TSUNAMI

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テンプレート:Pathnav テンプレート:Infobox SingleTSUNAMI」(ツナミ)は、サザンオールスターズの44枚目のシングル2000年1月26日ビクターTAISHITAから発売された。

解説

  • TBS系列『ウンナンのホントコ!』内『未来日記III』のテーマソングとして書き下ろし使用されたが、本作品はCDの名義上ノンタイアップであり、CDジャケットなどにも『未来日記』の文字は書かれていない。なお、最初の放映時には曲のタイトルが決まっていなかった。
  • CDの初回盤は紙製スリーブケース付きでパッケージのみマキシシングルサイズとなっている。この初回盤は前作「イエローマン 〜星の王子様〜」の売り上げが思わしくなかったことから生産枚数がかなり少量のみ生産されたため、現在でも初回盤には稀少価値が高い。2005年(平成17年)の12cm化再発時には初回盤のスリーブケース及び通常盤のジャケットが採用されている。また、同時発売のアナログ盤は赤い星型の変形レコードとなっており、星型の鋭角部分より内側に音楽データがプレスされている。

売上・受賞

  • 2000年末までに約300万枚[1]を売り上げて、これまでの最高記録だった「エロティカ・セブン」を大きく上回ってサザンのシングルでは最大のセールス(オリコン・出荷枚数いずれも)となり、同時にオリコン集計におけるCD・J-POP楽曲と平成に発売したシングルの中で売上歴代1位となった。それまでサザンの代表曲といえば「いとしのエリー」「真夏の果実」などであったのが、記録的大ヒットにより「TSUNAMI」も代表曲と見なされるようになった。
  • 同年の12月31日には第42回日本レコード大賞を受賞し、桑田が「やっとひばりさん(美空ひばり)の背中が見えました」と語った。2001年(平成13年)には第73回選抜高等学校野球大会入場行進曲に選ばれている。
  • 2005年(平成17年)6月25日には12cmCDでリマスタリングを行い再発されている。この時デビューから本作までの全シングルが12cm化されたが、その中で最新作である本作はオリジナル盤発売から僅か5年、さらにオリジナル盤の売り上げ自体がオリコン歴代シングルチャート3位という大ヒットであるにもかかわらず約3万枚売り上げを伸ばし(再発された44作中2位)、従来CDシングルとしてのオリコン歴代1位の売上であった「だんご3兄弟」(シングルとしてオリコン歴代4位)をオリジナル盤との合算により上回った。

その他

  • 読み方の同じ津浪(つなみ)駅がある可部線の廃止反対運動の一環で、「サザンオールスターズを呼んで地元を活性化させよう」というものがあったが実現せず、駅は2003年(平成15年)12月1日に廃止された。
  • 桑田が次男の卒業式が終わったばかりの教室でギター1本で唄ったことがあり、このことは保護者はほとんど知らず学校中が騒然となった(これは妻の原由子が当時PTA役員だったから実現したとも言われている)。なお、この画像が保護者の撮影により写真誌「FRIDAY」にも掲載された。
  • フジテレビ系列『HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP』に出演した時に桑田は「いい曲とは日常で何気なく思い浮かぶものだ」と浜田雅功ダウンタウン)らの前で率直な感想を述べている。その折、同じくゲストとして呼ばれていた桜井和寿Mr.Children)がその発言を聴いて深く頷くジェスチャーを見せている。

東日本大震災を受けての動き

  • 2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災東北地方太平洋沖地震)で、甚大な津波被害が発生したことで世情や被災者の感情に最大限配慮する必要があったため、一時期テレビ・ラジオ等による放送を当面自粛せざるをえない状況となっていた[2][3][4]。これについて、コラムニストで、サザンのファンでもある勝谷誠彦は「いい曲に罪はない」と前置きをし、震災から半年となる『勝谷誠彦のこれがニュースだ!』2011年9月12日放送分のオープニングで敢えてOAに踏み切った。
    また、元ジャーナリストの上杉隆も、TOKYO FMTIME LINE2012年1月4日放送分において本作品を取り上げ、「どうしても伝えたい思い」として、「歌詞をじっくり聴きなおし、かけるべきだ」として「日本社会において、本作に触れることがいけないようなムードになっていた」と前置きし、「歌詞を見ると、これこそ3.11被災について最も必要な曲ではないか?」と考え、「犠牲になった、苦しんでいる方へのメッセージ、命を落とした人々からの2012年を迎えた私たちに対する、『忘れないでくれ』というメッセージがこもっているのではないか?」と彼なりの解釈を加え敢えてOAに踏み切った[5]
  • リスナー投稿において上杉の件を知らされた桑田は震災から1年が経過した2012年3月10日放送のラジオ番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』の中で、上杉に深い感謝の意を伝えると共に「いつか(東日本大震災の)悲しみの記憶が薄れてこの曲を歌ってくれという声があれば、復興の象徴として歌える日がきたらいいと思っている」「空気を読んだわけではないが、被災された方や遺族の中にはファンもいたからこの曲を歌うモチベーションにはつながらなかった」と述べている[6]
  • こうしたことがあり、2013年のスタジアムツアー、『灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!』では演奏されなかった。

収録曲

  1. TSUNAMI
    (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦編曲:島健)
    サザンのシングル曲としては珍しくイントロの無い楽曲[7]
    オリジナルアルバムには未収録であり、現時点ではバラードベスト・アルバムバラッド3 〜the album of LOVE〜』のみに収録されている。
    前作「イエローマン 〜星の王子様〜」の予想外の低い売上に残念がった桑田が『(世間に対して)思いっきりど真ん中の直球』をイメージとして製作した曲である。
    PVもこれまでのようなコミカルで手の込んだ作風ではなく、少年と少女の淡い恋心を描いたストーリーで、メンバーは2人を見守る音楽天使達の設定である。
    1月に発売された楽曲だが、テレビ朝日系『ミュージックステーション』の企画「夏うたリクエストランキング」「同バラードリクエストランキング」で1位に入ったこともある。このことに関して桑田本人は、ある程度の違和感があることを述べている[8]
    「TSUNAMI」というタイトルは当時のディレクターがつけたものであると後に桑田が明かしている[9]
    アレンジ面に関してはビートルズの『アビイ・ロード』を意識したと語っている[10]
  1. 通りゃんせ
    (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)
    歌詞には一・二・三の鳥居、七里、化粧坂(けわいざか)など鎌倉の名所が数多く登場する。タイトルはわらべ歌である「通りゃんせ」から取ったもの。現時点でシングル盤にのみ収録。テレビ番組での披露は『POP JAM』(NHK)のみ。この曲では、ほぼ全ての楽器を桑田が演奏している。

参加ミュージシャン

収録アルバム

記録

  • オリコン2000年度シングルチャート1位。桑田と松田はかつてKUWATA BANDとしてリリースした『NIPPON NO ROCK BAND』で年間アルバムチャート1位を獲得したため、シングル・アルバム両方で年間1位を獲得した。
  • オリコン歴代シングルランキング3位、J-POPシングル及びCDシングルとしては歴代1位。
  • オリコンカラオケチャートで「TSUNAMI」が14週連続1位。
  • HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP』のパーフェクトランキングで「TSUNAMI」が12週連続1位、10年間の通算チャート1位。
  • 2005年(平成17年)にNHKが実施した「スキウタ〜紅白みんなでアンケート〜」で「TSUNAMI」が白組16位。
  • THE夜もヒッパレ最終回スペシャル』で、放送開始の1994年(平成6年)4月から放送終了の2002年(平成14年)9月までの総合ランキング1位。
  • COUNT DOWN TV』の放送15周年記念企画として集計された「15年間歴代シングルランキング」で第1位。
  • 2000年代(集計期間:1999年12月第1週〜2009年12月第3週)のオリコンシングル売り上げ第1位。
  • オリコン集計における8cmCDシングル最後の200万枚越え作品(2012年現在)。

カバー

  • 2001年(平成13年)、ビッグ・マウンテンは「TSUNAMI 〜A WAVE OF LOVE」という曲名で英語でカバーした(アルバム『Cool Breeze』に収録)。
  • 2002年(平成14年)、AJIがミニアルバム『As Juvenile Innocence』でカバー。
  • 蘇永康(ウィリアム・ソー)が「她愛了我好久」という曲名で北京語でカバーした(アルバム「蘇情時間」に収録)。また広東語で「其實我很擔心」という曲名でカバーした。
  • 韓国ではV.Oneが「そうみたいだよ(그런가봐요)」という曲を発売したが、「TSUNAMI」に酷似していることが指摘されると正式に「TSUNAMI」のカバーであると発表した。当初は覆面歌手だったためこのような経緯になった。
  • 2006年(平成18年)、サザンメンバーとも交流のあるSkoop On Somebodyのボーカル・武田雅治2000年代以降の楽曲を選定し、カバーしたアルバム『恋歌〜THE LATEST J-LOVE BALLAD HITS COLLECTION〜』の1曲として採用している。アレンジは南国風に改められている。
  • 米国ロックバンドALLiSTERが2006年11月29日に日本限定で発売したアルバム『Guilty Pleasures』の4曲目には日本語のままカバーした「TSUNAMI」が収録されている。
  • 2008年(平成20年)、中西保志がアルバム『STANDARDS3』でカバーした。
  • 2009年(平成21年)、阿部恭子がミニアルバム『やさしいうた』でカバーした。
  • 2009年(平成21年)8月30日に行われた、声優ユニットスフィアのイベント「Shake X Sphere 〜夏の夜の夢〜」内にて、同ユニットの一員である寿美菜子がカバーした。
  • 五木ひろしもカバーしており、企画CD『エンカのチカラ』の収録で大きな話題となった。
  • 2014年(平成26年)松崎しげるがアルバム『black on black』でカバー。

関連項目

脚注

  1. 長田暁二『歌謡曲おもしろこぼれ話』社会思想社、2002年、224頁。ISBN 4-390-11649-5
  2. なお、2004年(平成16年)12月26日に発生したスマトラ島沖地震で津波による被害が発生した直後の一時期「TSUNAMI」の放送を自粛する放送局もあった。
  3. アンパンマンや三百六十五歩にリクエスト - 日刊スポーツ 2011年4月8日
  4. ラジオ局、放送できない?珍島物語、TSUNAMI、兄弟船… ZAKZAK 2011.04.11
  5. TOKYO FM 1月4日『TIME LINE
  6. 桑田佳祐さん「TSUNAMI、歌える日がきたら」 - 朝日新聞デジタル・2012年3月11日
  7. シングルA面では本作と「勝手にシンドバッド」「涙のアベニュー」のみ
  8. TOKYO FM「桑田佳祐のやさしい夜遊び」2010年7月24日放送分より
  9. スペースシャワーTV 8月6日『V.I.P.-桑田佳祐-』内のインタビューによる。2012年。
  10. SWITCH 2001/3 MARCH 2001 VOL.19 NO.2」より。

外部リンク

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