神戸電鉄5000系電車

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テンプレート:鉄道車両 神戸電鉄5000系電車(こうべでんてつ5000けいでんしゃ)は、神戸電鉄(神鉄)が保有する通勤形電車

概要

1994年から2000系をベースに、制御装置をVVVFインバータ制御とした車両で、老朽化した初期高性能車両を置き換えるために製造された。

  • 4両編成で、全電動車方式
  • 地下鉄等相互乗り入れを想定しない山岳鉄道としては、南海高野線ズームカーと並び最高速度100km/h、起動加速度は3.0km/h/sと高性能を有している(これは加速度が高い方が登坂性能が高い為)。また他の形式と比べ高い性能を有するため、ダイヤによっては若干の早着になることや、他の形式での運用だと延着が多い運用でも当形式を使用すれば定刻になることもある。
  • 路線マップを併用したLED式車内案内表示装置を、各車とも千鳥状に3台設置
  • 各車両に車椅子スペースを設置
  • ワンマン運転対応(2002年から改造で取り付け)[1]
  • この車両はデ1000形以来の回生ブレーキ車で、定速運転装置が取りつけられている。
  • ゴールデンオリーブ色のシート、木目調の壁などの内装や窓枠の形は他の神鉄車両と同様、親会社である阪急電鉄の車両と近似している。

編成

5000形制御電動車 (cM・M'c) と5100形中間電動車 (M・M') からなる全車電動車の4両編成で、有馬方から cM-M'-M-M'c の順に編成される。奇数車 (cM・M) には三菱電機製のVVVFインバータが、偶数車 (M'c・M') には静止形インバータ (SIV) ・電動空気圧縮機 (CP) ・蓄電池 (BT) が搭載されている。パンタグラフ (PT) は奇数車の神戸寄り車端部に付けられている。

主要機器

制御装置・主電動機

神戸電鉄初のGTOサイリスタによる電圧型PWM・VVVFインバータ装置MAP-128-15V43を5000形奇数車 (cM) と5100形奇数車 (M) に搭載、制御単位は1C8Mである。回生・発電ブレーキを装備(詳細は後述)。定速運転機能を有しており、4ノッチスイッチ投入と運転台の定速運転スイッチ押下により動作、力行時2ノッチ以上・40km/h以上、抑速時1ノッチ以上45km/h以上で定速運転スイッチを押下すると押下時の速度を保ち、マスコン・常用ブレーキ操作、非常ブレーキ操作で解除される。主電動機は自己通風式の三相かご形誘導電動機MB-5057A (120kW) を採用。平行カルダン駆動方式を採用し、歯車比は7.07である。

台車

2000系と同様の軸梁式だが、使用電動機が変わったため別形式のKW-68を装着する。

集電装置

2000系と同様のPT-4808-B-M下枠交差型パンタグラフを採用している。5000形奇数車 (cM) と5100形奇数車 (M) の神戸方の屋根上に搭載している。

ブレーキ

MBSA形電気指令式電磁直通ブレーキを採用。VVVF制御により神鉄ではデ1000形以来の回生制動を採用。また、回生制動の失効対策として発電制動用のブレーキ抵抗器を設置し、電気ブレーキの二重系を図っている。VVVF制御の本形式では調整が難しいことや、各種機器の信頼性向上により、非常電制の設備は省略された。保安ブレーキも併せて装備する。

補助電源・空気圧縮機

補助電源装置は2000系と同様の100kVAのNC-FAT100C静止形インバータを採用。電動空気圧縮機はC-2000電動空気圧縮機を採用。吐出容量は毎分2100リットルである。これら補機類は5000形偶数車 (M'c) と5100形偶数車 (M') に搭載する。

運用

公園都市線を除く神鉄各線で特快速から普通まで運用されているが、公園都市線では臨時輸送で入線した実績もある。また、粟生線志染駅以西は2001年のダイヤ改正から運用を開始した。

在籍数

2005年6月現在、4両編成10本の40両が在籍し、神戸電鉄で最大の両数となっている。

ラッピングトレイン

5001編成は2012年3月25日より、粟生線活性化協議会での取り組みの一環としてラッピングトレイン「HAPPY TRAIN☆」を走らせている。これは神戸芸術工科大学の学生から作品を募集し、推奨作3点より一般投票でデザインを決定したものである。なお、この5001編成は座席モケットが神戸電鉄のマスコットキャラクターなどが描かれたものとなり、車内照明にLEDを使用している。

脚注

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参考文献

  • 『鉄道ピクトリアル No.711 2001年12月臨時増刊号』、電気車研究会、2001年

外部リンク

テンプレート:Sister

テンプレート:神戸電鉄の車両

  1. 建造当初はワンマン運転の公園都市線以外で使用するため (当時は公園都市線以外はツーマン運行。後に有馬線末端部:有馬口 - 有馬温泉間 (2001.6.23) から粟生線:新開地 - 粟生間 ('04.1.11)、有馬・三田線:新開地 - 三田間 ('05.6.1) の順にワンマン運転に移行)。ワンマン設備は準備工事に止められていた。(ワンマン改造後の現在もOM3両編成で運用の公園都市線以外の運用に就く。)