積木くずし

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テンプレート:Portal テンプレート:Sidebar with collapsible lists積木くずし』(つみきくずし)は、1982年桐原書店から出版された、実話を基にした穂積隆信による体験記である。副題は「親と子の二百日戦争」。映画化、テレビドラマ化されている。

概要

ある日突然不良少女となった実娘・穂積由香里との200日間の葛藤を描いた作品であり、日本国内で300万部を出版。続編として『積木くずし あとさき悩める親からのアドバイス』『積木 その後の娘と私たち』『積木くずし(続)』『積木くずし崩壊 そして…』『由香里の死 そして愛 積木くずし終章』が出版されている。「積木くずし」出版後、由香里の再度に渡る補導や穂積の妻との離婚、後に大麻所持の容疑で由香里は再逮捕された。

著者はいずれも穂積隆信。

著名な俳優によって社会問題となっていた非行を描いたことは、社会的な反響を呼び、テレビドラマ化もあいまって、穂積自身も「積木くずし」関連の仕事や講演が急増した。

著書の出版の1年後の1983年から1984年にかけて、東宝によりテレビドラマ化、映画化、舞台化された。中でも1983年からTBSで放送された最初のテレビドラマ版である『積木くずし・親と子の200日戦争』は全7回で放送され、高い視聴率を獲得した。横浜銀蝿の音楽が流れる中、わらべ高部知子が主演、高部は第2の大竹しのぶと目される注目株となった。最終回の視聴率は関東地区で45.3%、関西地区で34.6%であった(ビデオリサーチ調べ)。関東地区の45.3%は、民放で1977年以降に放送された連続ドラマとして、2013年時点で歴代1位の記録である(総合ではNHKで放送された「おしん」が最高、奇しくも当作品と同年放送である)。

1983年の11月には東宝企画製作の映画版『積木くずし』が東宝系列で公開された。主演は当初テレビ版と同じく高部知子が予定されていたが、高部のスキャンダルによる芸能活動自粛により、代役に渡辺典子が立てられた。穂積家と親交の深かった島倉千代子が主題歌を、横浜銀蝿の弟分バンドの紅麗威甦(グリース 俳優の杉本哲太がボーカル)が挿入歌を担当している。

1984年3月には東宝の制作により舞台版が上演された。

1985年には仙道敦子主演によるドラマの続編の放送が決定していたが、穂積由香里が覚醒剤取締法違反で逮捕された為にさまざまな影響を考慮して制作が白紙となった。その代替作品が「'85年型家族あわせ」である。

その後の穂積は妻と離婚し、由香里はたびたび逮捕されるなど家庭は崩壊。そのことは主として続編に描かれている。

2004年に実質完結篇となった『由香里の死 そして愛 積木くずし終章』はそれまで明らかにならなかった真実などが書かれており、これを基に出版から約1年後の2005年9月に「積木くずし真相 〜あの家族、その後の悲劇〜(フジテレビ)」というタイトルで舘ひろし杉田かおる安達祐実主演によってドラマ化された。前編はいじめによって非行に走る娘と両親の戦いの日々を描き、後半は積木くずしの大ブーム、娘の逮捕、両親の離婚、母の自殺、そして娘の突然死を描き、高視聴率を獲得した。

2012年には、穂積が「積木くずし終章」の後日談を書き綴った『積木くずし 最終章』(2012年3月、駒草出版 ; ISBN-10 4905447070 / ISBN-13 978-4905447078)を発表した。同年にはテレビドラマ版が中村雅俊・石野真子・高島礼子・成海璃子主演でフジテレビ系列にて放送された。

テレビドラマ

積木くずし 〜親と子の200日戦争〜

  • 1983年2月15日 - 3月29日
  • 毎週火曜日 20:00-20:54
  • 視聴率
    • 第1回24.0%、最終回45.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)
    • 第1回16.5%、最終回34.6%(ビデオリサーチ調べ、関西地区)
  • 全7回

キャスト

最終回で自身のコンサートシーンがあり、香緒里から花束を渡され、激励する件があった。

スタッフ

主題歌

テンプレート:前後番組 テンプレート:TBS火曜8時枠の連続ドラマ

積木くずし崩壊、そして…

キャスト

スタッフ

積木くずし真相 〜あの家族、その後の悲劇〜

キャスト

スタッフ

主題歌

積木くずし 最終章

2012年11月23日21:00 - 22:52JST)と11月24日21:00 - 23:10(JST)の2夜連続で、フジテレビ系列で放送された[1][2]

キャスト

松下洸平中山優貴松島庄汰立石涼子菅田俊鳴海剛奥田達士池田愛兎本有紀氏家恵七枝実穂積隆信 ほか

スタッフ

映画

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積木くずし

1983年公開。製作は東宝企画、配給は東宝

過去にVHSビデオリリースされたが、2012年現在、DVD化等はされていない。

スタッフ

キャスト

ほか

主題歌

舞台

東宝の制作で1984年3月に名鉄ホールで上演。松山善三の演出によりミュージカルタッチの作品となった。長門裕之が穂積をモデルとした貝谷隆一を、妻の光子は中村玉緒、娘の百合子はオーディションで選ばれた平野英美が演じた[3][4]

書籍情報

  • 積木くずし 親と子の二百日戦争』桐原書店、1982年9月
  • 『親と子積木くずしの世界から』[穂積隆信/能重真作民衆社1983年5月、ISBN 4838303831
  • 『積木くずしあとさき - 悩める親からのアドバイス』 毎日新聞社1984年9月、ISBNなし
  • 『積木その後の娘と私たち』 東京出版、1984年11月、ISBN 4924644080)
  • 『積木くずし 親と子の二百日戦争』(再版)角川書店1985年5月、ISBN 4041625017
  • 『積木くずし(続)』 角川書店、1985年5月、ISBN 4041625025
  • 『積木くずし崩壊そして…』 近代映画社
  • 『由香里の死、そして愛 積木くずし終章』 アートン2004年9月、ISBN 4901006851
  • 『積木くずし 親と子の二百日戦争・完全復刻版』 アートン2005年12月、ISBN 4861930243
  • 『積木くずし 最終章』 駒草出版2012年3月、ISBN 9784905447078

積木くずしのパロディが登場する作品

関連項目

脚注

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  1. 「2夜連続スペシャルドラマ 積木くずし 最終章」公式 Web ページ
  2. 2012年11月23日は金曜プレステージ、11月24日は土曜プレミアムでそれぞれ放送。
  3. 中日新聞』1984年1月25日付夕刊
  4. 『中日新聞』1984年3月10日付夕刊