リグ・ヴェーダ

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リグ・ヴェーダ

リグ・ヴェーダ』(ऋग्वेद Rigveda)は、古代インドの聖典であるヴェーダの1つ。サンスクリットの古形にあたるヴェーダ語テンプレート:Lang-en)で書かれている。全10巻で、1028篇の讃歌(うち11篇は補遺)からなる。

呼称

中国語の密教経典の翻訳では「梨倶吠陀」と表記され、日本語文献でも用いられた事がある。[1]

歴史

古代以来長らく口承され、のち文字の発達と共に編纂・文書化された数多くあるヴェーダ聖典群のうちのひとつで、最も古いといわれている。伝統的なヒンドゥー教の立場ではリシ(聖者・聖仙)たちによって感得されたものとされる。中央アジアの遊牧民であったインド・アーリア人がインドに侵入した紀元前18世紀ころにまで遡る歌詠を含む。

紀元前12世紀ころ、現在の形に編纂された[2]

内容

中核となっているのは2巻から7巻で、祭官家の家集的な性質を持つ。第1巻と第8巻は内容的に類似し、2巻~7巻の前後に追加された部分と考えられる。9巻はこれらとは大きく異なり、神酒ソーマに関する讃歌が独占している。10巻は『リグ・ヴェーダ』の中で最も新しい部分とされる。 讃歌の対象となった神格の数は非常に多く[3]、原則として神格相互のあいだには一定の序列や組織はなく、多数の神々は交互に最上級の賛辞を受けている。しかし、他方でリグ・ヴェーダの終末期には宇宙創造に関する讃歌を持つにいたり、ウパニシャッド哲学の萌芽ともいうべき帰一思想が断片的に散在している[4]

後期ヴェーダ時代(紀元前1000年頃より紀元前600年頃まで)に続くヴェーダとして『サーマ・ヴェーダ』・『ヤジュル・ヴェーダ』・『アタルヴァ・ヴェーダ』の三つが編纂される。付属文典として『ブラーフマナ』(『祭儀書』)、『アーラニヤカ』(『森林書』)、『ウパニシャッド』(『奥儀書』)が著された。

日本語訳

脚注

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関連項目

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  1. 平田篤胤 (1827)『印度蔵志』巻之二稿「吠陀は、諸書に皮陀…。言義は、密嚴經音義に『吠陀梵語也、是譯云明論、謂壽礼平術、名四吠陀此云四明論、有十萬頁、西方所量、明四類法、一壽、二祠、三平、四術』と見え、名義集には『吠陀此言智論、知此生智…』」 (「壽」は、リグ・ヴェーダを指す。)
  2. 中谷英明 (2000)「古代インドにおける哲学と文献学」『古典学の再構築』第5号. 18-21 (オンライン・ペーパー)
  3. 例えば、スーリヤ(太陽神)、ヴィシュヌヴァーユ(風神)、ルドラ(後のシヴァ神)、アグニ(火神)、ソーマ(神酒)、ヴァルナ(司法神・水天)、ミトラ(契約の神)、インドラヤマ(死者の王)、アスラ
  4. 辻直四郎(1996)『リグ・ヴェーダ讃歌』第29刷 299頁。