いのソースを表示

{{Infobox 仮名
|平仮名字源=以の草書体
|Unicode平仮名=3044
|JIS平仮名=1-4-4
|片仮名字源=伊の偏
|Unicode片仮名=30A4
|JIS片仮名=1-5-4
|言語=ja, ain
|ヘボン式=I
|訓令式=I
|IPA=i&#798;
|JISX4063=i
|アイヌ語=I
|音=清音
}}
{{仮名|I}}
'''い'''、'''イ'''は、[[日本語]]の[[音節]]の1つであり、[[仮名 (文字)|仮名]]の1つである。1[[モーラ]]を形成する。[[五十音図]]において第1行第2段（[[あ行]][[い段]]）に位置する。現代仮名遣いでは第8行第2段（[[や行]][[い段]]）を空欄としない場合、そこに再出する<ref name=yi>[[明治]]初期には[[ヤ行イ]]を表す仮名が存在した。</ref>。現代仮名遣いで使用しない第10行第2段（[[わ行]][[い段]]）の'''[[ゐ]]'''は置き換えられることがあり、その場合そこにも再出する。

== 概要 ==
[[画像:い-bw.png|200px|thumb|right|「い」の筆順]]
[[画像:イ-bw.png|200px|thumb|right|「イ」の筆順]]
* 現代標準語の[[音韻]]: [[五母音]]の1つ /[[i]]/。[[前舌母音|前舌]][[狭母音]]に近い。すなわち、舌の前の方を高く盛り上げて響きを作り、口はあまり開かない。[[国際音声記号]]では[[非円唇前舌狭母音]]{{IPA|i}}より少し広く中舌よりで、{{IPA|i&#798;}}と記述できる。便宜上の簡略音声表記では{{IPA|i}}で表されるが、上記のように{{IPA|i}}と全く同じではないことに注意が必要である。
* 音声学上の実際の発音: 日本語の五十音の「い」段音が全て硬口蓋化しているのに準じて「い」も硬口蓋化するため、西欧諸国言語の{{ipa|i}}の発音に多い[[非円唇前舌狭母音]]{{IPA|i}}ではなく、前舌部は低いままで中舌部が高く盛り上がる「や」行の頭子音と同じ構えの[[硬口蓋音|硬口蓋接近音]]{{IPA|j}}に発音される。
* [[五十音順]]: 第2位。「[[あ]]」の次、「[[う]]」の前
* [[いろは順]]: 第1位。「[[ろ]]」の前
* [[平仮名]]「い」の字形: 「以」の[[草体]]
* [[片仮名]]「イ」の字形: 「伊」の[[偏]]の変化
* [[ローマ字]]: '''[[i]]'''
* [[点字]]:
*: [[Image:Braille B2.svg|40px]]
* [[通話表]]: 「いろはのイ」
* [[モールス符号]]: ・－
* [[発音]]：{{Audio|Japanese I.ogg|い}}

== い に関わる諸事項 ==
* [[え段]]の仮名のあとに「い」の仮名が書かれた場合、前の文字と合わせてエ段[[長音]]に読む。地域（高知県や紀伊半島の一部など）や個人によっては「イ」と読む場合があり、また歌唱では「イ」と読むことが多い。
** 例：「成形」＝「セエケエ（セーケー）」または「セイケイ」
* いろは順の最初であることから、「最初」を表す。「いの一番」
** [[音楽]]の[[音名]]で、「ラ」の音（[[A]]）を表す。→[[イ (音名)]]
** 日本の[[鉄道車両]]における[[旅客車]]の[[鉄道の車両番号|記号]]で、「イ」は[[一等車]]を表す記号であった。その後一等が廃止されたため、[[ななつ星in九州]]が登場するまで63年間使用されなかった（上等から順に「イ」、「ロ」、「ハ」とされた）。
** [[日本初の一覧#音響・映像・通信|日本で初めて]][[テレビ受像機]]（[[ブラウン管]]）に映し出された文字である。（カタカナの「イ」→ [[高柳健次郎]]も参照）
* 「ウィ」「ヴィ」「クィ」「グィ」「スィ」「ズィ」「ツィ」「フィ」「ティ」「ディ」などのように[[捨て仮名|小さく書いた「イ」]]を[[う段]]の仮名または「テ」「デ」の後に書いた場合は、[[拗音|拗音と同じように]]直前の文字と合わせて一つの音を構成する。すなわち、前の文字と合わせて1モーラを形成する。基本的に前の文字の母音をなくして[[子音]]だけにするか母音を[[半母音]]化して、それに/'''i'''/を合わせた硬口蓋化しない「い段」の音を表す。
:* ただし語彙によっては、「イ」が小さく書いてあっても「イ」単独で一つの音を構成することがある。
::例:「ウィット」（→「ウイット」）
:::「エクィティ」（→「エクイティー」）
:::「スィート」（→「スイート」）
:::「フィルム」（→ 「フイルム」） 
:* 語末の「ティ」「ディ」「ウィ」「ヴィ」「ツィ」「フィ」などは長音化して2モーラで発音されることが多い。 
::例:「アイデンティティ」（→「アイデンティティー」）
:::「レディ」（→「レディー」）
* 「ぃ」を俗に[[い段]]の仮名のあとに使われることがあり、この場合は大書きしたのと同様長音となり、単独で1モーラを構成する。
* 「イ」の後に「エ」の文字を小さく書いた「イェ」([[ヤ行エ]]の上代での発音もこの発音であった)では、「イ」が[j] の音となり、小さく書いた「エ」と合わせて1モーラが構成される。
* [[歴史的仮名遣い]]における「[[ゐ]]」および語中・語尾の「[[ひ]]」（イと発音するもの）は、[[現代仮名遣い]]では「い」と書くことになっている。
* 片仮名の「イ」は漢字の部首である[[人部|人偏]]とほぼ同形になっている。[[インターネットスラング]]では、「位」を「イ立」と倍角文字代わりに表記するように、「イ」が人偏に代用されることがある。

== 単音節「い」で成立する単語 ==
{{Main2|「イ」と発音・表記されるもの|イ (曖昧さ回避)}}
* [[イグサ]]を意味する、藺（い）と、その代表である植物学上の種である「[[イグサ|イ]]」。
* [[井戸]]を意味する、井（い）。
* 意を決するの、意（い）。
* 消化器官の、胃（い）。
* 虎の威を借るの、威（い）。
* 異を唱えるの、異（い）。
* 医は仁術の、医（い）。
* 衣・食・住の、衣（い）。
* 十二支の、亥（い）。

== 漢字 ==
「い」と読む漢字は非常に多い。

胃　居　鋳　射　委　意　医　位　井　異　移　違　囲　衣　以　伊　依　偉　維　威　易　為　慰　緯　遺　尉　萎　惟　夷　椅　豬　謂　亥　蔚　胆　斐　畏　揖　鮪
尹　五　入

== 脚注 ==
<references />
== 関連項目 ==
{{Wiktionarypar|い}}
* [[Wikipedia:索引 い]]
* [[ヤ行イ]]
* [[ゐ]]
* [[い(苗字)]]
[[Category:仮名文字|あ]]