鳩山町

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鳩山町(はとやままち)は、埼玉県中部にある人口約1万5千人の東京都特別区部への通勤率は13.9%、坂戸市への通勤率は11.1%(いずれも平成22年国勢調査)。

概要

埼玉県のほぼ中央に位置し、県西部地域に属している。

比企郡に属するが、入間郡毛呂山町坂戸市などとの結びつきも強い。東武東上線高坂駅東松山市)へのアクセスが良い町東部の丘陵地帯では埼玉県内でも有数の規模を誇る新興住宅街「鳩山ニュータウン」があり、東京のベッドタウンとなっているほか、鳩山ニュータウン周辺には「東京電機大学埼玉鳩山キャンパス」、「山村学園短期大学」、「宇宙航空研究開発機構地球観測センター」、「日立製作所中央研究所(鳩山地区)」といった大規模な教育機関や研究機関の施設が集中しており、高坂駅郊外地区として緑豊かな新しい街が形成されている。

一方、町西部は道路環境や公共交通の便が悪いこともあって東京からの距離の割には都市化が進んでおらず、山村地帯の風景が残っている。

埼玉県中央部はゴルフ場が多く立地しているが、鳩山町内にも町域外縁部にいくつかのゴルフ場が存在する。

地理

町内の大部分は岩殿丘陵の中央部に位置する。傾向として、町内北部が標高が高く、南部の方が低い。町の北東、東松山市境の少し先にある物見山の三角点で標高135m。標高70mに位置するのが町の北西端の県道越生町境、西端の県道ときがわ町境、鳩山ニュータウン西友付近。町のほぼ中央の役場庁舎で標高50m。アメダス観測点が標高44m。今宿交差点が標高40m弱。
高野倉に端を発し東に流れ、町の中央部で南に流れ変え、再び東進して越辺川(おっぺがわ)と合流する鳩川と、ときがわ町境辺りから県道とほぼ平行して東進し大橋で南進してほぼ鳩川と平行し、中央公民館の東で合流する大橋川がある。また、石坂は南北に石坂川が流れており、鳩川を経由せずに直接越辺川に合流する。これらが町内の河川である。
それら河川の周囲に水田が作られ、南、あるいは東に開ける谷戸(やと・やち)が数多くある。だが町内面積に比して水田はさほど多くなく、他は畑地か山林であり、昭和中期までは養蚕を営む農家が多く桑畑が多かった。桑畑は現在はほとんど見られない。1980年代に町内の山林はいくつかのゴルフ場に開発され、町内面積として無視できない広さとなった。
また、町内では各所に沼や湧水を利用したため池があり、少ない水量を安定活用する工夫がされている。泉井という地名が示すように町内には湧き水が出るところがあるが、古老によると昔はもっとあちこちに湧き水が有ったということである。
これら河川の利用と丘陵地における水田、畑地、山林の効果的利用は「里山の風景」を残すものとして首都圏至近にありながら貴重である。

地名

  • 赤沼
  • 石坂
  • 泉井
  • 今宿
  • 大橋
  • 奥田
  • 楓ヶ丘
  • 熊井
  • 小用
  • 須江
  • 高野倉
  • 竹本
  • 鳩ヶ丘
  • 松ヶ丘
  • 大豆戸

歴史

  • 奈良時代須恵器などの窯業の一大産地として栄えた。武蔵国国分寺の瓦を焼いた窯跡など多数の窯跡の遺跡が出土している。(南比企窯跡群)また、8世紀前半と推定される小用廃寺の遺跡などから、早くから渡来文化・仏教文化を持った人たちが住んでおり、関東の古代寺院建立を担っていた人たちがいたことがうかがわれる。
  • 平安時代後期から中世にかけて荘園が発達すると、年代や領主は詳細不明だが町内の地域の大部分は東松山市南部の早又・正代・宮鼻・高坂・元宿・下青鳥・石橋・岩殿・毛塚・田木・神戸と併せ、亀井庄になっていたようである(「新編武蔵国風土記稿」)。
  • 鎌倉時代鎌倉街道(上道)が整備されると、軍事上の要衝・宿場町や、材木の中継地として賑わいを見せた。今宿という地名は越辺川対岸の苦林宿の新興地という意味からきている。
  • 1352年(正平7年/文和元年)南北朝時代の観応の擾乱における武蔵野合戦では新田軍(南朝方)が鎌倉街道の笛吹峠(鳩山町嵐山町境)に布陣し、足利軍(北朝方)との戦いがあった。
  • 太平記』には町内の地名として旗山が見える(鳩山の由来:鳩山中学校より県道を挟んだ西南側丘陵地)。
  • 1693年(元禄6年) - 赤沼を領していた内藤正勝が大坂定番となり1万石加増され赤沼藩が立藩する。後を子の内藤正友が継ぎ、1703年(元禄16年)に岩村田藩(信濃国)に転封になるまで存続した。
  • 江戸期の町内の地域は数家の旗本領・江戸近郊の藩領(岩槻藩・前橋藩)になることが多く、その領地が入り組んでいた(「旧高旧領取調帳」)。
  • 1869年(明治2年) - 前橋藩領であった須江を除き町内の地域は韮山県となった。
  • 1871年(明治4年) - 廃藩置県により、町内の地域は入間県となる。
  • 1873年(明治6年) - 町内の地域は入間県が廃されたことにより熊谷県となる。
  • 1876年(明治9年) - 町内の地域は熊谷県が廃されたことにより埼玉県となる。
  • 1889年(明治22年) - 町村制施行により、今宿村、大豆戸村、赤沼村、石坂村、小用村(入間郡)の5か村が合併し、比企郡今宿村が成立。同じく高野倉村、熊井村、泉井村、竹本村、須江村、奥田村、大橋村の7か村が合併し、比企郡亀井村が成立。
  • 1955年(昭和30年) - 比企郡亀井村今宿村が合併し鳩山村が発足する。両村の中央にあった地名「鳩山」(旗山)をとって「鳩山村」と名づけられた。
  • 1974年(昭和49年) - 鳩山ニュータウンの造成が始まり人口が急増。
  • 1982年(昭和57年) - 町制施行し鳩山町となる。

人口

テンプレート:人口統計

行政

  • 町長:小峰孝雄

経済

企業

  • 日立製作所中央研究所(鳩山地区) 
  • 国分コンクリート
  • 田中工業

商業

    (かつてニュータウンのサブセンターバス停前にファミリーマート鳩山店が存在したが、サブセンター自体が大きく変容した)

金融機関

 (かつては小川信用金庫鳩山支店、みずほ銀行鳩山出張所が存在したがそれぞれ撤退した)

地域

病院

  • 麻見江ホスピタル
  • 福島内科医院
  • 鳩山第一クリニック

教育

大学

短期大学

高等学校

中学校

小学校

  • 鳩山町立今宿小学校
  • 鳩山町立亀井小学校
  • 鳩山町立鳩山小学校(平成19年4月1日 町立鳩丘小学校と町立松栄小学校が統合)

図書館

  • 鳩山町立図書館

鳩山町に住居・通勤通学していれば、東松山市坂戸市比企郡嵐山町滑川町小川町ときがわ町川島町吉見町、及び秩父郡東秩父村の市町村立図書館で相互利用が可能である。

公共施設

町の施設

  • 鳩山町役場東出張所
  • 中央公民館
  • 文化会館
  • 公民館亀井分館
  • 公民館石坂分館
  • 町民体育館
  • 多世代活動交流センター運動場・体育館 (元松栄小学校校地)
  • 梅沢運動場
  • 亀井運動場
  • 中央庭球場
  • 小用庭球場
  • ふれあいセンター
  • 今宿コミュニティセンター
  • 梅沢集会所
  • 総合福祉センター
  • 鳩ヶ丘のびのびプラザ

国の施設

独立行政法人の施設

警察

西入間警察署(坂戸市)管轄

  • 鳩山駐在所
  • 鳩山東駐在所

消防

電話番号

市外局番は町内全域が「049」。市内局番が「2XX」の地域との通話は市内通話料金で利用可能(川越MA)。収容局は鳩山局のみ。 296から現在は299まで市内局番が振り分けられている

郵政

郵便番号は町内全域が「350-03xx」(鳩山郵便局)である。

  • 鳩山郵便局
  • 鳩山鳩ヶ丘郵便局
  • 東京電機大学内簡易郵便局

広域行政

交通

町内に鉄道路線はなく、東武東上線高坂駅東松山市)もしくは坂戸駅坂戸市)から路線バスでのアクセスとなるが、路線バスはそれぞれ町内の別の地域を走るため町内での乗換えは出来ない。

高坂駅から鳩山ニュータウンへの路線は本数が多くノンステップバスも運行されている。

路線バス

道路

町内への高速道路でのアクセスは、関越自動車道鶴ヶ島インターチェンジ鶴ヶ島市)、もしくは東松山インターチェンジ(東松山市)から国道407号や県道を使ってのアクセスとなる。ETC搭載の車は2013年8月25日より坂戸西スマートインターチェンジを利用できるようになった。

タクシー

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

祭事

  • 商工会主催おしゃもじ山つつじ祭(毎年5月初旬開催)
  • 商工会主催納涼祭
  • 今宿八坂神社祭り囃子(毎年8月第3週土曜日日曜日開催)
  • 熊井毛呂神社屋台囃子
  • 泉井神社ささら獅子舞
  • 鳩山ニュータウン夏祭り(毎年8月第1週土曜日曜日開催)
  • はとやま祭(毎年11/3文化の日開催)

特産品(埼玉県特産品認定商品)

  • 鳩山友愛焼(おしゃもじ食品)登録商標
  • 鳩豆うどん(美味の会)登録商標
  • 鳩山焼酎呑舞(鳩山町大豆組合)
  • 宇宙っこまんじゅう(おしゃもじ食品)

名所

ゴルフ場

鳩山家との関係

1955年、2村が合併し鳩山村が誕生した記念に、当時首相だった同じ名前の鳩山一郎に書を依頼しようということになり、村会議長が東京の鳩山の自宅を訪れ、鳩山家の家訓である「友愛」の書を書いてもらった。額縁に入れられ現在も役場内に掲げられている。

2009年7月23日には孫の鳩山由紀夫が選挙活動の合間を縫って鳩山町役場を訪問し、祖父が書いた「友愛」の書と対面している。

出身者

伝説

  • 十郎淵=金子十郎のはなし(赤沼の重郎橋)
  • 冑塚=熊井太郎忠基(源義経郎党)
  • いぼとり地蔵

関連項目

外部リンク

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