M40 (天体)

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M40は、おおぐま座二重星である。ただし、メシエ天体としては欠番とされることが多い[1]1660年はじめてヨハネス・ヘヴェリウスが記録し、つづいてダーラム1733年リストに加えた。さらに、1792年モーペルチュイがリストに加えている。シャルル・メシエ1764年10月24~25日、彼の望遠鏡で辛うじて分離できる二重星を認め、後にメシエカタログに加えた。続いてヨハン・ボーデおおぐま座δ星の近くに星雲に包まれたような重星を見たと報じたが、カミーユ・フラマリオンは、そこには星雲も星団もないと存在を認めなかった。ベクバルは星表に位置だけを示して説明はつけなかった。マラスによれば、このM40の位置にみられる重星は1863年フリードリヒ・ヴィネッケによって発見されたウィンネッケ4[2]であろうとした。しかし、現在なお研究の余地はあるかもしれない。

各観測家の測定位置を2000年分点に修正してみると次のようになる。

  • ヘヴェリウス (1660年) 赤経 12h 31m 赤緯 58' 27"
  • メシエ (1746年) 赤経 12h 22m 赤緯 58' 5"
  • フラマリオン (1919年) 赤経 12h 24m 赤緯 57'33"
  • ベクバル (1964年) 赤経 12h 35m 赤緯 58'13"

ウィンネッケ4はおおぐま座δ星の北東にある二重星である。

脚注

  1. メシエは自身の彗星観測にあたって彗星と紛らわしい天体リストとしてメシエカタログを作成したが、現在では一般にメシエカタログは星雲・星団のリストとして知られているため、二重星のM40は欠番とされることが多い。
  2. 浅田英夫『星雲星団ウォッチング』37p 地人書館 1996年。ISBN 4-8052-0501-6

参考文献

  • 中野繁 星雲星団の観測 恒星社、1978年

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