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'''関東御領'''(かんとうごりょう)は、[[鎌倉幕府]]の財源、経済基盤となっていた[[荘園 (日本)|荘園]]・[[公領]]。 == 概要 == 起源は、鎌倉幕府成立以前に[[河内源氏|源氏]]([[源頼朝]])が本家・領家として所有していた荘園群や[[国衙領]]である。これに平氏滅亡の際、[[平氏]]一門が持っていた荘園([[平家没官領]])を組み入れて継承した。更に[[承久の乱]]で[[後鳥羽天皇|後鳥羽上皇]]側について処分された者の[[没官領]]も含まれていたと考えられている。ただし、残存する記録が少ないため、関東御領の実際の規模や経営内容に関しては不明な部分も多い。かつて、[[牧健二]]が関東御領を「[[鎌倉殿]]を[[本所]]・[[領家]]とする荘園・公領」と位置づけてこれが通説となっているが、実際には[[1260年代]]以後には[[御家人]]の[[所領]]([[地頭職]]・没官領など)を含めた[[武家領]]全般([[本所領]]と対になる概念)の意味でも用いられ、以後の文書では両方の意味が混在している。更に[[14世紀]]には[[得宗]]の所領を関東御領と記した文書も登場する([[得宗専制]]の下で得宗が鎌倉幕府の実質的な長になったため)<ref>清水亮「鎌倉幕府御家人役賦課制度の展開と中世国家」(初出:『歴史学研究』760号(2002年)/改題所収:「鎌倉幕府御家人役賦課制度の展開と〈関東御領〉」清水『鎌倉幕府御家人制の政治史的研究』(校倉書房、2007年) ISBN 978-4-7517-3910-5) </ref>。 実際の支配は御家人を[[地頭]]や[[預所]]に任じて[[政所]]や[[六波羅探題]]がこれらを統括して、荘園から上げられた[[年貢]]や[[公事]]が幕府の財政に充てられた。 当初は将軍家の私財的要素が強く将軍直轄領であったが、幕府運営が将軍独裁から合議制に切り替わると御家人の共有財産へと変わった。更に[[得宗]]専制期に入ると、[[北条氏]]の関与が強まっていくことになる。 == 脚注 == <references/> == 参考文献 == *[[石井進 (歴史学者)|石井進]]「関東御領」(『国史大辞典 3』([[吉川弘文館]]、1983年) ISBN 978-4-642-00503-6) *石井進「関東御領」(『日本史大事典 2』([[平凡社]]、1993年) ISBN 978-4-582-13102-4) *古澤直人「関東御領」(『日本歴史大事典 1』([[小学館]]、2000年) ISBN 978-4-09-523001-6) == 関連項目 == * [[鎌倉時代]] * [[鎌倉将軍一覧]] * [[関東御分国]] {{DEFAULTSORT:かんとうこりよう}} [[Category:日本の荘園制]] [[Category:鎌倉幕府]]
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