トロイオンス
トロイオンス(troy ounce)は、貴金属や宝石の原石の計量に用いられるヤード・ポンド法の質量の単位であり、1トロイオンス = 正確に 31.103 4768グラムである。金衡オンス(きんこうオンス)ともいう。日本では、特殊の計量である「金貨の質量の計量」にのみ限定して使用できる単位であり、その定義値も僅かに異なる(後述)。
定義
トロイオンスは、480グレーンに等しく、常用オンス(437.5グレーン)よりも少しだけ重い。
1958年に米、英、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの6カ国の国際協定が締結され、アメリカでは1959年7月1日に発効した定義では、1グレーンが正確に64.798 91ミリグラムと定められた[2]ので、現在では、1トロイオンスは正確に31.103 4768グラムとなる。常用オンスが正確に 28.349 523 125グラムであるので、約9.7%重いことになる。トロイオンスは、貴金属(金や銀)の価格設定において用いられるが、日本国内ではグラムやキログラムも用いられる。
日本の計量法では、「金貨の質量の計量」に限定してトロイオンスの使用が認められている。ただし、計量法体系では上記の国際定義値の桁数を6桁に丸めて、31.1035グラムと定義している[1]。
トロイオンスはヤード・ポンド法のトロイ衡(Troy System of Units)(トロイこう、金衡(きんこう)ともいう)という単位系の単位の一つであるが、トロイ衡の単位は現在ではトロイオンスしか使われていない。トロイ衡に対して通常使われるオンス、ポンドなどは常衡(Avoirdupois System)という。トロイ衡は、ウィリアム1世によるイングランド征服の時代にまで遡る。その名前は、中世において重要な商都であったフランス・シャンパーニュ地方の町トロワ(Troyes)に由来する。
トロイポンド
トロイポンド(金衡ポンド)は12トロイオンスに等しく、5760グレーンに等しい。よって、正確に 373.241 7216グラムとなる。
常衡では1ポンドは16オンス、7000グレーンに等しく、正確に 453.592 37グラムである。
かつては、1トロイポンドの銀をそのまま通貨として使用していた。これが通貨単位としてのポンドの由来である。トロイポンドの240分の1をペニーウェイト(pennyweight)と呼んでいたことから、通貨のポンドの240分の1がペニー(penny、複数形はペンス(pence))という単位となった。1971年に、1ポンド=100ペンスに改められた。
換算
いずれも、英米などの6カ国による1958年の国際協定の定義に基づく正確な換算数値である。日本の計量法による定義(1トロイオンス=正確に31.1035 g)とは異なることに注意。
単位 | グレーン | グラム |
---|---|---|
ポンド(12オンス) | 5760 | 373.241 7216 |
オンス(20ペニーウェイト) | 480 | 31.103 4768 |
ペニーウェイト | 24 | 1.555 173 84 |
グレーン | 1 | 0.064 798 91 |