五円硬貨

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五円黄銅貨(有孔ゴシック体
五円黄銅貨(有孔ゴシック体)
素材 黄銅
品位 60% - 70%
亜鉛 40% - 30%
量目 3.75g
直径 22mm
孔径 5mm
図柄 稲穂歯車(表面)
双葉(裏面)
発行開始 1959年(昭和34年)
五円黄銅貨(有孔楷書体
五円黄銅貨(有孔楷書体)
素材 黄銅
品位 銅 60% - 70%
亜鉛 40% - 30%
量目 3.75g
直径 22mm
孔径 5mm
図柄 稲穂、歯車、水(表面)
双葉(裏面)
発行開始 1949年(昭和24年)
五円黄銅貨(無孔)
五円黄銅貨(無孔)
素材 黄銅
品位 60% - 70%
亜鉛 40% - 30%
量目 4.0g
直径 22mm
孔径 なし
図柄 国会議事堂(表面)
梅花(裏面)
発行開始 1948年(昭和23年)

五円硬貨(ごえんこうか)とは、日本国政府が発行する貨幣であり、額面5円の硬貨である。五円玉(ごえんだま)とも呼ばれる。

意匠

現在製造発行されている五円硬貨の意匠には産業に関するモチーフが用いられている。稲穂(水面、稲穂の根元の複数の水平線)、歯車(穴の周り)はそれぞれ、農業水産業工業を表している。また、硬貨の裏面の双葉民主主義に向かって伸びていく日本を表している。

中心に穴が開いているのは、視覚障害者にも分かりやすくするためと、特に材料費の節約という理由が大きかったといわれる[1]

製造

五円硬貨の組成は60-70%、亜鉛40-30%となっており、他の合金硬貨と比較して広範囲の組成が許容されている。これは第二次世界大戦直後に発行された硬貨に、戦時中に使用した兵器のスクラップを材料に用いたことの名残である。昭和21年5月に発行された50銭黄銅貨幣(鳳凰)は、戦時中に日本軍が使用していた薬莢や弾帯などに使用されたスクラップの黄銅を再利用して作られた。スクラップであるがゆえに、素材の構成は銅が60%~70%、亜鉛は40%~30%と幅が広かった。以降、この素材の組成が、五円硬貨を含む日本の黄銅貨の伝統となった[2]

なお、五円硬貨の製造過程は金属板を円形に打ち抜いたのちプレス(打刻)して製造されるが、1963年昭和38年)以降から金属板を円形に打ち抜くところまでは民間企業に外注している[3]

概要

現在発行中の日本の硬貨の中で、アラビア数字での額面表記ではなく、漢数字で書かれた唯一の硬貨である。そのため、しばしば非漢字圏外国人観光客を混乱させる。テンプレート:要出典範囲


1948年昭和23年)から1949年(昭和24年)にかけて製造されたものは、現在の五円硬貨とデザインが異なるもので、ギザ付・無孔であった。しかし、物価の上昇が続いており、重量を減らす必要があったため、昭和24年に有孔のものに変更された[4]

1949年(昭和24年)から1958年(昭和33年)にかけて製造されたものは、現行の五円硬貨と基本デザインは同じだが、書体楷書体で、かつ「国」が旧字体の「國」になっており、筆五などと呼ばれている。なお、1957年(昭和32年)銘のものは希少(製造数1000万枚)であり、しばしば高値で取引される。

1957年(昭和32年)以来毎年製造されているが、電子マネーの普及により2010年(平成22年)銘は製造数が51万枚しかなく[5]、貨幣セット(ミントセット)のみの製造に留まっている[6]。さらに2011年(平成23年)もミントセット用の45万6千枚のみの製造にとどまり、一般流通用については2年連続で製造されなかった[7]。ちなみに、2011年は一円硬貨五十円硬貨も五円硬貨同様、ミントセット分の45万6千枚のみの製造となった。


日本国内では、「ごえん」が「ご縁」に通じるとして、縁起のいい硬貨として神社などへの賽銭として好まれる傾向にある。

変遷

関連項目

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脚注

テンプレート:Reflist

参考資料

外部リンク

テンプレート:日本の硬貨

テンプレート:日本の通貨
  1. 平川陽一編『今さら誰にも聞けない500の常識』廣済堂文庫 p.194 2003年
  2. 『日本の貨幣 -収集の手引き- 』日本貨幣商協同組合編 2010年発行改訂版 P184-186
  3. 朝日新聞・1963年(昭和38年)7月10日朝刊記事
  4. 『日本の貨幣 -収集の手引き- 』日本貨幣商協同組合編 2010年発行改訂版 P187
  5. 年銘別貨幣製造枚数(単位千枚以下の端数は四捨五入)、独立行政法人造幣局
  6. 平成22年銘のミントセット、プルーフ貨幣セット、行事用貨幣セット、その他の貨幣セットの合計は50万9700枚。
  7. テンプレート:PDFlink独立行政法人造幣局