衣浦臨海鉄道

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テンプレート:Infobox 衣浦臨海鉄道株式会社(きぬうらりんかいてつどう)は、愛知県半田市を中心に貨物輸送を行う鉄道事業者第三セクター方式で設立された第三セクター鉄道の一つである。本社は愛知県半田市11号地19番地2号。

1960年代の高度成長時代衣浦湾が工業地帯として開発されることになり、旧国鉄愛知県半田市碧南市高浜市、川崎製鉄(現JFEスチール)の出資により1971年昭和46年)設立、1975年(昭和50年)に開業。

本来は衣浦湾沿岸の工場への原材料、製品輸送のほか、地元で古来生産されている製品を輸送することが目的だったが、思ったように輸送量が伸びず、社会情勢の変化の影響で肥料、穀物、地元特有の産業である三州瓦車扱輸送が打ち切られ、早くも廃止が噂されていた。しかし、碧南市に石炭を燃料とする火力発電所(中部電力碧南火力発電所)が開設されたことにより、現在は同発電所の副生成物でセメントや建築材料の原料として使われる石炭灰フライアッシュ)、発電所の脱硫用資材として到着する炭酸カルシウム等を中心とした輸送を行っている。また、沿線工業地帯の原材料・製品輸送についてもコンテナ化を図って継続している。

歴史

路線

輸送・収支実績

年度 貨物輸送数量(トン) 鉄道業営業収入(千円) 鉄道業営業費(千円)
1979 381,495 358,954 440,825
1980
1981
1982 328,661 355,505 378,917
1983
1984 213,523 234,477 363,805
1985 178,094 199,909 334,736
1986 77,836 165,673 308,200
1987 121,403 145,750 281,964
1988 126,039 162,023 273,955
1989 129,007 168,686 280,126
1990 147,351 179,966 312,232
1991 255,314 256,877 313,777
1992 299,662 278,823 330,618
1993 348,057 333,727 357,193
1994 362,348 350,724 372,697
1995 366,369 346,880 373,321
1996 349,917 327,402 352,872
1997 362,337 354,808 366,715
1998 320,859 339,283 359,069
1999 314,029 323,929 351,162
2000 288,069 292,542 337,202
2001 334,399 331,641 322,082
2002 358,868 350,554 345,359
2003 337,982 334,603 333,417
2004 347,322 345,327 355,963
  • 民鉄主要統計『年鑑世界の鉄道』1983年『年鑑日本の鉄道』1985年、1987年-2007年

車両

2012年4月1日現在、衣浦臨海鉄道にはKE65形ディーゼル機関車4両が在籍している[1]。また、廃止された形式にDD35形ディーゼル機関車がある。

KE65形ディーゼル機関車 (KE65 1 - 3, 5)
1975年の開業時から使用されている機関車である。日本国有鉄道(国鉄)のDE10形タイプの機関車で、1975年と1977年に計4両新造された。その後2両を売却するが、1990年(平成2年)に別の2両を購入して4両に戻っている。
DD35形ディーゼル機関車 (DD35 1)
1960年(昭和35年)に新潟鐵工所で製造された自重35トンのディーゼル機関車である。元は常磐共同火力の所属で、1973年(昭和48年)8月に仙台臨海鉄道DD35形となるが、1984年(昭和59年)3月に用途廃止となり衣浦臨海鉄道に譲渡された。衣浦臨海鉄道では1985年(昭和60年)5月に竣工するが、1987年(昭和62年)7月に休車となり、1991年(平成3年)2月に解体された[2]。出力180PSエンジンを2基搭載。半田線半田埠頭駅での入換作業で使用されていた[3]

脚注

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外部リンク

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  1. ジェーアールアール(編)『私鉄車両編成表』2012、交通新聞社、2012年、p107、ISBN 978-4330299112
  2. 佐藤繁昌「民営貨物鉄道の内燃機関車」『鉄道ピクトリアル』通巻739号(第53巻第11号)、電気車研究会、2003年11月、pp21-32
  3. 新美善康「REPORT 衣浦臨海鉄道近況」『鉄道ファン』通巻336号(第29巻第4号)、交友社、1988年4月、pp88-90