雪駄

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雪駄の裏 踵部分に後金が付いている

雪駄雪踏(せった)は、竹皮草履の裏面に皮を貼って防水機能を与え、皮底の踵部分にプロテクター(後金)がついた履物草履)の一種で、傷みにくく丈夫である。また、湿気を通しにくい。

歴史

諸説あるが、千利休が水を打った露地で履くためや、下駄では積雪時に歯の間に雪が詰まるため考案したとも、利休と交流のあった茶人丿貫の意匠によるものともいわれている。主に茶人風流人が用いるものとされた。現代においては、男性が着物を着る場合はほぼ雪駄が用いられる。

江戸時代には江戸町奉行所同心が必ずばら緒の雪駄を履いており、「雪駄ちゃらちゃら」(後金の鳴る音)は彼らのトレードマークだった。

最近までは、愛知県津島市が全国の雪駄生産の半分強を占めていたが、第一人者的職人の死去に伴って製作所が閉鎖されたため、今後はシェアの変動も考えられる。

80年代を生きた人(特にサーファー)はビーチサンダルのことを「セッタ」と呼ぶこともある。

近年では、雪駄表を模した型押しビニール表に鼻緒を固定し、革や合成底を接着した、軽装草履や軽装履と呼ばれる履物(右画像の物など)が出回っているが、これらの造りは雪駄よりもヘップサンダルに近く、主にカジュアルな洋装にあわせる履物として普及している。