BALDRHEAD
テンプレート:Infobox『BALDRHEAD〜武装金融外伝〜』(バルドヘッド ぶそうきんゆうがいでん)は、1999年7月2日に戯画から発売された18禁アクションゲーム。また、本ゲームを製作したグループのチーム名"TEAM BALDRHEAD"。
ノベルADVが氾濫する中、見下型2Dロボットアクションゲームとして製作された。
ストーリー
超高度文明が崩壊し、衰退の一途を辿る近未来。主人公のバルディ・カークランドは武装金融業者で、滞納者には汎用ロボットを操っての強制取り立ても辞さないが、そのくせ人情味のある男。ある日、取立てのために潜った地下シェルターの中から一人の少女を保護したことをきっかけに、大企業の陰謀に巻き込まれる。
登場人物
- バルディ・カークランド
- 金と女と危険をこよなく愛する主人公。父は正直者カークランドと言われる温厚な金融業者だったらしいが、バルディいわく性格は似ていないらしい。GIGASの操縦には天下一品の腕を誇り、一時期は傭兵として世界を回っていた。父と同じ金融業に生業を変えた際も手段を選ばない非道な取り立てで界隈を騒がせていたが嫌気がさして、女たらしでしがないが情と義理に重んじる生活をする様になる。
- ニィナ・クーガー
- 借金のカタにバルディのメイドとなった女性。あまり有能ではないがバルディとの関係はそこそこ良好。
- メイ・ルイス
- ビル・ルイスへの取り立てのために訪れたシェルターで発見されたビル・ルイスの娘。その後、借金の代わりとして保護され、ニィナと共にビフロストで暮らすようになる。実は失踪したビル・ルイスと共に謎に包まれた様々な素性を持っている。
- リタ・デルーシア
- 立ち寄った町のメカニック。小さな工場を自分の腕で切り盛りしているが、最近は経営難に陥っている。因みにバルディの事務所は彼女の工場内の一角にあり、バルディから借金するも返済のメドが立たないため、担保としてバルディに事務所として提供している。他にも父の代から働いている三人の中年整備士を部下兼自身の保護者として持つ。
- ヘレン・メッツアー
- 金融ギルドの主任を務める女性。仕事不足に嘆くバルディに仕事を仲介するが、バルディの前科を知る顧客から忌み嫌われているため、彼女が彼の名前を優先的に出しても引き受ける顧客が少ない。
- イレーナ・スコルピオ
- 女だけの山賊団の頭領。後にビフロストの西側でぼったくりバーを開いて、娘と共に生計を立てる。彼女曰く、バルディは死んだ自分の夫と面影と性分が似ているとのこと。
- マリィ・スコルピオ
- イレーナの娘。仲睦ましい様に見えるが、バルディと親子間のつまらないプライドを巡ってか、変な喧嘩が度々生じることも。
- ジェシカ・ガードナ
- 高級住宅街に聳えるジェシカ家の長女。父とは仲が悪く、思想の違いで喧嘩も絶えなかったが、バルディと出会うことで不自由のない生活を送りながらも、刺激がない日常に飽き飽きしていた彼女も、数奇な運命に魅かれていく。
- ミシェル・ヘイワーズ
- 田舎から失踪した兄を追って、ビフロストに迷い込んだGIGAS乗りの女の子。兄の気配を感じてしばらくビフロストに滞在するが…。
- エレミー・ジャハナム
- ジャハナム家十五代総帥。失われたロスト・テクノロジーの最大の遺産である「バルドル」の復活を企む謎の女。
- リズ・マクマホン
- ヘレン主任の部下。元々彼女は職場で窓際族だったが、人事異動でビフロストの金融ギルドに転属された。
- ミセス・レイヴェン
- 修道女の様な格好をした未亡人の熟女。バルディが死んだ夫と似ていることで彼に惚れる。
- サチコ・オースティン
- ビフロストの酒場でアルバイトする女性。重病で入院している父が原因で母が蒸発。その後、彼女一人で父の面倒を看るも治療費で借金が嵩み、明るい兆しも見えない生活に悲観して、自身の悲しい生い立ちを他人に口外する奇癖を持つようになる。
ゲーム形式
ADV(アドベンチャー)パートとACT(アクション)パートの2つに分かれ、ACTパートでは汎用ロボットGIGASに搭乗して戦闘を繰り広げる。
ADVパート
基本的に他のADVゲームと同様に、クリックして文章を追いながらストーリーを進行させていく従来の方式(文章パート)と、街中や野外をMAP上のシンボルをクリックして移動し、テキストによる結果を読みながら進めてゆく二つのシステム。
なお、文章パートを開いている途中はメニューを開くことができない。よって、セーブや兵器のカスタマイズと購入などはMAP上のみになる。
ACTパート
操作に必要なのは方向キーとダッシュキー、そして武装を割り当てる3種の攻撃キーで、複雑なコマンド入力無しでコンボが繋げられる容易さと、武器換装/改造システムや独特のヒートゲージシステムを特長とする。
ACTパートの開始時には「ACTION スタート」というアナウンスが流れ、ダンジョン内を検索しながら進めていく。
ダンジョン内には紙切れとコンテナが配置されており、紙切れにはゲームの操作テクニックやコツ、各兵器に関する細かい情報、ゲーム進行や隠し要素のヒントなども書かれている。
コンテナからはバルディが生きている時代では失われたロスト・テクノロジーで生産された「レアメタル」と呼ばれる遺物が手に入り、「レアメタル」は武器の購入・改造などに使う資金に交換される。
特定のポイントに差し掛かるとイベントや戦闘が発生するが、何処で起きるかという具体的な目印は無い。(目印はないが、プレイを重ねれば雰囲気などで大体の場所は分かってくる)
なお、ACTパートはその章の終盤のみで展開される。すなわち、ACTパートに入れば基本的にその章の終わりが近いことを意味する。
TEAM BALDRHEAD
本タイトルを作成したTEAM BALDRHEADはバルドチームと略される。
本タイトルの続編・外伝として、2009年12月現在
- 装甲姫バルフィス(第2作)
- BALDR BULLET(第3作)
- BALDR FORCE(BALDR FORCE EXE)(第4作)
- BALDR BULLET "REVELLION"(3作目バルドバレットのリメイク作)
- Xross Scramble 〜TEAM BALDRHEAD Perfect Collection〜(外伝集)
- BALDR SKY "Lost Memory" Dive1(5作目、第一部)
- BALDR SKY "RECORDARE" Dive2(5作目、第二部)
- BALDR SKY DiveX "DREAM WORLD"
- BALDR SKY ZERO
- BALDR SKY ZERO 2
のタイトルが発売されている。
※BALDR BULLET "REVELLION"、BALDR SKY ZERO、BALDR SKY ZERO 2の開発は戯画であり、TEAM BALDRHEADは関わっていない。
ストーリー上の世界設定は『装甲姫バルフィス』が本作の2年前、『BALDR BULLET』がさらに200年ほど前の出来事として描かれているが、倒置の順で作られているため、例えばあの作品に出る○○というキャラは、この作品では遠い親に当たるなどの描写がほぼ皆無であり、4作目の『BALDR FORCE』はこれらの作品とは全く別の世界での話になり、更には『BALDR SKY』ではBALDRHEAD及びBALDRシリーズの設定・概念を受け継いだ独立の作品になっているが、「黒幕が女性」「人工の神」といったキーワード等共通する点も多い。ACTパートは基本的なシステムは全てのシリーズに引き継ぎつつ進化している。
因みに、本作では定番の周回要素がないため、ED直前のセーブデータはEDを迎えるとほぼ無用の長物と化してしまう(イベントを再度吟味するという点ではその限りではない)。
他のEDを見るには、その都度新しくゲームを始める必要があり、武器の状況・フラグなども引き継げないため、常に新規の状態で進めなければならない。またその周での全ての兵器の入手と改造の両立は不可能に等しい。それらの要素を反省したのか、バルフィス以降では入手した兵器・状況などをそのまま次の周に受け継ぐ「引き継ぎ要素」が常備されるようになった。
またノベルゲームに付き物の「フラグ」については、以降のBALDRシリーズも含めて分岐を思わせる明快な選択肢やヒントなどが多いため、コンプリートは他のゲームと比べると比較的易しい。また前述の紙切れによるヒントもあるので、ユーザーを手放しにせず、ある程度ガイドを出して迷わせない親切設計になっている。
本チームは後に、バルドシリーズとはまったく別の『DUEL SAVIOR』、『マテリアルブレイブ』などを製作。こちらも好評でシリーズ化し、戯画を代表するブランドとなっている。
関連商品
- バルドヘッド〜武装金融外伝〜 コンプリートガイドブック
- 1999年8月発行、勁文社刊、ISBN 4-7669-3291-9