降誕教会

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降誕教会(こうたんきょうかい、テンプレート:Lang-he, テンプレート:Lang-ar, テンプレート:Lang-en)は、パレスチナベツレヘム県ベツレヘムに位置するキリスト教教会である。聖誕教会ともいう。2012年にユネスコにより世界遺産危機遺産)に登録された。

概要

イエス・キリストが生まれたと伝承される洞穴を中心として、その上に立てられている聖堂を、ローマ・カトリックフランシスコ会)、東方正教会アルメニア使徒教会が区分所有する。

歴史

コンスタンティヌス1世の時代に、イエス・キリストが生まれたとされていた洞穴の上に聖堂の建設が始められ、339年に完成した。この聖堂は6世紀の火災で失われ、モザイクの床がわずかに現存するのみである。再建はユスティニアヌス1世の時代に行われ、この6世紀の聖堂が基本的に現存する聖堂に受け継がれている[1]

生誕教会に隣接してローマカトリック教会フランシスコ会)により聖カテリナ教会(St. Catherine's Church, Bethlehem)が1882年に建てられ、その後モダンな教会堂に改築され、現在クリスマス・イヴに世界へ向けてテレビ放送される生誕記念のミサはそこで行われる。 [2] [3]

2002年、パレスチナ・ゲリラが立てこもり、イスラエル軍が包囲。包囲は約一ヶ月続き、その間ゲリラを匿った聖職者たちにも水などの必要物資の供給が十分でなく、国際的な問題となった。

世界遺産

降誕教会と関連する資産群は、2011年にユネスコに加盟したパレスチナにより、通常の世界遺産の登録のプロセスではなく、「緊急の保護を要する物件」として世界遺産(危機遺産)に申請されていた[4][5]。しかしながら、そもそもパレスチナがユネスコに加盟すること自体にアメリカやイスラエルからの強い反発があったため、当初は登録を困難視する見方もあった[6]。実際にユネスコの諮問機関であるICOMOSは、パレスチナによる申請は緊急の保護を要する類のものではないとして、登録の見送りを事前に勧告していた[4][5]

しかし、ロシアサンクトペテルブルクで開催された第36回世界遺産委員会において、本物件の登録審議を行うことが認められ、秘密投票によって委員会を構成する21カ国のうち3分の2以上の賛成投票を得ることとなり、世界遺産への登録が認められた[4]。またそれと同時にイスラエルによる反対動議も却下された[7]。これはパレスチナ初の世界遺産登録であり、教会の主権、およびベツレヘムの地がパレスチナのものであることをユネスコが認めた意味合いもあるため[8]、イスラエルと緊密な関係を持つアメリカのユネスコ離れが加速するとの見方がある[7]。なお、アメリカは国内法に基づき、パレスチナが加盟したユネスコへの分担金拠出を停止しているため、委員会では世界遺産基金の深刻な財源不足についても審議された[4][5]

構成資産

推薦されたのは以下の構成要素である[9]

緩衝地域はベツレヘムの旧市街である[10]

登録基準

この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。テンプレート:世界遺産基準/coreテンプレート:世界遺産基準/core

登録名

世界遺産としての公式な登録名はBirthplace of Jesus: Church of the Nativity and the Pilgrimage Route, Bethlehem(英語)、Lieu de naissance de Jésus : l’église de la Nativité et la route de pèlerinage, Bethléem(フランス語)である。その日本語訳は、資料によって若干の揺れがある。

  • イエス生誕の地 : ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路(日本ユネスコ協会連盟、世界遺産アカデミー[11]
  • イエス生誕の地 : ベツレヘムの聖誕教会と巡礼の道(西和彦)[12]
  • イエス生誕の地 : ベツレヘムのキリスト聖誕教会と巡礼路(なるほど知図帳)[13]
  • イエスの生誕地 : ベツレヘムの聖誕教会と巡礼の道(古田陽久[14]
  • キリスト生誕地 : ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路(今がわかる時代がわかる世界地図)[15]

出典

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参考文献

  • ICOMOS, テンプレート:Pdf
  • 稲葉信子 (2013) 「第36回世界遺産委員会報告」(日本ユネスコ協会連盟『世界遺産年報2013』朝日新聞出版
  • 西和彦 (2012)「第三六回世界遺産委員会の概要」(『月刊文化財』平成24年11月号)

関連項目

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  1. ICOMOS (2012) p.2
  2. The Church of St Catherine: Midnight Mass beamed from Bethlehem on Christmas Eve (2013)
  3. キリスト生誕の地(2013年)
  4. 4.0 4.1 4.2 4.3 西 (2012) pp.50-51
  5. 5.0 5.1 5.2 稲葉 (2013) p.22
  6. テンプレート:Cite news
  7. 7.0 7.1 テンプレート:Cite news
  8. テンプレート:Cite news
  9. ICOMOS (2012) pp.2-3
  10. ICOMOS (2012) p.3
  11. 日本ユネスコ協会連盟 (2013) 『世界遺産年報2013』朝日新聞出版、p.18、世界遺産アカデミー監修 (2013) 『世界遺産検定公式過去問題集2・1級 2013年版』マイナビ、p.109
  12. 西和彦 (2012) p.49
  13. 谷治正孝監修 (2013) 『なるほど知図帳 世界2013』昭文社、p.136
  14. 古田陽久 古田真美 (2012) 『世界遺産ガイド - 世界遺産条約採択40周年特集』シンクタンクせとうち総合研究機構
  15. 正井泰夫監修 (2013) 『今がわかる時代がわかる世界地図2013年版』成美堂出版、p.140