JR貨物コキ71形貨車

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JR貨物コキ71形貨車(JRかもつコキ71がたかしゃ)は、日本貨物鉄道(JR貨物)が乗用車との複合輸送用として1994年(平成6年)から製作した貨車コンテナ車)である。

概要

乗用車の鉄道輸送は、国鉄時代から車運車ク5000形などによる車扱貨物として対応されてきたが、輸送の高速化・積荷汚損防止の観点から、JR移行直前には乗用車専用コンテナが開発され、自動車メーカー各社は種々の専用コンテナを投入してきた。

乗用車などの物資別適合輸送は、車扱・コンテナのいずれにおいても、輸送設備が特定貨物に特化するため復路は空荷とせざるを得ない欠点が解消されずにいた。これを受け、先に「低床式多目的車両」として試作されたコキ70形の構造を基本に、低床化で得られる大きな積載可能空間を生かし、往路は乗用車・復路は一般コンテナを積載可能とした専用コンテナ「カーラック」システムにより、復路の空車を解消した複合輸送対応車両が開発された。これがコキ71形である。

本形式は1994年(平成6年)9月22日に試作車2両 (901,902) 、1997年(平成9年)までに量産車6両 (1 - 6) が川崎重工業で製作された。1996年(平成9年)、貨車としては初めて鉄道友の会よりローレル賞を受賞している。

構造

台枠はコンテナ車標準の魚腹形側梁で、コキ70形と同様の低床平床構造である。床面高さは700mm、車体長は20,350mmで、車体はコキ70形より若干長い。中間の連結器はボルト留めの半永久連結器とされ、奇数番号車+偶数番号車の2両を1ユニットとして運用する。

乗用車の汚損防止のため、車体中央で2分割されたウィングトップ式のアルミ製ラックカバーが2組装備され、荷役時には油圧により上方に開く総開き構造である。専用の30フィート (30ft) コンテナUM20A形30000番台(カーラック)を2個積載でき、専用のツイストロック式緊締装置を2組装備する。専用コンテナ以外の直接積載は考慮されていない。外部塗色は、車体・ラックカバー上部がコンテナレッド、ラックカバー下部は無塗装である。ラックカバー上部側面に「CAR RACK」のロゴマークを付す。

荷重は39.2tで、1両あたりの積載能力は、JR12ftコンテナが4個、乗用車は8~10台である。

台車はコキ70形のFT11形を基本に、軸距を1,800mmに拡大したボルスタレス式空気バネ台車FT12A形で、シェブロンゴム支持の軸箱装置、ディスクブレーキ装備の基礎ブレーキ機構は共通の仕様である。

ブレーキ装置はコキ100系と同様なCLE方式(応荷重式電磁自動空気ブレーキ)を装備し、電磁弁は奇数車に装備する。手ブレーキは留置専用で、ハンドルは台枠側面にある。最高速度は110km/hである。

運用

本形式の専用無蓋コンテナ「カーラック」は1個に乗用車4・5台を積載する他、JRコンテナ用の緊締装置を装備し、乗用車の積載装置を格納してJR12ftコンテナを2個積載できる。

往路は、乗用車を積載した「カーラック」を本形式1両につき2個積載し、積荷の汚損防止のためラックカバーを閉じて輸送する。復路は「カーラック」の積載装置を折りたたんで本形式に積載し、12ftコンテナを1両に4個積載して輸送する。

名古屋貨物ターミナル駅を基点とし、1運用につき1ユニット2両を新潟貨物ターミナル駅米子駅へのトヨタ製乗用車輸送に使用していたが、現在は休車状態で笠寺駅に留置されている。

参考文献

  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル2000年1月号 No.680 特集:貨物輸送
  • 交友社『鉄道ファン2002年7月号 No.495 特集:コンテナ特急
  • ネコ・パブリッシング『車を運ぶ貨車(上)』 RM LIBRARY No.83 2006年
  • ネコ・パブリッシング『車を運ぶ貨車(下)』 RM LIBRARY No.84 2006年
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目

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