Jw_cad

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Jw_cad(じぇいだぶりゅーきゃど)は、2次元汎用CADアプリケーションソフトウェアDOS版とWindows版がある。

DOS版

PC-9801DOS/VDOSで動作する2次元汎用CAD。jw_software_club(清水治郎、田中善文、岡野輔仁)が開発した。Windows版と区別するため、「JWC」「JW_DOS」「DOS版」などと呼ばれる。名称の由来は、清水治朗のイニシャル「J」と、田中善文の当時のハンドル「悪文(warufumi)」の「W」に由来している。

開発初期はドラフター・製図板の延長としての汎用CADを目指していたが、多くのユーザーの意見を取り入れて原型ができあがった。その後、NIFTY-Serveの建築フォーラム (FARCHI) で公開された。現役の建築士が開発に参加していること、フリーウェアであることと、ワンキー操作で画面表示を切替えることができるなど、当時の他のCADアプリケーションソフトウェアにはみられない軽快な操作性が多くの設計者に受け入れられ、建築設計を中心に広く普及した。

1994年3月10日には、日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(現社団法人コンピュータソフトウェア協会)でフリーソフト検討小委員会が設けられ、市販のCADソフトメーカーからの出席者によってJw_cadについて意見が交わされた。価格が数十万円する市販ソフトよりも操作性がよく、パソコン通信でサポートされる点が優秀とされ、1993年末に「建築知識」の別冊特集号としてJw_cadを収録したムックが4万部の出荷を記録し、この事態に脅威を感じたCADソフトメーカーの申し入れで開かれたものである。

1999年1月にリリースされたVer2.22Hで開発は終了し、以後はWindows版に開発が移行している。

2006年現在最新のハードウェアOS下で使用する場合はセットアップにかなりの苦労を要し、大きな図面ファイルが読み込めない、画面が小さく表示されるなどの不具合が発生する事がある。多くはDOSの制約のためである。しかし比較的古いハードウェアでも問題なく動作することと、Windows版よりも動作が軽快なことから、開発終了から数年経った2009年現在でもユーザー数は多い。

JW_CADで扱える図面ファイル形式はJWC及びDXF。JWCは仕様が公開されているため、多くのCADや関連ソフトで読込、保存が可能になっている。JWC形式はVer1とVer2がある。Ver1はJW_CAD1.57未満の形式だが、現在ほとんど使われていない。

ハードウェア上の制約により座標データを単精度実数で保持しているため、JWC形式のデータを倍精度実数で扱うCADで読み込むとわずかながら数値の誤差が発生する。

Windows版

テンプレート:Infobox Windows用2次元汎用CADフリーウェア。Jiro Shimizu、Yoshifumi Tanakaが開発している。名称はバージョン3.51Cまでは「Jw_cad for Windows」、バージョン4.00以降は「Jw_cad」である。DOS版と区別するため、ユーザー間では「JWW」「Jw_win」「Windows版」などの呼称がとられる。

Ver0.01がリリースされたのは1997年7月1日で、初期はDOS版がWindows上で問題なく動作した事から開発は緩やかだったが、DOS版の開発が終了した1999年から開発が活発化した。

DOS版の軽快な操作性を継承し、時計の文字盤を模した操作メニュー「クロックメニュー」を実装した。この他にも図面データの倍精度実数化、面図形、天空図作成など多くの機能が付加された。

Windows版で扱える図面ファイル形式はJWC、JWW、DXF、SXFP21でJWWが基本形式。仕様はWebサイトで公開されている。複数のバージョンが存在し、新しいバージョンのファイルを古いバージョンで読み込むことはできない。この場合特にエラーメッセージは表示されない。またJWWの普及率の高さを表すように市販CADの中にはJWWのデータの読み書きが出来る物も多い。

なお、このCADには外部変形というユニークな拡張機能があって、さまざまな付加機能が得られる。その主なタイプを3点に絞ってまとめると以下の通りである。

  1. 画面上に迅速に作図するタイプ  → (例)木造平面図の描画
  2. 画面上のデータを集計するタイプ → (例)木造筋交の自動描画
  3. 画面とは関係なく裏で自動計算  → (例)鉄骨二次部材などの断面算定

フリーソフトゆえに、ネット上には膨大な外部変形が蓄積されており、Jw_cadのもっとも魅力的なポイントのひとつになっている。

外部リンク

テンプレート:CADソフトウェア


テンプレート:Software-stub