ASR-33

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ファイル:ASR-33 2.jpg
ASR-33外観 </br>* 左端手前紙テープ読取部 </br>*左端中と奥紙テープ穿孔部と奥の穿孔前の紙テープロール </br>*奥中央黄色のロール印刷用紙 </br>*右端前後電源部を内蔵
ファイル:ASR-33 3.jpg
ASR-33の外カバーを外した内部機構とその配置 </br>*左端手前紙テープ穿孔部;状の支点を持つ8本のビットレバー;その上に情報8穴とテープ送りフィードホール(Feed hole)穴の計9本の銀色の上下する穿孔ピン </br>*穿孔部の奥:8本の左右ほぼ全幅にはしるビット金属バー(横木);プラテンローラーの左端近くの銀色円柱形の活字ヘッドを上下と回転をさせる </br>*右端奥:分解して置かれた電源部 </br>*キーボードと電源部の間:分解して置かれた紙テープ読取部(実装状態とは逆向きに置かれている)

ASR-33は1960~70年代に、コンピュータ用端末装置として広く使われた、テレタイプ社テレタイプ端末で、当時のテレタイプ端末の代表的な機種である。「テレタイプ」はテレタイプ社の商標だが、同社の端末が極めてポピュラーになったため、この種の端末を「テレタイプ端末」あるいは「TTY端末」と呼ぶことが多い。

モデル33型端末はASCIIコード(文字は大文字のみ)を20mAカレントループ・インターフェースにより110bpsで送受信できた。印字はロールタイプライター方式で印刷する。オペレーティングシステム側のサポートがあれば適当なエスケープシーケンスを用いて紙テープに切り替えることが出来るため、紙テープを外部記録装置のようにしてプログラムのロード・セーブができた。

日本では1967年に「S-100形鍵盤さん孔自動送受信機」としてASR-33と殆ど同等品が株式会社新興製作所(旧名:谷村株式会社新興製作所)によって製造されている。

バリエーション

正式にはM33(Model33)と呼ばれるこの端末機には、次のようなバリエーションがあった。

  • ASR (Automatic Send-Receive) Model3320: 紙テープ穿孔装置および紙テープ読取装置を備え、オフラインで紙テープに穿孔した電文を紙テープ読取装置で読ませることにより、オンライン時に自動的にホストコンピュータに送出することができる。テレックスの他に初期から全盛期のミニコンピュータの入出力兼外部記憶機器として使われ、現在の機能的に指で操作するキーボードは残り、印刷機能はプリンタとCRT液晶ディスプレイモニターへと分担され、紙テープ穿孔部は外部記憶装置への書出し、同読取部は外部記憶装置からの読込み形式の進化の元であった。
  • KSR(Keyboard Send-Receive)Model3310:紙テープ穿孔装置・読取装置を持たず、キーボードからの入力と紙への記録ができるだけの端末。
  • RO (Receive Only) Model3300 : 紙への記録ができるだけの端末。

関連項目

外部リンク