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'''電算写植'''(でんさんしゃしょく)とは、手動[[写真植字|写植]]による[[組版]]作業を電算機=[[コンピュータ]]で行えるようにしたシステムのこと。 新聞社を含む印刷会社ごとに異なるシステム([[Computer Typesetting System|CTS]])と写植会社の写植機のシステムの双方を指し、[[印刷]]・[[出版]]業界内では「電算」と言えば電算写植のことを意味する。 旧来の[[活版印刷]]や手動写植の欠点を補い、[[ワークフロー]]を一新するものとして登場し、[[新聞]]などで大規模に導入された(朝日新聞社の「NELSON」、神戸新聞社の「六甲」等)。 手動機に対する電算の利点は、以下のようなものが挙げられる。<!--これでいいんでしょうか?もっと必要なことあるような気も……--> *手動写植は基本的に1文字ずつ文字を打っていく必要がある<!--電子制御手動機とかどう加えますか?-->が、電算写植では文字入力と組版を分業化できる。 *誤植や変更があった場合、手動写植の場合は版下を1文字単位で切り貼りする必要があり、大変な労力を要していたが、電算写植では保存しておいた組版データ上で修正を行うようになり、大幅な修正も簡単になった。 *また、組版データを保存しておくことができるということは、版下と校正紙が切り離されることを意味し、校正紙を複数出力することなども可能になった。 *歯車の動作に依存する手動機では不可能なような、複雑なデザインがこなせるようになった。 *[[写研]]のSAPCOL(サプコル)に代表される組版プログラムの開発は、日本語組版のルールに基づくページレイアウトを可能にし、“美しい”組版が発達した。 「早く組める」「大幅に直せる」ということにつながる利点は、「あとで直せるから」という意識につながり、原稿を組版工程に回す前段階で綿密に行われるべき[[編集者]]の原稿整理や校正、レイアウトなどがおろそかになった([[誤植]]・[[誤報]]につながる)という指摘も多い。暗算による字数計算に基づく紙面レイアウトなどの、活字時代には編集者の基本とされた技能が、組版技術の進化と反比例するように衰退したとも言われる。それはDTP時代になると、かつてならばあり得なかったであろう「仮組み」(とりあえず組んでみて、レイアウトを調節する)などが行われることにつながる。 [[Microsoft Windows|Windows]]や[[Macintosh]]上で動作する[[DTP]]が電算写植に比べて安価であることから、現在では全体的な傾向としてはDTPが電算写植に取って代わりつつある。しかしDTPでは希望する書体が使えない、和文の組版ルールへの対応が甘い、あるいは数式と和文の混在したページを満足に組めない<!--、対話型の組版では大量のページ物を組む効率が悪くコードを使った自動組みでは電算写植に一日の長がある、-->などの理由から、現在も相当の需要・使用状況がある。 なお、当初は写真植字の機構を電算機で管理・制御していた「電算写植」であるが、[[PostScript]]への対応や[[WYSIWYG]]を実現したシステムも登場してきており、「DTP」との境目はかなり曖昧になってきてもいる。 ==関連用語== *[[出版]] *[[印刷]] *[[Adobe InDesign]] [[Category:印刷|てんさんしやしよく]] [[Category:コンピュータ史|てんさんしやしよく]]
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