赤穂浪士 (NHK大河ドラマ)

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テンプレート:基礎情報 テレビ番組赤穂浪士』(あこうろうし)は、1964年1月5日 - 12月27日NHKで放映された2作目の大河ドラマ

概要

原作は、大衆文学の重鎮である大佛次郎の大作『赤穂浪士』。主役の大石内蔵助に大映の看板俳優で後に国民栄誉賞を受賞する長谷川一夫を担ぎ出し、歌舞伎界や新劇界の大物、歌謡界の人気アイドルまでも起用し、前作『花の生涯』を上回る豪華キャストの競演で話題を集めた。赤穂四十七士たちの討ち入りを決意するまでの苦悩や葛藤、彼らに関わる人々の思惑などを1年間かけてじっくりと描き出す大河ドラマならではのストーリー展開で、その結果視聴率は優に30%を超え、浪士の討入りが放送された回には視聴率53.0%という大河ドラマ史上最高視聴率記録をも打ち立てた。この記録は2010年現在まで未だに破られていない。ただし、この当時は大河ドラマはまだ日曜午後8時からの放送ではなかった(当時、日曜午後8時枠はコメディドラマの『若い季節』であった)。全話の平均視聴率は31.9%で歴代4位(2011年現在)。

大河ドラマの名称は、この『赤穂浪士』放送中に、読売新聞が外国の大河小説に倣って、前作『花の生涯』で井伊直弼、今作『赤穂浪士』で大石内蔵助の生涯を描くことから、「大河ドラマ」と呼称したことに由来する。

本作以降は1月スタート、同年12月終了の放送スタイルが定着している(一部を除く)。

芥川也寸志のテーマ曲も話題となった。この曲は芥川が新東宝映画『たけくらべ』(1955年)の主題曲を使い回ししたものだったが、板ムチによるビシッ、ビシッという音が討ち入りの厳しさを感じさせ、視聴者の共感を得て、レコードも発売された。現在でも「忠臣蔵といえばこの音楽」というイメージが定着している。また「大河のテーマは交響楽」というイメージも定着し、翌年からのNHK交響楽団によるテーマ演奏へとつながった。

なお、主演の長谷川一夫は大河ドラマ単独主演では歴代最高齢の主演である(放送開始時55歳10ヶ月9日、なお単独主演でないケースを含めると、2000年の『葵 徳川三代』で津川雅彦が60歳0ヶ月7日で演じた事例が最高齢記録となる)。

キャスト

太字は第47回に登場

大石・浅野家

赤穂四十七士

その他の赤穂藩士・四十七士の縁者

吉良・上杉家

幕府・大名・旗本

その他

スタッフ

放送

放送日程

基本の放送時間は午後8時45分~午後9時30分。

放送回 放送日 サブタイトル
第1話 テンプレート:01月テンプレート:05日 女郎ぐも
第2話 テンプレート:01月12日 花の雨 
第3話 テンプレート:01月19日 くらやみの男
第4話 テンプレート:01月26日 江戸と赤穂
第5話 テンプレート:02月テンプレート:02日 勅使接待
第6話 テンプレート:02月テンプレート:09日 その前夜
第7話 テンプレート:02月16日 松の廊下
第8話 テンプレート:02月23日 風さそう
第9話 テンプレート:03月テンプレート:01日 第二の使者
第10話 テンプレート:03月テンプレート:08日 人それぞれに
第11話 テンプレート:03月15日 名残りの城
第12話 テンプレート:03月22日 十四日の月
第13話 テンプレート:03月29日 城明け渡し
第14話 テンプレート:04月テンプレート:05日 大阪の宿
第15話 テンプレート:04月12日 蝉しぐれ
第16話 テンプレート:04月19日 淀川船
第17話 テンプレート:04月26日 山科の家
第18話 テンプレート:05月テンプレート:03日 秋の琴
第19話 テンプレート:05月10日 隠密往来
第20話 テンプレート:05月17日 都八景
第21話 テンプレート:05月24日 冬の雲
第22話 テンプレート:05月31日 木枯らし
第23話 テンプレート:06月テンプレート:07日 女ごころ
第24話 テンプレート:06月14日 花の便り
第25話 テンプレート:06月21日 伏見撞木町
第26話 テンプレート:06月28日 元禄小袖
第27話 テンプレート:07月テンプレート:05日 里げしき
第28話 テンプレート:07月12日 雨の駕籠
第29話 テンプレート:07月19日 眼んない千鳥
第30話 テンプレート:07月26日 夕顔
第31話 テンプレート:08月テンプレート:02日 露時雨
第32話 テンプレート:08月テンプレート:09日 雁渡る
第33話 テンプレート:08月16日 喧嘩六法
第34話 テンプレート:08月23日 風の声
第35話 テンプレート:08月30日 寒雀
第36話 テンプレート:09月テンプレート:06日 星の夜
第37話 テンプレート:09月13日 吉良上野介の顔
第38話 テンプレート:09月20日
第39話 テンプレート:09月27日 似た梯
第40話 10月テンプレート:04日 花も雪も
第41話 10月11日 江戸座
第42話 10月18日
第43話 10月25日 南部坂
第44話 11月テンプレート:01日 師走の街
第45話 11月テンプレート:08日 いのちの灯
第46話 11月15日 討入り前夜
第47話 11月22日 討入り
第48話 11月29日 引揚げ
第49話 12月テンプレート:06日 四家お預け
第50話 12月13日 勝者敗者
第51話 12月20日 白梅紅梅
最終話 12月27日 二月四日
平均視聴率 31.9%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ[1]

総集編

大河ドラマで総集編がつくられるようになったのは第3作『太閤記』がはじめのため、本作の総集編は制作されていない。

映像の現存状況

第7話の松の廊下のシーンと第47話が現存している。当時は放送局用ビデオテープ2インチVTR)が非常に高価で大型だったために、テープは放送終了後に消去されて他の番組に利用されるのが通常だった。本放送時からおよそ半世紀が経過し、当時のテープの経年劣化も考えると、視聴者が録画して現在まで保存している可能性は低く放送回の映像が民間から発見される可能性はほとんどない。

そのため全話の再放送および全話収録の完全版の販売は絶望的だが第47話は大河ドラマ史上最高視聴率の本作最大の山場「討入り」であり、これが残っていたのは貴重であり、恐らく資料映像用としてあえて残していたと考えられる。現存している第47話「討入り」は『NHK想い出倶楽部2~黎明期の大河ドラマ編~(2)赤穂浪士』としてDVD販売されている。

補足

  • 吉田沢右衛門役に緒形拳を起用する案もあったが、緒形は新国劇のスケジュールとのやりくりが付かず結局出演を辞退している。緒形は翌年の『太閤記』をはじめとする幾つかの作品でレギュラー出演をした後、1982年の『峠の群像』で大石内蔵助を演じている。
  • この作品から、土曜日の再放送が放映されるようになり、以後定着した[2]

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ

  1. ビデオリサーチ NHK大河ドラマ 過去の視聴率データ
  2. 『NHK大河ドラマ大全』NHK出版


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