤ改正により、京都駅 - 福知山駅間を結ぶ特急列車として運転を開始した。北近畿ビッグXネットワークを形成する列車の一つで、イメージカラーは青色であった。

2011年に、北近畿ビッグxネットワークの特急列車の統廃合により、「きのさき」に統合されて廃止された。

列車名は、令制国の「[[丹波国]]（たんばのくに）」が由来となっている。

== 山陰本線京都駅発着優等列車沿革 ==
=== 戦後準急列車の設定とその後 ===
* [[1956年]]（[[昭和]]31年）[[11月19日]]：京都駅 - 松江駅間で準急「白兎」（はくと）が運転開始。 
* [[1957年]]（昭和32年）[[12月1日]]：「白兎」の運転区間が京都駅 - 米子駅間に短縮。 
* [[1959年]]（昭和34年）[[9月22日]]：京都駅 - 天橋立駅・東舞鶴駅で準急「丹後」（たんご）が運転開始。 
* [[1961年]]（昭和36年）10月1日：サンロクトオのダイヤ改正に伴い、「白兎」が急行列車になり、福知山線経由大阪駅発着の編成が連結開始。 
* [[1962年]]（昭和37年）[[3月1日]]：京都駅 - 福知山駅・城崎駅間で準急「きのさき」2往復が運転開始。 
* [[1963年]]（昭和38年）[[4月20日]]：「きのさき」の1往復が「丹後」に統合されて、「丹後」は4往復になる。 
* [[1966年]]（昭和41年） 
** [[3月5日]]：準急列車制度改変に伴い、「きのさき」「丹後」が急行列車になる。 
** 10月1日：福知山駅 → 京都駅間で準急「丹後」3号が運転開始。 
* [[1968年]]（昭和43年）10月1日：[[ヨンサントオ]]のダイヤ改正に伴い、以下のように変更。 
*# 大阪駅発着「白兎」が「[[だいせん (列車)|だいせん]]」に統合され、「白兎」は京都駅 - 松江駅間の運転になる。 
*# 京都駅と北近畿を結ぶ急行列車が「丹後」に統一されたため、「きのさき」が廃止。これに伴い、「丹後」は7往復（すべて急行列車）になる。 
* [[1970年]]（昭和45年）10月1日：「白兎」の運転区間が京都駅 - 出雲市駅間に延長される。「丹後」1号・5号の運転区間が京都駅 - 久美浜駅間に延長。 

=== 特急「あさしお」登場後の展開 ===
[[ファイル:Limited express train ASASHIO Kyoto,JAPAN.jpg|thumb|200px|right|特急「あさしお」（1988年頃 京都駅）]]
* [[1972年]]（昭和47年） 
** [[3月15日]]：「丹後」が1往復増発され8往復になる。 
** 8月：京都駅 - 鳥取駅間で臨時列車として特急「あさしお」が運転開始。これは定期化に先駆けてのものとされる。 
** [[10月2日]]：ダイヤ改正により、以下のように変更。 
**# 「丹後」の下り1本、上り2本が特急化され、「あさしお」3往復が運転開始。「丹後」は下り7本・上り6本になる。 
**# 「白兎」の福知山駅 - 鳥取駅間で福知山線経由大阪駅発着の「[[こうのとり (列車)|いなば]]」が併結される。 
* [[1975年]]（昭和50年）[[3月10日]]：「あさしお」の食堂車の連結が中止。 
* [[1982年]]（昭和57年）[[7月1日]]：「白兎」の運転区間が京都駅 - 米子駅間に短縮。「あさしお」にキハ181系が投入される。 
* [[1985年]]（昭和60年）[[3月14日]]：東舞鶴駅発着の「丹後」1往復が「あさしお」になる。これにより、「あさしお」は5往復、「丹後」は下り6本・上り5本になる。 
* [[1986年]]（昭和61年）[[11月1日]]：福知山線[[宝塚駅]] - 城崎駅間の電化に伴うダイヤ改正（[[1986年11月1日国鉄ダイヤ改正]]）により、「白兎」が「あさしお」に統合されて廃止。「あさしお」は6往復になる。 
* [[1989年]]（平成元年）[[3月11日]]：「あさしお」6号が鳥取発京都行に短縮。 
* [[1990年]]（平成2年） 
** [[4月1日]]：宮津線の[[北近畿タンゴ鉄道]]移管に伴い、同線を普通列車で運行していた「丹後」9号・6号が全区間急行列車化。 
** 12月：大阪駅 - 城崎駅間を183系電車使用の臨時急行として「きのさき」が運転開始。 
* [[1995年]]（平成7年）：臨時急行「きのさき」が廃止。これは、翌[[1996年]]の京都駅 - 城崎駅間の特急列車の名称が「きのさき」と決定したため。 

=== 北近畿ビッグXネットワークの完成後の展開 ===
[[ファイル:JRWestTamba183atKyotoStation.jpg|thumb|200px|right|特急「たんば」（京都駅）]]
* 1996年（平成8年）[[3月16日]]：園部駅 - 福知山駅間および北近畿タンゴ鉄道福知山駅 - 宮津駅 - 天橋立駅間の電化によるダイヤ改正により、次のように変更。 
*# 「あさしお」「丹後」が廃止。山陰本線京都駅発着の急行列車が全廃される。 
*# 京都駅 - 城崎駅間で「きのさき」下り5本・上り6本が運転開始。 
*# 京都駅 - 福知山駅間で「たんば」下り3本・上り2本が運転開始。 
*# 京都駅 - 天橋立駅間（北近畿タンゴ鉄道宮福線経由）で「はしだて」4往復が運転開始。 
** これにより、福知山線の「文殊」（同日の改正で運転開始）と「北近畿」と合わせて北近畿ビッグXネットワークが構成された。 
* [[1999年]]（平成11年）10月2日：ダイヤ改正により次のように変更。
*# 京都駅 - 東舞鶴駅間で「まいづる」3往復が運転開始<ref>[http://classic-web.archive.org/web/20000302161358/www.westjr.co.jp/kou/press/3press/n990730b.html 平成11年秋 ダイヤ改正について（別紙詳細）]（インターネット・アーカイブ）- 西日本旅客鉄道プレスリリース 1999年7月30日</ref>。
*# 「きのさき」が下り3本・上り5本に削減、「たんば」は下り2本になる 
* [[2003年]]（平成15年）[[10月1日]]：「たんば」が下り5本・上り3本の運転になる。7・9号をのぞき京都駅 - 綾部駅間で「まいづる」と併結運転を行う<ref>[http://web.archive.org/web/20031003105343/http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/030730c.html 平成15年秋 ダイヤ改正（福知山エリア）]（インターネット・アーカイブ）- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年7月30日</ref>。
* [[2004年]]（平成16年）
** [[3月13日]]：「たんば」7号が「まいづる」と併結運転になる<ref>{{PDFlink|[http://web.archive.org/web/20040206034003/http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/pdf/20031216a_fukuchiyama.pdf 平成16年春のダイヤ改正（別紙詳細）]}}（インターネット・アーカイブ）- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2004年1月13日</ref>。
** [[10月1日]]：「たんば」が上り1本増発され<ref>{{PDFlink|[http://web.archive.org/web/20040804181045/http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/pdf/040723a_fukuchiyama.pdf 平成16年秋のダイヤ改正（別紙詳細）]}}（インターネット・アーカイブ）- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2004年7月23日</ref>、下り5本・上り4本になる。
* [[2005年]]（平成17年）[[5月3日]] - [[5月8日|8日]]：[[JR福知山線脱線事故]]の影響により、[[新大阪駅]] - 福知山駅間の特急列車が運休となったため、臨時列車として全車自由席の「きのさき」が京都駅 - 城崎温泉駅間で下り2本・上り1本が運転される<ref>[http://replay.waybackmachine.org/20050507055111/http://www.jr-odekake.net/index_train.html 列車運行ならびにきっぷの取り扱いに関するお知らせ]（インターネット・アーカイブ）- 西日本旅客鉄道</ref>。
* [[2007年]]（平成19年）[[3月18日]]：全車禁煙になる<ref>{{PDFlink|[http://web.archive.org/web/20070320141243/www.westjr.co.jp/news/newslist/article/pdf/061222a_01.pdf 平成19年春ダイヤ改正（詳細別紙）]}}（インターネット・アーカイブ） - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2006年12月22日</ref>。
* [[2010年]]（平成22年）[[3月13日]]：「きのさき」の1往復が豊岡駅発着になる。
* [[2011年]]（平成23年） 
** 2月28日：この日を以って[[車内販売]]の営業が終了<ref>[http://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/0003835389.shtml さよなら車内販売　兵庫県内の在来線で終了] - [[神戸新聞]] 2011年3月1日</ref>。 
** [[3月12日]]：ダイヤ改正により次のように変更<ref name="jrw_20101217" />。
**# 「たんば」が「きのさき」に統合されて廃止。
**# 287系が運用開始。
** [[4月2日]] - [[4月7日|7日]]：[[東日本大震災]]の影響で車両保守部品が不足したことにより、183系で運転されていた「きのさき」の全列車が4両編成で運転<ref>{{PDFlink|[http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/pdf/20110325_fukuchiyama.pdf 東北地方太平洋沖地震に伴う車両保守部品の不足による運転計画の見直しについて]}} - 西日本旅客鉄道福知山支社プレスリリース 2011年3月25日</ref><ref>[http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1175270_799.html 車両保守部品の不足に伴う列車運転計画の見直しについて] - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2011年4月6日</ref>。
* [[2012年]]（平成24年）[[6月1日]]：183系で運転されていた1往復が、381系に置き換え<ref name="railf_201206fuku" />。
* [[2013年]]（平成25年）3月16日：ダイヤ改正で、183系が381系に置き換えられ、すべて退役<ref>[http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20121218-OYO1T00505.htm?from=main4 国鉄特急カラーの「１８３系」来春引退] - [[読売新聞]] 2012年12月18日</ref>。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* 寺本光照『国鉄・JR列車名大事典』中央書院、2001年。ISBN 4-88732-093-0。
* 今尾恵介・原武史『日本鉄道旅行歴史地図帳-全線・全駅・全優等列車- 8号・近畿』[[新潮社]]、2010年。ISBN 978-4-10-790042-5。
* 今尾恵介・原武史『日本鉄道旅行歴史地図帳-全線・全駅・全優等列車- 8号・近畿』新潮社、2010年。ISBN 978-4-10-790042-5。

== 関連項目 ==
{{Commonscat|Kinosaki (train)}}
* [[北近畿ビッグXネットワーク]]

== 外部リンク ==
* {{外部リンク/JR西日本車両案内|kinosaki_381|きのさき|381系}}
* {{外部リンク/JR西日本車両案内|kinosaki_287|きのさき|287系}}
* [http://www.tetsudo.com/kakenuke/132/%E6%BA%96%E6%80%A5%E3%80%8C%E4%B8%B9%E5%BE%8C%E3%80%8D/ 準急「丹後」] - 鉄道コム

{{京阪神対北近畿優等列車}}

{{DEFAULTSORT:きのさき}}
[[Category:日本の特急列車]]
[[Category:列車愛称 き|のさき]]
[[Category:西日本旅客鉄道の列車]]
[[Category:山陰本線|列きのさき]]