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う蝕
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{{統合文字|蝕}} {{Infobox Disease | Name = う蝕 | ICD10 = {{ICD10|K|02||k|00}} | ICD9 = {{ICD9|521.0}} | ICDO = | Image = Tooth model.jpg | Caption = 左:上部にう蝕が発生した歯の断面のモデル。<br />右:う蝕が歯髄に達し、歯根の先端が病変となっている| Width = 250| OMIM = | MedlinePlus = 001055 | eMedicineSubj = | eMedicineTopic = | DiseasesDB = 29357 | }} '''う蝕'''(齲蝕・うしょく)とは、[[口腔]]内の[[細菌]]が[[糖質]]から作った[[酸]]によって、[[歯質]]が[[脱灰]]されて起こる、[[歯]]の実質欠損のことである。[[歯周病]]と並び、[[歯科]]の二大疾患の一つである。う蝕された歯は、う歯(一般的には'''虫歯''')と呼ぶ。う蝕が進行して歯に穴ができていることが目に見えてわかる状態になった場合、その穴をう窩と呼ぶ。 虫歯は[[風邪]]と並び、どの世代でも抱える一般的な病気である。特に歯の萌出後の数年は[[石灰化]]度が低いため虫歯になりやすく、歯冠う蝕は未成年に多く見られる。一方、高齢化と残存歯の増加に伴い、高齢者の根面う蝕が増加してきた。 == 原因 == [[画像:Streptococcus mutans 01.jpg|thumb|150px|[[ミュータンス菌]]]] 口腔内には多くの細菌が存在し、これを[[口腔常在菌]]という。この中には多くの原因菌が存在するが、う蝕を引き起こす最も重要な菌は[[ストレプトコッカス・ミュータンス]]であるが、細菌の量や種類によりう蝕の進行速度が変わる<ref name="ross453">Ross ''et al.'', p. 453</ref> 。 う蝕原性菌、食物残渣、[[唾液]]は結合し、[[歯垢]](プラーク)となって歯に結合する。歯垢の付着は、[[臼歯]]の咬合面の溝や、全ての歯の[[歯肉縁]]、[[歯科修復材料]]と[[歯]]の境において最も顕著である。 う蝕原性菌は、食品の特に[[糖質]]から[[乳酸]]などの酸を産生する。歯垢の中に酸が大量に産生されると、口腔内のpH([[水素イオン指数]])が[[酸性]]に傾き、歯の表面の[[エナメル質]]を溶かしはじめる。これを脱灰と言う。唾液の作用によって数十分すると、今度はアルカリ性に戻り溶けた歯が補修される。これを[[再石灰化]]と呼ぶ。酸性に傾き、アルカリ性に戻る状態をグラフ上の曲線で表したものを[[ステファン・カーブ]]と呼ぶ。 糖質には[[砂糖]]や[[デンプン]]など様々な種類がある。酸産生能は糖質の種類によって異なり、砂糖の主成分である[[スクロース]]が最も高く、[[キシリトール]]は低い。こうした様々な条件によって歯が脱灰する。この進行の最も重要な因子は、「量」でなく「頻度」である<ref>British Nutrition Foundation</ref> 。一度に大量に摂取することによる脱灰よりも、頻回に脱灰され続けた方が、う蝕が進むとされている。口腔内のpHが低下すると、約30分間エナメル質は脱灰され続ける。また、多量の糖質を摂取することでpHの低下の仕方や脱灰される時間の長さが変わることが知られている。砂糖を溶かした水溶液では砂糖が10%の濃度となるまでこうしたpHや時間が変化する。 エナメル質が溶けはじめた最初期の段階では、エナメル 質に抵抗性があることや、歯が[[再石灰化]]するため、エナメル質表層は溶けず、その下から溶け始める。これをエナメル質の[[表層下脱灰]]といい、この段階を初期う蝕という。この段階では、まだ、再石灰化により、歯が元に戻る可能性がある。 [[歯垢]]が歯から取り除かれないと次第に[[歯石]]となり、通常のブラッシングではとれなくなる。歯垢や歯石は歯肉縁を刺激し、[[歯肉炎]]となり、最終的には[[歯周炎]]となる。 == 症状 == う蝕がエナメル質に限局している間、一般にう蝕は無痛であり、[[象牙質]]に達することにより、[[象牙細管]]の露出をみて初めて歯痛を覚えることが多い。このときの痛みは象牙細管内の痛覚神経終末に対する直接刺激や、象牙細管内の組織液圧力変化による歯髄痛覚神経終末に対する刺激が起こることによるものと考えられている。 う蝕が歯髄まで到達するまでの過程においては[[歯髄炎]]を併発することによる激しい自発痛が発生する場合がある。歯冠崩壊によりう蝕が歯髄まで到達すると髄腔内圧が下がるため、自発痛は一時的に消退する。また集中力の低下を招き学業やスポーツにも悪影響を及ぼす。 歯髄腔が感染した状態を放置し続けると、歯質の崩壊は著しくなり、根尖まで細菌感染が至る結果となり、[[歯根膜炎]]を引き起こすことによる拍動感を伴った鈍痛が生じることがある。この後、根尖周囲に[[歯根嚢胞]]や[[歯根肉芽腫]]が生じることがあり、感染の程度によっては[[内歯瘻|歯瘻]]が出来ることもある。 やがて歯質の崩壊が進み、残根状態になると、人体の異物排除機転により自然脱落に至る。 == 分類 == う蝕は、発生部位や病巣の形態、進行度等により分類される。 === 進行度による分類 === C0、C1、C2、C3、C4という分類が知られる。 <gallery> 画像:Cavities_evolution_1.svg|C0 歯質の不透明感や白斑、色素沈着が認められるが齲窩が確認できない 画像:Cavities_evolution_2.svg|C1 エナメル質に進行したう蝕(エナメル質齲蝕)。対策次第でC0に戻る可能性もある。 画像:Cavities_evolution_3.svg|C2 象牙質に達したう蝕(象牙質齲蝕) </gallery> <gallery> 画像:Cavities_evolution_4.svg|C3 歯の神経である歯髄に達したう蝕 画像:Cavities_evolution_5.svg|C3 歯髄の先が膿んだ病変の状態。根管治療が必要となる。 画像:Cavities Remaining Root ArtLibre.png|C4 歯冠部が崩壊し残根状態のう蝕 </gallery> === 発生部位による分類 === ; 小窩裂溝齲蝕 :小窩裂溝部は清掃を行いにくく、食物残渣がたまりやすいため、多く見られる。 ; 平滑面齲蝕 :歯頸部や隣接面に見られる齲蝕。隣接面齲蝕はX線撮影で明らかになることが多い。 ; 歯肉縁下齲蝕 :歯周ポケットが深くなったところに発生。セメント質齲蝕から始まることが多い。 ; 根面齲蝕 :歯肉が退縮し、食物残渣がたまりやすい部分が露出することにより発生。高齢者に多い。 === 病理組織学的分類 === * [[エナメル質齲蝕]] * [[象牙質齲蝕]] * [[セメント質齲蝕]] === 経過による分類 === ; 急性齲蝕 :急速に進行するう蝕で、若年者に多い。 ; 慢性齲蝕 :進行が遅いう蝕で、成人に多い。第三象牙質(修復象牙質)が多く形成される。 === 原発性か再発性かによる分類 === ; 一次齲蝕(原発性齲蝕) :正常な歯質表面に発生するう蝕 ; 二次齲蝕(再発性齲蝕) :治療において窩洞の形成が不十分であったり、修復物の変形や破折により発生した、歯質と修復物の間の間隙のために修復物の周囲で発生するう蝕のこと。しかし、実際は細菌が入り込める間隙が原因ではなく、う蝕が発生した口腔生態系が引き続き継続して、その部位が[[酸]]を産生しやすい環境であるままになっていることが原因である<ref>Bengt Olof Hansson, Dan Ericson 『Karies: sjukdom och hål』 Gothia Förlag AB、2008年。73頁。ISBN 978-91-7205-611-4。</ref>。 === 病巣の形態による分類 === ; 表面齲蝕 :表面で広がるう蝕。 ; 下掘れ齲蝕 :表層部よりも内部で広がっているう蝕。 ; 穿通性齲蝕 :細く深く進行しているう蝕。 === 進行度による分類 === ; 浅在性齲蝕 :表面で広がり広く浅いう蝕 ; 深在性齲蝕 :象牙質深部にまで達したう蝕 === 活動性による分類 === ; 活動性齲蝕 :進行するう蝕。進行を止める処置(原因因子と防御因子の両方に作用する処置)が必要である。 ; 非活動性齲蝕 :進行が止まったう蝕。進行を止める処置の必要はない。脱灰の跡は残る可能性がある。 == 発生状況 == う蝕の発生状況について厚生労働省が定期的に「歯科疾患実態調査」で報告を行っている<ref>[http://www.mhlw.go.jp/topics/0105/tp0524-1.html 平成11年歯科疾患実態調査の概要]([[厚生労働省]])</ref><ref> [http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/01/tp0129-1.html 平成17年歯科疾患実態調査結果について] (厚生労働省)</ref>。日本の虫歯の有病率は、先進国の中で最悪である。 == 治療 == <div style="float:right"> [[画像:歯の詰め物.jpg|thumb|150px|none|右下の第二大臼歯の治療後。<br />詰め物がされている。]] </div> 軽度のう蝕であれば、自然治癒することもあるが、一定水準以上まで進行したう蝕により失われた歯の構造は再生しない。しかしながら、[[治療]]によりう蝕の進行を止め、歯を保存し、合併症を防ぐことができる。 治療はまず、う蝕部位の歯質を切削し、その後歯科修復材料で形態を修復する。切削時に痛みが伴うと予測される場合は、[[局所麻酔]]を使用する。使用する歯科修復材料はう蝕の部位や患者の希望等により[[コンポジットレジン]]や[[充填用セメント]]、[[インレー]]、[[アマルガム]]などから決める。また審美的理由や耐久性といった理由から[[ハイブリッドセラミックス]]といった[[健康保険制度]]が適用できない素材を用いることもある。 [[ポーセレン]]や[[コンポジットレジン]]は天然歯と外観が似ているため、前歯に用いられることが多い。奥歯は[[咬合圧]]が強い等の理由により、インレー(つめもの)やアマルガムが使われることが多い。アマルガムは[[水銀]]の使用に対する問題により、日本では使用が減ってきているが、安価で機械的強さがあることから一般的に使われている国もある。 う蝕が広範囲の場合、[[クラウン (歯科)|クラウン]]にすることが多い。これはう蝕部位を切削した後、残った歯に上からかぶせる物で、銀合金、[[金]]、[[ポーセレン]]、[[陶材焼付合金]]等が使われる。クラウンを作成するにはある程度の日数を要するが、直接つめることができる[[ハイブリッドセラミクス]]を用いる方法もある。 歯髄の中の神経が[[炎症]]を起こしていたり[[腐敗]]した場合や、[[外傷]]を負っていた場合、歯髄は[[抜髄処置|抜髄]]される。これは[[根管治療]]と呼ばれる。歯髄を取り去った後の根管は埋められ、必要であればクラウンが作られる。 なお、後に[[X線写真|レントゲン撮影]]を行った場合に、どのような治療を行い、どこまで歯科材料が入っているのかを容易に判断できるよう、口腔内に用いる歯科材料は、通常、[[X線]]不透過性の材料が用いられる(写真には真っ白な影で現れる)。 重度のう蝕では保存することが不可能であり[[抜歯]]適応となっている。 [[ヒールオゾン]]や[[3Mix-MP法]]等の新しい治療法<ref>[http://minds.jcqhc.or.jp/n/med/7/med0055/T0002017 オゾンによるう蝕治療(2008 issue 1, -)]([http://minds.jcqhc.or.jp/ Minds医療情報サービス])</ref>も考案されてきている。 == う蝕リスク == アメリカ国内の統計によると、う蝕の[[有病割合]]と重傷度は、この30年間でかなり減少している<ref>Burt Eklund Dentistry, dental practice and the community 1999 ISBN 978-0721673097</ref>が、この減少は国民に均等に起こっているのではなく、ある集団と個人にう蝕が集中している<ref>Coronal caries in the primary and permanent dentition of children and adolescents 1-17 years of age: United States 1988-1991. J Dent Res 1996; 75(special issue) PMID 8594087</ref>。このう蝕の減少の生じていない、つまり、う蝕が発生しやすい([[発生率]]の高い)集団と個人は、ハイリスクな集団、個人と呼ばれる。 === う蝕リスクの評価 === [[CDC]]では、う蝕リスクの高い集団とは、[[社会経済状態]]が低いか両親の教育水準が低い人たち、定期的に歯科ケアを受けることのできない人たち、歯科保険に加入していないから歯科サービスを受けにくい人たち、としている<ref>Edelstein The medical management of dental caries 1994 PMID 8294673</ref>。また[[フッ化物]]を適正に利用することで、う蝕リスクは減少すると考えられている<ref>Vargas CM Sociodemographic distribution of pediatric dental caries: NHANES III, 1988−1994. J Am Dent Accos 1998 PMID 9766104 </ref>。 また、[[臨床]]における個人の評価の場合は、検査や環境を考慮したモデルによるリスク評価よりも、[[歯科医師]]によるリスク認識のほうが適切である<ref>Pitts NB. Risk assessment and caries prediction. J Dent Assoc 1998;62; 762-70 PMID 9847880</ref>とされている。 === リスク評価の実際 === う蝕リスクとう蝕経験は連続的に存在している。リスク分類を確定できないときは、う蝕リスクが高いと仮定し対応することで、実際にはう蝕リスクが高いにもかかわらず、誤ってう蝕リスクが低いと分類される集団や個人のう蝕リスクを下げることができる<ref>米国におけるう蝕の予防とコントロールのための[[フッ化物]]応用に関する推奨 p.10 ISBN 978-4896051797 [http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/rr5014a1.htm Recommendations for Using Fluoride to Prevent and Control Dental Caries in the United States]</ref>。 === リスクファクター === う蝕を引き起こすリスクファクター(危険要素)として、下記が知られる。 ; 飲食:回数が多いほど高リスク。砂糖の摂取量が多いほど高リスク。 ; 口腔衛生状態 :プラークの量が多いほど高リスク。清掃などによって除去したり、[[フッ素]]を利用して予防する。 ; う蝕原因菌の数 :口腔内に存在するう蝕原因菌の数が多いほどリスクは高い。 ; [[唾液]]の量 :少ないほど高リスク。咀嚼によって唾液の分泌が促進される。[[シェーグレン症候群]]、[[副交感神経]]遮断剤服用、[[抗ヒスタミン剤]]服用、頭頸部への[[放射線治療]]、[[唾液腺]]の疾患・先天性奇形などでは唾液が減少し、う蝕が劇的に増加する。 ; [[唾液]]の緩衝能 :唾液が酸を中和する能力は人によって違う。緩衝能が高いと酸が速く中和されるが、緩衝能が低いと酸がなかなか中和されず、う蝕が発症しやすくなる。 == 乳歯に特徴的なう蝕 == う蝕には、乳幼児期の乳歯に特徴的なものがある。 ; 哺乳瓶う蝕 : 乳幼児の水分補給のために、[[清涼飲料水]]や[[スポーツドリンク]]を[[哺乳瓶]]に入れて飲ませることが習慣化した場合、上顎の乳前歯の唇側面が急速にう蝕となる。こうした飲料は低pHや多量の糖質を含んでいるためである。重症化した場合、唇側だけでなく全歯面がう蝕となる。このように哺乳瓶の使用によって発生するう蝕を哺乳瓶う蝕と呼ぶ。予防方法としては、哺乳瓶の使用中止、哺乳瓶の中身を変える、口腔ケアである。「熱」を出した場合などに水分補給が必要となり、また小児科医などから勧められるなどしたものが、そのまま習慣化してしまい哺乳瓶う蝕となる場合も少なくない。 ; 母乳う蝕 : 古くから[[母乳]]はう蝕を発生させると信じられてきた。たしかに、母乳で育った子どもにはう蝕が多いという統計もあり、母乳には7%の乳糖が含まれている。しかし、これが積極的にう蝕を誘発することはない(実験室的にはう蝕が発生するが、臨床的にはほぼ無いとされる)。この母乳で育った子供にう蝕が多い理由としては、母乳というある程度好きな時間に与えることのできるものを、子供の要求するがままに与えるために、離乳期以降の不規則な食生活へと誘導し、う蝕を誘発しているとされる。 ; 環状う蝕 : 乳前歯部の歯冠や歯頸部が帯状に侵食されるう蝕を環状う蝕という。上記二つとは別の理由で発生するために区別される。口腔ケアの不徹底などが原因となる。 == 予防 == [[画像:Pit-and-Fissure-Caries-GIF.gif|thumb|100px|歯の噛み合わせ面の溝から進行するう蝕]] 2003年の[[世界保健機関]]の報告にあるように[[口腔清掃]]は齲蝕を予防するという証拠がなく、関連性が高いのは飲食である<ref name="who2003report" />。口腔清掃は、歯が酸に侵食される際の酸性度を弱めたり侵食時間を短縮させるのであり<ref>『唾液-歯と口腔の健康』 医歯薬出版、1998年1月。ISBN 978-4263453889。</ref>、口腔内をなるべく酸性に傾けない飲食というのが事実に即した予防となる。自分でできる口腔清掃のパーソナルケアとして、主に1日最低2回のブラッシングと最低1回の[[デンタルフロス]]などによる歯間清掃がある。歯科で行うプロフェッショナルケアとして、数ヶ月ごとの定期的な歯科検診やPMTC([[専門的機械的歯面清掃]])がある。リスクの高い部位には年に1回X線写真を撮るのも良い。 [[歯垢]]は[[細菌]]が集まって膜を形成した[[バイオフィルム]]だとも捉えられている。歯垢が熟成して細菌が密集した状態は、歯の表面に強固にくっつき殺菌剤も効きにくい。こうしたバイオフィルムの破壊には[[PMTC]]が有効である。PMTCによってバイオフィルムを破壊した状態に対して、さらに[[3DS]]によって専門的に殺菌することができる。 === ブラッシング === う蝕の予防は[[ブラッシング]]を基本とする。歯垢を取り除くことで、う蝕原因菌を少なくし、酸が作られることを防ぐ。2日以上経過した歯垢は、砂糖液により酸を作り出す時間が長くなる<ref>Clarke NG, Fanning EA. "Plaque pH and calcium sucrose phosphate: a telemetric study" Aust Dent J 16(1), 1971 Feb, pp13-6. PMID 5279872</ref>。歯垢が固まり歯石となった場合はブラッシングではとれないため、[[歯科]]で除去してもらうことになる。ブラッシングは[[歯ブラシ]]を基本とするが、歯と歯の間を磨くために[[デンタルフロス]]や[[歯間ブラシ]]、[[爪楊枝]]を利用することができる。歯間などのすき間を水で洗い流す[[口腔洗浄器]]も用いられる。 フッ化物や、殺菌効果のある[[クロルヘキシジン]]などが配合された[[歯磨き剤]]や[[洗口剤]]も有効である<ref>[http://minds.jcqhc.or.jp/n/med/7/med0055/T0002080 小児と思春期のう蝕予防のためのフッ化物配合歯磨剤(2008 issue 1, -)]([http://minds.jcqhc.or.jp/ Minds医療情報サービス])</ref>。ただし、口腔内の細菌はバランスを取って存在し、他の菌が入ることを防いでいるため、抗菌剤などの利用は口腔常在菌に悪影響を与え[[菌交代現象]]などを引き起こす場合がある。 東芝など大手企業の[[健康保険組合]]が職場に歯磨きセットを無料配布し、昼休み時にブラッシングを励行させることにより年間の[[医療費]]負担の低減に効果を挙げているなど、昼食後のブラッシングはう蝕予防に非常に有効的である。 [[画像:Smooth Surface Caries GIF.gif|thumb|100px|歯の側面から進行するう蝕]] ===電解水=== [[東京医科歯科大学]]は、[[次亜塩素酸]]と[[炭酸水素ナトリウム]]が含まれた[[電解水]]による10秒間のうがいによって虫歯菌や歯周病菌をほぼ100%殺菌できることを確認した。これは従来の洗口剤より殺菌効果が高く、また従来のものが酸性なため歯を溶かすという副作用があったがこの電解水はアルカリ性のため歯を溶かす心配もない<ref>[http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200907130045a.nwc 野口歯科医学研が開発、口腔機能水 うがい10秒、ほぼ完全殺菌] (富士産経ビジネス、2009年7月13日)</ref>。 なお、[[日本歯周病学会]]は「[[研究]]途上の段階で[[科学的根拠]]が十分であるとはいえず、[[安全性]]や[[有効性]]について学術的な場で充分な討議が行われた後に、臨床に応用されるべきである」との見解を示している<ref>[http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsp2/pub/file/about_perfect_perio.pdf 「パーフェクトペリオ」について日本歯周病学会の見解](2010年7月)</ref>。 === フッ化物 === 齲蝕予防に[[フッ化物]]を用いる方法は全身応用と局所応用に分けられ、それぞれ # 全身応用 #: [[水道水]]への[[フッ化物]]添加([[水道水フッ化物添加]]) #: [[食塩]]へのフッ化物添加 #: フッ化物錠剤の服用 # 局所応用 #: フッ化物入りの[[水]]による洗口([[フッ化物洗口]]) #: フッ化物入り[[歯磨剤]] #: フッ化物の歯面への塗布 などがある<ref>[http://www.db.od.mah.se/car/data/fluoride.html Fluoride and different vehicles to provide fluoridefor Prevention or Control of Dental Caries] (マルメ大学)</ref>。 年に数回、高濃度のフッ化物を塗布するより、歯磨き剤や洗口で頻繁に少量のフッ化物を用いたほうが再石灰化が促進できる<ref>稲葉大輔、 小松久憲 『初期う蝕のマネージメント-う蝕を進行させないために』[[クインテッセンス出版]]、2004年8月。ISBN 978-4874178140。16頁。</ref>。 フッ化物に齲蝕予防効果がある理由として、至適濃度のフッ化物が歯質を強化し、[[再石灰化]]を促進するためとされている。フッ化物は、エナメル質の[[ハイドロキシアパタイト]]の結晶に結合し、エナメル質の脱石灰化を減らし、う蝕への抵抗を強化する。 ブラッシングに際しては、必ずフッ化物入り歯磨き剤を使用し、フッ化物を口腔内に少し残す工夫をする(例えば一度磨いた直後にもう一度磨く。二度目は口すすぎをせずに吐き出すだけにする)。6歳未満の子供に対しては、親が必ず監視し、ごく少量(直径5mm未満)の歯磨き剤を使用する。多くの歯科医師は、歯の継続的な管理(メインテナンス)に際して、フッ化物の歯面への塗布(健康保険適用)を行っている。日本では水道水へのフッ化物添加はほとんど行われていないが、学校において[[フッ化物洗口]]を行うところが増えており、虫歯の本数は減少している。 ただし、世界保健機関の報告では、フッ化物の利用と口腔清掃が行われている場合でも、糖類の消費が齲蝕の[[有病率]]と重症率を増加させる<ref name="who2003report" />。 ==== フッ化物応用のリスク ==== [[咽頭がん]]・[[口腔がん]]などのリスクを上昇させるためフッ素洗口に対する反論もみられ<ref>[http://members.jcom.home.ne.jp/tomura/murakami/ フッ素毒警告ネットワーク]</ref>、フッ素洗口推進派がしばしば引用するWHOのレポートである『フッ化物と口腔保健-WHOのフッ化物応用と口腔保健に関する新しい見解』<ref>『フッ化物と口腔保健-WHOのフッ化物応用と口腔保健に関する新しい見解』高江洲義矩監修、1995年、ISBN 9784870781153</ref>にも200か所以上の誤訳や訳出漏れがありフッ素洗口を推進するように意図的に訳しているとしか思えない部分もあるという指摘がある<ref>「フッ素洗口で口腔・咽頭ガンなどの危険」『食品と暮らしの安全』2003年12月1日、通巻176号、p20</ref>。 水道水へのフッ化物添加については''[[水道水フッ化物添加についての議論]]を参照してください。''[[国際がん研究機関]]の公表する[[IARC発がん性リスク一覧]]では、飲料水中の無機フッ素化合物をGroup3(ヒトに対する発癌性が分類できない)の化学物質に分類している<ref>[http://monographs.iarc.fr/ENG/Classification/crthgr03.php 発がん性評価Group3分類](国際がん研究機関)</ref>。 === CPP-ACP === [[カゼインホスホペプチド・非結晶リン酸カルシウム複合体]](CPP-ACP)は再石灰化を促進すると考えられている成分で、歯に塗るペーストやシュガーレスガムといった製品がある。 === キシリトール === [[キシリトール]]による歯の再石灰化作用は現段階では認められておらず、疑問視されている。ただし、上記の通り、酸産生能は低いため、[[スクロース]]等と異なり、う蝕の原因にはならない。また、甘みがあるため唾液の分泌を促す効果がある。 ''S.mutans''はキシリトール存在下ではそれを呼吸[[基質]]とするよう[[酵素誘導]]が行われる。その結果、菌が口腔内の粘液に留まりにくくなり、唾液によって洗い流されやすくなることで、う蝕の予防に役立つという説がある。 === シーラント === [[シーラント (歯科)|シーラント]]は[[齲窩]]が出来るのを防ぐ方法のひとつである。臼歯の咬合面の[[小窩裂孔]]に薄い膜を作ることで、この膜で歯垢が蓄積することを防ぐ。通常、シーラントは臼歯の萌出直後の子供の歯に行うが、大人でもう蝕の予防に利益がある<ref>[http://www.ada.org/public/topics/sealants_faq.asp sealant] A.D.A.</ref>。健康保険が適用になっている。ただし、現在の日本ではあまり用いられない予防法である。 [[画像:Dentalexplorer01croppedfiltered.jpg|thumb|120px|[[探針]]]] === 探針 === う蝕の進行度を調べるのに用いられるのが、[[探針]]である。しかし、探針がう蝕を拡大させる原因の一つであるとも考えられており<ref>[http://www.ntv.co.jp/FERC/research/20030126/r090.html 虫歯を劇的に減らす方法を調査せよ(特命リサーチ)] ([[日本テレビ放送網|日本テレビ]])</ref><ref>[http://keepsmile.info/probe.html 東京予防歯科研究会]</ref>、2005年の厚生労働省のう蝕調査から、探針を用いず、もしくは先が球になっているものを用いて検診するように改められている。そのため、上記の分類では調査できないため、「Ci」と「Ch」という分類が用いられるようになった。CiはCaries incipientの略で4度分類のC1とC2の段階、ChはCaries high gradeの略でC3とC4となっている。 === 学校保健 === 子供のうちの罹患が多いこと、小学生のときに歯が乳歯から永久歯に生え変わることなどから、戦後に社会が安定した時代以降、今日に至るまでその[[予防]]は[[学校保健]]で重視された。[[保健]]の教材での記載、[[保健室]]でのポスターなどでの虫歯の進行や恐ろしさを啓蒙、歯磨の励行などである。ただし、近年では強制的な虫歯治療の励行などは控えられる傾向にある。 == 予防(飲食) == {| class="wikitable" style="font-size:88%;" |+ 食事のう蝕に対する科学的根拠と関連性の強さ<br />(WHO/FAO、2003年<ref name="who2003report">Report of a Joint WHO/FAO Expert Consultation ''[http://www.fao.org/docrep/005/ac911e/ac911e00.htm Diet, Nutrition and the Prevention of Chronic Diseases]'' 2003</ref>) |- ! !リスク低下 !関連なし !リスク増加 |- !確実 |フッ化物 |デンプン(米、ジャガイモやパンのような<br />調理されたあるいは生のデンプン食品。<br />砂糖が加えられたケーキ、ビスケットや<br />スナックを除く。) |遊離糖類の量、<br />遊離糖類の頻度 |- !可能性が高い |堅いチーズ<br />シュガーレスガム |丸ごとの新鮮な果物 | |- !可能性あり |キシリトール<br />牛乳、食物繊維 | |[[栄養失調]] |- !不十分 |丸ごとの新鮮な果物 | |ドライフルーツ |} 遊離糖類は、砂糖だけでなく単糖類、二糖類、はちみつ、果汁、シロップも該当する。 [[世界保健機関]] (WHO) の2003年の報告では、砂糖の摂取量が少ない場合、虫歯の発生が少ない<ref name="who2003report" />。同WHOの報告で、[[酢]]や[[炭酸]]、[[クエン酸]]や[[アスコルビン酸]](ビタミンC)のような酸が多い[[ソフトドリンク]]や[[ピクルス]]、柑橘類のような飲食品の消費が多ければより歯が侵食される<ref name="who2003report" />。これは[[酸蝕症]]と呼ばれる。 世界保健機関は2014年には、口腔の健康に対する[[システマティック・レビュー]]を元に<ref name="MoynihanKelly2013">{{cite journal|last1=Moynihan|first1=P. J.|last2=Kelly|first2=S. A. M.|title=Effect on Caries of Restricting Sugars Intake: Systematic Review to Inform WHO Guidelines|journal=Journal of Dental Research|volume=93|issue=1|year=2013|pages=8–18|issn=0022-0345|doi=10.1177/0022034513508954}}</ref>、砂糖の摂取量をこれまでの1日あたり10%以下を目標とすることに加え、5%以下ではさらなる利点があるという砂糖のガイドラインのドラフトを公開した<ref>[http://www.who.int/mediacentre/news/notes/2014/consultation-sugar-guideline/en/ WHO opens public consultation on draft sugars guideline] (世界保健機関)</ref>。砂糖では、2000キロカロリーの10%は50グラム、5%は25グラムである。 === 飲食とう蝕 === 飲食の直後は、口腔内の細菌が糖分から酸を作り出して歯垢のpHが低下する。平常時は平均的にpH6.8だが、飲食によりpH4~6に急低下し、その後ゆっくり1時間くらいの間に回復する<ref>米満正美、小林清吾、宮﨑秀夫、ほか 『新予防歯科学3版-上』 医歯薬出版、2003年11月。ISBN 978-4263455678。67頁。</ref>。これにより歯の脱灰が進む[[臨界pH]]を超えると歯のエナメル質が脱灰され溶けはじめる。臨界pHは、一般にpH5.5以下であるといわれているが、歯の石灰化度によっても変化する。たとえば、歯の石灰化度が永久歯よりも低い乳歯では、これより高いpHでも脱灰が進む。ステファンカーブというグラフで知られているが、砂糖水でうがいをした2~3分後に、最もpH値が下がり酸性に傾く。これが唾液などの働きにより、アルカリ性のほうへpHが上昇していき、一定のpH以上となったときに逆に再石灰化するようになる。一般的には再石灰化まで数十分かかる。 糖類の中でも、砂糖の主成分である[[ショ糖]]が最もう蝕のリスクを高め、次に[[ブドウ糖]]や[[果糖]]といった[[単糖類]]がう蝕を増加させるリスクが高い<ref>Neff D. "Acid production from different carbohydrate sources in human plaque in situ." Caries Res. 1(1), 1967, pp78-87. PMID 5228899.</ref>。 砂糖の濃度が0.025%のショ糖液15mlでも口腔内のpHを5.7にまで下げる<ref name="per2003p71">ペル アクセルソン 『う蝕の診断とリスク予測:実践編』 [[クインテッセンス出版]]、2003年6月。71頁。ISBN 978-4874177709。</ref>。2.5~5%の濃度では、pHを4.2~4.5まで下げる<ref name="per2003p71" />。10%の濃度まで口腔内のpHを低下させていくが、10%以上の濃度では変化がない<ref name="per2003p71" />。 穀物に多い[[デンプン]]は、pH5.5~6.0程度にしか下げない<ref>ペル アクセルソン 『う蝕の診断とリスク予測:実践編』 [[クインテッセンス出版]]、2003年6月。91頁。ISBN 978-4874177709。</ref>。デンプンに砂糖が混ざった食品は、デンプンだけの場合よりう蝕のリスクが高い。また、代替甘味料には様々な種類があるが、キシリトールや[[アスパルテーム]]など臨界pHまで下げない糖類がある。 堅いチーズは口腔内をアルカリ性に傾ける<ref>Jensen ME, Wefel JS. "Effects of processed cheese on human plaque pH and demineralization and remineralization" Am J Dent 3(5), 1990 Oct, pp217-23. PMID 2076251</ref><ref>Kashket S, DePaola DP. "Cheese consumption and the development and progression of dental caries" Nutr Rev. 60(4), 2002 Apr, pp97-103. PMID 12002685</ref>。 [[シュガーレスガム]]を噛むことによって、唾液の分泌を高めることが可能である<ref>『唾液-歯と口腔の健康』 医歯薬出版、1998年1月。ISBN 978-4263453889。104頁。 </ref>。シュガーレスガムによって再石灰化の促進が観察されている<ref>Edgar WM. "Sugar substitutes, chewing gum and dental caries-a review" ''Br Dent J'' 184(1), 1998 Jan 10, pp29-32. PMID 9479811.</ref>。食後にフッ化物が含有されたシュガーレスガムを噛むことで、フッ素の効果と唾液量が増すことも加えてう蝕の進行が予防できる。殺菌効果のある[[クロルヘキシジン]]が含有されたシュガーレスガムもう蝕のリスクを低下させる<ref>ペル アクセルソン 『う蝕の診断とリスク予測:実践編』 [[クインテッセンス出版]]、2003年6月。ISBN 978-4874177709。</ref>。[[CPP-ACP]]([[リカルデント]])が配合されたガムは再石灰化を促進する。水分に溶けやすい[[リン酸オリゴ糖カルシウム]]([[POs-Ca]])が配合されたガムによって1~2週間でエナメル質の再石灰化が確認された<ref>稲葉大輔、 小松久憲 『初期う蝕のマネージメント-う蝕を進行させないために』[[クインテッセンス出版]]、2004年8月。ISBN 978-4874178140。15頁。</ref>。 砂糖が入ったガムは唾液が出ることを促進するため、あまりpHを下げない場合がある。 野生動物に虫歯は無い。砂糖がない民族にも虫歯は無いが、砂糖が持ち込まれると急速に虫歯が多発するようになる。砂糖の消費を0にすれば、虫歯の発生も0になる。日本は欧米に比較して砂糖の消費は少ないが、虫歯の本数は多い。 {{see also|エナメル質#破壊}} === 飲食の回数とう蝕 === 飲食の回数が増加すると、歯垢のpHが低下している時間が長くなる。このため、歯の脱灰が進み、また、再石灰化量が減少するため、う蝕となりやすくなる。 === 間食について === [[厚生労働省]]によって行われている[[21世紀における国民健康づくり運動]](健康日本21)では、間食としての甘味食品・飲料、特に砂糖がう蝕を誘発するとし、糖類に関する正確な知識の普及と1日3回以上摂取する群の減少を目標としている<ref>[http://www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/about/kakuron/index.html 健康日本21]</ref>。 [[アメリカ歯科医師会]]と[[ヨーロッパ小児歯科医師会]]は、子供に対して、砂糖を含んだ飲み物を飲む回数を制限することを勧めている。また乳児に対して、睡眠中は哺乳瓶から飲ませないことを勧めている<ref>[http://www.eapd.gr/Parents/Pregnant%20mother%20all.htm European Academy of Paediatric Dentistry] ヨーロッパ小児歯科医師会</ref><ref>[http://www.ada.org/public/topics/decay_childhood_faq.asp American Dental Association] アメリカ歯科医師会</ref>。さらに、母親の口から細菌が感染するのを防止するために、食器やコップを子供と共有しないことを勧めている。 特に砂糖が酸を作り出す。間食としてチョコ・キャラメルなど粘着性があり、糖分が多く含まれているものはなるべく避けた方がいい。クッキー、クラッカーなど意外に多く糖分の含まれている食べ物も出来れば避けた方が良い。食べるのであれば食後にブラッシングを行うか水で口をすすぐのがよい。また、一緒に摂取する飲み物はお茶や水、牛乳など糖分の入っていないものが好ましい。 砂糖を含んだ飲み物、[[清涼飲料水]]などを飲み続けたり、口腔内に長く残る飴類をなめ続けるのは良くない。ノンシュガーや代替の甘味料の食品がいい。[[清涼飲料水]]には10%前後の糖分が含まれた飲料も多く、[[スポーツドリンク]]でも5%前後である<ref>食べもの文化編集部『清涼飲料上手な飲み方選び方』芽ばえ社、2003年4月。ISBN 978-4895792677</ref>。 頻繁に砂糖液で口を洗った場合、pHの最低値が低くなるが、1-2日砂糖を摂取しないだけで改善される<ref>『唾液-歯と口腔の健康』 医歯薬出版、1998年1月。ISBN 978-4263453889。94-96頁。</ref>。 清涼飲料水には酸性度の強い飲料が多く、歯を浸しておくと歯が溶けることが知られている<ref name="juice2001kou">甲原玄秋、堀江弘 「[http://ci.nii.ac.jp/naid/110004664374/ 清涼飲料水がおよぼす歯の脱灰作用]」『千葉医学雑誌』77(3)、2001年6月1日、145-149頁。</ref>。こうした飲料は1分で歯を溶かしはじめる<ref>。西口栄子ほか 「[http://ci.nii.ac.jp/naid/110004015137/ 清涼飲料水によるエナメル質の脱灰]」『口腔衛生学会雑誌』45(3)、1995年7月30日、314-321頁。</ref>。ただウーロン茶のようなpHが高いものには、歯を溶かす作用は観察されなかった<ref name="juice2001kou" />。 [[歯に信頼マーク]]は口腔内がpH5.7以下にならない食品についている<ref>[http://www.toothfriendly-sweets.jp/ トゥースフレンドリー協会]</ref>。 == 歴史 == (出典は主に英語版Wikipedia) *旧石器時代の化石人類には、虫歯は極めてまれであった<ref name="epidemiology">[http://www.uic.edu/classes/osci/osci590/11_1Epidemiology.htm Epidemiology of Dental Caries] U.I.C.</ref>。 *今から100万年以上前にいたオーストラロピテクスには虫歯があった。 *狩猟採集生活から、農耕生活に移行すると、虫歯は増加した。 *紀元前5000年ごろ、シュメール人は、歯にいる虫が、虫歯を作ると考えていた。同様の考えは、インド、エジプト、日本、中国にも見られた。 *古代エジプト人の虫歯は、現代人よりはるかに少なかった。当時は、精製された炭水化物が無かったからである。ただし、石臼を使って穀物の粉を作ったために、石の粉が混入して、歯が磨耗する問題があった。あるミイラには虫歯が3本あり、高度な技術で治療が施され、金が充填されていた<ref name="epidemiology"/>。 *ローマ帝国では、「調理した食品」の消費が増えて、虫歯は少しだけ増加した。 *西暦1000年の少し前には、虫歯を持つ人の割合は、3~4%であり、どの集団も10%以下であった。しかし、西暦1000年ごろ、サトウキビが西洋社会に紹介されて、虫歯を持つ人の割合は大きく増加し、24~25%ほどになった<ref name ="epidemiology"/>。 *近代歯科学の父と呼ばれる[[ピエール・フォシャール]]Pierre Fauchard(1678-1761)は、虫が虫歯を作るのではなく、砂糖が歯や歯肉に悪い影響を与えてできると述べた。 *1850年ごろに、さらに虫歯の数が急増した。産業革命により、サトウキビの利用が増大し、精製小麦粉、パン、甘い紅茶が摂取されるようになったからである。 *1890年代に、[[ウィロビー・D・ミラー]]W. D. Miller(1853-1907)は、口の中にいる細菌が、炭水化物から酸を作り、それが歯の構造を破壊するという説を提唱した。 *1924年に、ロンドンにいたKilian Clarkeは、う蝕の部位から、連鎖球菌の[[ストレプトコッカス・ミュータンス]]を発見した<ref>[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2047899/ On the Bacterial Factor in the Ætiology of Dental Caries]</ref>。当時は、別の菌がう蝕の原因菌であると考えられていた。同氏は、これこそがう蝕の原因菌であると主張したが、それが証明されたのは1960年代であった。 *1930年代に、[[アメリカ国立衛生研究所]]の[[:en:H. Trendley Dean|H. Trendley Dean]]らは、1mg/L(1ppm)のフッ素が効果的に虫歯を減らすことを示した。 *第二次世界大戦中、砂糖の不足により、日本、ノルウェイ、アイルランドでは、砂糖の配給制が行われ、虫歯が減少した<ref name="epidemiology"/>。 == 動物のう蝕 == 野生動物には虫歯は無い<ref>[http://www.coara.or.jp/DailyNews_pict/2004/safari/0702/ 野生の動物も歯が命]</ref>。しかし、霊長類のうち、果物を多く食べる種には、虫歯ができることがある<ref>[http://www.saga-jp.org/journal/6/IJEEe00056.pdf カリンズ森林保護区におけるチンパンジーの歯周疾病]</ref>。虫歯を持つ頻度が高いのは、チンパンジー>オラウータン>ゴリラである<ref name="epidemiology"/>。 ペットには、しばしば虫歯ができる。歯科のある動物病院もある。 == 脚注 == <div class="references-small"><references /></div> == 関連項目 == * [[歯科]]/[[保存科]]/[[補綴科]]/[[口腔外科]] * [[歯学]]/[[口腔細菌学]]/[[保存修復学]]/[[クラウンブリッジ補綴学]] * [[感染症]]/[[伝染病]]/[[歯髄疾患]]/[[歯周病]] * [[歯科医師]]/[[歯科衛生士]]/[[歯科技工士]]/[[感染症専門医]] * [[21世紀における国民健康づくり運動]](健康日本21)/[[健康増進法]] * [[3Mix-MP法]]/[[ダイアグノデント]]/[[う蝕検知液]]/[[歯の銀行]] * [[窩洞]] *[[メスマウス]] *[[PMTC]] == 外部リンク == * [http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec08/ch114/ch114b.html むし歯 114 章 歯の病気] (メルクマニュアル家庭版) * [http://www.jda.or.jp/park/ 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020] (日本歯科医師会) * [http://minds.jcqhc.or.jp/n/med/7/med0055/T0002063 コクラン・レビュー邦訳] ([http://minds.jcqhc.or.jp/ Minds医療情報サービス]) * [http://www.niph.go.jp/soshiki/koku/oralhealth/ffrg/m/soukatu12_1.pdf 「歯科疾患の予防技術・治療評価に関するフッ化物応用の総合的研究」] 厚生省科学研究費補助金 * [http://www.studiodentaire.com/en/conditions/cavities.php Dental Cavities] '''(英語)''' * [http://www.ada.org/50.aspx Dental Minutes] '''(英語)''' (アメリカ歯科医師会 ADA:American Dental Association) * [http://www.healthyteeth.org/ healthy teeth] '''(英語)''' カナダ・ノバスコシア州歯科医師会 * [http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/01/tp0129-1.html 平成17年歯科疾患実態調査結果について] (厚生労働省) {{Link FA|sr}} {{DEFAULTSORT:うしよく}} [[category:感染症]] [[category:歯科疾患]] [[Category:消化器病]] {{Link GA|ru}} {{Link GA|sr}}
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