Microsoft Windows NT

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テンプレート:Infobox OS Microsoft Windows NT(マイクロソフト ウィンドウズ エヌティー)は、マイクロソフトが開発したオペレーティングシステム (OS) である。

Windows 9x系といったWindowsファミリーのオペレーティングシステムより安定性に優れており、Windows 2000Windows XP、またそれ以降のWindowsファミリーのOSの源流となった。

概要

Windows NTはMS-DOS上の拡張シェルであるWindows 3.x系はもちろんWindows 9x系とも違う完全32ビット・プリエンプティブなマルチタスクOSであり、新規に構築された全く新しいOSである。

設計の要素の多くはデヴィッド・カトラーや一緒に入社したDECの開発者の影響があり、VMSの要素が反映されている。OSのカーネル領域とアプリケーション領域を分離して管理する構造で、Windows 9x系に比べて安定性が確保されていた。このため、Windows 9x系が一般消費者向けとされていたのに対し、Windows NT系は業務用OSとして位置付けられていた。

安定した動作を要求される業務用途をメインに考えて設計された為か、Windows NT 4.0まではWindows 9x系に比べてマルチメディア系の機能やゲームAPIDirectX(Windows NT 4.0で一部対応)、ACPIPnPUSBIEEE 1394等の新しい規格への対応はなされていなかった。

NTの意味

マイクロソフトはNTを「New Technology」の略としている[1]。しかし、後継のWindows 2000においてブート時のロゴ画面上に「Built on NT Technology」という文章が書かれており、この説だとすると「Technology」が重複してしまうためNew Technologyの略ではないという意見もある[2]。他に、カトラーが先に開発したVMSの一歩先を行くという意味で、それぞれアルファベット順での次の文字にしたWNTとするためだろうという説[3]や、「NT」は、開発元のMicrosoftの略称「MS」のアルファベット上での次の文字になっているという説、初期の開発名称 i860エミュレータ'N10 (N-Ten)'の略との説などがある。[4] テンプレート:Main

バージョンの変遷及びそれぞれの特徴

Windows NTの最初のバージョンは3.1であり、3.1より前のバージョンは存在しない。これ以前に発売されていたWindows 3.1と互換性があるため、Windows NTの最初のバージョンも3.1からスタートしたのである。

以下、日本版の発売年を併記する。

Windows NT 3.1(1994年)

初期バージョン。コードネームはWNT。デスクトップ シェルとしてWindows 3.1と同じユーザインタフェースを採用していた。英語版は1993年7月27日に発売された。x86版、MIPS版、Alpha版がある(日本語版では、x86版、Alpha版のみ提供された)。Windows NT 3.1は、スタンドアロンおよびメンバーサーバーとして利用できる。同時期に発売されたWindows NT Advanced Server 3.1 はドメインコントローラ専用であり、Windows NT 3.5以降のエディションとは考え方が違う。

Windows NT 3.5(1994年)

コードネームはDaytona(デイトナ)。メモリ消費量の低減および処理速度の向上が図られており、NTを動作させるためのハードウェアのハードル引き下げに貢献した。また、NTFSでしか利用出来なかった長いファイル名をFAT16で利用可能にした最初のOSである。このコードネームを冠したβ版が雑誌付録のCD-ROMで大量に配布され注目を集めた。

Windows NT 3.51(1995年)

Windows 95とのAPIの共通化を図ると共に、NTFSではファイルの圧縮機能をサポートした。またPowerPC版が追加された。

Windows NT 4.0(1996年)

テンプレート:See Windows 95から継承したGUIを採用した。同時にDirectX2のサポートなども行われている。その最大の特徴として、これまでの3.x系ではマイクロカーネルアーキテクチャにのっとり、低い特権レベルで動作していたグラフィック関連のデバイスドライバを、OSのカーネルと同レベルである特権レベル0で動作させるようになった点が挙げられる。結果として、これまで大きな不評を浴びてきた、グラフィック処理の遅さについてのパフォーマンスは大幅に改善したが、その代償としてグラフィックデバイスのデバイスドライバのバグ、ハングアップによって最悪の事態ではOS全体の破壊が引き起こされ得るなど、システムの堅牢性やマイクロカーネルとしての実装理念としては3.xシリーズより大きく後退している。

NTはこの措置によってグラフィック描画速度の向上やDirectXへの対応が可能となり、商業的な成功への道筋をつけることができた。のちに、NT系列OSのグラフィック関連のデバイスドライバが特権レベル0で動作するという構造は、Windows VistaWindows Server 2008のリリース時に、本来のNT3.1方式の実装に改められている。

本来NT 4.0としてオールチンの手によって開発が進められていたCairoプロジェクトの失敗も加わり、メジャーバージョンアップであるVer 4.0を名乗るようになった。[5]

開発コードネームは当初、Cairoと名付けられていたが、結果的にCairoとして開発されていた完全オブジェクト指向OSの開発が頓挫したため4.0に名前を譲られた形となっている。その後CairoのコードネームはNT 4.0の後継にあたるNT 5.0(Windows 2000)へ、Cairoプロジェクトの思想の一部はWinFSへそれぞれ受け継がれた。

出荷・販売本数の推移

Windows NT 3.1

Windows NT 3.5

Windows NT 3.51

Windows NT 4.0

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

  • Microsoft Windows
  • ReactOS - Windows NTとバイナリレベル・ドライバレベルでの互換性を確保することを目標とした、オープンソースプロジェクト
  • Wine - Windows APIを他のOSで動かそうというオープンソースのプログラム及びプロジェクト

外部リンク

テンプレート:Windows
  1. Microsoft Windows : Windows of HistoryではNew Technologyの略であると書かれてあり、また: Word文書 Windows NT Server 4.0 インストール ガイドの4ページにも、「NTFS(New Technology File System)その名前のとおり、Windows NT Server 4.0 用に設計されたファイル システムです。」という記述が見られる。
  2. 一方で、New Technologyという名称のテクノロジのため、関係ないという見方もある。
  3. 岩淵明男『マイクロソフト・ウインドウズ戦略のすべて』TBSブリタニカ、1993年10月7日初版、ISBN 4484932288、78頁。
  4. 開発メンバーの一人 Mark Lucovsky氏の証言
  5. それまではNT 3.51のシェルをアップデートしただけのShell Update Release (SUR) と呼ばれており、NT 3.52というバージョンを与えられていた。
  6. 6.0 6.1 6.2 脇英世『Windows入門』岩波書店、1995年12月20日第1刷、1996年1月6日第3刷、ISBN 4-00-430420-2、97頁。 引用エラー: 無効な <ref> タグ; name "waki"が異なる内容で複数回定義されています 引用エラー: 無効な <ref> タグ; name "waki"が異なる内容で複数回定義されています