鉢形城

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ファイル:Hatigatajou Arakawa.JPG
本丸跡から見た荒川と寄居町

鉢形城(はちがたじょう)は、埼玉県大里郡寄居町大字鉢形にある戦国時代日本の城跡である。構造は連郭式平山城

概要

鉢形城は戦国時代跡である。現在は史跡に指定され、鉢形城公園(はちがたじょうこうえん)として整備されている。園内には鉢形城歴史館(はちがたじょうれきしかん)が建てられ、往時の鉢形城の姿を紹介している。

鉢形城は、深沢川荒川に合流する付近の両河川が谷を刻む断崖上の天然の要害に立地し、その縄張りは唯一平地部に面する南西側に大手、外曲輪、三の曲輪(三ノ丸)の三つの郭を配し、両河川の合流地点である北東側に向かって順に二の曲輪(二ノ丸)、本曲輪(本丸)、笹曲輪と、曲輪が連なる連郭式の構造となっている。搦手、本丸、二ノ丸、三ノ丸および諏訪曲輪には塹壕をともない、また北西側の荒川沿岸は断崖に面する。

初めて築城したのは関東管領山内上杉氏家臣である長尾景春と伝えられている。その後、小田原後北条氏時代に北条氏邦によって整備拡張され、後北条氏の上野国支配の拠点となった。その後、下野国遠征の足がかりともなったが、その滅亡とともに廃城となった。

関東地方に所在する戦国時代の城郭としては比較的きれいに残された城のひとつと云われ、1932年(昭和7年)、国の史跡に指定された。1984年(昭和59年)からは寄居町による保存事業が開始された。現在は鉢形城公園として整備され、鉢形城歴史館が設置されている。

歴史・沿革

現代

鉢形城の桜

ファイル:Hachigatajo-Edohigan.JPG
鉢形城にあるエドヒガン

城跡内には町天然記念物に指定されているバラ科サクラ属の植物の一種「エドヒガン」が生存している。このエドヒガンは、一旦伐採され2本幹の株元から12本の芽が成長した珍しいものである。

2009年(平成21年)現在で樹齢は約150年。高さは18m、枝張りは、東西23.5m/南北21.8mで、根回りは6.5mほどもある。

ソメイヨシノの片親である「エドヒガン」であるが、名前のとおり関東ではソメイヨシノよりやや早めの彼岸のころ満開となり、満開の時期には多くの写真家画家が訪れる。

現地情報

所在地

  • 埼玉県大里郡寄居町鉢形2496-2

交通アクセス

鉄道・バス
自動車

脚注

  1. 実父は上杉憲実の子で僧籍にあった周晟
  2. 実父は3代古河公方の足利高基
  3. 永禄12年とする説もあり、有力である(浅倉直美『後北条領国の地域的展開』104-105頁、黒田基樹『上里町史 通史編上』452頁)。なお、「北条氏邦の鉢形城入城をめぐって」『さいたま川の博物館紀要』第6号では永禄7年説を採用している。

参考文献

  • 浅倉直美『後北条領国の地域的展開』岩田書院、1997年。
  • 黒田基樹「第三編第四章二 後北条・上杉・武田三氏の攻防と加美郡」『上里町史』通史編上、1996年。

関連項目

外部リンク

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