鶴ひろみ

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テンプレート:存命人物の出典明記 テンプレート:JIS2004 テンプレート:声優 鶴 ひろみ(つる ひろみ、1960年3月29日 - )は、日本の声優舞台女優ナレーター。旧芸名及び本名は靏 ひろみ(つる ひろみ)。北海道生まれ、神奈川県横浜市出身。青二プロダクション所属。血液型はO型。星座おひつじ座神奈川県立鶴見高等学校卒業。テンプレート:VOICE Notice Hidden

特色

ブルマ、ドキンちゃん、鮎川まどか、美神令子など気の強い女性キャラクターを中心とし、多彩な役柄を演じる。洋画吹き替えではミーガン・フォローズ主演の『赤毛のアン』シリーズでは、3作品全てで主人公のアンを吹き替えた。

経歴

小学校2年時に自ら希望して、姉と共に劇団ひまわりへ入団[1]。小学校3年生の1968年に『コメットさん』のオーディションを受け、第63話『妖怪の森』でドラマデビュー。69年には同じ脚本・市川森一、監督・山際永三コンビによる『恐怖劇場アンバランス』の第4話『仮面の墓場』にも出演している。その後も、学習誌の表紙や子供服のファッションショー、『彩の女』(フジテレビ)等のドラマに出演していた。日曜洋画劇場(テレビ朝日)放送の『ダウンタウン物語』で、主役のバグジー・マロンの吹き替えもやっている。

高校3年生だった1978年、世界名作劇場ペリーヌ物語』のオーディションに合格し、主人公・ペリーヌ役で声優デビュー。『ペリーヌ物語』放送終了後、2年間は声優業を行っていなかったが、1981年に『おはよう!スパンク』でキャット役を担当。

1982年、『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』のレビ役のオーディションに受かったのをきっかけに、本格的に声の仕事に取り組むため、砂岡事務所から青二プロダクションへ移籍[1]。以後、声優としての活動を活発に行うようになった。

当初は清純派キャラクターを中心に演じていたが、徐々に気の強い役柄・男勝りな役柄も演じるようになり、1980年代後半頃には比率が逆転し、後者のイメージで定着。同世代では松井菜桜子富沢美智恵川村万梨阿らと共に、強気な演技を得意とする声優として名前が知られていくこととなった。

1986年1月に声優の難波圭一と結婚するが、その後離婚している。

1990年代以降、バラエティ番組報道番組などにおけるナレーション業が増え、現在はこちらを主体とした活動を行っている。また、舞台に出演することもある。

人物・逸話

ストレートな性格であり、特に美神令子を演じた際は、徐々に性格が感化されていったという。また神経質で、つまらないことで考えて寝られなくなるとも語っている[1]。しかし、古谷徹によれば鶴の事を「茶目っ気のある性格」と語っている。

ゴルフ[1]ドライブ[1]テニス麻雀などを趣味とし、ゴルフに関しては、「年に50数回行ったことがある」と発言している。北海道生まれではあるが、「ウィンタースポーツは全く出来ない」とは本人の弁。

俳優(顔出し)から声優(アテレコ)業に転向したのは、「児童劇団時代に、目標としていた女優達から嫌がらせを受けたことがきっかけだった」と語っている[2]。有名女優に挨拶をしても返事されなかったりし、子ども心に傷付いたという[1]。 また、テレビでの顔写りが悪かったことも気にしており、家で「顔出さないほうがいいよ」と言われ、また同じ劇団に入った年上の女優(モデルの仕事が多くすぐに退団)が大変美人だったため、「どうしても比較されて、子供の頃から傷付く人生を送っていた」と述べている[1]

声優という職業を意識したのは、中学生の頃に観た『ローマの休日』だった。オードリー・ヘプバーンの吹き替えをしていた池田昌子の声が、あまりにイメージにぴったりで驚く。のちに『ペリーヌ物語』で池田と共演を果たした時には感動し、池田の雰囲気と喋り方に憧れ、ああなりたいと思ったという[1]

業界の師匠として、野沢雅子を挙げており「人間的にも仕事の上でも。可愛い方で大好き」とのこと[1]

高校3年生当時、「あれで大学生?」と思う人が周りに多かったため、日本の大学に行く気がなく、アメリカの専門学校で演技の勉強をしに留学することを考えていた。だが、アメリカ学制は9月入学だったため、高校卒業後も半年間は余裕があるため、じっくり学校選びをしていたところ、『ペリーヌ物語』のオーディションに合格してしまったため、留学の夢をあきらめた[1]

かつては、宮崎駿のようなアニメ作品を望み、安易に数だけ作る、いわゆる内容がないアニメに苦言を呈したことがあった[1]

共演・交友関係

松野太紀とは、劇団時代からの旧知の仲。この他、仲が良いとされる声優にはTARAKO渡辺菜生子皆口裕子山本百合子[1]三ツ矢雄二古谷徹などがいる。

堀川りょうとは『ドラゴンボールZ』、『GS美神』、『まじかる☆タルるートくん』など両者がレギュラー出演していた作品をはじめ、片方のゲスト出演という形等でも数多く共演している。あまりの数の多さ故、互いに「(共演した作品を)全部は覚えてられない」と語るほど。

古谷徹も『ドラゴンボール』や『きまぐれ☆オレンジロード』など、共演が非常に多く、堀川同様恋愛の絡む役が多い。このことに対しては、古谷は「互いの声が合っていたのでは」との見解を示しており、また「仕事がやりやすい」とも発言している[3]。共に出身は劇団ひまわりだが、劇団当時には面識はなかった。

漫画家の椎名高志は、少年期に『ペリーヌ物語』を観て以来の鶴ファン。『GS美神 極楽大作戦!!』のアニメ化に際しては、主人公の美神令子役に鶴を指名。また自身の結婚式の際にはその司会を鶴に依頼し、結果的に鶴と横島忠夫役の堀川の2人が担当することになったという。また、同じ椎名原作の『絶対可憐チルドレン』に「『GS美神』ファンへのサービス」(椎名のブログより)としてゲスト出演を果たしている。

キャラクター関連

持ち役のうち、思い入れが強いものとして、『ペリーヌ物語』のペリーヌ、『幻夢戦記レダ』の朝霧陽子、『ドラゴンボール』シリーズのブルマ、『それいけ!アンパンマン』のドキンちゃん、『らんま1/2』の久遠寺右京、『GS美神』の美神令子などを挙げている。

ペリーヌ物語

ペリーヌ物語』は、鶴がアフレコに参加した初のアニメ作品であり、主役のペリーヌを演じている。

高校生だった鶴は、学校帰りに制服ブレザー姿で収録に通ったり、夏には日焼けし、サーファールックにビーチサンダルの格好でスタジオ入りをしたこともあった。その当時を知る人からは今でも「草履をはいてきたんだよね」と言われるという[1]

当時の実写は自然な演技が流行っていたため、オーバーにやらないと伝わらないアニメの演技がわからず、ペリーヌならこう喋るだろうと、勝手に解釈しで台詞を言ってしまい、演出家に注意されたこともあった。結局『ペリーヌ物語』は慣れないまま終わってしまったのが実感とのこと[1]

また、当時の世界名作劇場は高いクオリティを目指して制作されていたため、スケジュールの遅れで動画が完成せず、線に合わせてアフレコをしていた。そのため、「絵がないとわからないじゃない」と思いながら収録していた。その後、『おはよう!スパンク』でアフレコに臨んだ際、絵があることに驚き、「1年間、『ペリーヌ』で線に合わせる修行をしたのに、何故この番組には絵があるの!」と怒った[1]

ドラゴンボール

ドラゴンボール』シリーズで演じたブルマは、鶴の役柄の中で『それいけ!アンパンマン』のドキンちゃんに次ぐ長さである。『ドラゴンボールZ』放送当時に「この2本(アンパンマンとドラゴンボール)は、すでにライフワークになっています」と述べていたほど思い入れがあり、レギュラー出演者がファミリー化し、プライベートな付き合いも多い[1]。アニメが終了した現在でも、ゲームなどで散発的にブルマを演じる機会は多い。

エンディングにはクレジットされなかったが、「赤子時代のトランクスと娘のブラも演じた」と後年に明かしている。

『ドラゴンボールZ』はブルマの出番があまり無くて見逃していたが、のちにDVDで一気に全話見て面白さに感動したと語っている。

ブルマがベジータとの結婚したことには視聴者だけでなく鶴自身も驚き、ヤムチャと結婚すると思っていたために、「納得できない結婚」だったという。だが、魔人ブウ編のブルマが登場しない回で、ベジータがトランクスに「母さんをよろしくな」と話して死んだことを聞き、「ちょっと心が動かされた」と語っている[1]

ドラゴンボール改』で再びアフレコを担当した際、「Zの時は夢中でわからなかったけど、改で『ああ、ブルマの気持ちがベジータに揺らいだのはここなんだなあ』と気づいた」、「母親目線になるのでどうしても息子の方が可愛く見えちゃう。トランクスがもう可愛くてしょうがない」と語っている[4]

きまぐれオレンジ☆ロード

きまぐれオレンジ☆ロード』の鮎川まどか役は、元々他の声優にほぼ内定していた。しかし、形式上開催されたオーディションで鶴の声を聞いた関係者が考えを変え、急遽抜擢されたという経緯がある。その当時の鶴は優等生風なキャラが多く、もうちょっと悪い役をやってみたいと欲求不満になっていたところに、この話が舞い込んだ[1]

その演技については、当初は中学生という年齢を意識していたが、年齢離れした言動から徐々に意識は薄くなり、大人っぽく変わっていったという。また「自分が演じた今までのキャラクターとかけ離れていたため、演技が難しかった」、「役者としての充分な仕事が出来なかった」など、苦労を示す言葉を残している。

作品放送中の1988年には、「月刊アニメージュ」の女性声優部門で3位にランクインした(同年の女性キャラクター部門の1位は鮎川まどか)。鶴は同作品に対してはかなり思い入れを示しており、歴代の演じてきた女性キャラクターの中でもまどかは特に気に入っているという。「本当に悪い子ではないけど、決していい子ちゃんじゃない、影の部分もあって魅力的なキャラクター」[1]、「まどかのお陰で役の幅が広がった」とも発言している。当時はまどかに似せた髪型にしていた。

また、作中でまどかと相思相愛だった春日恭介のような、優柔不断な典型的ラブコメ主人公は、あまり自分の好みではないと語っている。

出演作品

太字はヒロイン・メインキャラクター

テレビアニメ

1978年

1981年

1982年

1983年

1984年

1985年

1986年

1987年

1988年

1989年

1990年

1991年

1992年

1993年

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1999年

2000年

2001年

2002年

2004年

2006年

2007年

2008年

2009年

2010年

2011年

2013年

OVA

出演年不明

1985年

1986年

1987年

1988年

1989年

1990年

1991年

1992年

1993年

1994年

  • 湘南爆走族津山よし子
  • 真・孔雀王(月読)
  • なつきクライシス(神取あきら)
  • 魔物ハンター妖子5 光陰覇王の乱(真野小夜子)
  • らんま1/2 あかねVSらんま お母さんの味は私が守る!(久遠寺右京)
  • らんま1/2 学園に吹く嵐! アダルトチェンジひな子先生(久遠寺右京)
  • らんま1/2 道を継ぐ者(久遠寺右京)
  • らんま1/2 SPECIAL よみがえる記憶(久遠寺右京)

1995年

1996年

  • マスターモスキートン(カミル・イナホ・カミーラ)
  • らんま1/2 SUPER 二人のあかね「乱馬、私を見て!」(久遠寺右京)

1998年

2008年

2010年

劇場アニメ

1982年

1983年

1984年

1985年

1986年

1987年

1988年

1989年

1990年

1991年

1992年

1993年

1994年

1995年

1996年

1997年

1998年

1999年

2000年

2001年

2002年

2003年

2004年

2005年

2006年

2007年

2008年

2009年

2010年

2011年

2012年

2013年

2014年

吹き替え(映画)

吹き替え(TVシリーズ)

ゲーム

1989年

1991年

1992年

1993年

1994年

1995年

1996年

1997年

1998年

1999年

2000年

2001年

2003年

2004年

2005年

2006年

2007年

2008年

2009年

2010年

2013年

  • 世界名作童話 親子で読めるゲーム絵本(ジャックと豆の木[6]

特撮

人形劇

ドラマCD・カセット

情報・報道・バラエティ

※この他、スポットナレーション多数

テレビドラマ

実写映画

舞台

ラジオ

CM

その他

脚注

テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:青二プロダクション
  1. 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 1.15 1.16 1.17 1.18 角川書店『キャラクターボイスコレクション女性編1』(1994年12月25日初版発行)
  2. 『GS美神ビジュアルセレクション』における、椎名高志との対談
  3. 『きまぐれオレンジ☆ロード』キャストトークより
  4. DRAGON BALL KAI Blu-ray 人造人間・セル編 BOX2
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