鬼怒川温泉

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ファイル:Kinugawa Onsen 02.JPG
鬼怒川ふれあい橋より

鬼怒川温泉(きぬがわおんせん)は、栃木県日光市(旧下野国)の鬼怒川上流域にある温泉

かつては箱根熱海と並んで「東京の奥座敷」と呼ばれ[1]、現在でも年間200万人以上[1]の観光客で賑わう。

泉質

火傷に対する効能があるとされ、北側の川治温泉とともに「傷は川治、火傷は滝(現在の鬼怒川温泉)」と称された。

歴史

古くは滝温泉という名前で、鬼怒川の西岸にのみ温泉があった。発見は1752年とされる。日光の寺社領であったことから、日光詣帰りの諸大名僧侶達のみが利用可能な温泉であった。

明治時代になって滝温泉が一般に開放され、明治2年には東岸にも藤原温泉が発見された。その後、上流に水力発電所ができて鬼怒川の水位が下がるとともに、川底から新源泉が次々と発見され、下野電気鉄道(現・東武鬼怒川線)の開通後は次第に温泉として発展していった。

1927年昭和2年)に、滝温泉と藤原温泉を合わせて鬼怒川温泉と呼ぶようになり、その名称は今日までいたっている。戦後は特急「きぬ」の運行などもあり、東京から観光客が押し寄せて大型温泉地としての発展を見せた。

温泉街

鬼怒川温泉駅の南側から、鬼怒川公園駅までの間、鬼怒川沿いの両岸、滝地区と藤原地区に数多くの大型ホテル、旅館の建物が連なる。立ち寄り風呂としては鬼怒川公園内に町営の鬼怒川公園岩風呂(入浴料は大人500円)がある。また、ほとんどのホテル・旅館で入浴のみの利用が可能となっている。

鬼怒川温泉駅前には旅館業者が兼営するみやげ物店、食堂、売店が並ぶ。

周辺の名所・施設

テンプレート:Vertical images list 温泉街の外れに鬼怒川温泉ロープウェイがあり、山頂駅近くに温泉神社がある。

至近に鬼怒川ライン下り東武ワールドスクウェア日光江戸村などのテーマパークが多数立地する。ほかにエーデルワイススキーリゾート、ゴルフ場などがある。

不振、破綻、再生へ

テンプレート:独自研究 全国の大規模温泉旅館は不振が続き、バブル崩壊後は温泉街全体が経営的に一層苦しくなっている中、鬼怒川温泉も例外ではない。むしろ熱海温泉別府温泉と並んで不振の代表格とされたことすらあった。さらに、同じ東京近郊立地の温泉地である箱根温泉に比べると、アクセスがやや不利で、集客にハンディがあった。

団体客相手を中心にした設備のままでの経営や硬直的で割高な料金設定(ホテル・民宿でほぼすべて同じ料金に設定していた時期もある)を後々まで続けていたことなども不振を促進させた理由であることは否めない。

加えて、それまで鬼怒川温泉の旅館ホテルに経営支援を行ってきた栃木県地方銀行である足利銀行経営破綻の影響で、大多数の旅館で資金繰りが悪化した。産業再生機構の支援対象となっている旅館業者は2005年4月末までで5社(同じ日光国立公園内では他に3社)あるほか、ここ2年間で廃業したものも2社(館)ある。

その後、明るい話題として、2006年には、新宿駅池袋駅大宮駅鬼怒川温泉駅間で「きぬがわ」・「スペーシアきぬがわ」直通運転を開始した(一方では同時に料金不要の快速列車の大規模削減が実施されたので、全体的には利便性は大幅に損なわれている面もある)が、将来のリピーターとなる可能性のある一人旅の人や若年層の観光促進の問題などを勘案すると、先行きはまだまだ不透明なのが現状である。

交通

脚注

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関連項目

外部リンク

テンプレート:Sister

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  1. 1.0 1.1 "地域再生・鬼怒川温泉" - 下野新聞(2009年7月1日付)