シューゲイザー

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テンプレート:参照方法 テンプレート:Infobox Music genre シューゲイザー(Shoegazer)とは、ロックのスタイルの1つ。英語では正確にはシューゲイジング(Shoegazing)と表現する。

フィードバック・ノイズエフェクターなどを複雑に用いた深いディストーションをかけたギターサウンド、ミニマルなリフの繰り返し、ポップで甘いメロディーを際立たせた浮遊感のあるサウンド、囁くように歌い上げるボーカルなどがシューゲイザーの一般的特徴として挙げられる。

シューゲイザーには、1960年代後半に流行したサイケデリックミュージックのリバイバルまたは新解釈的な面があり、またその内省的な音楽スタイル全般がオルタナティヴ・ロックの1ジャンルと捉えられている。

用語の起源

「シューゲイザー」という言葉がメディアで初めて使われたのは、1990年初頭にイギリスの音楽誌『サウンズ』に掲載されたムースライブについての批評記事上である[1]。このライブでムースのボーカル、ラッセル・イェーツは、曲の歌詞を憶えられずステージの床に貼り付けた歌詞カードを見ながら歌唱・演奏していた。その光景はまるで靴を見つめているかのようであり、それを見た同紙の記者が前述の記事内で「シューゲイザー(靴を見つめる人)」と表現した。そこから一部のメディアが揶揄を込めてシューゲイザー(シューゲイジング)と呼ぶようになったのが始まりである。

ドイツのシューゲル・アインシュタイン・ケリッヒが開発した音響装置に音が似ているためシューゲイザーと呼ばれたというジョークもある。当時は、「ハッピー・ヴァレー」または「テムズ・ヴァレー」と呼ばれることもあった。

歴史

1980年代中頃、イギリスではコクトー・ツインズスペースメン3ハウス・オブ・ラヴといったサイケデリックミュージックに影響を受けたバンドが、ネオ・サイケデリアと称され、一定の支持を得ていた。そんな中1985年にジーザス&メリーチェインの『サイコキャンディー』が発表される。極端にノイジーなギターサウンドとポップなメロディが同居したサウンドは、耳の早いリスナーや批評家たちから大きな支持を受け、後継のバンドに大きな刺激を与えた[2]

1990年前後、アラン・マッギー率いるクリエイション・レコーズを中心に、イギリスのインディー・ロックシーンは大きく盛り上がりを見せる。前述のジーザス&メリーチェインや、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインに続き、ライドスワーヴドライヴァースロウダイヴといったバンドが同レーベルからデビュー。また、4ADレコードからもペイル・セインツラッシュ らが登場した。

その後英国音楽紙『NME』がシューゲイザーという表現を取り上げ、当時のインディーズチャートでは既にかなりの成功を収めていたライド、ラッシュ、チャプターハウスといったインディーズバンド群の似通ったサウンド、スタイルをカテゴライズし、ジャンル化していった[3]

そして1991年に発表されたマイ・ブラッディ・ヴァレンタインの『ラヴレス』は、複雑に構築された何層ものギターノイズによる美しいサウンドでイギリスのみならず世界中に衝撃を与え、今日でもシューゲイザーを一般に浸透させた金字塔的作品として広く認知されている。

メディア主導によるムーヴメントの加熱は、リスナーに一過性のブームという印象を与えてしまい、結局は1990年代半ばに爆発的ブームを起こしたブリットポップの陰に隠れ、充分に注目を受けることなくブームは沈静化してしまった。しかしブームが過ぎ去った後もシューゲイザーを愛好するファンやアーティストは確実に増え続け、2013年現在に至るまでオルタナティヴ・ロックポストロックドリーム・ポップのアーティストに少なからぬ影響を与え、またテクノエレクトロニカクラブ・ミュージックとの交流によりさらなる継承発展を遂げてきた。

2011年に日本初のシューゲイザーフェスであるJAPAN SHOEGAZER FESTIVALが開催された。

2012年現在では、第2回JAPAN SHOEGAZER FESTIVALが開催され、ニューゲイザー(new-gazer、nu-gazer)と呼ばれる新世代の出現によって、シューゲイザーは再び注目を集めている[4]

シューゲイザー・バンドの一覧

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参考文献

脚注

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外部リンク

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  1. テンプレート:Cite book
  2. しかしイギリスのバンドの前に、裸のラリーズサロン・ミュージックなどの日本のバンドがシューゲイザーを実行している。サロン・ミュージックは1981年にイギリスで『Hunting on Paris』をリリースし、イギリスのバンドへ大きな影響を与えた。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインは裸のラリーズからギタースタイルなど影響を受けている。
  3. これらのバンドすべてが床の歌詞カードを見ながら歌唱していたわけではないが、皆ほぼ一様にギターペダルエフェクト)の操作や演奏に没頭するパフォーマンススタイルを持ち、ステージ上で終始うつむき加減であった。
  4. FEELING OF GAZE――単にシューゲイザーの繰り返しじゃない、ニューゲイザー勢の個性TOWER RECORDS ONLINE 2012年5月23日