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いも)とは、植物地下茎といった地下部が肥大化して養分を蓄えた器官である[1]。特にその中で食用を中心に人間生活の資源として利用されるものを指すことが多い。但し、通常はタマネギのような鱗茎は含めない。

概要

芋は澱粉質などの糖質を多く含み栄養価も高いことから、世界には芋を主食としている地域が多数ある。ジャガイモサツマイモのように、痩せた土地でも耕作が出来ることから、原産地から移出された先で主食作物としての地位を得たものもある。例えば、アンデス原産のジャガイモは、ドイツ連邦共和国で主食としての地位を得ている。

一般に芋栽培穀物栽培と比べて容易で効率が良いという利点がある。一方、穀物食の場合は主食だけで必要な蛋白質の多くを摂取することも可能であるが、芋食の場合は原則として副食で蛋白質を補うことが欠かせない。また穀物と比べると保存が利かない。

芋をもつ植物は、その進化の過程で種子による子孫繁栄よりも地下茎による同一個体の複製を目指した植物ではあるが、有性生殖の機能は完全には失っておらず、や種を付ける。栽培に適した地域であるほど花や種を付ける事が多い。この花や種は繁殖手段として必ずしも有効なものではないが、ウイルスによる遺伝子汚染の影響が少ない真正種子は親とは異なる性質を持つことから、芋植物の品種改良は採種を介して行われる場合も多い。

芋は地上に出た部分で光合成を行い、この根にある地下茎の肥大部分に栄養を蓄えて、葉や茎が枯れてしまう乾季を芋のみの状態で過ごし、成育に適した季節が訪れると再びを出して育つが、コンニャクイモのように数年越しで成育する芋もある。 この間隔が短い植物は主食などとして人間が栽培して食べることに向いている。このため広い地域で様々な品種の芋が栽培されており、多くの飢餓を回避してきた。但し、無性生殖によって単一品種のみが栽培された場合には特定の植物固有の病気が蔓延しやすくなる傾向(連作障害)もあり、それが原因となってジャガイモ飢饉のように飢饉を招いた例もある。

例えばキャッサバのように有毒栽培種もあり、害虫や他の動物に食べられる被害にあい難い利点がある。毒抜きして食用にされる。

工業的に澱粉が分離精製される。また、蒸留酒原料ともされてきたが、近年ではアルコール燃料バイオエタノール)の原料ともされる。

俗語と芋

ファイル:Ishi yakiimo vendor by MShades in Nara.jpg
古くから甘くて美味しい石焼き芋は人気がある

栽培場所を選ばず安定供給が可能なため、得易く安価な食料として庶民に広く親しまれてきた。しかし、「何処でも得られる食料」ゆえ、蔑まれる傾向も見られる。いわゆる「イモ」というと「洗練されていない」の意味を含んだ、いわゆる「ダサい奴」という意味で使われる蔑称となる。芋料理は、しばしば「田舎料理」(郷土料理)の代表に挙げられる。(例:九州大学生をカリカチュアした菓子『いも九』

芋づる式
芋のつるを引っ張ると、芋が連なって一度に取れることから、一度に取得できること又は一つが取れると連なって取れる事を指す。
芋を引く
不良用語、俗語の一つ。芋を引いて土から抜く時、引手の人間は後ろに後ずさり尻餅をつくことが多い。このことから、喧嘩や揉め事の場でおじけづく、たじろぐ、逃げ出すことを意味する。主にやくざが使う隠語で、こういった意味から臆病者の事を「芋引き」と呼んでいる。

代表的な芋類

塊根

地下茎

塊茎

球茎

その他

担根体

芋の加工品

関連項目

脚注

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外部リンク

  • 「飲食事典」本山荻舟 平凡社 p40 昭和33年12月25日発行