CAE
CAEは、略語・頭文字語で以下の用法がある。
- コンピュータ エイディド エテュケーション (テンプレート:Lang-en-short) -コンピュータ技術を活用して教育活動の支援を行うこと、またはそれを行うツールである。
- コンピュータ エイディド エルゴノミクス (テンプレート:Lang-en-short) -コンピュータ技術を活用して人間工学の支援を行うこと、またはそれを行うツールである。
- コンピュータ エイディド エンジニアリング (テンプレート:Lang-en-short)- 本稿を参照。
- certificate in advanced english (CAE) - ケンブリッジ大学ESOL試験
CAE(コンピュータ エイディド エンジニアリング テンプレート:Lang-en-short)とは、コンピュータ技術を活用して製品の設計、製造や工程設計の事前検討の支援を行うこと、またはそれを行うツールである。計算機支援工学とも言われる。製造業などにおける設計の現場では、学術的な色彩のある用語である計算機支援工学という表現は用いられず、構造系の分野ではCAEが表現として定着している。他の分野では、CAEに使用する手法であるシミュレーション、コンピュータシミュレーション、数値解析などの用語で呼ばれることもある。
製品の設計時の検討は、コンピュータが発達する以前は、工学便覧に載っているような簡易計算でおこなっており、実物ができるまでその設計の細かな良し悪しがわからなかった。そのため、量産品を作る前に試作品を作り、その際に製造方法の妥当性を検証したり、また耐久試験などを行って製品の性能が十分かを検証していた。このような方法では、コストもリードタイムも多く必要とし、また試作できる回数も限られることから最適な設計の追求も十分ではなかった。
コンピュータ技術の進歩により、以下のようなニーズが高まっていった。
- 設計のCAD化によって容易に作れるようになった製品データの、コンピュータ計算への再利用。
- CAMの普及により複雑な形状加工が実現したが、従来の机上計算では予測困難な製品形状の性能予測の実施。
- 製品に対する要求性能が高まり、最適な設計条件を求めることが必要となる。
- 投資、リードタイム圧縮のために試作を廃止したり、回数を減らす必要が高まる。
上記ニーズを満たすツールとして、各種CAEツールが登場し、設計における事前検討行為の一つとして普及していった。 また、微細加工などの分野では、実験での科学的なデータ収集が困難なものも多く、実験の事前検討としての使用ではなく、現象の理論的な考察に使用される事も多い。
CAE作業の流れ
CAEの作業のフローは、以下の順番で行う。
- 解析する現象を予測し、解析内容を決定する
- 解析条件の整理
- 必要なデータの収集、CADで作成
- プリプロセッサにて、解析用データを作成(計算格子の生成など)
- ソルバーを実行して、シミュレーションを行う
- ポストプロセッサにて結果を分析
その結果を分析して実物を作る前に設計の妥当性、性能試験、最適形状や最適条件を検討して、製品の問題点の洗い出しを行う。必要に応じてこのフローを何回か回し、目標性能を達成させて製品設計を推進する。最後に試作品にてCAE結果の妥当性を確認して、量産品製造に着手する。業界によっては量産前の試作品を全く作らずに、CAE結果をもって量産品着手を行うことも多い。
解析手法
以下の3つが代表的である
主な適用分野
CAEの適用分野は機械工学、電気工学、電子工学、建築工学、土木工学、化学工学など多岐に渡る。
主な解析の種類
(括弧内はCAEソフト)
- 構造解析(Advance/FrontSTR,MSC.Nastran、ANSYS、SIMULIA(Abaqus)、CATIA Analysis, MSC.SIMDESIGNER,NX, ADVENTURECluster、Femtet、アルテアエンジニアリング RADIOSS、LMS Virtual.Lab Structures、COMSOL Multiphysics)
※NX、I-DEASなど、最近の3D CADシステムには線形領域での構造解析機能を持ったものも多く、設計者自らが思考の過程でCAE結果を参考にすることが可能となっている.
- 応力解析(Advance/FrontSTR,MSC.SIMDESIGNER,MSC.Fatigue、ANSYS, CATIA Analysis, Amps,SIMULIA(Abaqus)、Femtet、Altair RADIOSS、COMSOL Multiphysics)
- 振動解析(SIMULIA(Abaqus), ANSYS、MSC.Nastran、LMS Virtual.Lab Noise and Vibration, CATIA Analysis, NX, PERMAS、Altair RADIOSS、COMSOL Multiphysics)
- 音響解析(Advance/FrontNoise、WAON,LMS Virtual.Lab Acoustics, LMS SYSNOISE Auto-SEA、ANSYS、Femtet、COMSOL Multiphysics)
- 衝撃解析(Pam-Crash、LS-DYNA、SIMULIA(Abaqus), RADIOSS, Amps)
- 流体解析(Advance/FrontFlow/red、FrontFlow/Blue、FLUENT、STAR-CD、FLOW-3D、FloWizard、STRAEM、SCRYU/Tetra、PHOENICS、Pam-Flow、DYNAFLOW、ANSYS CFX、NX、PowerFlow、e-flow、Particleworks、MPS-RYUJIN、AcuSolve、KeyFlow、COMSOL Multiphysics)
- 電磁場解析(PHOTO-Series、MagNet6、JMAG、Pam-Cem、ANSYS、Femtet、MW Studio、HFSS、Poynting、COMSOL Multiphysics)
- 電磁波解析 (KeyFDTD)
- 機構解析(MSC.ADAMS、LMS Virtual.Lab Motion、LMS DADS、FunctionBay RecurDyn、NX、Altair MotionSolve、COMSOL Multiphysics)
- 圧電解析(ANSYS、Femtet、COMSOL Multiphysics)
- MEMS/NEMS/マイクロフルイディクス/MicroTAS解析(COMSOL Multiphysics)
- 化学反応解析(COMSOL Multiphysics)
- プラズマ解析(COMSOL Multiphysics)
- Li-ion電池・燃料電池解析(COMSOL Multiphysics)
- 腐食・めっき解析(COMSOL Multiphysics)
金型分野への適用も非常に多い
- 樹脂金型・樹脂流動解析(3D TIMON、Moldflow、SIMPOE、Moldex3D)
- プレス金型(Pam-Stamp、JSTAMP-Works、AutoForm、DYNAFORM、Altair RADIOSS、Altair HyperForm)
- 鋳造金型(ADSTEFAN、MAGMASOFT、Procast、ConiferCast、JSCAST、CAPCAST、Pam-Cast、AnyCASTING)
- 砂ブロー造型金型(ArenaFlow)
- 鍛造金型(Simufact Forming (旧MSC.SuperForge)、DEFORM、FORGE3、Altair HyperForm)
農業分野への応用も始った
- 施設園芸園芸施設内熱気流解析(KeyAGri)
- ジオメカニクス、地下水流解析(COMSOL Multiphysics)
- バイオ、メディカル解析(COMSOL Multiphysics)