フォノン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
音量子から転送)
移動先: 案内検索

テンプレート:Otheruseslist

フォノンテンプレート:Lang-en-short)、音子音響量子音量子は、振動(主に結晶中での格子振動)を量子化した粒子である。

フォノンのひとつひとつがある振動数を持つモード単位を表す。振幅が大きくなる、詰まり、振動が激しくなることはフォノンのが増えることで表される。

フォノンの持つエネルギー格子熱振動エネルギーである。 テンプレート:Indent <math>\hbar</math> はプランク定数、<math>\omega_k</math> は振動数、<math>n</math> はフォノンの数である。波数 <math>k</math> について取る。

フォノンはひとつの状態 <math>k</math> に何個でも存在できる。よってフォノンはボース粒子であり、ボース゠アインシュタイン統計に従う。

結晶格子のような周期構造中では、フォノンの振動数制限され離散的になる。又、量子力学効果電子の場合と同様に、フォノンもバンド構造フォノンバンド」を作る。

音響フォノンと光学フォノン

ファイル:Optical & acoustic vibrations.png
二原子鎖の中の光学 (テンプレート:En) フォノンと音響 (テンプレート:En) フォノン

固体のフォノンは、音響フォノン光学フォノンの2つに大別できる。音響フォノンは隣のフォトンと同じ位相で振動するが、光学フォノンは逆の位相で振動する。

光(フォトン)と音響フォノンとの光散乱ブリルアン散乱という。光学フォノンは光と相互作用し、光と光学フォノンとの散乱をラマン散乱という。

フォノンのソフト化

物質によっては、温度を下げるとフォノン(格子振動)の振幅が小さくなっていって、ある転移温度以下で低温相転移し、フォノンによる格子変位凍結した状態となることがある。

これをフォノンのソフト化と言う。

厳密には、格子振動とフォノンは同義ではないが、同じような意味合いで使われることがある。

原子核表面核子振動量子化したものもフォノンと言う。

関連項目

テンプレート:粒子の一覧