Yahoo!

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テンプレート:Infobox Yahoo!(ヤフー)は、アメリカ合衆国インターネット関連サービスの提供を行う企業であり、検索エンジンをはじめとしたポータルサイトの運営を主力事業としている。「Y!」と略されるときがある。

1994年スタンフォード大学ジェリー・ヤンデビッド・ファイロによってウェブディレクトリとして始められた。

歴史

初期(1994年 - 1996年)

ファイル:Jerry Yang and David Filo.jpg
創立者のジェリー・ヤン(左)とデビッド・ファイロ(右)

ファイロとヤンの2人はスタンフォード大学の学生の頃、ネットサーフィン中に見つけた興味深いページを「Jerry's Guide to the World Wide Web」(「ジェリーのワールド・ワイド・ウェブ案内」を意味する)というウェブサイトに公開していた。ファイロとヤンは好角家で、初期には Yahoo! は力士の曙太郎に因んで「Akebono」と名づけられたヤンの研究用ワークステーションに、検索エンジンは、同じく力士の小錦八十吉 (6代)に因んで「Konishiki」と名づけられたファイロのコンピュータに格納されていた[1]

リンクが階層的に分類され、ジャンル別に検索しやすくなったこのウェブサイトは評判となり、それに伴い同ウェブサイトが置かれていたスタンフォード大学のネットワーク負荷が増えてきたため、1995年のはじめにマーク・アンドリーセンの勧めでネットスケープコミュニケーションズの大型コンピュータに移行した[1]

やがて2人はベンチャーキャピタルに事業化を持ちかけられ、1995年3月1日、アメリカ合衆国カリフォルニア州Yahoo! Inc. を共同設立し、会社法人として事業を開始した。1996年4月にはNASDAQ株式を公開した。ティッカーシンボルは「YHOO」。ちなみにこの株式公開とほぼ同時期に、Yahoo! JAPAN のサービス開始等の関係からソフトバンクによる出資を受け入れており、一時はソフトバンクが同社の筆頭株主だった[2]。2014年現在でもYahoo! Japanはソフトバンクが筆頭株主であり、利用者情報などを含めてアメリカYahoo!とは独立した事業運営をしている。

成長期(1997年 - 1999年)

1990年代後半には、MSNライコステンプレート:ルビなど、多くのポータルサイトが立ち上がった。こうしたポータルサイトは人気を得て、ユーザーの多くは、ポータルサイトに滞在するようになった。

1997年3月8日Yahoo! はウェブメールサービスの テンプレート:ルビを買収した。これが後の テンプレート:ルビの原型である。また、ClassicGame.com(クラシック・ゲーム・ドット・コム)も買収し、これもテンプレート:ルビとなった。1999年1月28日にはGeoCitiesを、2000年6月28日には テンプレート:ルビを買収した。eGroupsYahoo! Groups になっている。2001年7月21日には、テンプレート:ルビを開始している。

ドットコムバブル(2000年 - 2001年)

2000年1月3日には、株価が最高で475ドルにまで達する。この16日後には、Yahoo! JAPANの株が1億円を越え、1億140万円にまで達した。一方、2000年2月7日www.yahoo.com に数時間のDDoS攻撃を受け、株価が4.5%も下落した。

このころには、eBayとの合併も取りざたされており、ケーブルテレビのCNBCもこれについて議論している[3]。合併こそ実現しなかったものの、両社はマーケティングや広告に関する協定を2006年に結んでいる[4]

2000年6月26日には、Yahoo!は、Googleのサーチエンジンを利用することに合意した[5]

ドットコムバブル以後(2002年 - 2007年)

2002年6月3日には、SBCとプロバイダ事業を共同で開始し、2003年1月には、テンプレート:ルビとの提携関係を結んだ。2005年8月23日には、ベライゾン・コミュニケーションズ社とDSLサービスを開始している。

2002年後半になると、他の検索エンジンの買収を開始し、2002年の12月にインクトミ社を、2003年1月には、オーバーチュアとその子会社のアルタビスタオールザウェブを買収している。2004年2月18日には、Googleの検索エンジンの利用を止め、自社の検索エンジンの利用を開始している。

2004年4月に始まったGoogle社のメールサービス テンプレート:ルビに対抗して、Yahoo! はメールサービスの増強を図った。通常の利用分は100MBに、テンプレート:ルビでは、1GBの容量になった。2004年6月9日、電子メールプロバイダの テンプレート:ルビを買収し、Ajaxインターフェイスの搭載を行った。また、グーグル社の テンプレート:ルビに対抗して、2005年10月13日には、Yahoo!マイクロソフトが、それぞれのメッセンジャーに互換性を持たせることを発表している。

その後も買収を続け、特にテンプレート:ルビ関係のサービスの強化を図っている。2005年2月9日には音楽関連のサービステンプレート:ルビを開始し、3月20日には、写真共有サービスの テンプレート:ルビを買収している[6]。同じく3月には、テンプレート:ルビというブログ、SNSサービスを開始している。同年6月にはblo.gsというRSSサービスの会社を、10月4日にはカレンダー共有サービスのUpcoming.orgを、12月9日にはソーシャルブックマークのテンプレート:ルビを、2006年1月9日にプレイリスト共有コミュニティのテンプレート:ルビをそれぞれ買収している。

2007年8月27日に、Yahoo!テンプレート:ルビ の新バージョンをリリースする。新バージョンには新しい機能( テンプレート:ルビの利用者にもインスタントメッセージが送れるようになるなど)が追加され、またコンピューターから携帯電話にテキスト形式のメッセージをインド、カナダ、フィリピン、米国の携帯電話に無料で送信できるできるようになった(受信は無料でない)。

経営難とリストラ(2008年 - 2009年)

2008年1月29日に、Yahoo!は同社の厳しく、苦しい経営状況では、検索エンジン業界のリーダーであるGoogle社と相乗的に市場競争ができないとして、全従業員14,300人のうち7%である1000人をレイオフ(人員削減)すると発表した。[7] Yahoo!は急成長がみこまれ会社の拡大が期待できる分野に人員を当てることにしている。

2008年2月12日に、マサチューセッツ州ケンブリッジのオンライン動画プラットフォームプロバイダーのテンプレート:ルビを1億6000万ドルで買収。[8]

2008年11月17日に、ジェリー・ヤンCEOは辞任し、以前の役職であるチーフに就任。[9]

2008年12月10日には業績悪化に伴い、世界で1520人の従業員のレイオフを始めた。[10]

マイクロソフトによる買収の試み

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相次ぐCEOの交代(2009年 - )

キャロル・バーツ時代

2009年1月に、Yahoo! は創業者であるジェリー・ヤンの後任のCEOに就任したキャロル・バーツの指揮のもとで経営立て直しを試みることになった。

7月には、Yahoo! のウェブサイトにマイクロソフトの検索技術と検索広告プラットフォームを使うことでマイクロソフトとYahoo! は提携に合意した。

2009年7月21日に、Yahoo! は新しいバージョンのトップページを公開した。トップページ左側のカスタマイズ可能な「テンプレート:ルビ」には Yahoo! のサイト上で提供されているサービスのみならず、ネットフリックスFacebookTwitterなどの他社のWebサービスを選んで配置できるように、その当時はなっていた。

2011年9月6日、バーツは突如、取締役会長ロイ・J・ボストックの電話で解任された。一方、会社の全体または一部事業の売却を検討しているとされた。売却先としてAOLマイクロソフトアリババ等が候補に挙がっているとされた。

しばらくの間はティム・モースCFO最高財務責任者)が暫定的CEOを勤めていた。

スコット・トンプソン就任と解任 (2012年)

2012年1月4日PayPal社長のスコット・トンプソンがCEOに指名された。同年4月には約2000人のレイオフを発表するなど再建に乗り出した。[11]

3月には、Yahoo!はFacebookに特許を侵害されたと提訴した。[12]4月にはFacebook側から逆提訴をされている。

2012年4月、スコット・トンプソンはYahoo!は顧客最優先であるべきだという彼の見解を何度も繰り返した電子メールを従業員のもとに送っていた。 トンプソンはとって顧客とはユーザーと広告主の両方だと定義していた。

トンプソンは、さらに完全にYahoo!の再編成を行った。再編成は2012年5月1日に効果が現れ、その要因は「消費者」・「地域」・「テクノロジー」と3つの大きなグループの経営戦略だった。[13]

しかし2012年5月、トンプソンがコンピュータ・サイエンスの学士号を有しているとした誤りから起こった「学歴詐称」問題が発覚。5月13日、就任からわずか4カ月でCEOを解任された。[14]

そして、役員のロス・レビンソンが暫定CEOに就任した。[15]

マリッサ・メイヤーのCEO就任 (2012年 - )

2012年7月17日、ライバル企業であるGoogleの元役員でウォルマートの社外取締役であるマリッサ・メイヤーが新たなCEOに就任した。[16]メイヤーはフォーチュン500の会社の中では若い部類のCEOになった。

2013年5月19日ウォール・ストリート・ジャーナルは、Yahoo!の取締役会が設立6年目のブログサービスの会社Tumblr(タンブラー)を現金11億ドルで買収することを承認したと報道した。[17]。 Tumblrは買収後も創業者のデイヴィッド・カープが大株主でCEOも務める。

Yahoo!が所有する写真サービスのFlickr2013年5月20日に全面リニューアルと無料で1TBの保存容量をユーザーに提供することを発表した。[18]Tumblrの買収の公式発表もその日にされた。

2013年5月26日、メディアにYahoo!がビデオストリーミングサイトのHuluに関心を持っていると報道された。さまざまな条件面でYahoo!は買収に6億~8億ドルを提示しているという。[19]月に4500万人のユニークビジターを引き付けるYahoo!の動画サービスと同時にHuluが持つ多くのユーザーの相乗効果は、Googleとその子会社であるYouTubeの次に人気のある第2位の位置にYahoo!が伸し上がることができるほどである。

2013年8月2日、Yahoo!はソーシャルブラウザにかかわるRockMelt (ロックメルト)の買収を発表した。[20] 買収によって懸念されていたCEOのエリック・ビシュリアそしてCTOのティム·ハウズを含むRockMeltチームはYahoo!のチームの一部となることになった。 その結果、すべてのRockMeltアプリや既存のWebサービスは8月31日から終了となった。

2013年8月7日、Yahoo!は2013年9月5日から新しいロゴの最新版を導入することを発表した。それを記念するために、同社は切り替え日までの30日間にロゴを日替わり表示する「30日間の変化」キャンペーンを開始していた。[21]

2013年7月の間、インターネット視聴率調査会社のコムスコアが照合したデータよると、前月と比較して米国ではGoogleのウェブサイトより多くの人々がYahoo!のウェブサイトを訪問したことを明らかになった。Yahoo!がGoogleを上回るのは2011年以来では初めてとなった。データはYahoo!が所有するTumblrのサイトや携帯電話のためのサイトの訪問統計は含まれていなかった。[22]

2014年2月11日、Yahoo!はWanderというソーシャル日記の会社を買収した。[23]

2014年2月13日、Yahoo!は技術系求人の会社Distillを買収した。[24]

名前の由来

Yahoo!の名前の由来は英語の「Yet Another Hierarchical Officious Oracle」(さらにもう一つの階層的でお節介な神託)の略だといわれている[25]。また、ファイロとヤンは自分たちのことを「ならずもの」だと考えているので、「粗野な人」という意味がある「Yahoo」(『ガリヴァー旅行記』に登場する野獣の名前が由来)という言葉を選んだと主張している[1]。さらに感嘆符が付いていることに関しては「ヤッホー!」「やったー!」を意味する英語の感動詞yahoo」と掛けているとも考えられる。

Yahoo!の事業

検索エンジンとしてのYahoo!

という検索エンジンの運用と検索サービスの提供という図式は、Yahoo!を初めとする数社によって始められ、かつ確立された。

このような形のウェブサイトポータルサイト(入り口)と呼ぶようになった。

なお、Alexaが提供しているyahoo.comのトラフィック統計を見ると、アクセス全体に占める search.yahoo.com(検索サービス)のアクセスは全体の10.5%ほどで、Yahoo Japanでは[26]18%ほどとなっている。(2010年1月現在)

近年の業績悪化に伴い、2010年には自社開発の検索エンジン[27]からマイクロソフトのテンプレート:ルビに検索エンジンを切り替える方針を明らかにしており、2010年8月より順次各国語版で切り替えを開始している[28]。ただしYahoo! JAPANはBingではなくGoogleを採用する方針[29]

検索オプション

Yahoo!では、Web(文書)、Images(画像)、Video(ビデオ)、Audio(音声)、DirectoryYahoo!に登録されたウェブサイトの目録)、Local(ローカル)、News(ニュース)、Shopping(買い物サービス)で分類して検索するシステムがある。

Yahoo!のサービスサイト

Yahoo! には、メインページ中央やや上部に、下のような Yahoo! が所有するサービスサイトがある。

サービス名に冠する「Yahoo!」は省略形の「Y!」で表される事がある。

丸かっこ()内に Yahoo! JAPAN の対応するサービスを明記する。

など。

世界のYahoo!の一覧

ほとんどの国・地域のYahoo!は「(国・地域のccTLD).yahoo.com」のドメインを使用しているが、日本では「jp.yahoo.com」ではなく「yahoo.co.jp」を使用している。また、オーストリアスイスは「(ccTLD).search.yahoo.com」のドメインがトップページとなっている他、マレーシアはccTLDの「.my」が「My Yahoo!」とバッティングするため「malaysia.yahoo.com」が使われる。

台湾の「Yahoo! 奇摩」は地域のローカル検索事業者との合併に伴う名称となった結果、サイト名から地名が除かれている。また、オーストラリアの「Yahoo! 7」は大手放送事業者・セブン・ネットワークとの合弁に伴い、2006年1月よりサイト名を変更した。

ヨーロッパ・中東・アフリカ

南北アメリカ

アジア・オセアニア

廃止

  • Yahoo! Asiaasia.yahoo.com) - アジア全域に向けたYahoo!英語
  • 雅虎中文chinese.yahoo.com) - 世界各地の中国系住民に向けた中国語Yahoo!
  • Yahoo! Catalàct.yahoo.com) - カタルーニャ語圏のYahoo!
  • Yahoo! Koreakr.yahoo.com) - 韓国Yahoo!。2012年12月31日でサービス終了。
  • 中国雅虎cn.yahoo.com) - 中国Yahoo!。2013年8月31日でサービス停止。
  • Yahoo! Danmarkdk.yahoo.com) - デンマークYahoo!
  • Yahoo! Suomifi.yahoo.com) - フィンランドYahoo!
  • Yahoo! Nederlandnl.yahoo.com) - オランダYahoo!
  • Yahoo! Norgeno.yahoo.com) - ノルウェーYahoo!
  • Yahoo! Polskapl.yahoo.com) - ポーランドYahoo!
  • Yahoo! Türkiyetr.yahoo.com) - トルコYahoo!
  • Yahoo! По-Русскиru.yahoo.com) - ロシアYahoo!
  • Yahoo! Thailandth.yahoo.com) - タイYahoo!

2013年以降、ヨーロッパ地域を中心にポータルサイトサービス廃止国が増えている。これらの国では電子メールサービス(Yahoo! Mail)は引き続き提供されている。

脚注

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関連項目

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外部リンク

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テンプレート:Yahoo! JAPAN
  1. 1.0 1.1 1.2 Yahoo!の歴史、Yahoo! JAPANの歴史 - Yahoo! JAPAN
  2. 米国Yahoo!社への追加出資の件および当社インターネット事業戦略について - ソフトバンク・1996年4月12日
  3. Yahoo to Buy EBay? - Wired
  4. Yahoo/eBay wow the markets with marketing alliance - カナダ放送協会
  5. GoogleAlert #2: Yahoo! Selects Google as its Default Search Engine Provider - グーグル社
  6. Yahoo actually does acquire Flickr - Flickr
  7. テンプレート:Cite web
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  20. テンプレート:Cite web
  21. テンプレート:Cite web
  22. テンプレート:Cite web
  23. テンプレート:Cite web
  24. テンプレート:Cite web
  25. The History of Yahoo! - How It All Started..., Yahoo! Media Relations, 2005年
  26. http://www.alexa.com/siteinfo/yahoo.co.jp
  27. テンプレート:ルビ
  28. 米Yahoo!、一般検索でのBing移行の本格スタートとSearchMonkeyの終了を発表 - ITmediaエンタープライズ・2010年8月18日
  29. Yahoo! JAPANGoogleの検索エンジンと広告配信システムを採用 正式発表 - ITmedia・2010年7月27日