雪囲い

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雪囲い(ゆきがこい)とは、日本の北海道東北地方日本海側、北陸地方のような豪雪地帯で、の間、家屋などの建物を囲うこと、またその囲いのことである。雪垣のこと。

目的

  • の重みで家屋が破壊されるのを防ぐ。
  • 屋根から落ちてきた雪が家屋を破壊することを防ぐ。植木が倒れるのを防ぐ。
  • 屋根から落ちてきた雪が軒下を歩いていたり、玄関先にとどまっている人間の上に直接落ちることを防ぐ。

また二次効果として以下のようなことが期待される。

  • 雪が付着する事を防いで凍結を防止する。
  • 家屋の中に雪が入り込むことを防止する。
  • 除雪の手間を省く。
  • 通路を確保する。

歴史と意味

豪雪地帯では冬の積雪が2mを越すこともあり、建物が雪に埋もれてしまったり、雪の重みに押しつぶされたりすることもある。そのため雪囲いは、豪雪地帯における冬の準備として行われてきた。昔は屋根から地面に向かって木材を立て、その木材にそって板やワラ、ヨシなどで囲っていたが、近年では波型のトタンやプラスチック製の板を利用して雪が滑り落ちやすくする工夫もなされている。

ただし冬が来る度に雪囲いを施すのは面倒であるので、季節にかかわらず常設しているものも多い。単に木材などを打ちつけたものなどであれば素人でも設置、撤去などはできるが、例えば商店の入口にあるような、周囲をガラスで囲んだり自動ドアをつけたりしたものであれば、設置や撤去の度にかなりの経費がかかるのでこういったものは常設である。またスノーシェルターの類も雪囲いの一種であるが、これは当初から常設とすることを前提としたものである。こういったものは夏季には用を成さないのが一般的であるが、落石からの保護などとの兼用の場合もある。ただし地域によってはこうした常設のものは「雪囲い」とは呼ばないとする地域も存在する。

また、庭の樹木などを雪の重さや冷たさから守るため、個々の植栽ごとに木材やわらなどで囲み、雪の重みを他方向にそらすような工夫を行うこと、またその囲みのことも雪囲いと呼んだり、あるいは「冬囲い」や「雪吊り」などという。公園などの雪吊りは、それがまた季節の風景として冬場の観光客の目を楽しませる場合もある。金沢の兼六園などが有名である。 ピラミッドの形のものもある。

関連項目