走れ!ガリバーくん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

走れ!ガリバーくん』(はしれガリバーくん)は、1996年4月7日から2005年9月25日まで関西テレビほかで毎週日曜日9:30 - 10:00に放送されていたJR西日本一社提供(関西テレビ・共同制作局・テレビ西日本。同時ネットの石川テレビ福井テレビはJR西日本とローカルスポンサー、末期はローカルスポンサーのみ)の旅番組である。

フジテレビ系列の関西テレビと岡山放送山陰中央テレビテレビ新広島テレビ愛媛高知さんさんテレビの共同制作番組(共同制作局以外でも放送されていたが、石川テレビ、福井テレビでも関西テレビとの同時ネットだった。そのほかの局は地域により放送時間が異なる。途中で打ち切った局も含めると、放送された地域は北海道・東北から九州・沖縄まで広範囲に及ぶ。また、関東では独立UHF局がネットした地域もあり(ただしスポンサーは差し替え)。関西テレビと同時ネットの放送局のみ字幕放送

番組概要

毎回芸能人が2人(3人の時もある)登場する(登場時のBGMはバリー・グレイ作曲によるサンダーバードのメインテーマが使用されていた)。そして芸能人が王様の旅を賭けてオープニングゲームに挑戦し(ルールは例として2004年7月4日放送分の「丹後・舞鶴」にあやかり、8つある舞鶴名物の「肉じゃが」を1つずつ試食してもらい、そこから1つしかない本物をズバリ当てれば王様になれる若しくは、翌々週7月18日放送分の「わたらせ温泉(和歌山県)」にあやかり、8つある紀州名物「めはりずし」から、やはり1つしかない中身が生米仕様を選んでしまえばガリバーくんとなる)、勝てば豪華な王様の旅が当たるが、負ければ過酷なガリバーくんの旅が待っていて、お品書きに書かれた条件(目的)の達成と与えられた低予算の所持金(過去には開通前の橋を渡るための通行許可証もあった)だけで目的地を目指さなければならないというルールである(ビデオカメラで撮影するための同行ディレクターも1人ついているが、マネージャーは付かない)。たとえ目的地の距離が近くても遠回りしなければならなかったり、途中出演タレントの実家のところへはちょうど通るところであっても行くこともすら許されなかったりとルールはかなり徹底されている。このオープニングゲームは移動列車内で行われていたこともしばしばあり、列車内で負けてガリバーくんとなってしまった有名人は有無を言わさず途中の駅で無理矢理強制下車させられてしまう(強制下車に充てられた駅は例として「園部駅」「宝塚駅」「姫路駅」「和歌山駅」「御坊駅」などがあった)。これは王様(女王様)になった芸能人も、ガリバーくんを見送るために一度列車からホームへ降りる仕組みになっている(例として園部駅の場合、オープニングゲームに負けたガリバーくんをホームに残した状態で特急「はしだて3号」+「まいづる3号」が発車していく)。そのためか王様(女王様)へのおしながき内容は、途中駅でガリバーくんを見送った後改めて公開されることになっている。(ただしガリバーくんの目的地の方が遠い場合もあり、この場合はガリバーくんが強制「乗車」となった)。もちろんガリバーくん側からは、番組の最後で合流しない限り王様(女王様)側のその後の状況を確認することはできない。

なお、ガリバーくんになった有名人は「ガリバーくん○○号」という称号で○○の部分には数字が入るがこれは通算の放送回数の意味もあらわしている(『GO!GO!ガリバーくん』と改題してからもこの称号は続いた)。ちなみに連番で出た場合は、前半後半の2週に分けての放送となる。この処置は旅先によって収録の量が多い場合もあることや、編集に時間を費やすため1回の放送で無理な場合、続きを次週放送にするという体裁を取っていることによるものである。

出発駅は「新大阪駅」、「岡山駅」、「広島駅」が主である。目的地は西日本地区(近畿・中国・四国・九州地方)が中心であるが中部·北陸地方、東京も度々取り上げており、2000年8月の放送では1度だけ北海道(この回の出発駅は札幌駅で最終目的地は富良野駅であった。強制下車の駅は岩見沢駅だった。なお、北海道内では2か月後の10月に放送された。)も取り上げていた。なお、共同製作参加局のテレビ愛媛高知さんさんテレビ1997年より)は、JR四国エリアである。中でも「岡山駅」または「広島駅」を出発駅にするケースは、主に「アーバンネットワーク」エリアを採り上げる回を中心に適用された。東京を目的地とする回でも「岡山駅」「広島駅」を出発駅としていたのは、スポンサーとの契約上もあってか、道中に必ずJR西日本エリアを内包しなければならないという取り決めがあったためと思われる。

また、目的地が「北近畿ビッグXネットワーク」と関連するエリアを採り上げた回では、出発駅をわざわざ「京都駅」にしていたこともあった。これは例として2004年7月4日放送分において「丹後・舞鶴」を採り上げた際、京阪神地区から舞鶴方面への移動列車が京都駅始発の「まいづる」と「タンゴディスカバリー」(2012年現在は後者も前者に統合)しかないため、そうせざるを得なかったものだと思われる。また同年9月12日放送分で「天橋立」を採り上げた際、新大阪駅始発の「文殊」と「タンゴエクスプローラー」(または福知山駅における「北近畿」と「はしだて」との乗り継ぎの適用も一応効く)があるのに、敢えて京都駅始発の「はしだて」を移動列車に充てたため、この回もわざわざ同駅を出発駅にしていた(翌2005年4月17日放送分の「天橋立・久美浜」でも同様)。さらに同年11月21日放送分で「香住・湯村温泉」を採り上げた際は、「大阪駅」を出発駅としていた。これは同駅始発の特急「はまかぜ」を移動手段に充てたためである。

番組の最後に「旅のおさらい」というコーナーがあり、番組での「王様の旅」の行程を紹介した後、JR西日本の関西地区からの企画商品の宣伝を行っていたが、岡山放送・テレビ新広島・山陰中央テレビ・石川テレビ・福井テレビは、コーナーごとJR西日本各地区(岡山支社広島支社米子支社金沢支社)の企画商品のCMに差し替えられていた。なお、JR四国エリアのテレビ愛媛・高知さんさんテレビは「旅のおさらい」をそのまま放送していた(山陰中央テレビ・テレビ新広島・福井テレビでも一時期「旅のおさらい」をそのまま放送していたことがある)。ノンスポンサーの地域では「旅のおさらい」のコーナーは放送せず、通常のスポットCMを流していた。

正月にスペシャル版が放送されることがあったが、こちらは海外やJR他社エリアが中心となっていたためか、関西テレビの単独製作で、JR西日本がスポンサーとならず、番組販売扱いとなっていたためか、放送時間も各地で異なっていた(GO!GO!ガリバーくんも同様)。関西テレビでは、1月2日の午前または昼間時間帯に放送される事が多かったが、他の地域ではその時間帯に、フジテレビからドラマの集中放送をネット受けした局もあり、それらの局では当然ながら後日の放送となっていた。

番組終了とその後

2005年4月25日JR福知山線脱線事故により、5月1日放送分からCMが公共広告機構(現:ACジャパン)のものに差し替えられ(関西テレビ・共同制作局・テレビ西日本の場合。石川テレビと福井テレビは公共広告機構とローカルスポンサーのCM一部地域の時差放送や不定期放送のノンスポンサー地域は通常のスポットCM)、同時に出発駅からのJR特急(新幹線)での旅の目的地への移動シーンがカットされた。また、出発地(オープニング)が新大阪駅などから、関西テレビ本社前に変更された。

この事件の余波もあり同年9月25日の放送をもって9年半476回続いた番組はその歴史に幕を降ろした。

その後、同じ番組コンセプトで番組名を『GO!GO!ガリバーくん』と改題して、同年10月2日BSフジは10月8日)から2006年9月30日まで1年間(全49回)放送された。また、同時にデジタルハイビジョン化された(実際は4:3SD画質)。「王様の旅」で乗る乗り物は、列車に限らず航空機、フェリー、リムジン(リムジンは1996年の番組開始当初から使われている)、クルーザー…などあらゆる交通手段を駆使することになる。目的地も西日本エリアに限定せず、日本全国、果ては海外にまで広げられた。この範囲拡大が地方局にとっては大きな負担となったのか、関西テレビ以外の局は2006年3月で制作から撤退し、同時ネットから番組販売に移行した(関西テレビ以外ではFNS中四国地区基幹局のテレビ新広島が幹事局となるケースが多かった)が、これも1年で終了し、トータルで525回続いた一連の「ガリバーくん」シリーズは、10年半の歴史に幕を降ろした。

なおJR西日本は2006年4月2日より「旅っきり!〜ふれあい紀行〜」の一社提供スポンサーとなっていたが、これも2008年3月30日の放送分をもって終了し、トータルで12年間続いた(前述の事故の余波等で一時中断した時期もあった)関西テレビ制作日曜9:30枠のJR西日本一社提供番組はその歴史に幕を降ろした。

出演者

司会者

開始当初は基本的に梅田淳で固定。梅田がフリーになってからは後輩アナである杉本・藤本・村西の3名を含めた4名による持ち回り担当となり、梅田は徐々に出番を減らしていった。なお、梅田は2005年4月3日放送分を以って降板している。

ナレーター

  • 桑原征平(2004年5月までは関西テレビアナウンサー、ガリバーくん担当。番組終了時の提供読み。たまに梅田淳の代行の司会者としても登場することがある。ちなみに1999年1月3日放送の1時間スペシャルで初めて画面に登場した)
  • 牧野エミ(王様担当、番組スタート時の提供読み。彼女も1999年1月3日放送の1時間スペシャルで画面に登場した。)

ガリバーくんになった有名人達

男性

女性

スタッフ

  • 構成 : 萩原芳樹、中川正博
  • プレーン : 伊東博(大平シローが本名名義で担当)
  • プロデューサー : 高島公美 ← 稲田聖子(関西テレビ)、酒巻正幸
  • AP (アシスタントプロデューサー)  : 和宏美(旧姓:山本)
  • ディレクター : 都築一興、古賀敏仁、遠藤陽介、森脇芳史、加藤貴光、石原直行、岡崎雅哉、北村崇、松元広幸、南大輔
  • MA : 右見嘉英(東通AVセンター)
  • エンディングテーマ : PSYCHODELICIOUS『不思議な旅』
  • 技術協力 : 東通(旧大阪東通)、東通テクノサービス(旧ティ・ディー・シー)、東通ライティング、東通AVセンター
  • 制作協力 : 東通企画(関西テレビが幹事局の時)/他社が幹事局の時はTSSプロダクション・OHKエンタープライズ他幹事局の関連会社
  • 制作 : 関西テレビ / 岡山放送、山陰中央テレビ、テレビ新広島、テレビ愛媛、高知さんさんテレビ(1997年より参加)
    • 制作幹事局となった局がテロップの先頭に表記された。

共同制作局以外で放送された局

特記のないものはフジテレビ系列

※不定期放送、途中打ち切り、途中からネット開始の局も含む

書籍

  • 「走れ!ガリバーくん」のおでかけブック : どーする、週末。特別編 (2004年4月) ISBN 4-8356-0406-7

400回までの番組の旅先などが記載されている。

関連項目

テンプレート:前後番組 テンプレート:Asbox