貝獣物語

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テンプレート:Infobox貝獣物語』(かいじゅうものがたり)は、1988年11月18日ナムコ(現・バンダイナムコゲームス)から発売されたファミリーコンピュータロールプレイングゲームソフト。開発はバースデイ

以後シリーズ化され、続編は主にハドソンから発売されている。

概要

主人公である火の貝の少年(デフォルト名:リッキー)と、バラバラにされた「貝獣」のクピクピポヨンバブの合計4人が力をあわせ、魔王ファットバジャーを倒すために冒険をする。

この作品にはロムカセット説明書の他、主人公ら4人のキャラクターフィギュア、ゲームの世界地図、「涙の密書」とよばれる封書が同梱された。

ゲームシステム

ここでは、本作の特筆すべきゲームシステムを挙げていく。

キャラクターチェンジ

本作では、4人のキャラクターがそれぞれ別々の場所からスタートする。コマンド「パス」を使えば操作するキャラクターを自由に替えることができるので、4人それぞれを成長させていく。ある程度遠出ができるほどにキャラクターが成長すれば、キャラクター同士を合流させ、パーティを組むことができる。一度組んだパーティを切り離すことも可能である。

パーティを組んでいると、その組み方により特殊な魔法(合体魔法)を使うことができる。

悪魔の罠

大陸間を結ぶ通路などには、「悪魔の罠」と呼ばれるミニゲーム的な戦闘イベントが用意されている。これは、チェスのような8×8のマスの上を、主人公たちと敵キャラクターの駒が交互に移動していき、自軍の駒と敵の駒がぶつかると戦闘になる(必ず1対1)というものである。盤上のボス敵を倒せばクリアとなる。

敵キャラクターの外見

敵キャラクターはコミカルなものが多く、戦闘シーンでは、敵キャラクターのVP(HPと同義)が減るとその敵の表情やポーズが変化し、瀕死状態であることがわかるようになっている。なお、瀕死状態では敵の攻撃力が低下する。

キャラクター

少年
地球から来た少年。火の貝を携えている。自分自身では魔法は覚えず(合体魔法は使用可能)、高いVPを持ち打撃攻撃を得意とする。特技としては、自分のVPを消費して敵に大きなダメージを与える「カンフー」を覚える。マップ南東端部のマイヨー城からスタートする。実は本シリーズにおいて唯一、貝獣仙人以外の者の力で召還された火の貝の勇者でもある。
プレイヤーが自由に名前をつけることが可能。デフォルト名はリッキー。
クピクピ
大気の貝を持つ貝獣。マップ南西端部のローラン城からスタートする。力は弱くVPは低いが、回復系魔法を中心に多くの魔法を習得していく。歩いているときにいつでもセーブできる特技を持つ。
ポヨン
水の貝を持つ貝獣。マップ北西端部のバンデルベルデ城からスタートする。魔法も使えるが、攻撃力やVPが高い(ただし少年よりは低い)。レベルが高くなると城や町にワープする特技「ランダムワープ」を覚える。
バブ
大地の貝を持つ貝獣。マップ北東端部のレハレッタ城からスタートする。魔法中心のキャラクターで、主に攻撃系魔法を習得する。ほぼ確実に逃げ出す特技「エスケープ」を覚える。
魔女四姉妹
シェルドラド各地にある祠に住み老婆たち。コリコット・ミルミー・エベル・マージの4人。ファットバジャー打倒に不可欠なアイテムが隠された地図を持っており、彼女たちと会うことがパーティーの最初の目標となる。
後作『大貝獣物語』にも登場。
お坊さま
魔女四姉妹と同じく各地の神殿に住んでいる。何故か皆、水筒の水を所望する。宝の地図に記されたアイテムの在り処についての情報を持っている。
ゼゼペット
パタンタに住む老人。重要アイテム・プカシップの持ち主。プカシップで航海中、モビービッグという鯨の魔物に船ごと呑まれた。
モチーフは童話『 ピノキオ』のゼペットじいさん。ただし、こちらは船を独り占めしてパーティーに提供を渋ったりと因業な人物として描かれている。キーアイテムを手に入れていれば、素直に提供してくれる。
ヨーダタおばば
灼熱の砂漠地帯にある祠に住む老婆。ある重要な場所への鍵を所持しているが、貰い受けるには2つの巻物が必須。
エスパー
浮遊城の城主。ファットバジャーを倒すアイテムの一つを所持している。
ラバン
ファットバジャーの城に拉致された鍛冶職人。愛の剣を作れる唯一の人物。後作『大貝獣物語』にも同名で愛の剣を作れる人物が登場している。
ファットバジャー
1000年の封印から解き放たれた暗黒大魔王。本作の最終ボス。自分の居城に大勢の人々を拉致している他、城内の要所に強力な魔物を配置している。シェルドラドの住人の負の心から生まれた存在ゆえ、倒すには相反する力を秘めた愛の剣が必要だと言われている。
登場時は緋色の衣を纏った魔導士のような姿だが、前座のラストドラゴンを倒すと、真の姿を現し襲い掛かる。

備考

  • ゲームに同梱された「涙の密書」の中身はラストダンジョンの地図である。隠れ島の老人に会うまでは開けてはならないという旨の注意書きがある。
  • 「まもる」コマンドは、主人公以外は貝殻に閉じこもる状態となり、敵からのダメージが大幅に低下する。また、戦闘で敵1匹につき複数の味方キャラクターをターゲットに割り当てると、割り当てる味方キャラクターの構成が変わらない限り敵は同じ味方キャラクターに2回連続で攻撃してこない。この仕様により、全員防御させ、攻撃を受けたキャラのみ次ターンで攻撃させることを繰り返せば、どんな強敵相手でも被ダメージを大幅に抑えることができる。
  • 攻略本などでは、攻撃魔法に属性(陸、空、海)があり、対応する敵の属性により与ダメージの減少があると記述されているが、実際のゲーム中には適用されていない。魔法の威力が通常攻撃と同じであるため、単体攻撃魔法は全く意味をなさない(なお敵の攻撃魔法は威力が高くなっている)。
  • 一人パーティのキャラクターが死亡し、全滅して復活した直後に「パス」を行うと復活したキャラクターが消失してしまうバグが存在する。

関連作品

ゲームブック

『貝獣物語―シェルドラド伝説』(双葉社ファミコン冒険ゲームブック)1988年12月刊行。 - ISBN 4575760919

続編作品

主にハドソンから発売されている。トレーディングカードゲーム版のみ子会社からの発売。

関連項目

  • 召喚王レクス - 大貝獣物語 THE MIRACLE OF THE ZONEでの世界を舞台にした漫画作品。
  • じゅうべえくえすと - 貝獣物語と同じくバースデイが開発した作品。貝獣物語に登場した魔法が登場するなど踏襲された部分がある。

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