高松宮記念 (競馬)
テンプレート:競馬の競走 高松宮記念(たかまつのみやきねん)とは、日本中央競馬会(JRA)が中京競馬場の芝1200メートルで施行する中央競馬の重賞(GI)競走である。1997年までの競走名は高松宮杯で、この年まで皇族の高松宮家から優勝杯を賜与されていた。一部の競馬ファンや解説者からは「宮記念」や旧称の高松宮杯から「宮杯」と通称されている。
正賞は名古屋市長賞、名古屋競馬株式会社賞、日本馬主協会連合会会長賞、グローバル・スプリント・チャレンジ賞(2013年現在)。
目次
概要
2013年まで中央競馬のGIでは唯一4大場(東京・中山・京都・阪神)以外で開催されているレースである(代替開催時を除く[注 1]。2014年よりジャパンカップダートがチャンピオンズカップに名称変更されるとともに阪神から中京に移設予定)。
1967年から1970年に施行されていた中京大賞典を前身とし1970年に高松宮宣仁親王から優勝杯を賜与されたのを機に1971年に4歳(現3歳)以上・混合・別定の重賞競走高松宮杯として新設、中京競馬場の芝2000mで施行された[1]。
テンプレート:要出典範囲[注 2]。テンプレート:要出典範囲
1984年にはグレード制施行によりGIIに格付け、GIに昇格する前年の1995年までGIIで最も格の高い及び夏競馬の最重要競走として定着していった。また1989年からは混合競走に指定され、外国産馬の出走が可能になった。
1996年からは中央競馬における短距離路線の再整備に伴い秋のスプリンターズステークスと対になる春の短距離最強馬を決める芝1200mのGI競走に昇格、中央競馬の主要4競馬場(東京競馬場・中山競馬場・京都競馬場・阪神競馬場)以外で初めてのGI競走となった。なお、中距離競走としての機能は金鯱賞へと引き継がれた。同時に指定競走に指定され地方競馬所属の競走馬も出走が可能になった。移行1年目のレースでは三冠馬ナリタブライアンが出走し、色々な意味で注目もされた(結果は4着)。
1998年からはテンプレート:要出典範囲、競輪と足並みを揃えるように以前から競艇でも使用されていた高松宮記念へと名称を変更したテンプレート:Refnest。
2000年からは短距離路線の見直しを図るため5月から3月の開催に繰り上げられ、それに伴い出走資格を5歳(現4歳)以上に変更、更に中山競馬場と阪神競馬場と共に3場開催となり、いわゆる「裏開催」である第3場開催では唯一のGI競走となった。
2001年からは国際競走に指定された。2011年よりグローバル・スプリント・チャレンジに参加、本競走は第2戦に組み込まれている。
現在の優勝レイは紫色地に金色文字の配色。本競走のルーツにちなみ、レイの上部には皇室の紋章である菊の模様が刺繍されている。
出走資格
- 優先出走権付与競走
競走名 | 格付 | 施行競馬場 | 施行距離 |
---|---|---|---|
阪急杯 | テンプレート:Color | テンプレート:Flagicon阪神競馬場 | 芝1400m |
オーシャンステークス | テンプレート:Color | テンプレート:Flagicon中山競馬場 | 芝1200m |
- JRA所属競走馬は以下の順で出走馬を決定する(地方馬でGI1着に入った競走馬も含む)。
- 外国で行われたグローバル・スプリント・チャレンジ対象競走で2着以内に入った競走馬。
- レーティング順位の上位5頭(2012年より。牡馬・セン馬は110ポンド、牝馬は106ポンド以上であることが条件)。
- 「通算の収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI(JpnI)競走の収得賞金」の総計が多い順。
- 地方競馬所属馬は阪急杯、オーシャンステークス(以上はステップ競走に指定)、グローバル・スプリント・チャレンジ対象競走(外国で行われる競走に限る)のいずれかで2着以内に入ると本競走に出走できる。
負担重量
- 定量で牡馬・セン馬は57kg、牝馬2kg減の55kgである。
- GII時代は別定重量(1987年からグレード別定)。GIに格上げされ、3歳馬が出走可能だった第26回から第29回までは3歳馬は53kg(牝馬は51kg)に設定されていた。
コース
- 旧コース
- 1996年から2010年までの旧・芝1200mコースではスタート地点は2コーナー出口付近。向正面を通り中間点となる「6」のハロン棒を通過。最終の直線を通ってゴールとなる。この間の所要時間は僅か70秒。直線が短く坂もない(厳密にはゴール前200mは緩い上り坂になっている)短距離レースではあるが逃げ・先行馬が勝ちにくく、逃げ切って勝ったのは15年間でショウナンカンプ・ローレルゲレイロの2頭のみである。
- 新コース
- 2012年からの新・芝1200mコースでは向正面からスタートし、3コーナーまでなだらかな下りが続く。長さ412mの最後の直線では、ゴール板まで残り約350m地点から2mの急勾配がある。
賞金
2014年の1着賞金は9500万円で、以下2着3800万円、3着2400万円、4着1400万円、5着950万円[2]。
歴史
- 中距離競走(芝2000m)時代
- 1971年 - 中京競馬場の芝2000mの4歳(現3歳)以上の別定の重賞競走・高松宮杯として創設。
- 1974年 - 元地方大井所属のハイセイコーがJRA転厩馬として史上初の優勝。
- 1979年 - 京都競馬場の改修工事による振替開催により阪神競馬場の芝2000mで施行。
- 1983年 - 第11回優勝馬ハギノトップレディの半弟・ハギノカムイオーが優勝、史上初の姉弟制覇。
- 1984年 - グレード制施行によりGIIに格付け。
- 1987年 - 開催時期を6月から7月に変更。
- 1988年 - 元地方笠松所属のオグリキャップがJRA転厩馬として史上2頭目の優勝。
- 1989年
- 1993年 - 中京競馬場の改修工事により京都競馬場の芝2000mで施行。
- 短距離競走(芝1200m)時代
- 1996年
- 格付けをGIIからGIに昇格。
- 施行距離を芝1200mに変更。
- 開催時期を7月から5月に変更。
- 指定交流競走に指定され、地方馬にも門戸が開かれる。
- 負担重量を定量に変更(3歳牡馬・セン馬は53kg、4歳以上牡馬・セン馬は57kg、牝馬は2kg減に設定)。
- 1998年
- 2000年
- 開催時期を5月から3月末に変更。
- 出走資格が「4歳(現3歳)以上」から「5歳(現4歳)以上」に変更。
- 2001年
- 2003年
- 2007年
- 国際GIに格付け。
- 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠が9頭に拡大。
- 2009年 - 第30回優勝馬キングヘイローの仔・ローレルゲレイロが優勝、史上初の父仔制覇。
- 2011年
- 中京競馬場の改修工事により阪神競馬場の芝1200mで施行[注 3]、毎日杯と同日開催になるテンプレート:Refnest。
- グローバル・スプリント・チャレンジに参加、第2戦に組み込まれる。
- 3月11日に発生した東日本大震災を受け、「東北関東大震災被災地支援競馬」として実施。
- キンシャサノキセキが本競走初の連覇を達成すると共に、中京・阪神の両方の開催地で制覇。
- 堀宣行が調教師として史上初の連覇。
- 4位入線のダッシャーゴーゴーが進路妨害により11着に降着。
- 2012年
- 出走馬選定方法が変わり、レーティングで上位5頭に優先出走を認める。
- 改修工事後、初めての施行になった。
- 2013年
歴代優勝馬
国際競走となった2001年以降は優勝馬の国旗を表記する。
- 中距離競走(芝2000m)時代
回数 | 施行日 | 優勝馬 | 性齢 | 勝時計 | 優勝騎手 | 管理調教師 | 馬主テンプレート:要出典 |
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第1回 | 1971年6月27日 | シュンサクオー | 牡5 | 2:00.1 | 飯田明弘 | 小林稔 | 岩佐俊策 |
第2回 | 1972年6月25日 | ジョセツ | 牝5 | 2:01.8 | 岡部幸雄 | 鈴木清 | 中村勝五郎 |
第3回 | 1973年6月24日 | タケデンバード | 牡4 | 2:01.0 | 蓑田早人 | 稲葉秀男 | 武市伝一 |
第4回 | 1974年6月23日 | ハイセイコー | 牡4 | 2:00.4 | 増沢末夫 | 鈴木勝太郎 | (株)ホースマンクラブ |
第5回 | 1975年6月22日 | イットー | 牝4 | 2:00.2 | 簗田善則 | 田中好雄 | (有)荻伏牧場 |
第6回 | 1976年6月27日 | フジノパーシア | 牡5 | 2:01.3 | 大崎昭一 | 柴田寛 | 真田繁次 高橋金次 |
第7回 | 1977年6月26日 | トウショウボーイ | 牡4 | 2:03.8 | 武邦彦 | 保田隆芳 | トウショウ産業(株) |
第8回 | 1978年6月25日 | ヤマニンゴロー | 牡4 | 2:03.2 | 古川隆文 | 諏訪佐市 | 土井宏二 |
第9回 | 1979年6月24日 | ネーハイジェット | 牡3 | 1:59.8 | 松本善登 | 布施正 | (株)大丸企業 |
第10回 | 1980年6月22日 | リンドプルバン | 牡4 | 2:01.1 | 田原成貴 | 見上恒芳 | (株)デルマークラブ |
第11回 | 1981年6月28日 | ハギノトップレディ | 牝4 | 2:01.8 | 伊藤清章 | 伊藤修司 | 日隈広吉 |
第12回 | 1982年6月27日 | カズシゲ | 牡5 | 2:00.5 | 田原成貴 | 須貝彦三 | (株)ホースメン |
第13回 | 1983年6月26日 | ハギノカムイオー | 牡4 | 2:01.1 | 伊藤清章 | 伊藤修司 | 日隈広吉 中村和夫 |
第14回 | 1984年6月24日 | キョウエイレア | 牡5 | 2:03.9 | 田島信行 | 久保田金造 | 松岡正雄 |
第15回 | 1985年6月23日 | メジロモンスニー | 牡5 | 2:03.5 | 清水英次 | 大久保正陽 | メジロ商事(株) |
第16回 | 1986年6月22日 | ラグビーボール | 牡3 | 2:01.3 | 河内洋 | 田中良平 | 小田切有一 |
第17回 | 1987年7月12日 | ランドヒリュウ | 牡5 | 1:59.8 | 村本善之 | 小林稔 | 木村善一 |
第18回 | 1988年7月10日 | オグリキャップ | 牡3 | 1:59.0 | 河内洋 | 瀬戸口勉 | 佐橋五十雄 |
第19回 | 1989年[[7月9日|7月テンプレート:09日]] | メジロアルダン | 牡4 | 1:58.9 | 河内洋 | 奥平真治 | (有)メジロ牧場 |
第20回 | 1990年[[7月8日|7月テンプレート:08日]] | バンブーメモリー | 牡5 | 1:59.4 | 武豊 | 武邦彦 | 武田辰一 |
第21回 | 1991年[[7月7日|7月テンプレート:07日]] | ダイタクヘリオス | 牡4 | 1:59.4 | 加用正 | 梅田康雄 | 中村雅一 |
第22回 | 1992年7月12日 | ミスタースペイン | 牡4 | 2:00.6 | 石橋守 | 橋口弘次郎 | 架谷外茂次 |
第23回 | 1993年7月11日 | ロンシャンボーイ | 牡4 | 1:59.0 | 清山宏明 | 小原伊佐美 | 清岡政徳 山本次郎 |
第24回 | 1994年7月10日 | ナイスネイチャ | 牡6 | 2:00.7 | 松永昌博 | 松永善晴 | 豊嶌泰三 |
第25回 | 1995年7月テンプレート:09日 | マチカネタンホイザ | 牡6 | 2:02.6 | 柴田善臣 | 伊藤雄二 | 細川益男 |
- 短距離競走(GI・芝1200m)時代
高松宮記念の記録
- レースレコード(テンプレート:要出典範囲) - 1:07.1(第38回優勝馬ファイングレイン[1])
- 参考記録 - 1:08.1(第43回優勝馬ロードカナロア[1])
- 最多勝利騎手 - 3勝 藤田伸二(第29、32、39回)- すべてGIで勝利。
- 武豊(第20、35、37回) - GI2勝。
- 柴田善臣(第25、30、36回) - GI2勝。GII時代最後の勝利騎手。
- 田原成貴(第10、12、26回) - GI1勝。GI昇格後最初の勝利騎手。
- 河内洋(第16、18、19回) - GIは勝利できず。
本競走との短距離GI連覇
1996年から春の短距離最強馬決定戦として施行されており、本競走優勝馬のうち下記4頭が秋のスプリンターズステークスとの短距離GI連覇をしている。また第33回優勝馬ビリーヴは前年の第36回スプリンターズステークスと、第42回優勝馬カレンチャンは前年の第45回スプリンターズステークスとの連覇をしている。第43回優勝馬ロードカナロアは前年の第46回スプリンターズステークスおよび第14回香港スプリントとの連覇をしている。
なお、本競走の優勝馬が秋のマイルチャンピオンシップを連覇した例は一度もない。
回数 | 施行日 | 馬名 | 性齢 | 優勝競走 |
---|---|---|---|---|
第26回 | 1996年5月19日 | フラワーパーク | 牝4 | 第30回スプリンターズステークス |
第31回 | 2001年3月25日 | トロットスター | 牡5 | 第35回スプリンターズステークス |
第39回 | 2009年3月29日 | ローレルゲレイロ | 牡5 | 第43回スプリンターズステークス |
第43回 | 2013年3月24日 | ロードカナロア | 牡5 | 第47回スプリンターズステークス |
脚注・出典
注釈
出典
各回競走結果の出典
関連項目
外部リンク
- JRA公式サイト「今週の注目レース」から(2014年)
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- ↑ 引用エラー: 無効な
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