花巻空港

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Infobox 空港

ファイル:Hanamaki Airport Aerial photograph.1976.jpg
1976年に撮影された、花巻空港の空中写真。
当時の滑走路延長は1,200メートル。
国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成。1976年撮影の4枚を合成作成。

花巻空港(はなまきくうこう)は、岩手県花巻市にある地方管理空港である。いわて花巻空港の愛称がある。面積は1,722,278m2

概要

花巻空港は花巻市中心部より約4km(バスで約15分)の北上盆地内にあり、岩手県の中央からやや南西に位置する。周辺には東北新幹線 新花巻駅があるほか、東北自動車道釜石自動車道インターチェンジもあり、県央部の一大交通拠点地域を形成している。岩手県で唯一の空港であり、岩手の空の玄関口を担っている。

滑走路は02/20方向に2,500mである。滑走路両端にターニングパッドを備える。平行誘導路の整備は2004年に県の財政難により休止されていたが、2009年度より事業再開となった。2011年6月に平泉世界遺産登録が決定し、これに合わせて工事が進められ、同年7月28日から供用開始した。計器着陸に対応しており、計器着陸装置 (ILS) は滑走路20にカテゴリIが設置されている。

空港ターミナルビルは長らく滑走路西側にあったが、2009年に滑走路東側に新棟がオープンした。内部は国内線・国際線の設備があるが、国際線の定期便は就航していない。ボーディングブリッジは2基を備える。

空港ターミナルビル(新ターミナルビル)に隣接するエプロンには大型ジェット機用1バース、中型ジェット用1バース、小型ジェット用2バース、プロペラ機用1バースがあり、ほかに小型機用のスポットも有する。なお、岩手県防災航空隊、岩手県警察航空隊の基地、その他民間会社は旧ターミナル側一角のスポットをそのまま使っている。仙台空港から飛来する航空大学校の訓練機も同様に旧ターミナル側を使う。管制塔および、気象台も旧ターミナル側敷地にある建物を利用している。

年間利用客数は減少傾向にあり、国内326,133人、国際7,270人(2012年度)[1]

県南部からは便数・割引等で優位な仙台空港の方が利便性が良い場合がある。2007年3月18日の仙台空港アクセス線運行開始によるアクセス改善で、東北新幹線との乗継で仙台空港を利用する人が増えると見られており、テンプレート:誰範囲2テンプレート:要出典

歴史

ファイル:Helicopters on Hanamaki Airport.JPG
飛来した消防防災ヘリコプター
  • 2011年(平成23年)
    • 3月11日 - 東北地方太平洋沖地震東日本大震災)により、空港ターミナルビルの2階天井が落下する被害を受ける[2]。空港が閉鎖されたことに伴い民間定期便が休止されたが、各県の防災ヘリが使用する。
    • 3月14日 - 緊急物資輸送のため24時間運用を開始する。
    • 3月16日 - 民間航空便を再開する。26年ぶりに東京国際空港便が臨時便として当分の間開設される。
    • 3月17日 - 空港ターミナルビルの暫定的な使用を再開する[2]
    • 4月1日 - 運用時間を通常より3時間延長(7時から21時30分)に変更する[2][3]
    • 7月28日 - 平行誘導路とターミナル増築部分の供用を開始する。
  • 2014年(平成26年)
    • 4月17日 - チャイナエアラインによる国際定期チャーター便(花巻-台北)が就航。

施設

ターミナルビル

テンプレート:Infobox 空港ターミナルビルは地上3階建てである。自治体および運航会社などが出資した「岩手県空港ターミナルビル」が運営している。

旧ターミナルビルが狭隘となり、混雑時や国際線のチャーター便の対応が難しくなったことから、滑走路東側に大型旅客機の乗り入れにも対応した新しいターミナルビルの建設が計画された。しかし、岩手県の財政難や利用者の減少のため、当初は2007年だった新ターミナルビル完成は2年延期された上、建物や敷地の規模も縮小されたのち、2009年4月9日に供用を開始した。なお、ターミナルビルは国道4号に面していた旧ターミナルのように幹線道路と直結していない立地であったため、幹線道路とのアクセスを担う県道も同時に整備されている。

  • 1階
    • 航空会社カウンター、到着ロビー(国内線・国際線)
  • 2階
    • 出発ロビー
      • 松任谷由実直筆の『緑の町に舞い降りて』歌詞レリーフを設置している。
    • 搭乗待合室(国内線・国際線)、入国審査場、出国審査場
  • 3階
    • 送迎デッキ(無料)、キッズコーナー
  • 多目的広場
    • 「ユーミンのりんごの樹」としてふじシナノゴールドが植林され、木の間には松任谷由実からのメッセージが書かれた説明板も設置している。
  • 駐車場(無料)- 1,150台

テンプレート:-

旧ターミナルビル

旧ターミナルビル時代は、元はボーディングブリッジが1つしか設置されていなかったが、中型機就航に対応するため南側に中型機専用スポットを増設した。このスポットは小型機にも対応でき、定期便が同一時間帯に乗り入れるような場合でもボーディングブリッジを使用することが可能だった。また、ビルの旅客玄関や車寄せ、駐車場よりも低い位置にエプロンがある構造だったことから1階に航空会社カウンター・搭乗待合室・到着口・物販スペース・派出所といった空港の主要機能が集約され、建物内における旅客の上下フロアの移動の必要性がほとんど無かった。また、屋上にはささやかながら航空機に関する展示スペースがあった。

  • 旧ターミナル時代の画像。

就航路線

かつて就航していた定期運航路線

交通

当空港とのアクセスを担う県道が整備され、釜石自動車道 花巻空港インターチェンジに直結しているほか、途中で国道4号 花巻東バイパスとも接続している。なお、岩手県の公式サイトでは、アクセスルートとして「国道4号花巻東バイパス・花巻空港インター入口立体交差点経由の南回り」と案内されている。

路線バス

※岩手県交通運行路線はバスカードも利用可。

  • 岩手県交通
    • 盛岡バスセンター発着便
      • 花巻空港駅盛岡駅東口を経由し、クローズドドアシステム(空港を発地/目的地としない乗降を扱わない)の措置が採られている。なお、下記記載の花巻駅前からの路線バス廃止に伴い、2013年10月1日から花巻空港駅前を経由する(ターミナルまで所要約5分)。
      • 航空便に接続したダイヤが採られており、その変更に合わせてバスのダイヤも随時変更される。
      • 盛岡バスセンターで接続する、いわて銀河鉄道線106急行バス・久慈こはく号(岩手県北自動車)をセットにした割引乗車券を設定している。
    • 北上駅前と石鳥谷間を国道4号を経由して結ぶ路線バスの「宮野目」バス停より旅客ターミナルまで約2km。北上駅前・花巻駅前・(宮野目)・二枚橋(空港駅から最短)・石鳥谷駅前などに停車し、毎時1本以上が運行されている。
      • 東北新幹線 新花巻駅行きのバスは設定されていない(似内・新花巻両駅への公共交通機関はタクシーのみ)。
  • 岩手県北自動車
    • 安比高原発着便(APPLエアポートライナー) ※2013年3月31日まで運行していた。
    • 花巻駅発着便 ※2013年9月30日まで運行していた[5]

道路

鉄道

備考

テンプレート:出典の明記

  • 岩手県防災航空隊岩手県警察航空隊の基地、民間ヘリコプター会社の事務所も構えられている。そのため岩手宮城内陸地震の際には、防災ヘリ等が集中し、一時、燃料タンクの備蓄が激減し問題となった。
  • 花巻空港は特に冬場の西から吹く横風が強く、着陸が難しい空港と云われる。過去にウインドシアによる事故も起きている。
  • マスコットキャラクター「はなっぴー」は、新ターミナル併用開始に合わせて誕生した当空港のイメージキャラクターで、デザインと名前は一般公募によって選ばれた。ピンク色の航空機型の帽子をかぶった白い雲の体に赤い花を持った愛らしいデザインが特徴。名前は「はな」と「ハッピー」を組み合わせた造語となっている。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:Sister

外部リンク

テンプレート:Airport-info

テンプレート:日本の空港テンプレート:リダイレクトの所属カテゴリ
  1. テンプレート:Cite press release
  2. 2.0 2.1 2.2 テンプレート:PDF p.142 - 国土交通省(2011年4月8日 10:00付)
  3. いわて花巻空港の運用時間の変更及び駐機について - 岩手県、2011年4月4日。(2011年4月4日時点のアーカイブ
  4. ジェイエアの機材・乗務員で運航。
  5. 花巻駅-花巻空港 9月30日で廃止に 県交通ダイヤ改正 - 岩手日報(2013年8月24日付)