鹸化

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パルミチン酸ジグリセリドを鹸化すると、2分子のパルミチン酸塩と1分子のグリセリンが生成する。

鹸化(けんか、テンプレート:Lang-en)とは、エステルアルカリを加えて酸のとアルコールに加水分解する化学反応である。

特に、油脂脂肪)を水酸化ナトリウム水酸化カリウムなどの塩基を使ってグリセリンと高級脂肪酸塩(カルボン酸塩石鹸)に加水分解することを指す。

R-COOCH2CH(OOC-R)CH2OOC-R + 3 NaOHC3H5(OH)3 + 3 R-COO</sub>-Na
R=適当なアルキル基

鹸化価

1 g の油脂を鹸化するのに必要な水酸化カリウム水酸化ナトリウムのミリグラム数を鹸化価(けんかか)と呼ぶ[1][2]。鹸化価は、油脂を構成する脂肪酸の平均分子量の指標となる。消費される水酸化カリウムや水酸化ナトリウムが多いほど、その油脂を構成する脂肪酸の平均分子量は小さい。

鹸化価をa、油脂(トリグリセリド)の分子量をMとすると、水酸化カリウム鹸化価は次の式で与えられる(水酸化カリウムの分子量:56)。

<math>\frac{168}{M} \times 1,000 = a</math>

反応機構

まず、エステルのカルボニル炭素に水酸化物イオンが付加して四面体型中間体を与える。

Saponification part I

アルコキシドアニオンが遊離しながら、カルボン酸が生じる。

Saponification part II

カルボン酸は塩基にプロトンを奪われ、速やかにカルボキシラートアニオンとなる。

saponification part III

脚注

  1. JIS K 0070:1992, "化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法" [1]
  2. 第十四改正日本薬局方 一般試験法 65. 油脂試験法 [2]