超スーパーカー ガッタイガー

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超スーパーカー ガッタイガー』(ちょうスーパーカー ガッタイガー)は、永和制作のテレビアニメ1977年10月4日から1978年3月28日まで、東京12チャンネル(現:テレビ東京)にて放送された。放送枠は、毎週火曜日19:30~20:00(全26話だが、本放送時は第14話が放送されなかった)。

作品概要

いわゆるスーパーカーブームを受けて、その最盛期の1977年秋(10月初頭前後)にはカーレースアニメだけで『激走!ルーベンカイザー』『とびだせ!マシーン飛竜』『アローエンブレム グランプリの鷹』そして本作『超スーパーカー ガッタイガー』と4本も同時に放送が開始され、文字通りの競争状態となった。しかし、6ヶ月以上放送が続いたのは『グランプリの鷹』だけで、本作を含む残り3作は6ヶ月以内で打ち切られた。

同時期の放送されたレースアニメの中では、主役メカがミサイルやカッターなどで武装した5台で合体するという最も荒唐無稽で[1]、よりアニメ的なエンターテインメント路線を標榜した内容。他にも主人公チームのメンバーが「リーダー」「サブリーダー」「巨漢」「紅一点」「最年少」の5名で構成されている事、世界征服を企む敵組織(デモン一族)の存在など、『超電磁ロボ コン・バトラーV』『超電磁マシーン ボルテスV』(共にテレビ朝日系)を彷彿とさせるロボットアニメ的フォーマットを多く使っていた。

この作品の映像ソフトが発売されていないのは、、製作会社であるテンプレート:要出典範囲ためであり、テンプレート:要出典範囲

ストーリー

“太陽エネルギーエンジン”を搭載したスーパーカー・ガッタイガーのメイン操縦者となり、広樹・健・サチヨら仲間達と共に「タイガーチーム」を結成したF1レーサー・田淵錠。彼は、実父でありその開発者でもある田淵博士を殺した「デモン一族」に世界の平和を掛けた大レースを挑んでゆく。太陽系を股にかけた彼らの壮大かつ壮絶なレースは、果たしてどのような結末を見るのか…。

登場メカニック

タイガーチーム

  • センターマシーン
「タイガーチーム」のリーダー・田淵錠が操縦するスーパーカー。前部とカセッター部分にミサイル発射装置が付いている。
  • ライトマシーン
「タイガーチーム」の紅一点・若月サチヨが操縦するスーパーカー。前部にミサイル発射装置がある。
  • レフトマシーン
後部にプロペラが付いたスーパーカー。操縦者はチームのサブリーダー・速水広樹。
  • アップマシーン
左右に大きなエンジンがある。サチヨの弟・克己が操縦するスーパーカー。
  • エンドマシーン
左右に伸縮自在のドリルが付いたスーパーカー。操縦者は五十嵐健。
  • ガッタイガー
「センターマシーン」「ライトマシーン」「レフトマシーン」「アップマシーン」「エンドマシーン」の5台のスーパーカーが合体して完成する巨大マシーン。チェーンソー・ジャッキ・ミサイル・スパイクホィールなどの武器を駆使し、デモン一族のスーパーカーと闘う。
  • キャリアージェット
ガッタイガーや各マシーンを運ぶ為に開発された輸送機。

デモン一族

  • エリックのマシン
一族の指揮官であるエリック・ベルゲンが乗る。指揮官用なので武装はしていない。外見からして、一般車をチューンナップした物と思われる。エリックの足としてでなく、レースカーとしても使用。
  • 覆面レーサーのマシン
謎の覆面レーサー(実はクィーン・デモン)が使用。これも武装はしていないが、リモコン操縦も可能なので、ある程度チューンナップしていると考えられる。
  • デモンカー
一族の戦闘員・デモンレーサー用の量産型レースカー。フロント左右の突起を槍の様に伸ばして攻撃する。他の武器は、本体両脇から出すカッターと、突起に内蔵されているガトリング銃。
  • デモンジェット機
主にクィーンが操縦。爆弾と機銃が武器。垂直離着陸も可能。
  • デモン移動基地
ヒトデの形をした、一族の空中要塞。クィーンやエリックが乗る。デモンマシン等や要員を目的地まで運ぶのが目的。水中航行も可。
  • デモン島
一族の本拠地である孤島。島には外環道路が有り、デモンマシンのテストコースとなっている。

登場人物

タイガーチーム

田淵 錠(たぶち じょう)
水島裕
タイガーチームのリーダーで、センターマシーン&ガッタイガーのドライバー。太陽エネルギーエンジンの研究者である田淵博士の一人息子で、父を殺したデモン一族に復讐を誓う一方で、失踪中の母ハルエの事を気遣っている。しかしその母が敵の一人だった事を知った時は、相当ショックになった程であった。レーシングスーツの色は白。
「田淵」の姓の由来は、「タイガー」つながりで、阪神タイガースの当時のスラッガー・田淵幸一から。
若月 サチヨ(わかづき サチヨ)
声:佐久間あい
タイガーチームの紅一点で、ライトマシーンのドライバー。若月雄三博士の娘である。錠を愛しているが、錠は彼女の事をチームメンバーとしか考えていない。レーシングスーツは赤いミニスカート。
若月 克己(わかづき かつみ)
声:菅原靖人
タイガーチームの最年少で、サチヨの弟。アップマシーンのドライバー。子供ながらも卓越した運転技術の持ち主。レーシングスーツの色は黄。
五十嵐 健(いがらし けん)
声:亀井三郎
エンドマシーンのドライバー。チーム一の巨漢。インディアンの血をひいており、バンダナと羽を常に頭に着けている。レーシングスーツの色は茶。
速水 広樹(はやみ ひろき)
声:村山明
タイガーチームのサブリーダーで、レフトマシーンのドライバー。常に冷静な行動を取る。レーシングスーツの色は緑。
若月 雄三(わかづき ゆうぞう)
声:筈見純
タイガーチームの監督である工学博士。キャリアージェットの操縦も担当。田淵博士の親友で、田淵博士亡き後、太陽エネルギー・エンジンの研究に全力を注いでいる。若月和子(わかづき かずこ)という妻がいる。

デモン一族

ブラック・デモン
声:緒方賢一
デモン一族の首領。元は世界有数の大富豪だったが、いつしか世界征服の野心を抱く様になる。そしてそのために、太陽エネルギー・エンジンを狙っている。実は田淵錠の祖父。最終回ではエリックがタイガーチームに倒されると、基地デモン島ごと自爆して果てた。
クィーン・デモン / 田淵 ハルエ(たぶち ハルエ)
声:有馬瑞子
ブラック・デモンの娘にして側近。実は田淵錠の母である。かねてから太陽エネルギー・エンジンを狙っていたブラック・デモンによって、グランド・キャニオンにいた田淵博士と結婚し、錠を産んだが、しばらくして完成間近の太陽エネルギー・エンジンの研究一式を盗んで、父の元へ戻った(因みにこの事は、16話で田淵博士の親友であるインディアン・オズマから錠に明かされた)。しかし息子を敵に回すのに苦悩する事になり、時々「覆面レーサー」として錠を助ける事が有る。最終回でエリックが戦死し、父ブラックが基地ごと自爆して果てた中、一族では唯一生き残ったが、夕陽に向かってセンターマシンで突っ走る錠を崖の上から見ているだけで、錠との和解はしなかった。
エリック・ベルゲン
声:神谷明
デモン一族の指揮官。デモンレーサー達を指揮し、タイガーチームを襲わせる。普段はスーツ姿だが、指揮の時は仮面とマント付きのレーシングスーツを着用。銃を携帯しており、作戦失敗した部下はこれで抹殺する。最終回では自ら合体式マシーンのドライバーになって挑戦したが、ガッタイガーのチェーンソー攻撃でマシーンを切り裂かれ、爆発と同時に影から墜落して果てた。

ナレーター

仲木隆司

スタッフ

  • 原作:千秋ひとし(漫画:今道英治、小学館刊『てれびくん』掲載)
  • 企画:馬嶋満
  • プロデューサー:池田誠(永和)、渡辺静人(日本経済広告社)、柳沢隆行(東京12CH)
  • 脚本:馬嶋満、陶山智、富田祐弘山崎晴哉桂真佐喜、他
  • チーフディレクター:高橋資祐
  • アシスタントディレクター:細野正
  • 演出:高橋資祐、井内秀治、細野正、村井努、鈴木慎一郎、他
  • 作画監督:山口士朗(村田四郎)、湖川滋、他
  • 原画・動画:土屋貴彦、恩田行法、豊蔵芳信、他
  • キャラクターデザイン:山口士朗、金山明博(敵側キャラクター[2]
  • メカニックデザイン:デザインオフィスメカマン
  • 美術:デザインオフィスメカマン
  • 美術設定:中村光毅
  • 彩色:塚原勝美、山脇智子、飯塚美子、石井敬子、他
  • 特殊効果:たなか孝夫、他
  • 撮影:菅谷信行、他
  • 編集:米内山順子
  • 現像所:東京現像所
  • 音楽:石川皓也
  • 録音調整:小出良助
  • 音響制作:アーツ・プロ
  • 製作:永和、日本経済広告社、東京12チャンネル(現:テレビ東京

主題歌

  • オープニング:『ガッタイガーの歌』
歌:上條恒彦/作詞:馬嶋満/作曲:小林亜星/編曲:高田弘
  • エンディング:『愛は傷あと』
歌:上條恒彦/作詞:馬嶋満/作曲:小林亜星/編曲:高田弘
主題歌のEPレコードは、ポリドールよりリリースされた。OPがB面で、EDがA面である。 

サブタイトル

  1. 運命のビッグレース(前)
  2. 運命のビッグレース(後)
  3. 危うし!レッドタイガー
  4. 恐怖のコンドル・マシン
  5. ちっちゃい勇者
  6. 死の谷のアパッチ
  7. 深夜のマンハッタン・レース
  8. 謎の覆面レーサー
  9. 栄光のロッキー縦走レース
  10. 悪魔のF1レーサー
  11. 怒りのガッタイガー
  12. 錠の暗殺命令
  13. 恐怖のファッション・ショー
  14. 栄光なきデッド・ヒート(※本放送時、未放送[3]
  15. 失われた旅路
  16. 母さん!その人の名は
  17. 友情のコンビネーション
  18. 恐怖のオーロラ実験
  19. 恐怖の陰謀
  20. エリックの黒い罠
  21. 闘え!夢をのせて
  22. 走れ!夢の彼方へ
  23. 皆殺しのアンコール・ラプラ
  24. 突破せよ・死のジャングル
  25. 飛べ!愛の翼
  26. 太陽に向かって突っ走れ!

その他

本作のオープニング映像は、「タイガーチーム」の各メンバーの紹介や、彼ら5人が搭乗するスーパーカーが合体して主役メカ・ガッタイガーに変形するシーンがメインとなっていた。

エンディング映像では、ガッタイガーが荒野を疾駆する様子が描かれている。なお、OPとEDには、「タイガーチーム」の敵である「デモン一族」やエリック達は一切登場していない。

商品展開

主役マシン・ガッタイガーの玩具は、5台合体を再現したデラックス版の大箱セット「合金 コンビネーションゴー」とライト・レフト・アップマシーンのみ分離できるミニサイズのスタンダード版が、共に当時のメインスポンサー・タカトクトイスより発売。

ショウワノートからは、文具類(ぬりえ・パズルなど)が発売された。

出典

  1. アニメージュ編集部編『TVアニメ25年史』徳間書店、1988年、p.74
  2. 「70年代アニメ秘話(2) 金山明博×越智一裕」『オトナアニメCOLLECTION いまだから語れる70年代アニメ秘話 テレビまんがの時代』オトナアニメ編集部編著、洋泉社、2012年、p.62
  3. 当該日は1978年1月3日、代わりに放送されたのが新春ビッグスペシャル「ソフトボール夢の対決!!女子最強チーム ピンクベアーズVSプロ野球OB選抜チーム」~後楽園(録画)(1900-2054)

外部リンク

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