青木保
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
青木 保(あおき たもつ、1938年10月30日 - )は、日本の文化人類学者、元文化庁長官。大阪大学名誉教授、国立新美術館館長。
来歴・人物
東京生まれ。1962年上智大学文学部独文科卒業、1964年東京大学教養学部卒業、1967年同大大学院文化人類学専修修士課程修了。東京大学東洋文化研究所助手、立教大学文学部助教授、大阪大学人間科学部教授、94年「儀礼の象徴論的研究 -儀礼の基礎論を目指して」で阪大人間科学博士。1996年東京大学先端科学技術研究センター教授、1999年政策研究大学院大学教授、2005年法政大学企画・戦略本部特任教授、2006年早稲田大学アジア研究所客員教授。この間ハーバード大学客員教授等も務めた。2007年4月から2009年7月まで、18代目の文化庁長官に在任。民間出身者としては、4人目である。日本民族学会会長も務めた。青山学院大学特任教授。2012年国立新美術館館長。
受賞
社会的活動
- 文化庁文化審議会副会長、文化政策部会長
- 日本ユネスコ国内委員会委員
- 日本民族学会(現在の日本文化人類学会)会長
- サントリー学芸賞思想・歴史部門選考委員
- 公益財団法人日本国際フォーラム参与[1]、政策委員[2]
著書
単著
- 『沈黙の文化を訪ねて』(日本経済新聞社 1976年/のち中公文庫)
- 『タイの僧院にて』(中央公論社 1976年/中公文庫 1979年)
- 『文化の翻訳』(東京大学出版会 1978年)
- 『儀礼の象徴性』(岩波書店 1984年/岩波現代文庫 2006年)
- 『御岳巡礼―現代の神と人』筑摩書房、1985(のち講談社[講談社学術文庫] 1994年)
- 『異文化遊泳』新曜社 1985年
- 『境界の時間―日常性をこえるもの』(岩波書店 1985年)
- 『カルチャー・マス・カルチャー』(中央公論社 1985年)
- 『文化の否定性』(中央公論社 1988年)
- 『「日本文化論」の変容―戦後日本の文化とアイデンティティー』(中央公論社 1990年/中公文庫 1999年)
- 『逆光のオリエンタリズム』(岩波書店 1998年)
- 『アジア・ジレンマ』(中央公論新社 1999年)
- 『憩いのロビーで 旅のやすらぎ、ホテルとの出会い』(日本経済新聞社 2000年)
- 『異文化理解』([岩波新書] 2001年)
- 『多文化世界』([岩波新書] 2003年)
- 『作家は移動する』(新書館 2010年)
- 『「文化力」の時代-21世紀のアジアと日本』(岩波書店 2011年)
編著
共編著
- (青野聰対談)『地球の尻尾を掴む―文化人類学講義』(朝日出版社レクチャーブックス 1984年)
- (黒田悦子)『儀礼―文化と形式的行動』(東京大学出版会 1988年)
- (佐和隆光・中村雄二郎・松井孝典)『21世紀問題群ブックス(全24巻)』(岩波書店 1995年-1996年)
- (内堀基光・梶原景昭・小松和彦・清水昭俊・中林伸浩・福井勝義・船曳建夫・山下晋司)『岩波講座文化人類学(全13巻)』(岩波書店 1996年-1998年)
- (佐伯啓思)『「アジア的価値」とは何か』(TBSブリタニカ 1998年)
- (梶原景昭)『情報化とアジア・イメージ』(東京大学出版会 1999年)
- (川本三郎・筒井清忠・御厨貴・山折哲雄)『近代日本文化論(全10巻)』(岩波書店 1999年-2000年)
- (姜尚中・小杉泰・坂元ひろ子・莫邦富・山室信一・吉見俊哉・四方田犬彦)『アジア新世紀(全8巻)』(岩波書店 2002年-2003年)
訳書
- 反抗の原初形態 千年王国主義と社会運動 エリック・J・ホブズボーム 編訳 中公新書、1971
- 部族民 マーシャル・D・サーリンズ現代文化人類学 5 鹿島研究所出版会 1972
- エドマンド・リーチ『人類学再考』井上兼行共訳(思索社 1974年)
- エドマンド・リーチ『文化とコミュニケーション―構造人類学入門』宮坂敬造共訳(紀伊國屋書店 1981年)
外部リンク
脚注
|
|
|