霧信号所

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犬吠埼灯台霧笛室(エアサイレン)
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日和山灯台のダイヤフラムホーン

霧信号所(きりしんごうしょ)とは航路標識の一種、音波標識である。霧や吹雪などで視界が悪いときに船舶に対しで信号所の概位・方向を知らせるものである。霧笛(むてき、英語:foghorn)と呼ばれることもあるが、船舶の汽笛による霧中信号(視界制限状態における音響信号)と混同されることも多い。

概説

音を使うために風や付近騒音の影響をうけやすい弱点がある。多くは灯台に併設され、その鳴り方(周期:音を鳴らす時間と止めている時間の組み合わせ)が信号所ごとに異なるため、どこから発せられているものか識別できるようになっている。音の発し方は多くがダイヤフラムホーンであるが、すでに廃止されている犬吠埼霧信号所ではエアサイレンを採用していた。

近年、舶用レーダーやGPSなどの航海計器の普及により、視界不良時においても容易に測位が可能となったことから、2007年平成19年)8月、海上保安庁2009年(平成21年)度末までの3ヶ年で全国の霧信号所を順次廃止してゆくことを発表した[1]2010年平成22年)3月31日をもって海上保安庁所管の霧信号所はすべて廃止となったが、漁協などが代替機を設置して稼働しているものが存在する[2]

種類

音の発し方により区別される。

ダイヤフラムホーン(電磁式発信器)
電磁力により発音板を振動させ吹鳴する。日本ではかつて主流であった方式。
エアサイレン(圧搾空気方式)
圧縮空気によりサイレンを吹鳴する。日本では犬吠埼灯台が最後まで使用していたが、同灯台の霧信号所閉鎖(2008年3月31日)により採用している灯台はなくなった。

日本の霧信号所の歴史

脚注

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関連項目

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  • 宮城県気仙沼市の大島では県漁協気仙沼地区支所が2009年3月に代替機を設置。
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