虹色定期便

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テンプレート:Sidebar with collapsible lists 虹色定期便(にじいろていきびん)は、1997年4月9日から2006年3月24日までNHK教育テレビジョン(Eテレ)で放送されていた小学生高学年向け道徳教育ドラマである。

放送時間

  • 1997年度:水曜10:45 - 11:00、木曜11:15 - 11:30、金曜11:00 - 11:15
  • 2002年度:火曜11:30 - 11:45、水曜11:15 - 11:30
  • 2003年度:火曜11:45 - 12:00、水曜11:30 - 11:45
  • 2004年度:水曜9:30 - 9:45
  • 2005年度:金曜9:30 - 9:45

作品傾向

1997年度

きっと明日は』で容認された長編ドラマ形式に加えて、本格的なSF要素を加味した物語展開が話題になった。元々、虹色定期便というのはシリーズのタイトルだったため、当初は『プロジェクト・エデン』というタイトルを別につける予定だった。なお、主題歌のタイトルは「プロジェクト・エデン」である。

  • あらすじ
西暦3000年の遠未来から出現したアスラが現代人の忠夫・唯の兄妹とともに3000年の未来で猛威を振るっている人の心に取り付く精神病原体「キルケウイルス」の発見、根絶を行うというものである。キルケウイルスは元々は20世紀に生きるたったひとりの人物の心の歪みから発生した突然変異型ウイルスで、1000年のあいだに全地球上に広まってしまったらしい。それを根絶し3000年の人類社会を救う為にはもはや過去に戻って歴史改変を行う以外に手立てはなかった。しかしキルケウイルスを逆利用し人類全体を統治していた「ミレニアム帝国」がこのことを知り、根絶をされれば人類統治が危うくなると考えた帝国軍もアスラを追って20世紀の虹ヶ崎に来襲してくる。
  • 作品のテーマなど
ストーリーは全体的にしっかりしておりSFドラマとしても見応えがあった。
殆どが20世紀を舞台に進行するので、未来社会の描写は殆ど無いが、この作品で描く未来世界には極めて道徳的意義を含んだメッセージが如実に表されている。西暦3000年の人類はキルケウイルスが原因で殆どが死滅していたが、少数残った人類が悩みも苦しみも争いもない理想郷を作った。しかし「これは本当の理想郷ではないのではないか?」という問いかけが作品のテーマにもなっている。この時代では自由意志を持たなくなった大多数の人々が、少数の統治者のもとで完全に管理統制され、悩むことも思い煩うこともない生活を送っていた。しかし、このような状態はもはや人間性を失った絶望社会であると反乱を起こす者もおり、アスラもそのひとりである。アスラが現代に出現したのは未来社会の人間らしさを取り戻すための戦いでもあった。

1998年度以降

1998年度以降は、『はばたけ6年』を継承した、「学校や家庭内で児童の身の回りに起こる身近な出来事に対する問題提起型の道徳ドラマ」というスタンダードなスタイルに路線変更された。なお、新作としては2003年度が最後であり、2004年度は2002年度の再放送、2005年度は2001年度の再放送となった。

そして、2005年度をもって番組が終了すると同時に、『明るいなかま』から43年間続いた小学校高学年向けの道徳番組枠でのドラマが終了することになった。道徳番組としては後番組である『道徳ドキュメント』に引き継がれたが、こちらはタイトル通りのドキュメンタリー形式に路線変更されることになった。

出演者

テンプレート:節stub 番組中の出演者から人気子役を輩出した。

1997年度

  • 未来から来た少女・アスラ(明日香) - 増岡優
  • 虹ヵ崎小学校6年生・中山忠夫 - 伊藤大輔
  • 同5年生・中山唯 - 三上博美
  • 帝国最高司令官・フェンリル将軍 - 森次晃嗣
  • 現場作戦指揮官・フレイヤ(村瀬涼子) - 富沢美智恵
  • フレイヤの部下・ロキ(岩間武) - 有薗芳記
  • フレイヤの部下・シグルド(佐藤かすみ) - 楠木涼香

1998年度

舞台は群馬県邑楽郡大泉町。異文化理解がテーマになっていた。

ほか

1999年度

静岡県沼津市静浦にある静浦東小学校が舞台。東多江子原作。音楽は白石哲也が担当。

  • 植島寛市 - 山内秀一
    半農半漁の大家族で姉と妹をもつ。やんちゃだが友情に厚いところがある。朋彦とはライバル意識を持ちながらも、お互い仲のよい友人と思っている。家族とは意見を対立させることも多いが、比較的良好な関係である。優しい笑顔が魅力的。
  • 藤田すみれ - 藤原ひとみ
    両親が離婚し、母方の祖母の元で育てられている。利発で気が強いしっかり者。寛市の良き世話係的な役割も担う。シリーズ終盤で転校。
  • 小田切朋彦 - 知野真澄
    東京から父の仕事の都合で引っ越してきた。かなづちであり当初遠泳大会への出場を拒否していた。母親の意向で東京のピアノ教室に通っているが、本当は他人から強制されることを嫌っている。第1便の語りの中で、寛市は「朋彦が世界一幸せだとしたら、俺は世界一不幸せだ」と言っている。しかし、実際は朋彦自身が寛市の生き方にあこがれていた。
  • 遠藤圭太 - 富田健裕
    自分は将来、華やかな世界で生きたいと夢を抱く、お調子者。すみれに恋心抱いているらしい。寛市の大の親友。
  • 高山亜矢 - 内藤瑞紀
    理髪店の娘。ひとりで学級新聞を続けている頑張り屋。静浦の町を少しでも良いものにしていこうと頑張る。
  • 小森加奈子 - 阿部綾乃
    実家は小さな民宿を経営。気ぜわしい家だが、本人はのんびり屋。みんなが世話を焼きたくなる。黙々と家の手伝いをするのが好感。かわいい猫を飼っている。
  • 大塚麻衣 - 安光若葉
    地元大手水産加工工場の社長令嬢。すみれにライバル意識をもつ、一見上品な女の子。
  • 広田大輔 - 斎藤勝
    寛市の担任。山形県出身。新学期に静浦に赴任してきた。かつて赴任していた学校で学級崩壊に遭遇し自信を失くしていた。そのため、静浦での勤務は教員人生を一からやり直す勤務と考えていた。初めのうちはクラスのメンバーから少し敬遠されていた。しかし、不器用ながら一途な言動で子どもたちにも勇気を与える。プール以外の場所では泳いだことがなく、遠泳大会の練習をしている寛市たちの前に浮き輪を持って現れたことがある。第9,11,13,14,15便には登場しなかった。
  • 植島竹造 - 加藤精三 (少年時代、豊田淳)
    寛市の祖父。昔気質の漁師。遠洋漁業に命を賭けてきたと自負している。このため、養殖業を推進する寛太郎とは意見が合わない。しかし、寛太郎が無理をして漁場に行こうとした際に、代わりに引き受けるなど温かい側面も見せる。小学校の担任は被爆者である。子役以外の登場人物では一番登場回数が多く、第4,18便以外全ての放送回に登場。
  • 植島富江 - 山本与志恵
    寛市の祖母。明子と共にみかん栽培を営む。うわさ好きだがその反面、口うるさいところがある。 第4,6,12,17,18話は未登場。
  • 植島寛太郎 - 山口嘉三
    寛市の父。ハマチの養殖をしてオリ、それを人生の生きがいとしている。一家の大黒柱らしく、性格は無骨。海を大事にする心を持つ。寛市とは喧嘩をすることも多いが、本当は仲がいい。第4,6,12,17,18,最終便には未登場。
  • 植島秋子 - 南一恵
    寛市の母。大家族を切り盛りするしっかりお母さん。やさしく子どもたちを見守っている。 第4,6,12,17,18,最終便には未登場。
  • 植島みゆき - 鈴木葵
    寛市の姉。中学一年生。寛市にとても厳しい。植島家の子どもたちの中ではもっともリードした存在。第4,6,12,17,18便は未登場。
  • 植島かおる - 松田彩香
    寛市の妹。寛太郎の子とは思えぬ絶世の美少女の末っ娘。寛市に対して、生意気ながらも対抗心を燃やすが、当人には冷たくあしらわれてしまう。第4,12,17,18便は未登場。
  • 十和子 - 戸田麻衣子
    寛市のいとこ。ダイビングのインストラクターをしており、全国の海を飛び回っている。寛市のあこがれの人物であり、会う度に寛市に役に立つ助言を与えてくれる。第5,7,19便に登場。
  • 小田切健吾 - 牧村泉三郎
    朋彦の父。ホテルポセイドン(実在のホテルスカンジナビアがモデル)の総支配人。比較的温和な性格。朋彦のよき理解者。休日に一緒に海に連れて行ってくれる。第1,7,9,11,15,16,17,19便に登場。
  • 小田切智恵子 - 泉晶子
    夫とは異なり、厳しい性格の持ち主。朋彦を音楽学校に進学させようと、毎日必死でピアノの稽古をつける。息子の意見に耳を傾けない モンスターペアレント。第1,4,6,7,15,16,17便に登場。
  • すみれの祖母 - 渡辺康子
    すみれと二人で生活している。飾らない物静かな性格。第3,19便に登場。
  • すみれの父 - 岡本富士太
    かつて会社員として働いていたが、その後画廊を作るために退職。しかし、経営はうまくいかず廃業することとなった。妻である柚子ともすみれが幼いときに離婚していた。第13,20便に登場
  • 藤田柚子 - 桐山ゆみ
    すみれの母。フードコーディネーターとして東京で働く。第3,11,13便に登場。
  • 圭太の父 - 桜井勝
    栽培漁業センターで働く。第4,5,19便に登場。
  • 高山吾一 - 下村彰宏
    亜矢の父。高山理髪店を経営。遠泳大会の時期になると、町内きっての鬼コーチになる。第6,7,14,18便に登場。
  • 加奈子の父 - 緒方愛香
  • 加奈子の母 - 原千景
  • 広田先生の母 - 今野ひろみ
  • ナナヤウ - サムエル・ポップ・エニング
    ガーナ出身。ホテルポセイドンで一時期働き、その間植島家に下宿していた。当初は異文化の中での暮らしになじめない様子だった。そのため、怠け者と思われていた。しかし、本当は、家族思いで誰よりも物を大切にする性格の持ち主であることが周囲にも理解されるようになる。第9,10,20便に登場。
  • 女子中学生 - 田中優子原静大竹律子
  • 水泳コーチ - 足立喜興久
  • 松井ふゆ - 目黒幸子 (少女時代、大河原佳織)
    竹造の小学校時代の担任。被爆者の一人。第8便に登場。
  • 松島 - 世古陽丸
  • エディ - ウェイン・エメット
  • 男性客 - 草野裕
  • 勘定係 - 伊藤志保
  • 女性客 - 小池利枝渡辺たか子
  • 調理長 - 横山茂
  • 女将 - 安田康江
  • 旅行会社員 - 山下久弥
  • クラスメイト - 松沢孝俊安居久喜
  • 隣のおばさん - 後藤緑
  • 田中ツタ子 - 太地琴恵
  • 田中佳子 - 折居由加
  • 佳子の赤子 - 中村俊太
  • バイクの男 - 伊方勝
  • ピッピ - メロン
  • マック - ビー
  • 保健の先生 - 堤宏美
  • 職員の田中 - 羽野敦子
  • 久世 - 安田洋子
  • 登喜子 - 磯村千花子
  • ハル - 町田博子
  • 泰蔵 - 小池幸次
  • 留吉 - 柳谷寛

協力:東京放送児童劇団、静岡県沼津市の皆さん

サブタイトル

カッコ内はその回の中心人物

  • 第1便 - 世界で一番ふしあわせ (寛市)
  • 第2便 - 花よりゲーム (寛市)
  • 第3便 - お母さんのハイヒール (すみれ)
  • 第4便 - 大好き!?避難訓練 (朋彦)
  • 第5便 - 魚の運命 (寛市)
  • 第6便 - 海がこわい (朋彦)
  • 第7便 - めざせ!1級 (寛市)
  • 第8便 - いのちの贈り物 (竹造)
  • 第9便 - 汗とチップとみかんの木 (寛市)
  • 第10便 - エンピツ一本の重さ (寛市)
  • 第11便 - おやじの仕事 (寛市)
  • 第12便 - メールのうわさ (圭太)
  • 第13便 - よみがえった清流 (すみれ)
  • 第14便 - オレのペット (寛市)
  • 第15便 - 朋彦のあやまち (朋彦)
  • 第16便 - 生まれ変わったら… (朋彦)
  • 第17便 - 先生の告白 (広田先生)
  • 第18便 - 主役は誰だ!? (加奈子)
  • 第19便 - じいちゃんの底力 (寛市)
  • 最終便 - いつまでもライバル (寛市)

2000年度

ファイル:Fujikawa elementary school Kofu-city.JPG
2000年度シリーズの舞台となった甲府市立富士川小学校(現在は閉校)

甲府市立富士川小学校が舞台。相原かさね原作。長川千佳子脚本。他の年度の作品と比べて本作の情報は少ない。

  • 佐久間恭平 - 佐保祐樹
    主人公。個性と自由を履き違えてしまうところがあった。
  • 宮本桃 - 山岸絵里奈 (現 絵仁)
    第1話の終盤で転校生として登場。外面と内面のギャップに悩んでいた。友人の一人に盲目の少年がいる。本名が「桃」であることにちなみ、クラスメイトからは「ピーチ」と呼ばれている。
  • 市川武 - 水野樹希
    比較的真面目で知的な性格。実母は武の出産時に出血多量で死亡。その事実を知った時は荒れていたが、継母の愛情を知り元気を取り戻す。
  • 亀田七 - 蓮沼藍
    比較的明るい性格。ただ、父親が専業主夫であることを、恭平たちに馬鹿にされた時は、さすがに落胆していた。
    学校での服装は、桃・圭子とは異なり、他の2人がブラウスを着ていたのに対しポロシャツを着ていた。
  • 菊島圭子 - 鈴木麻世
    母親であるマリ子が妊娠している。当初はそのことに抵抗感を持っていたが、その後はそのことを一つの喜びとして捉えるようになった。物語終盤で弟が誕生。
  • 秋山浩市 - 西洋亮
    眼鏡をかけており、巨漢の少年。盛り上げ役としての側面を持つ。
  • 国分真紀子 - 牧千晴
    第1話の時点で28歳で独身の教諭。アメリカ帰り。4月に恭平たちの担任となった。
  • 葉山先生 - 江藤真樹
  • クラスメイト - 山岡太郎
  • 佐久間純一 - 三田寛之
    恭平の父。
  • 佐久間泰子 - 藍田みちる
    恭平の母。
  • 佐久間乙彦 - 伊藤隆
    恭平の祖父。70歳だがチャレンジ精神を持ち、常に夢を追い続けている。
  • 佐久間純平 - 安達俊行
    恭平の兄。
  • 浩市の家族 - 鈴木幸枝松原誠大和なでしこ谷真里奈
  • 市川誠 - 御友公喜
    武の父。歯科医。
  • 市川伸江 - 渡辺杉枝
    武の継母。
  • 亀田一美 - 奥井奈緒子
    七の母。夫が専業主夫であり、一家の家計を支えている。子供思いの性格だが厳しいところもあり、自分の店で恭平たちが植木鉢を割った時には大変怒っていた。なお、圭子の弟が生まれるときに語ったところによると、七の出産には大変時間がかかったとのことである。
  • 宮本薫 ‐ 唐木ちえみ
  • 木川淳一
  • 真実一路
  • 達也 - 安村直樹
    盲目の少年で桃の友達。第2話に登場。
  • 副音声 - 茶風林

サブタイトル

  • 第1便 - ハロー! 僕らの先生 (2000年4月12日)
  • 第2便 - ピーチのとまどい (2000年4月26日)
  • 第3便 - 僕の夢って?! (2000年5月17日)
  • 第4便 - 誰がママでも… (2000年5月31日)
  • 第5便 - 先生のフォトスタンド (2000年6月14日
  • 第6便 - 70のチャレンジ (2000年6月28日)
  • 第7便 - パパがママでママがパパ (2000年7月12日)
    • 小学生向けの番組としては珍しく主夫について描いていた。
  • 第8便 - 僕のダイヤモンド (2000年8月30日)
    • 耳が聞こえない男性との交流を描いた。
  • 第9便 - 弟なんていらない (2000年9月20日
  • 第10便 - 僕にできること (2000年10月4日)
  • 第11便 - 水晶の不思議 (2000年10月18日)
  • 第12便 - ムシ歯24本 (2000年11月1日)
  • 第13便 - グレープの入院 (2000年11月15日)
  • 第14便 - アイツの秘密兵器 (2000年11月29日)
  • 第15便 - パパのワイン (2000年12月13日)
  • 第16便 - 割れた植木鉢 (2001年1月24日)
  • 第17便 - バレンタイン革命 (2001年2月7日)
  • 第18便 - バースデーにありがとう (2001年2月21日)
  • 最終便 - 2001年僕らの旅 (2001年3月7日)

2001年度

レギュラー
ゲスト

2002年度

レギュラー
ゲスト

2003年度

主題歌

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1997年度

脚注

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注釈

  1. 資料により、「間宮レイ」表記と「雨宮レイ」表記[1]がある。ドラマのオープニングでは「間宮レイ」となっている。

外部リンク

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