福井鉄道福武線

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併用軌道を行く鉄道車両
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浅水駅分岐器を覆うスノーシェルター

福武線(ふくぶせん)は、福井県越前市越前武生駅から福井県福井市田原町駅まで、および市役所前駅から分岐して福井駅前駅までを結ぶ福井鉄道鉄道路線である。

概要

福井・武生両都市間を結ぶ路線で、近距離の都市間輸送・市街地併用軌道・短い駅間距離・通勤時間帯の高頻度運転を特徴としており、いわゆるインターアーバンの性格を持つ。全区間で西日本旅客鉄道(JR西日本)北陸本線とほぼ並行している。

赤十字前駅付近にある鉄軌分界点からフェニックス通り上を通る田原町駅までの2.8kmと、途中の市役所前駅から分岐して福井駅前駅までの0.5kmは軌道法による軌道で、道路上を走る併用軌道区間となっている。市役所前 - 福井駅前間の支線は通称駅前線もしくは本線から(ひげ)のように分岐している線形からヒゲ線と呼ばれている。

併用軌道区間にも鉄道線の大型車両がそのまま乗り入れている光景は、福井市の特徴ともなっている。軌道区間の停留場は低床ホームであるため、鉄道線車両はドアが開くと共に階段状のステップを下げて乗降を行っている。また、雪害対策のため単線区間の分岐の多くにスノーシェルターが設置されているのも特徴である。

2005年 - 2006年度にかけて、廃止となった名古屋鉄道(名鉄)美濃町線等で使われていた路面電車タイプの低床車両が搬入され、同時に2006年1月から3月にかけて鉄道線全駅でホームを路面電車用にかさ下げした。2006年4月1日からは鉄道線を含む全線で低床車両が走るようになり、既存車両の取り替えが行われたが、いくつかの鉄道線車両はラッシュ対策のために残され、鉄道線車両はすべての駅でステップを下げて乗降するようになった。乗車整理券発行機が低床車両に導入され、花堂駅以南の無人駅に設置されていた乗車駅証明書発行機は徐々に撤去された。地域公共交通活性化法に基づく「鉄道事業再構築実施計画」が認定された2009年以降に開業した新駅は開業時から乗車駅証明書発行機が設置されていない。

路線データ

  • 路線距離(営業キロ):越前武生 - 田原町間20.9km、市役所前 - 福井駅前間0.5km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:25駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:花堂 - 田原町間、市役所前 - 福井駅前間
    (※福井駅前付近は2004年の駅整備により、2003年に単線化)
  • 電化区間:全線(直流600V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式(越前武生 - 鉄軌分界点間)
  • 運転最高速度:65km/h(鉄道線)、40km/h(軌道線)

運行形態

日中時間帯は普通列車のみが20分間隔(1時間あたり3本)で運転されており、朝夕のみ急行列車が越前武生駅 - 福井駅前駅間(朝の一部は田原町行き)で運転されている。ただし急行列車が普通列車を抜くことはなく、先発先着の平行ダイヤである。

全列車でワンマン運転が行われているが、鉄道線(越前武生方面)と福井市内の併用軌道区間を乗り入れする列車は赤十字前駅 - 福井駅前駅・田原町駅に係員が乗車し市内の軌道停留所で乗降する乗客への運賃収受や検札を行うことがある。

朝をのぞく田原町発越前武生行きの列車と日中の越前武生発田原町行きの列車は、福井駅前駅に立ち寄り、市役所前駅まで戻って行き先へ向かう運行形態(越前武生駅または田原町駅→市役所前駅→福井駅前駅→市役所前駅→田原町駅または越前武生駅間)をとっている。始発から朝の時間帯の越前武生駅 - 田原町駅間の列車および夕方以降の越前武生発田原町行きの列車は福井駅前駅を経由しない。

並行するJR北陸本線の福井駅 - 武生駅間は特急列車が概ね20 - 30分毎の運転である一方、普通列車は日中で毎時1本の運転となっており、本数面では優位に立っている。1998年11月30日のダイヤ改正で日中の列車がすべて各駅に停車するようになり、急行60分・普通30分間隔から普通20分間隔に改善された。

2004年10月1日のダイヤ改正では、朝に1往復のみ武生新駅(現在の越前武生駅) - 田原町駅間に運転されていた(田原町行きは休日運休)準急列車が廃止され、急行列車が新たに水落駅と準急停車駅だった西武生駅(現在の北府駅)・家久駅に停車するようになった。2006年4月1日のダイヤ改正で低床電車が導入され、朝7時台の武生新発田原町行き急行の増発と日中の武生新発田原町行きの福井駅前駅経由への変更が行われて利便性が向上した。同時にそれまで21時台だった終電が22時台に繰り下げられた。2007年12月16日からは武生新発9時 - 14時20分、福井駅前発10時 - 15時20分の列車は武生新駅 - 福井駅前駅間で運転され、市役所前駅でこの改正で新設された800形電車により20 - 40分間隔で運転される福井駅前駅 - 田原町駅間のシャトル便と接続するようになった(ただし1時間あたり3本のうち1本は接続していない)。

2010年3月25日のダイヤ改正では、急行のベル前駅停車およびシャトル便を廃止して越前武生駅(同日武生新駅から改称) - 田原町駅間の列車が福井駅前駅に立ち寄る運行形態への変更と、平日に限り福井駅前23時発となる田原町発越前武生行きの終電が増発された。

2011年3月20日の改正で、越前武生駅の始発が繰り上がり、福井駅前駅に6時台に到着するようになった。4月1日から平日に限り22時台に越前武生発田原町行きが増発された。

えちぜん鉄道との相互乗り入れ計画

福武線は2015年度よりえちぜん鉄道三国芦原線と相互乗り入れを行う予定で、2013年度より工事が開始される。乗り入れの目的は福井市を核とし鯖江市越前市坂井市あわら市の交通のネットワークの形成であり、利便性を高めるためである。田原町駅はえちぜん鉄道三国芦原線と福武線の共用駅となっているが、線路は繋がっていないため、現段階では直通運転は不可能である。

また、福井駅西口整備に伴い駅前線の延長も計画されており、これによって所要時間が延びることから、その対策として、市役所前駅を2回も通ることなく駅前線に乗り入れできるよう、大名町交差点の分岐部分から幸橋方面に短絡線を新設する、いわゆるデルタ線化も検討されている[1]

利用状況

輸送実績

従来は輸送量の減少が継続し、低床電車の導入やホームの嵩下げ等の施策によっても減少は続いたが、最近は鉄道事業再構築実施計画の着手・新駅開業等の施策により輸送量は増加に転じている。

収入実績

収入総合計額は年々減少していたが、最近の輸送量増加に伴い収入も増加に転じている。

営業成績

福武電気鉄道時代の輸送収支実績

施設

線形

軌道

  • 軌間は1067mmである。
  • 使用軌条(レール)は、本線では50Nレール(まれに30k, 37kレールもあり)が使用されている。
  • 枕木PC化する工事が進んでいる。

分岐器・転轍器

  • 分岐器は、8番・10番のものが用いられている。
  • 転轍器は、本線においては、1線スルー運転に必要な箇所については電気転轍機が使用されているが、それ以外の場所では発条転轍機(列車の車輪で分岐器を転換させバネの力で復位させる)も使用されている。
  • 乗越分岐器および安全側線が設置されている駅は無く、列車行き違い時の上下列車の駅構内同時進入は不可能である。このため行き違い可能な駅の手前で、どちらか一方の列車が徐行または停止する光景がよく見られる。

橋梁

  • 日野川橋梁(家久駅 - サンドーム西駅間)
  • 浅水川橋梁(鳥羽中駅 - 三十八社駅間)
  • 江端川橋梁(江端駅 - ベル前駅間)
  • 幸橋(公園口駅 - 市役所前駅間、道路併用橋) - 足羽川

車庫

北府駅構内

  • 車庫への入出庫のために、越前武生駅 - 北府駅間に回送列車が設定されている。

変電所

  • 上鯖江変電所・神明変電所・江端変電所・福井新変電所・田原町変電所の5箇所の変電所がある。
  • 田原町変電所は最近新設された。
  • 旧名鉄岐阜市内線の変電所の発生資材を用いて、各変電所の機器更新工事が実施されている。

電路設備

信号・連動装置・CTC

ATS

踏切

歴史

福武電気鉄道が今立郡神明村(現在の鯖江市三六町)にあった旧陸軍歩兵第36連隊の兵員輸送を名目に開業した。戦時下における交通企業統制で1945年に福井鉄道となる。1950年に本町通り駅 - 田原町駅間が開業。本町通り駅(2002年に幸橋架け替え工事に伴い廃止)側から福井駅前駅へ曲がっていた路線は、市役所前駅で田原町方面から分岐する形に付け替えられた。

  • 1920年(大正9年)9月2日:福武電気鉄道に対し鉄道免許状下付(南条郡武生町-福井市間)[2]
  • 1921年(大正10年)8月12日:福武電気鉄道株式会社設立[3]
  • 1924年(大正13年)2月23日:武生新駅(現在の越前武生駅) - 兵営駅(現在の神明駅)間が開業[4]
  • 1925年(大正14年)7月26日:兵営駅 - 福井新駅(現在の赤十字前駅)間が開業[5]
  • 1927年(昭和2年)
    • 6月5日:三十八社駅開業[6]
    • 10月5日:水落駅開業[6]。鯖浦電気鉄道(後の鯖浦線)乗換駅。
    • 10月29日:軌道特許状下付(足羽郡本田村-福井市日ノ出下町間)[7]
  • 1929年(昭和4年)8月13日:上鯖江駅(現在のサンドーム西駅)開業。
  • 1933年(昭和8年)10月15日:福井新駅 - 鉄軌分界点 - 福井駅前駅間が開業(軌道線)。
  • 1934年(昭和9年)5月1日:蒸気瓦斯倫動力併用認可[3]
  • 1935年(昭和10年)10月1日:鳥羽中駅開業。兵営駅 - 鳥羽中駅間の西鳥羽駅廃止[6]
  • 1939年(昭和14年)4月:兵営駅を中央駅に改称。
  • 1941年(昭和16年)4月1日:急行列車の運転開始。
  • 1945年(昭和20年)8月1日:福武電気鉄道が鯖浦電気鉄道などと合併、福井鉄道が発足。
  • 1946年(昭和21年)6月:中央駅を神明駅に改称。
  • 1950年(昭和25年)
    • 7月12日:花堂駅 - 福井新駅間 複線化。
    • 11月27日:大名町駅を本町通り駅(現在は廃止)に改称。本町通り駅 - 田原町駅間が開業。福井駅前駅へは市役所前分岐に変更。
  • 1959年(昭和34年)7月20日:鯖浦線との連絡線営業開始に伴い、水落駅を連絡線分岐位置に移転。
  • 1962年(昭和37年)4月1日:毛矢町駅を移転し公園口駅に改称、木田四ツ辻 - 公園口間の藤島神社前駅廃止[6]
  • 1964年(昭和39年)12月11日:裁判所前駅(現在の仁愛女子高校駅) - 田原町駅間の松本通駅廃止、裁判所前駅を田原町方に移転[6]
  • 1969年(昭和44年)9月1日:花堂駅 - 福井駅前駅 - 田原町駅間の区間運転系統廃止。
  • 1979年(昭和54年)10月3日:貨物営業廃止。
  • 1980年(昭和55年)4月10日CTC化完成。
  • 1987年(昭和62年)4月10日:下鯖江駅を西山公園駅に改称。
  • 1989年(平成元年)10月1日:花堂南駅開業。
  • 1993年(平成5年)4月15日:花堂南駅をベル前駅に改称。
  • 1997年(平成9年)9月20日:ハーモニーホール駅開業。
  • 1998年(平成10年)11月30日:昼間の急行列車を廃止。
  • 2000年(平成12年):西鯖江・神明・福井新駅の営業時間縮小。これにより終日有人駅は武生新駅のみとなる。
  • 2002年(平成14年)7月15日:公園口駅 - 市役所前駅間の本町通り駅廃止。
  • 2003年(平成15年)12月1日:市役所前駅 - 福井駅前駅間 一部単線化。
  • 2004年(平成16年)10月1日:準急列車を廃止。
  • 2006年(平成18年)
    • 1 - 3月:低床車両導入に伴う各駅(福井市内電停除く)のホーム切り下げ工事実施。および、田原町駅に変電所増設。
    • 4月1日:全線で低床車両運行開始。最終を30分ほど繰り下げ。
  • 2007年(平成19年)12月16日:昼間に福井駅前駅 - 田原町駅間のシャトル便を新設。
  • 2009年(平成21年)4月11日:上鯖江駅に副称「サンドーム」を制定。
  • 2010年(平成22年)3月25日:スポーツ公園駅開業。武生新駅を越前武生駅に、西武生駅を北府駅に、上鯖江駅をサンドーム西駅に、福井新駅を赤十字前駅に、裁判所前駅を仁愛女子高校駅に改称。福井駅前駅 - 田原町駅間のシャトル便を廃止しすべての列車が通し運転となる。
  • 2011年(平成23年)3月20日:泰澄の里駅、清明駅開業。

駅一覧

急行停車駅
●:停車、|:通過
普通列車は省略:各駅に停車
常駐駅員
◎:終日配置、○:早朝と深夜以外配置、△:日中のみ配置(曜日不規則)、集1:平日朝のみ配置(集札のみ)、集2:平日・土曜日朝のみ配置(集札のみ)、×:終日無人、※:イベント時のみ配置
便所
多:多目的水洗トイレ設置駅、通:通常の水洗トイレ設置駅
パークアンドライド
全:無料(全利用者対象)、制:無料(利用制限あり)、有:有料
レンタサイクル
□:無料レンタル自転車設置駅
線路
∥=複線区間、◇:単線区間(列車交換可能)、|:単線区間(列車交換不可)、∧=これより下は複線
駅名 駅間
キロ
営業
キロ
急行 常駐駅員 トイレ 駐車場 自転車 接続路線・備考 線路 駅周辺(代表的な施設) 所在地
越前武生駅 - 0.0   西日本旅客鉄道:北陸本線武生駅 アル・プラザ武生 越前市
北府駅 0.6 0.6 集1     信越化学工業
スポーツ公園駅 1.1 1.7 ×     家久スポーツ公園
家久駅 0.7 2.4 ×     武生商業高校
サンドーム西駅 1.7 4.1 ×     サンドーム福井 鯖江市
西鯖江駅 1.2 5.3     西山公園
西山公園駅 0.7 6.0       まなべの館
水落駅 1.3 7.3 ×     越前ポリマー
神明駅 1.2 8.5   三六温泉神明苑
鳥羽中駅 1.2 9.7 ×      
三十八社駅 1.2 10.9 ×     ヤマダ電機 福井市
泰澄の里駅 1.2 12.1 ×        
浅水駅 0.9 13.0   足羽高校
ハーモニーホール駅 0.8 13.8 ×       ハーモニーホールふくい
清明駅 1.1 14.9 ×       さくら千寿病院
江端駅 0.6 15.5 ×      
ベル前駅 0.6 16.1     ショッピングシティベル
花堂駅 0.8 16.9 ×     日本通運福井支店
赤十字前駅 0.9 17.8     福井赤十字病院
鉄軌分界点 0.3 18.1            
木田四ツ辻駅 0.3 18.4 ×         福井保健所
公園口駅 0.5 18.9 ×         足羽山公園
市役所前駅 0.7 19.6
[* 1]
       
[* 2]
福井市役所
福井駅前駅 0.5 20.1 ×       西日本旅客鉄道:北陸本線(福井駅
えちぜん鉄道:勝山永平寺線(福井駅)
西武福井店
仁愛女子高校駅 0.6
[* 3]
20.2 集1         福井地方裁判所
田原町駅 0.7 20.9 集2     えちぜん鉄道:三国芦原線
[* 4]
フェニックス・プラザ

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かつての接続路線

福武線で撮影された映像作品

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

参考文献

  • 今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図帳 6号 北信越』新潮社、2008年、p.25 - 主に駅の改廃

関連項目

外部リンク

テンプレート:日本の路面電車
  1. テンプレート:PDFlink - 福井鉄道福武線活性化連携協議会・えちぜん鉄道活性化連携協議会、2013年8月
  2. 「鉄道免許状下付」『官報』1920年9月3日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  3. 3.0 3.1 『地方鉄道及軌道一覧 昭和10年4月1日現在』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  4. 「地方鉄道運輸開始」『官報』1924年2月29日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. 「地方鉄道運輸開始」『官報』1925年8月6日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  6. 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図帳 6号 北信越』新潮社、2008年、p.25
  7. 「軌道特許状下付」『官報』1927年11月4日(国立国会図書館デジタルコレクション)


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