若桜鉄道若桜線

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|} 若桜線(わかさせん)は、鳥取県八頭郡八頭町郡家駅から、鳥取県八頭郡若桜町若桜駅に至る若桜鉄道が運営する鉄道路線である。

国鉄再建法施行に伴い第1次特定地方交通線に選定され、廃止された西日本旅客鉄道(JR西日本)の若桜線を引き継いだものである。

路線データ

運転

全列車が各駅に停車する普通列車である。1日10往復(2時間に1本程度)の運行で、1 - 3両編成で運転されており、1両編成の場合はワンマン運転である。半数以上の列車が郡家駅からJR西日本の因美線に直通し、鳥取駅まで運転される。また、21時台の下り列車1本は山陰本線米子駅始発でJR西日本のキハ47形3両編成を使用して運行されている。

1968年10月1日のダイヤ改正時点では、鳥取駅 - 若桜駅間に9往復(うち気動車列車5往復、客車列車4往復)が設定されており、客車列車のうち下り2本(321・323列車)、上り3本(322・324・328列車)は混合列車として運転されていた。若桜線内ではすべての列車が各駅に停車していたが、上り322混合列車(若桜駅6:40発→鳥取駅7:49着)のみは途中駅では旅客扱いのみで貨物扱いは行わなかった。

また、一時期始発列車が急行「砂丘」の間合い運用だったことがある。

2009年3月14日のダイヤ改正まで平日朝に山陰本線宝木駅まで直通する列車が設定されていたが、同改正で鳥取駅止めに変更された。この列車は国鉄時代から運転されていた山陰本線湖山駅直通列車を1996年3月に宝木駅まで延長したもので、2004年10月からは土曜・休日は鳥取駅止めになっていた。2010年3月13日のダイヤ改正で夜に米子発若桜行の普通列車が設定され、山陰本線直通列車が復活した。

乗務員の運用も、特例により車両の所属会社による相互乗り入れとなっていたが、2010年3月13日のダイヤ改正からはそれぞれ自社線内のみを担当するようになった。

使用車両

以下に示す車両は全て気動車である。

  • 若桜鉄道WT3000形・WT3300形
    • 鳥取 - 若桜間で、列車番号が1330 - 1340番台。
    • 郡家 - 若桜間で、列車番号が1350番台(最終列車も含む)。
  • JR西日本キハ47形
    • 朝の若桜発 - 鳥取着と夜の米子発 - 若桜着の各1本ずつ運行。

歴史

改正鉄道敷設法別表第88号に掲げる予定線「鳥取県郡家ヨリ若桜ヲ経テ兵庫県八鹿附近ニ至ル鉄道」の一部であるが、若桜から先は着工されなかった。

  • 1930年昭和5年)
    • 1月20日 - 若桜線 郡家 - 隼(2.8M≒4.51km)が開業。因幡船岡駅、隼駅が開業。
    • 4月1日 - 営業距離の単位をマイルからメートルに変更(2.8M→4.5km)。
    • 12月1日 - 隼 - 若桜間 (14.7km) が延伸開業し全線開通。八東駅、丹比駅、若桜駅が開業。
  • 1932年(昭和7年)2月5日 - 安部駅が開業。
  • 1935年(昭和10年)3月15日 - 鳥取駅 - 若桜駅間気動車運行開始[1]
  • 1970年(昭和45年)3月 蒸気機関車の運転を廃止[2]
  • 1974年(昭和49年)10月1日 - 全線の貨物営業廃止。
  • 1981年(昭和56年)9月18日 - 第1次廃止対象特定地方交通線として廃止承認。
  • 1986年(昭和61年)10月7日 - 第三セクター鉄道への転換を決定。
  • 1987年(昭和62年)
  • 1996年平成8年)10月1日 - 八頭高校前駅開業。
  • 2002年(平成14年)3月23日 - 徳丸駅開業。
  • 2003年(平成15年)10月 - 閉塞方式を「票券閉塞式」から「特殊自動閉塞式」に変更。
  • 2006年(平成18年)3月18日 - 始発・最終の時刻を2 - 8分繰上げ・繰り下げ。
  • 2008年(平成20年)
    • 3月15日 - 最終の時刻を5分ほど繰り下げ。
    • 7月23日 - 登録有形文化財に登録。
  • 2009年(平成21年)
    • 3月14日 - 平日朝に運転されていた山陰本線宝木直通列車を鳥取止めに変更。
    • 4月1日 - 鉄道施設が若桜町および八頭町に譲渡され、両町が当線の第三種鉄道事業者、若桜鉄道が第二種鉄道事業者となる上下分離方式による運営に変更。

駅一覧・接続路線

  • 全駅鳥取県に所在。
  • 全列車普通列車(各駅に停車)。
駅名 駅間キロ 営業キロ 国鉄時代の
営業キロ
接続路線 所在地
郡家駅 - 0.0 0.0 西日本旅客鉄道:因美線 八頭郡八頭町
*八頭高校前駅 0.9 0.9 ---  
因幡船岡駅 1.5 2.4 2.4  
隼駅 2.0 4.4 4.5  
安部駅 2.7 7.1 7.1  
八東駅 2.7 9.8 9.9  
*徳丸駅 1.8 11.6 ---  
丹比駅 1.9 13.5 13.6  
若桜駅 5.7 19.2 19.2   八頭郡若桜町

*印は転換後に設置された新駅

若桜駅が唯一の若桜鉄道直営駅、徳丸駅が無人駅である。徳丸駅以外の中間駅6駅は発券業務が民間に委託されている(いわゆる簡易委託駅)。なお、郡家駅はJR西日本との共同使用駅でありJRの駅員はいるが、若桜線の乗車券等の発券業務は行っていない。

特記事項

日本一安かった運賃

郡家駅 - 八頭高校前駅間の大人普通運賃は100円であるが(2007年4月1日改定。参考:若桜鉄道の項目に運賃表あり)、2007年3月31日までは60円で日本一安い鉄道運賃であった。2007年1月、廃線の危機の中での増収策の一環として実施される値上げに伴い、この区間だけ据え置くことは不公平だとして、同年4月1日から100円に値上げされた。この運賃改定実施後の日本一安い運賃は北大阪急行電鉄の大人初乗り運賃80円(2009年2月2日時点)となった。

蒸気機関車の保存運転

2007年8月、兵庫県多可町で保存されていた蒸気機関車C12 167を譲り受けて整備を行い、若桜鉄道開業20周年となった同年10月14日、コンプレッサーからの圧縮空気を動力源として若桜駅構内を走行した。同駅構内にある転車台給水塔などと蒸気機関車が、古きよき風景をかもし出していることから、観光団体のツアーにも評判である。なお、同車は若桜線で終戦を迎えた機関車でもある。

鳥取県も県の公式ホームページで、観光業者への観光ルートとして、若桜鉄道を利用して若桜駅の鉄道文化施設を見学するツアーを斡旋しており、利用促進に官民あげて取り組んでいる。一連の取り組みは、国土交通省の地方鉄道活性化の一例として取り上げられている。

テレビ番組でも、取り上げられることが多くなり、ちょっとした若桜ブームとなっている。

日本全国で初めて、沿線全体の古い施設を一括して登録有形文化財として登録するよう申請し、2008年、若桜、丹比、八東、安倍、隼、因幡船岡各駅の本屋及びプラットホーム、その他橋梁や転車台など各種施設の登録が告示された。

脚注

  1. 『鉄道省年報. 昭和9年度』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  2. 「国鉄蒸気線区別最終運転日一覧」『Rail Magagine 日本の蒸気機関車』1994年1月号増刊

関連項目

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