2-プロパノール

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2-プロパノール(2-propanol)は分子式はC3H8O、示性式はCH3CH(OH)CH3と表される、第二級アルコールの一種である。プロパノールの2種類の構造異性体のうちの一つである。

化合物名

IUPAC命名法により名付けられる化合物名には、化合物の構造から系統的に決まる組織名(系統名)と、いくつかの基本的な化合物や構造に使用が認められた慣用名(許容慣用名とそれ以外)とがある。この化合物の場合は2-プロパノール(2-propanol)、プロパン-2-オール(propan-2-ol)が組織名で、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol、基官能命名法)は慣用名から誘導した化合物名である。IUPAC命名法では双方とも利用は認めているが、組織名(2-プロパノール)を使用することを推奨している。また、テンプレート:要出典範囲

IUPAC命名法によらない化合物名として、「s-プロピルアルコール」、「sec-プロピルアルコール」(secondary propyl alcohol)と呼ばれることもあるが、今日では使用は推奨されていない。日本薬局方では「イソプロパノール」という名称で規定されているが、この名称もIUPAC命名法に反する。

特性

無色透明で芳香を帯びた液体で、可燃性であり、引火点 11.7℃(常温で引火する)、発火点460 ℃ である。ヒドロキシ基による水素結合性を持つことから水、アルコールなどの極性溶媒に溶ける。同時に、相対的に大きな疎水性基(イソプロピル基)を持つためにエーテルなどの非極性溶媒にも溶ける両親媒性を示す。またCH3CH(OH)を構造中に持つためヨードホルム反応を示す。

酸化するとアセトン還元するとプロパンとなる。メールワイン・ポンドルフ・バーレー還元、あるいはベンゾフェノンなどの光化学的還元反応において、還元剤兼溶媒としてはたらく。第二級アルコールは光の作用で空気中の酸素と反応して、微量ながら過酸化物として過酸化アセトンを生じる。テンプレート:要出典範囲環状イミドオキシム触媒などを用いて、積極的に酸化させて過酸化水素を製造する手法が研究されている。

1-プロパノールn-プロピルアルコール)の構造異性体で、物性、化学反応性は異なる。

用途

工業原料・有機溶剤

アセトン合成の中間原料やグリセリンの合成原料としても用いられる。キシレンなどの有機溶剤にくらべ環境負荷が小さく、印刷用・文具用インクの基材として利用されている。プラスチックアクリル樹脂)やゴムを侵す場合もある。

消毒・清掃用品

医療機関等で消毒用としてエタノールと並び広く利用されている。エタノールより殺菌できる菌種は少ないが酒税がかからないため安価である。エタノールに比べてやや毒性と刺激性が強いため、手指や器具の消毒程度が目安である。エタノールに、2-プロパノールや添加物を混ぜている製品があるが、これは酒税を回避する措置である。

湿式のVHS/CD/DVDレンズクリーナーのクリーニング液、コピー機のコンタクトガラスやレンズの洗浄液として利用される。

燃料用水抜き剤

自動車等の燃料タンク内に入り込んだ水分を排出するための添加剤として、2-プロパノールが主成分に利用されている。2-プロパノールは水と油分の両方に親和性があることから、混入した水分を燃料中に乳化させて燃焼室に送り、燃焼あるいは蒸発させて水分を排出する。親水性かつ親油性で水分を含んでいなければ良く、無水エタノールでも同様の効果がある。自動車のガソリンや軽油の燃料タンク、灯油の屋外設置型タンクで使用される。用途や商品によっては防錆剤やエンジン保護剤、イソブチルアルコール軽油用)を混合している物もある。

燃料タンク内の水分は、タンクの中の空気に含まれる水分が気温の低下とともに結露してタンクの底に溜まる場合がある。特に重力による自然流下によって燃料を供給するタンクでは燃料タンクの蓋に小さな通気口が設けられていて、蒸散したガソリンが大気中に流れ出すと同時に外気も入り込んでくるため、水分の結露が発生しやすい。こうした水分がタンクに溜まることはタンク内壁の錆を招く可能性があるとして、水抜き剤が製品化された。とはいうものの、自動車は基本的にタンク底面からポンプでガソリンを汲み上げる構造であり、乗車中はタンクが撹拌されているため、底面に溜まった水分がガソリンと同時に燃焼されるので問題は起きにくい。

2-プロパノールをはじめとするアルコール類は、濃度が高い場合はゴム樹脂アクリル樹脂)を膨潤させて劣化させる性質を持つため、水抜き剤には燃料に対する添加濃度が指定されている。

塗装剥離

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製法

フーゼル油を分留することで得られる1-プロパノールとは異なり、プロピレンの水和反応(水分子付加反応)でほぼ100 %生産されている。水和反応には 2種類あり、日本国内では酸化タングステンや酸化チタンなどの金属酸化物を触媒として用いる直接水和法が多用されている。2000年の日本国内における生産量は 15万トンである。もう一つは硫酸化後に加水分解を行う間接水和法であり、世界的には間接水和法が主力である。1920年、最初に工業的な合成が始まったときから採用されている伝統的な製法でもある。硫酸を媒介とする水和反応は求電子的付加反応の形式で進行する。

C3H6 + H2O = CH3CH(OH)CH3

日本国内における生産動態が「イソプロピルアルコール」の名称で経済産業省により集計されており、2014年度の生産量は 16,476 t、消費量は 72 t である[1]

関連する法規

註・出典

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外部リンク

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  1. 経済産業省生産動態統計・生産・出荷・在庫統計平成20年年計による