M13 (天体)

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M13
星座ヘルクレス座
観測データ
種別球状星団
赤経 (RA, α) 16 h 41.7 m (J2000.0)
赤緯 (Dec, δ) +36°27' (J2000.0)
距離 22,000 光年
視等級 +6.4
視直径 10'
物理的性質
直径 110 光年
絶対等級 _
特性_
その他の名称

NGC 6205
Great Globular Cluster in Hercules
Hercules Globular Cluster

M13 (NGC6205) はヘルクレス座にある球状星団。ヘルクレス座のη星とζ星の中間のややη星寄りに位置する。距離は約22,000光年1714年エドモンド・ハレーが発見した。ハレーは「小光斑にすぎないが、晴れた月のない夜肉眼で見える」と記している。メシエは「星を含まない星雲。円形で明るい。中心部は周辺部より明るく、1フィートの屈折望遠鏡で見える」と記した。星に分離したのはウィリアム・ハーシェルで「最も美しい。星の大集団。とくに中心部が著しい。星数がひどく多く、その数は約14000個」「毛の生えたような、曲線の枝が出ている」としている。ウィリアム・パーソンズは「ふさ飾りのような腕…まわりの空間に向けて枝分かれしている」とした。

直径は約100光年。M13は北半球から見られるもっとも大きな球状星団である。しかし、眼視の場合はM5の方が明るく、大きいと主張する人もいる。暗い夜空では肉眼でもぎりぎり見ることができる明るさである。実際には数十万個の恒星からなると考えられている。

肉眼でもぼんやりとした星として見つけることができる。薄いもやがある場合でも肉眼で確認することができる。双眼鏡では丸くにじんだ星雲状に見える。中心部まで星に分離するには口径20cm程度の望遠鏡が必要とされる。ジョーンズは口径10cmの望遠鏡で中心部まで分離したとしている。中心部の最も明るい星のメンバーは赤色巨星であり、そのため中心部を注意深く観察すると赤くみえるとする人もいる。高倍率で見ると、ハーシェルやパーソンズが書いたような多数の星が流れていて枝のような構造が見える。枝の多くは南西側にたなびいているとも言われる。

SETIのはしりとして、1974年プエルトリコアレシボ天文台にある電波望遠鏡を使って、M13に向けて電波のメッセージが送信された。このメッセージはアレシボ・メッセージと呼ばれている。

関連項目

外部リンク


テンプレート:メシエ天体