首長竜

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テンプレート:出典の明記 テンプレート:生物分類表 首長竜(くびながりゅう)は、中生代三畳紀後期に現れ、ジュラ紀白亜紀を通じて栄えた水生爬虫類の一群の総称。多くは魚食性だったと思われる。その名の通り大半は首が長いが、クロノサウルスリオプレウロドンのような首が短い種もある。非常に長い時間をかけて繁栄し続けたが、他の大型水生爬虫類同様、中生代の最後の大量絶滅を乗り切れずに絶滅した。

形態

一部の種、例えばエラスモサウルスの仲間では(頸)が体より長い。その他の種でもを含めた長さと同じくらいのものが多かった。四は完全に状に変化しており、尾は短く、水生生活に適応していた。当時の水中の生態系での頂点に君臨していたと考えられる。主に魚食性であったが、アンモナイトオウムガイ等も食べていた事、また、機会があれば海面近くに飛来したプテラノドンなどの翼竜や陸上の恐竜、他の海棲爬虫類も捕食した事が近年の研究で分かっている。

生態

首長竜については未だ多くの謎がある。その筆頭格が、「首長竜はに上がって産卵したか」「そもそも首長竜は陸に上がる事ができたか」というものである。呼吸をする海棲爬虫類が卵を産む場合には、ウミガメやエラブウミヘビ科のウミヘビのように陸に上がらなければならず、そうでなければ海面で幼体を産む必要がある。首長竜の骨格構造では陸に上がる事は不可能とする見解があるが、反論として陸に上がる事は可能だったとする説もあり、賛否は分かれている。

魚竜の場合、胎児を持つ化石出産中に死亡した化石が発見されており、最初から予想されていた胎生であることは既に証明されているが、首長竜の場合は卵の化石はもとより、魚竜のように胎児を持つ化石や出産中の化石も長らく未発見であり、結論が出せない状況にあった。しかし、アメリカの研究チームが1987年に発掘された首長竜の一種であるプレシオサウルス類の化石を分析したところ、体内に1匹の子供の骨格が残っていることが2011年に判明した。これにより、首長竜は胎生であり、陸に上がって産卵する卵生ではなかったことが証明されたと研究チームは結論付けている。ちなみに子供の体長は約1.5メートルで、親の体長(約4.7メートル)と比べて非常に大きく、しかも子供はまだ成長過程にあったと見られ、最終的に子供は親の体長の4割を超える(約2メートル)まで成長してから出産された可能性があると見られている。このように、首長竜は大型の子供を1度に1匹だけ産むタイプの生物であったと見られることから、首長竜は同じタイプのクジラと同じように群れを作って手厚い子育てをしていた可能性もあると研究チームは語っている[1]

分類

爬虫綱双弓亜目鰭竜類に含まれる。なお、恐竜も双弓類に含まれるが、首長竜と恐竜はペルム紀に分岐した別のグループで、恐竜は主竜類に属している。首長竜は現生爬虫類トカゲヘビに近いグループである(鱗竜形類)。直接の祖先は初期の偽竜類(ノトサウルス類)から分岐したと思われる。

メディアでは「海の恐竜」などと呼ばれることが多いが、学術的には恐竜ではない。

また、ブラキオサウルスなどの竜脚下目の恐竜も首が長いため首長竜と呼ばれることがあるが、これは学問的には間違いである。

下位分類

脚注

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関連項目

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  1. テンプレート:Cite web